【完結】遊戯王ARC-V~遊の力を矢に束ね~   作:不知火新夜

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71話_始まりは終わり、そして伝説は動き出す…!

「流石は伝説の存在として名高き赤き竜に、その現身、凄まじき威圧感だ…!

だが俺は、その伝説を越えて見せよう!俺のターン、ドロー!

まずは俺のフィールドにモンスターが存在しない事で『E―HEROヘル・ブラット』を攻撃表示で特殊召喚!」

 

E―HEROヘル・ブラット

効果モンスター

闇属性

悪魔族

レベル 2

攻撃力 300

 

究極幻神アルティミトル・ビシバールキン 攻撃力 3000→4000

 

俺が呼び出した赤き竜達、その姿に怯むどころか気迫に火を付けたように立ち向かう決意を見せたジャックが最初に呼び出したのは、蝙蝠の様な翼を背中と頭から生やしたヒーロー、ヘル・ブラット。

 

「次にお前のフィールドにモンスターが存在する事で、ヘル・ブラット1体のみをリリースしてアドバンス召喚!邪悪に堕ちた英雄よ、その研ぎ澄まされた刃で立ちはだかる者を切り捨てるが良い!『E―HEROマリシャス・エッジ』!」

 

E―HEROマリシャス・エッジ

効果モンスター

地属性

悪魔族

レベル 7

攻撃力 2600

 

そのヘル・ブラットと入れ替わらせる様に呼び出したのは、某アメコミヒーローの様に両腕から鉄爪を生やし、身体の至る所にスパイクベルトを装着したヒーロー、マリシャス・エッジ。

 

「ヘル・ブラットをリリースしてマリシャス・エッジをアドバンス召喚した事で、俺はエンドフェイズのドローが約束された!

続いて手札にある2枚目のマリシャス・エッジを墓地へ送って魔法『ワン・フォー・ワン』発動!」

 

ワン・フォー・ワン(制限カード)

通常魔法

1:手札からモンスター1体を墓地へ送って発動出来る。手札・デッキからレベル1モンスター1体を特殊召喚出来る。

 

「ワン・フォー・ワンの効果で、デッキから『バリア・リゾネーター』を守備表示で特殊召喚!」

 

バリア・リゾネーター

効果モンスター/チューナー

光属性

悪魔族

レベル 1

守備力 800

 

究極幻神アルティミトル・ビシバールキン 攻撃力 4000→5000

 

『レベル7とレベル1チューナー、来るぞ遊矢!』

 

そうだなアストラル、ジャックのエースである『レッド・デーモンズ・ドラゴン』のレベルは8、となればシンクロ召喚しない方がおかしい。

そう思った俺の視界に、右手に音叉、左手に音叉を叩く棒を持ち、背中に2本の角を生やした様な形状の機械を背負った悪魔、バリア・リゾネーターが姿を現した。

 

「俺はレベル7のマリシャス・エッジに、レベル1のバリア・リゾネーターをチューニング!王者の咆哮、今天地を揺るがす」

 

ん?何か口上が違う様な…

 

「唯一無二なる覇者の力をその身に刻むが良い!シンクロ召喚、レベル8!荒ぶる魂『レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト』!」

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト

シンクロ・効果モンスター

闇属性

ドラゴン族

レベル 8

攻撃力 3000

 

究極幻神アルティミトル・ビシバールキン 攻撃力 5000→4000

 

『あの伝説のデュエリスト、不動遊星が生まれ変わった遊矢選手と、彼が呼び出した赤き竜、及びその現身を前にしてもジャック選手、怯む事がありません!これがデュエリストスターの底力でしょうか!最早鉄壁とも言えるパターンで、決闘竜の一角『琰魔竜レッド・デーモン』をモチーフにしたと思われるドラゴン、レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライトをシンクロ召喚しました!』

 

だけど出て来たのはレッド・デーモンズ・ドラゴンだよな、属性も種族も、レベルも攻撃力も一緒だし…

でも何か、ズタボロになっていないか…?

 

「スカーライトの効果発動!」

 

何、このタイミングで発動する効果!?

 

「スカーライトを下回る攻撃力を持つ、特殊召喚された効果モンスターを全て破壊する!その後、その効果で破壊したモンスター×500のバーンダメージを、お前に与える!」

 

うわ何だその強力な全体破壊効果!?

不味いな、赤き竜の現身は効果破壊耐性を持っている(尤も、攻撃力を上回っているから効果の範囲外だけどな)が、赤き竜のシンクロモンスターが存在する時の耐性はあくまで『対象を取らない』だけ、しかもそれが災いして、スターダストによる破壊耐性付加効果の対象に取れない!

だったら、

 

「それにチェーンしてスターダストの効果発動!

