【完結】遊戯王ARC-V~遊の力を矢に束ね~   作:不知火新夜

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56話_少女の覚悟~魔女の侵略~

「次は私ね。行くわよ、柚子」

「負けませんよ、アキさん!」

 

明日香さんに勝利し、幸先良いスタートとなった4連戦、次の相手は『遊戯王5D’sの世界』での遊矢と一緒にいた十六夜アキさん。

確かアキさんも、遊矢と同じく『赤き龍』に選ばれしデュエリスト『シグナー』の1人で、赤き龍に仕えていたドラゴンの一角『ブラック・ローズ・ドラゴン』というシンクロモンスターをエースとしていたのよね。

その効果は、シンクロ召喚成功時に発動される『カードの』全体破壊効果と、墓地の植物族モンスター1体を除外する事で発動出来る弱体化効果、この2つ。

となると…

 

「「デュエル!」」

 

先攻 Yuzu LP 4000 VS 後攻 Aki LP 4000

 

「私の先攻!」

 

よし、この初手なら行ける!

 

「早速行きます!魔法『融合』発動!」

「いきなり融合!?凄まじいドロー力ね…」

 

融合

通常魔法

1:自分の手札・フィールドから、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 

「手札の『幻奏の音女アリア』と『幻奏の音女エレジー』を融合!

響き渡る歌声よ!悲哀の旋律よ!タクトの導きにより力重ねよ!融合召喚、今こそ舞台へ!『幻奏の音姫マイスタリン・シューベルト』!」

 

幻奏の音姫マイスタリン・シューベルト

融合・効果モンスター

光属性

天使族

レベル 6

攻撃力 2400

 

「次に、私のフィールドに『幻奏』モンスターがいるので、『幻奏の音女ソナタ』を守備表示で特殊召喚します!」

 

幻奏の音女ソナタ

効果モンスター

光属性

天使族

レベル 3

守備力 1000→1500

 

幻奏の音姫マイスタリン・シューベルト 攻撃力 2400→2900

 

「特殊召喚されたソナタがフィールドに存在する限り、私のフィールドにいる天使族モンスターの攻守は500アップします!

カードを1枚セットして、ターンエンド!」

 

Yuzu

LP 4000

手札 0

モンスター 幻奏の音姫マイスタリン・シューベルト(攻撃表示)

      幻奏の音女ソナタ(守備表示)

魔法・罠カード セット

 

私のフィールドにはマイスタリン・シューベルトと、緑を基調とした髪型、青をベースとしたドレスを身に着けた幻奏の音女、ソナタの2体。

そしてセットしたカードは『アレ』、これでブラック・ローズ・ドラゴンの効果に対処できる!

 

「行くわよ、私のターン!ドロー!

まずは手札の『薔薇恋人(ラヴァー)』を墓地へ送って魔法『ワン・フォー・ワン』発動!」

 

ワン・フォー・ワン(制限カード)

通常魔法

1:手札からモンスター1体を墓地へ送って発動出来る。手札・デッキからレベル1モンスター1体を特殊召喚する。

 

む、今墓地へ送られた薔薇恋人って確か、墓地から除外する事で植物族モンスターを手札から特殊召喚する効果を持っていたわね、そしたら、

 

「ワン・フォー・ワンの効果で、デッキから『グローアップ・バルブ』を守備表示で特殊召喚!」

 

グローアップ・バルブ(制限カード)

効果モンスター/チューナー

地属性

植物族

レベル 1

守備力 100

 

グローアップ・バルブって、アキさん、えげつないチューナーをデッキに入れているわね…

と、ひいている場合じゃ無い、使うならこのタイミングよ!

 

「グローアップ・バルブの特殊召喚成功時に、マイスタリン・シューベルトの効果発動!

アキさんの墓地から薔薇恋人とワン・フォー・ワンを除外して、マイスタリン・シューベルトの攻撃力を400アップします!」

「墓地メタ効果を持っていたとは、これは厄介ね…」

 

幻奏の音姫マイスタリン・シューベルト 攻撃力 2900→3300

 

よし、これで植物族上級モンスターの特殊召喚は阻止できた、筈。

 

「本当だったらもう少し動けていたけど、贅沢は言っていられないわね。

『ローンファイア・ブロッサム』を召喚!」

 

ローンファイア・ブロッサム

効果モンスター

火属性

植物族

レベル 3

攻撃力 500

 

「今召喚したローンファイア・ブロッサムをリリースして効果発動!

デッキから『ギガプラント』を攻撃表示で特殊召喚!」

 

ギガプラント

効果モンスター/デュアル

地属性

植物族

レベル 6

攻撃力 2400

 

あ、あれ?

