【完結】遊戯王ARC-V~遊の力を矢に束ね~   作:不知火新夜

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46話_対岸では…

舞網チャンピオンシップ、ジュニアユースクラスの3回戦バトルロイヤルにて、ARC-Vメンバーや、海外から来日したデュエリスト達が、融合次元から侵入して来たデュエリストの対処に当たっている中、それを知らない参加者達は、別の意味で暗躍していた。

或る者はフィールド内に散らばっているペンデュラムカードを探し回り、また或る者はペンデュラムカードを持っているデュエリストを探しまわり、そして今、

 

「久々だな、流星。まさかこの場でデュエルする事になるとはな」

「ああ、刃。此処で今までの決着付けようぜ!」

「「デュエル!」」

 

先攻 Ryusei LP 4000 VS 後攻 Yaiba LP 4000

 

刃と、LDSシンクロコースに所属するぼさぼさな茶髪の少年、龍宮(たつみや)流星(りゅうせい)、嘗て切磋琢磨した者同士が今、此処に激突した…!

 

「俺の先攻!

まずは『闇竜星―ジョクト』を召喚!」

「うわいきなりそれか!」

 

闇竜星―ジョクト

効果モンスター/チューナー

闇属性

幻竜族

レベル 2

攻撃力 0

 

流星が最初に出した、端末世界の勢力で、中国の伝説で語られる竜の子『竜生九子(りゅうせいきゅうし)』をモデルとした幻竜族モンスターの集まりである『竜星』、その一角の椒図をモデルとしたモンスターの姿に、あからさまな驚きを見せる刃。

それもその筈、このジョクトには、

 

「手札の『地竜星―ヘイカン』と『風竜星―ホロウ』を墓地へ送って、今出したジョクトの効果発動だ!

デッキから『炎竜星―シュンゲイ』を攻撃表示、『水竜星―ビシキ』を守備表示で特殊召喚!」

 

炎竜星―シュンゲイ

効果モンスター

炎属性

幻竜族

レベル 4

攻撃力 1900

 

水竜星―ビシキ

効果モンスター

水属性

幻竜族

レベル 2

守備力 2000

 

複数のモンスターをリクルートする効果を持っている。

自分以外のモンスターが存在しない時限定で、2枚の手札コストが必要とはいえ、デッキから好きなモンスターを持って来られるのは強力、それがシンクロ召喚を行うデッキであればなおさらだ。

実際に流星が場に出した、竜星の一角で竜生九子の一匹『サン猊』をモデルとしたモンスターと、同じく竜星の一角で竜生九子の一匹『贔屓』をモデルとしたモンスター、これによってレベル4、6、8のシンクロモンスターをシンクロ召喚出来る様になった。

が、

 

「次に魔法『ブラック・ホール』発動だ!」

「此処でか、他のモンスターをリクルートでもすんのか?」

 

ブラック・ホール(制限カード)

通常魔法

1:フィールドのモンスターを全て破壊する。

 

流星は此処で展開を止めなかった。

折角召喚権を使ったり、手札2枚をコストに使ったりして展開したモンスター達を態々投げ捨てるという暴挙に一見見えるが、大半の竜星には共通効果として、戦闘・効果破壊による墓地送りをトリガーとしたリクルート効果を持っている。

刃も今までデュエルし合った仲だ、それは予想の範疇だと言わんばかりの反応を見せる。

が、

 

「破壊されたシュンゲイの効果と、それにチェーンして、同じく破壊されたビシキの効果発動だ!

まずはビシキの効果でデッキから、

 

ペンデュラムモンスターの『宝竜星―セフィラフウシ』を攻撃表示で特殊召喚!

次にシュンゲイの効果でデッキから、

 

同じくペンデュラムモンスターの『秘竜星―セフィラシウゴ』を守備表示で特殊召喚!」

「…え?」

 

宝竜星―セフィラフウシ

ペンデュラム・効果モンスター

地属性

幻竜族

レベル 3

攻撃力 1500

 

秘竜星―セフィラシウゴ

ペンデュラム・効果モンスター

地属性

幻竜族

レベル 6

守備力 2600

 

出て来たモンスターは予想外だった様だ。

 

「ぺ、ペンデュラムモンスターだと!?お前、何処でそれを!?」

「社長から『テスト品として作ってみた物だが、良かったら使ってくれ』と貰ったんだ。今までのデュエルで使う機会は無かったんだが、お前とのデュエルでは出し惜しみしねぇぜ!