スターダストは1回だけ、効果では破壊されない!波動音壁(ソニック・バリア)!」

「ならば改めて、スカーライトの一撃を喰らえ!アブソリュート・パワー・フレイム!」

「っ!」

 

Yuya LP 4000→3500

究極幻神アルティミトル・ビシバールキン 攻撃力 4000→3000

 

『おぉっと!赤き竜が、スカーライトが放つ業火の前に消え去った!ジャック選手、伝説に挑むという会見の時の言葉は伊達では無いと言う事でしょうか!』

 

赤き竜の現身は勿論、スターダストも自らが生成したバリアで身を守ったが、赤き竜はジャックのスカーライトが放つ灼熱のブレスによって姿がかき消されてしまった。

なんかあのスカーライトだっけ、ズタボロになった癖して、元のレッド・デーモンズ・ドラゴンより強力になっていないか?

 

「更に『シンクローン・リゾネーター』を守備表示で特殊召喚!このカードはシンクロモンスターがフィールドにいれば特殊召喚出来る!」

 

シンクローン・リゾネーター

効果モンスター/チューナー

闇属性

悪魔族

レベル 1

守備力 100

 

究極幻神アルティミトル・ビシバールキン 攻撃力 3000→4000

 

そんな俺のちょっとした疑問を他所に新たに登場したのは、左手に音叉、右手に音叉を叩く棒を持ち、何か名状しがたい形状のオブジェを背負った悪魔、シンクローン・リゾネーター。

此処でチューナーを出して来たと言う事は『スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン』をシンクロ召喚するつもりだろう、が、

 

「その特殊召喚成功時、私は赤き竜の現身の力を解放する!」

「何、このタイミングで発動する効果だと!?」

「これは1ターンに1度、自分か相手のメインフェイズに解放出来る!お互いのフィールドに同じ数だけ『邪眼神トークン』を可能な限り、守備表示で生成する!

今、私とお前のフィールドには共に3つ、モンスターゾーンの空きがある!よって3つずつ、邪眼神トークンを生成する!

この効果を発動するターン、赤き竜の現身は攻撃出来ないが、相手ターンであれば問題無い!」

「なっ!?くっ!」

 

邪眼神トークン

闇属性

悪魔族

レベル 1

守備力 0

 

究極幻神アルティミトル・ビシバールキン 攻撃力 4000→10000

 

『皆さん、ご覧ください!赤き竜の現身、その攻撃力が驚異の10000となりました!何とも凄まじい値、流石は伝説に聞こえし赤き竜、その現身という事でしょう!』

 

そうは問屋が卸さないってね!

ジャックがシンクローン・リゾネーターを出したのに合わせて、俺とジャック、互いのモンスターゾーンに一つ目のモンスターが3体生み出された。

これで互いにモンスターゾーンは満杯、例えジャックの手札に『クリエイト・リゾネーター』がいたとしても出す事は出来ない、

 

「だがこの俺が対処出来ないと思ったら大間違いだ!

俺はレベル1の邪眼神トークン3体に、レベル1のシンクローン・リゾネーターをチューニング!王者の波動、今世界に響き渡る。新たなる進化を音に聞け!シンクロ召喚、レベル4!『波動竜フォノン・ドラゴン』!」

 

波動竜フォノン・ドラゴン

シンクロ・効果モンスター/チューナー

闇属性

ドラゴン族

レベル 4

攻撃力 1900

 

究極幻神アルティミトル・ビシバールキン 攻撃力 10000→7000

 

と思っていた時期が俺にもありました。

ジャックは自分のフィールドに生成された邪眼神トークンを逆に利用し、身体が音響粒子で出来たドラゴン、フォノン・ドラゴンをシンクロ召喚して来た。

 

「シンクロ召喚したフォノン・ドラゴンの効果発動!

それにチェーンして墓地へ送られたシンクローン・リゾネーターの効果発動!

まずはシンクローン・リゾネーターの効果で、俺の墓地にあるバリア・リゾネーターを手札に加える!」

 

しかもシンクローン・リゾネーターの効果でバリア・リゾネーターが回収されたか、これじゃあ次のターンで赤き竜の現身でフォノン・ドラゴンを殴って勝利、が出来ないな。

 

「次にフォノン・ドラゴンの効果でこのカードのレベルを1にする!」

 

波動竜フォノン・ドラゴン レベル 4→1

 

おまけにフォノン・ドラゴンのレベルを1まで下げたか、こりゃあ本気で『クリエイト・リゾネーター』を握っていたか、他にレベル3チューナーを持っているかで、次のターンに意地でも『スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン』を出すつもりだな。

 

「バトルフェイズに入る!まずはフォノン・ドラゴンで邪眼神トークンを攻撃!」

 

波動竜フォノン・ドラゴン 攻撃力 1900 VS 邪眼神トークン 守備力 0

 

究極幻神アルティミトル・ビシバールキン 攻撃力 7000→6000

 

「次にスカーライトでスターダストを攻撃!灼熱のクリムゾン・ヘル・バーニング!」

「くっ!」

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト 攻撃力 3000 VS 閃珖竜スターダスト 攻撃力 2500

 

Yuya LP 3500→3000

究極幻神アルティミトル・ビシバールキン 攻撃力 6000→5000

 

「俺はこれでターンエンド!