アキさんが召喚した、爆弾に蔦が生えた様なモンスターが、爆発しながらタネみたいな物を発射したら、それが、植物がゴジラと化した様な姿のモンスターへと変貌した。

ま、まあでもデュアルモンスターらしいギガプラントの効果を使わせなかった、と考えればOKかな。

とはいえ、これでアキさんのフィールドにいるモンスターの合計レベルは7、来る…!

 

「私は今出した、レベル6のギガプラントに、レベル1のグローアップ・バルブをチューニング!

冷たい炎が世界の全てを包み込む。漆黒の花よ、開け!シンクロ召喚!現れよ、『ブラック・ローズ・ドラゴン』!」

 

ブラック・ローズ・ドラゴン

シンクロ・効果モンスター

炎属性

ドラゴン族

レベル 7

攻撃力 2400

 

来た、アキさんのエースカード、ブラック・ローズ・ドラゴン…!

 

「シンクロ召喚したブラック・ローズ・ドラゴンの効果発動!

フィールド上のカードを全て破壊するわ!ブラック・ローズ・ガイル!」

「なら、それにチェーンして速攻魔法『融合解除』発動!」

 

融合解除

速攻魔法

フィールド上の融合モンスター1体を選択してエクストラデッキに戻す。更にエクストラデッキに戻したそのモンスターの融合召喚に使用した融合素材モンスター1組が自分の墓地に揃っていれば、その1組を特殊召喚出来る。

 

よし、これで…!

 

「融合解除の効果で、マイスタリン・シューベルトをエクストラデッキに戻し、融合素材として墓地へ送られたアリアとエレジーを守備表示で特殊召喚!」

 

幻奏の音女アリア

効果モンスター

光属性

天使族

レベル 4

守備力 1200→1700

 

幻奏の音女エレジー

効果モンスター

光属性

天使族

レベル 5

守備力 1200→1700

 

「一体何を…?

まあ良いわ、全て壊しなさい!ブラック・ローズ・ガイル!」

 

アキさんのフィールドに、シンクロ召喚の演出と共に出現した黒い薔薇の様な姿のドラゴン、ブラック・ローズ・ドラゴンの効果によって、フィールドが一掃、

 

「なっ!?何故生き残っているの!?」

 

されなかった。

 

「エレジーがフィールドにいる限り、私のフィールドにいる特殊召喚された『幻奏』モンスターは、効果破壊されません!この効果はエレジー自身も含まれます!

更に、特殊召喚されたアリアがフィールドにいる限り、私のフィールドにいる『幻奏』モンスターは、効果対象にならず、戦闘破壊されません!

これが私のデッキが誇るコンボ『アリアエレジーロック』!」

「その為に態々『融合解除』を使った訳ね…」

 

このロックがあれば、アキさんのエースであるブラック・ローズ・ドラゴンの効果は全て使えない。

後は戦線を維持しつつ、手札が整うのを待って、

 

「でもそのコンボ、貴方の『幻奏』モンスターを攻撃対象にする事は出来るのよね?

なら魔法『死者蘇生』発動!」

 

死者蘇生(制限カード)

通常魔法

1:自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動出来る。そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。

 

「死者蘇生の効果で、ブラック・ローズ・ドラゴンを攻撃表示で蘇生!

更に今蘇生したブラック・ローズ・ドラゴンに装備魔法『憎悪の棘』を装備!」

 

憎悪の棘

装備魔法

『ブラック・ローズ・ドラゴン』または植物族モンスターにのみ装備可能。

装備モンスターの攻撃力は600ポイントアップする。

装備モンスターが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。

装備モンスターがモンスターを攻撃した場合、ダメージ計算後に攻撃対象モンスターの攻撃力・守備力は600ポイントダウンする。

装備モンスターと戦闘を行った相手モンスターは、その戦闘では破壊されない。

 

ブラック・ローズ・ドラゴン 攻撃力 2400→3000

 

と考えていた所に、アキさんが何やら不穏な様子を見せたと思ったら、今しがた効果で墓地へ送ったばかりのブラック・ローズ・ドラゴンを蘇生、更に装備魔法によるものか、その身に生える棘が鋭くなっていった、って、

 

「バトルフェイズに入るわ!

ブラック・ローズ・ドラゴンでソナタを攻撃!

