【完結】遊戯王ARC-V~遊の力を矢に束ね~   作:不知火新夜

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今話から再び、コラボ話を書いて行きます!
今回は、AMsさんが投稿している『遊戯王ARC-V 次元漂流者』とのコラボです。

尚今回の話は、42~44話の間の出来事です。


Ex7話_遭遇!並行世界からのデュエリスト

「全員集まった様だな。個々の試合等で忙しかった所での呼び出し、済まない」

「いえ。この街にテロリストが侵入したと聞いたら、そうも言っていられませんから」

「遊矢の言う通りだぜ、社長さンよ。まァ無駄話はこの辺にして、早く報告してくれや」

「分かった。ではセレナに一美、報告を頼む」

「分かっている…」

「了解しました…」

 

零児からの『テロリスト出没』という火急の呼び出し、それに応じて俺とARC-Vメンバーは、零児達がスタンバイしていたレオ・コーポレーションの会議室に集結した。

その中の1人である一行の催促に従うままに零児が報告を求めた、『融合次元の柚子』ことセレナと、彼女の護衛として一緒にこの世界へとやって来たアカデミアのデュエリスト、聖沢一美、だけど零児に求められるままに起立した2人の顔には、何処か憔悴の色が浮かんでいた。

件のテロリストと間近で遭遇し、そしてこの世界に来る際に連れて来たもう1人の護衛であるバレットを目の前で射殺されたんだ、恐怖、憤怒、憎悪、とにかく色んな感情が渦巻いているに違いない。

 

「まず、テロリストの外見的な特徴なんだが、髪と眼は真っ赤で、黒っぽいスーツの上に黒のコートを羽織っていた。銃声の様な物の直後にバレットが撃ち抜かれた事を考えると、何か銃の様な物を所持しているに違いない…」

「その直後に私達の前へと姿を現したのですが、其処で私達の事を『融合次元のクズ共』と呼んでいました。恐らくテロリストは、4つの次元の事を知っていて尚且つ、私達融合次元のデュエリストに対して相当な恨みを持っていると思われます。もしかしたら、エクシーズ次元のデュエリストかも知れません。私達がやっている事は、やはり…」

 

そんな様子でありながらも、2人はテロリストの特徴を話してくれたが、その中で一美は特に、沈痛な面持ちだった。

アカデミアが行っている各次元への侵略、アカデミアに属する存在であっても、その方針に関して思う所のあるデュエリストはいるのかも知れないな。

 

「それで、他にそのテロリストとの遭遇に関する変わった事は無かった?例えば、遭遇前後で何か異変があったとか…」

「あ、そうだ!そのテロリストと遭遇する少し前の事だ。私はとあるデュエリストにデュエルを挑んだんだが、その瞬間に周りの空間が真っ白と化し、私達以外が全く動けなくなるという、不可解な現象が発生したんだ」

 

周りの空間が真っ白?セレナ達以外が全く動かなくなる?カイトに付き従っていたロボット『オービタル7』みたいな奴がテロリストと手を組んでいるのか?いや流石にそれは考えすぎか…?

と、考えていたら、

 

「社長、緊急事態です!舞網市にて、次元転送の反応が!」

「何!?中島、詳しい話を聞かせろ。テロリストとの関係性もあるかも知れない、皆も聞いて貰いたい」

 

零児の秘書である中島さんが、次元転送の反応をキャッチしたと言う報告を持って来た。

次元転送の反応、零児の言う通りテロリストとの繋がりも考えられる、急いで捜索しないと…!

 

「はい。たった今、舞網市において次元転送の反応をキャッチしました。大まかな地点は既に把握しておりますが、詳細は現在特定中です」

「分かった。その次元転送した存在が件のテロリストとの繋がりがあるとも考えられる。直ぐに捜索メンバーを派遣しろ」

「はっ!直ぐに向かわせます!」

 

一通りの報告を終え、零児からの指示を受けて中島さんは去って行った。

それを見やるや否や、

 

「さて諸君。聞いていた通り、この舞網市で次元転送の反応をキャッチした。テロリストの繋がりが考えられる以上、早急な対応が必要だ。今しがた中島に捜索メンバーの派遣を指示したが、遊矢、それとARC-Vメンバー諸君にも、同じくその地点への捜索をお願いしたい。良いだろうか?」

「「「「「「了解!」」」」」」

「零児、私もその捜索メンバーに」

「セレナ様、テロリストの標的が私達融合次元のデュエリストである以上、無闇に動くのは危険です!此処は彼らの実力を信じましょう!」

「一美、しかし…!」

 

俺達にそう言い渡した。

勿論、それを受けない理由は無い!