エンドフェイズにヘル・ブラットの効果で、ドロー!」

『ジャック選手、未だ健在の赤き竜の現身が持つ力を前にしても、一歩も引きません!』

 

Jack

LP 4000

手札 2

モンスター レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト(攻撃表示)

      波動竜フォノン・ドラゴン(攻撃表示)

魔法・罠カード なし

 

「私のターン、ドロー」

 

これは…!

よし、行くか!

 

「私は今引いた魔法『貪欲な壺』発動」

 

貪欲な壺(制限カード)

通常魔法

1:自分の墓地のモンスター5体を対象として発動出来る。そのモンスター5体をデッキに加えてシャッフルする。その後、自分はデッキから2枚ドローする。

 

「私は墓地のアセトドラゴン、ネフテドラゴン、シユウドラゴン2体、そしてラブラドライドラゴンをデッキに戻してシャッフルし、2枚ドロー」

 

此処でこのカード達か、『スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン』をデュエルで見るのは後にしろって訳だな。

 

「私は今引いた魔法『召集の聖刻印』発動」

 

召集の聖刻印

通常魔法

デッキから『聖刻』と名の付いたモンスター1体を手札に加える。

 

「召集の聖刻印の効果で、デッキからアセトドラゴンを手札に加え、そのまま妥協召喚」

 

聖刻龍―アセトドラゴン

効果モンスター

光属性

ドラゴン族

レベル 5

攻撃力 1000

 

究極幻神アルティミトル・ビシバールキン 攻撃力 5000→6000

 

「これで最後だ、ジャック・アトラスよ!今召喚したアセトドラゴンをリリースし、シユウドラゴンを攻撃表示で特殊召喚!」

「何っ!?」

 

聖刻龍―シユウドラゴン

効果モンスター

光属性

ドラゴン族

レベル 6

攻撃力 2200

 

『あぁっとぉ!遊矢選手が引き当てたのは先程の大量展開を繰り広げた聖刻モンスター達!そして観客の皆さん、赤き竜の現身の力は、モンスターが多ければ多い程発揮します!つまり…!』

「リリースされたアセトドラゴンの効果発動!デッキからラブラドライドラゴンを守備表示で特殊召喚!」

 

ラブラドライドラゴン

通常モンスター/チューナー

闇属性

ドラゴン族

レベル 6

守備力 2400→0

 

究極幻神アルティミトル・ビシバールキン 攻撃力 6000→7000

 

『赤き竜の現身の、今の攻撃力は7000!スカーライトの上からでもジャック選手を一撃で捻じ伏せる数値です!ジャック選手、万事休す!』

「やはり伝説に聞こえしデュエリストの実力は全くさびていないと、赤き竜、その現身の力は伊達では無いと言う事か!だがこのジャック・アトラス、逃げも隠れもせん!さあ、全力で来るが良い!」

「ではバトルフェイズに入る!行け、赤き竜の現身よ!天撃『天聖雷撃(マヤクール・カクター)』!」

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

究極幻神アルティミトル・ビシバールキン 攻撃力 7000 VS レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト 攻撃力 3000

 

Jack LP 4000→0 LOSE

 

WINNER Yuya

 

『伝説は再び舞い降りた!遊矢選手、流石はあの不動遊星の生まれ変わりと言わんばかりの実力で、デュエリストスターであるジャック選手を下しました!ジャック選手、互角に立ち回りましたが一歩及ばず!流石に伝説の壁は厚すぎたか!』

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

「不動遊星様、バンザーイ!」

「流石は創世主様、素晴らしきデュエルです!」

 

ジャックとのデュエルに勝利した俺に向けられる、恐らくは『不動遊星の生まれ変わり』としての俺を称賛した声援に応えつつ、俺はフィールドを後にした。

 

------------

 

「遊矢、素晴らしきデュエルだった。流石は俺の前世でのライバル、実力は健在の様だな!今回は圧倒されはしたが、次は負けんぞ!」

「ありがとうなジャック、良いデュエルだった。だけど次も勝たせて貰うぜ!」

 

フィールドを後にし、控室に戻った俺とジャック、さっきは観客の目とかあったので此処で改めて先程のデュエルを称え合った。

いやぁやっぱり、ライバルとのデュエルは良い物だな。

これが、ランサーズの活動を円滑にする為のプロパガンダという背景が無ければより面白い物になれたんだけどな…

まあそれは良いとして、そろそろかな?

 

「榊遊矢様、いや、不動遊星様とお呼びした方が宜しいでしょうか?」

「む、どうやら来た様だな。ならば俺はこれで帰るとしよう」

「ああ、それじゃあ」

 

ノックと共にドアの向こう側から聞こえて来た、俺を呼ぶ声、それにジャックは応じる様に反対側のドアから出て行った。

さあ、行きますか。

 

「はい、私ですが」

「行政評議会の使いの者です。少々お時間宜しいでしょうか?」

「ええ、構いませんよ」


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