ヘイト・ローズ・ウィップ!」

「なっ(パシィィィィン)きゃぁ!?」

 

ブラック・ローズ・ドラゴン 攻撃力 3000 VS 幻奏の音女ソナタ 守備力 1500

 

Yuzu LP 4000→2500

 

「更に憎悪の棘の効果で、ソナタの攻守を600ポイントダウンするわ!」

『あ(ガクッ!)、あぁ…』

「そ、ソナタ!?」

 

幻奏の音女ソナタ 守備力 1500→900

 

よ、よりによって貫通効果に加えて、弱体化効果も持った装備魔法を付けてくるなんて、これじゃあロックの上から押し込まれかねないわ、アキさんが聞いた事の真意は其処だったのね…

こうなると、私の猶予はあと2ターン、それまでに状況を打開するカードを揃えないと…!

 

「カードを1枚セットして、ターンエンドよ」

 

Aki

LP 4000

手札 0

モンスター ブラック・ローズ・ドラゴン(攻撃表示)

魔法・罠カード 憎悪の棘(装備対象:ブラック・ローズ・ドラゴン)

        セット

 

「私のターン!ドロー!

モンスターを全て攻撃表示に変更してターンエンド!」

 

Yuzu

LP 2500

手札 1

モンスター 幻奏の音女アリア(攻撃表示)

      幻奏の音女エレジー(攻撃表示)

      幻奏の音女ソナタ(攻撃表示)

魔法・罠カード なし

 

今は、受けるダメージを少しでも減らさないと行けないわね…

 

「私のターン!ドロー!

…今来ても仕方が無いわね。

まあ良いわ、バトルフェイズに入るわ!

ブラック・ローズ・ドラゴンでソナタを攻撃!

ヘイト・ローズ・ウィップ!」

「きゃぁ!」

『う(ガクリ)、うぅ…』

 

ブラック・ローズ・ドラゴン 攻撃力 3000 VS 幻奏の音女ソナタ 攻撃力 1400

 

Yuzu LP 2500→900

 

幻奏の音女ソナタ 攻撃力 1400→800

 

「カードを1枚セットして、ターンエンドよ」

 

Aki

LP 4000

手札 0

モンスター ブラック・ローズ・ドラゴン(攻撃表示)

魔法・罠カード 憎悪の棘(装備対象:ブラック・ローズ・ドラゴン)

セット×2

 

私のライフポイント的にも、これがラストターン。

此処であのカードを引けば…!

 

「私のターン!ドロー!」

 

 

 

 

 

カンコーン!って音が聞こえた様な気がした。

 

「アキさん、このターンで勝負です!融合発動!」

「勝敗を賭けた融合召喚って事ね。良いわ、来なさい!」

「はい!私は手札の『幻奏の音姫プロディジー・モーツァルト』とフィールドのアリアを融合!

至高の天才よ!響き渡る歌声よ!タクトの導きにより力重ねよ!融合召喚、今こそ舞台に情熱の歌を!『幻奏の華歌聖ブルーム・プリマ』!」

「ブルーム・プリマ…

さっき明日香とのデュエルで出したブルーム・ディーヴァとはまた違った感じのモンスターね…」

 

幻奏の華歌聖ブルーム・プリマ

融合・効果モンスター

光属性

天使族

レベル 7

攻撃力 1900→3300

 

「さ、3300!?えーと、ソナタの効果で500上がっているのは分かるけど、残りの900ポイントは…?」

「ブルーム・プリマの攻撃力は、融合素材としたモンスターの数×300アップします!

あと、今更ですが特殊召喚したエレジーが私のフィールドにいる限り、私のフィールドにいる天使族モンスターの攻撃力は300アップします!」

 

融合召喚の演出と共に登場した、花を思わせる明るい色合いのドレスを身に纏った少女、ブルーム・プリマ。

自分自身の効果と、並び立つソナタとエレジーの効果も相まってその攻撃力は、装備魔法によって強化されたブラック・ローズ・ドラゴンをも上回った、けど、それだけじゃ無いわ!

 

「バトルフェイズに入ります!

ブルーム・プリマでブラック・ローズ・ドラゴンを攻撃!」

「くっ!」

 

幻奏の華歌聖ブルーム・プリマ 攻撃力 3300 VS ブラック・ローズ・ドラゴン 攻撃力 3000

 

Aki LP 4000→3700

 

よし、このまま畳みかける!

 

「ブルーム・プリマは2回攻撃出来ます!この効果でダイレクトアタック!」

「なっ!?きゃぁ!」

 

Aki LP 3700→400

 

セットカードは使って来ない、って事は…

 

「エレジーでトドメです!」

「まさか、1ターンでひっくり返されるなんてね。

完敗だわ、強いのね」

 

Aki 400→-2400 LOSE

 

WINNER Yuzu

 

やった、これで2連勝よ!


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