…同行を言い出しているセレナの対応は一美に任せて置くとしよう。

 

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Side エレン

 

「中島さんの報告によると、この近辺から反応をキャッチしたそうだが…

む?この感じ、カードの精霊か?いや、何か違う様だが…」

 

赤馬の兄ちゃんの秘書だと言っていた中島のおっさんからの報告で挙がった、何というか如何にも路地裏、と言わんばかりの場所へと来た俺達、もしかしたら『融合次元の柚子姉ちゃん』ことセレナ姉ちゃん達に襲い掛かったテロリストと関係がある奴かも知れねえからと『覇王の力』を解放していた遊矢兄ちゃんが、ふとそんな事を呟いた。

テロリスト関係かどうかまでは分からないけど、どっちみちヤバそうな奴が来ちゃったか…

とはいえ、俺もARC-Vメンバーの1人なんだ、これ位で躊躇していられっかよ!

 

「む?何処かへと移動している様だな。このまま振り切られると厄介だ。当麻、一行、エレン、3人は向こう側へ回り込んでくれ。俺達は正面から件の存在を追う。挟み撃ちにしよう。ユベル、3人の道案内を頼む」

「勿論さ、遊矢」

「了解だぜェ、遊矢!」

「OK、遊矢兄ちゃん!」

「分かった。そっちも頼むぞ!」

「よし、行くぞ!」

 

遊矢兄ちゃんの指示で、俺は当麻兄ちゃん、一行兄ちゃんとユベルで、裏の道を走り出した。

 

「当麻、エレン、デュエルアンカーの準備は出来てっかァ?」

「勿論、分かっているさ!」

「準備万端だぜ!」

 

その途上で一行兄ちゃんが聞いて来た装備の確認、それも怠らない。

もし相手がテロリストで、この場を強行突破しようとして来たらやばい、俺達はデュエリストとしての実力は兎も角、リアルファイトとなると自信は無い(俺自身が小学5年のガキだしな)、抑え込むためにも遊矢兄ちゃんがデュエルディスクを改造して取り付けてくれたこのデュエルアンカーは欠かせねぇ。

 

「皆、どうやら遊矢達が件の存在と遭遇したみたいだよって、あ、逃げた!皆、こっちの道を行こう!」

「分かった、ユベル!」

「ったく、逃げ足のはえェ奴らだぜ!」

「うん、こっちだな!」

 

と、その時、ユベルを通じて遊矢兄ちゃんたちが件の連中と遭遇した事、その連中が即座に逃げ出した事を言われた。

これはクロだと思って良いかも知れないな、覚悟しやがれ!

 

「皆、アイツらだよ!」

「しゃァ!見つけたぜェ!」

「大人しくこっちに来て貰うぜ!」

「逃がさねぇぜテロリスト共!」

「くっ!こっちもか!」

 

ユベルの声に前を向くと其処には、恐らく遊矢兄ちゃん達から逃げていた存在であろう3人組の姿があった。

1人は俺位の女の子かな?2人目は赤馬の兄ちゃんと同じ位の赤毛の兄ちゃん、で最後の1人はなんかスケボーみたいな物に乗った紫髪の女の子。

まさか俺とそんなに変わらないコイツらがテロリスト…?

いや、それを言ったらアカデミアもセレナ姉ちゃんと同い年位のデュエリストがデュエル戦士として各次元に侵略しているんだし、可笑しくは無い、な!

 

「囲まれちまったぞ!どうすんだ、海音!っておい、海音!?」

「はっ!?す、すまん櫂!とにかくここから逃げるぞ!」

「こっちです、こっちから逃げましょう!」

 

あっ逃げられちまう!

 

「「「逃がすか(ヒュン!)!」」」

「(ガチャァ!)な!?なんだよ、コレ!?」

「(ガチャァ!)くっ!?これは、デュエルアンカー!?」

「(ガチャァ!)な、なんですかコレ!?外れないです!」

「お、実戦で初めて使ったにしては良い線いっているじゃないか」

 

よし、捕縛成功っと!

俺達が一斉に発射したデュエルアンカー、俺の分は海音と呼ばれた女の子、一行兄ちゃんの分は櫂と呼ばれた兄ちゃん、そして当麻兄ちゃんの分は残った1人の女の子、其々のデュエルディスクに食いついた。

これでコイツらは俺達とのデュエルが終わらない限り逃げる事は出来ない!

 

「其処か!って、エレン達が既に捉えていたか。よし、当麻、一行、エレン!俺と柚子、権現坂は周辺の捜索を続ける!お前達は、

 

奴等をデュエルで拘束せよ!」

「「「了解!」」」

 

そのすぐ後に到着し、状況を確認した遊矢兄ちゃん達は、俺達に指示を飛ばしつつこの場を去った。

任してくれよ、遊矢兄ちゃん!

 

「よしっ!腕がなるぜ!」

「覚悟しなァ!侵入ゥゥゥゥ者くゥゥゥゥン!」

「行くぜ、テロリスト共!」

「エレン、まだテロリストって決まった訳じゃ無いから…」

「くっ!本当は揉め事にしたくないが!」

「まっこうなったらしょうがないか」

「そうですね!」

 

ユベルが何か言っているみたいだけど、どの道デュエルで倒して捕まえてやるぜ!

 

「気を付けろよ、こいつらは間違いなく強いはずだ!」

「おれはどんな相手でも全力で戦うだけだ!」

「いきます!」

「「「「「「デュエル!」」」」」」


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