今出したセフィラフウシの効果発動だ!

同じく今出したばかりのセフィラシウゴをチューナーに変えるぜ!

俺はレベル3のセフィラフウシに、レベル6のセフィラシウゴをチューニング!この星の元素と、空に輝く星の光が、幻影を司る鳳凰を生み出すぜ!今こそ降り立ち、幻影の力で惑わせ!シンクロ召喚、レベル9!『幻竜星―チョウホウ』!」

「げ!?そ、そいつかよ!?」

 

幻竜星―チョウホウ

シンクロ・効果モンスター

光属性

幻竜族

レベル 9

攻撃力 2800

 

その効果を駆使して呼び出した、竜星の一角で竜生九子の一匹『嘲風』をモデルとしたモンスターの姿に、明らかに「やばい」と言いたげな様子を見せる刃。

 

「榊遊矢も言っていたけど、シンクロ召喚の素材に使ったペンデュラムモンスターは、墓地へ送られる代わりにエクストラデッキへ送られるぜ。尤も、自分自身の効果を使ったセフィラフウシはデッキの一番下へ送られるけどな。

そして永続魔法『竜星の気脈』を発動してターンエンド!分かっているとは思うけど、地属性モンスターを素材にシンクロ召喚したチョウホウがいる限り、お前は地属性モンスターの効果を使えないぜ!」

 

竜星の気脈

永続魔法

1:自分の墓地の『竜星』モンスターの属性の種類の数によって以下の効果を得る。

●2種類以上:自分フィールドの『竜星』モンスターの攻撃力は500アップする。

●3種類以上:自分フィールドの『竜星』モンスターが戦闘・効果で破壊される場合、代わりにこのカードを墓地へ送る事が出来る。

●4種類以上:相手はモンスターをセット出来ず、相手フィールドの表側表示モンスターは全て攻撃表示になる。

●5種類以上:このカードを墓地へ送って発動出来る。フィールドのカードを全て破壊する。

 

刃の『X-セイバー』は、全てが地属性。

よってチョウホウを除去しない限り刃は、あらゆるモンスター効果が無効にされたと言っても良い状態に置かれているが、当のチョウホウは『竜星の気脈』によって1回限りとはいえ破壊耐性を有している。

 

刃、絶体絶命のピンチ。

 

------------

 

一方、別のエリアでも、

 

「行くわよ!貴方をムッコロしてダーリンに会いに行くんだから!」

「随分と物騒なお嬢さんだな。だが、誰が相手であろうと俺は全力を尽くすのみ!」

「「デュエル!」」

 

先攻 Mieru LP 4000 VS 後攻 Ryotaro LP 4000

 

ミエルと、LDS総合コースに所属する緑掛かった髪色の、学ラン姿の少年、七種(さえぐさ)亮太郎(りょうたろう)が激突した。

 

「よし、良い手札!ミエルのターン!

まずは儀式魔法『聖占術の儀式』発動!」

 

聖占術の儀式

儀式魔法

『聖占術姫タロットレイ』の降臨に必要。

1:自分の手札・フィールドから、レベルの合計が9以上になるようにモンスターをリリースし、手札から『聖占術姫タロットレイ』を儀式召喚する。

2:自分メインフェイズに墓地のこのカードを除外して発動出来る。デッキから『占術姫』モンスター1体を手札に加える。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動出来ない。

 

「ミエルは手札のレベル9『禁忌の壺』をリリースして、『聖占術姫タロットレイ』を降臨させるわ!

全てを見通す太古の巫女よ、古の秘術によりて今蘇れ!儀式召喚、レベル9!『聖占術姫タロットレイ』!」

 

聖占術姫タロットレイ

儀式・効果モンスター

光属性

天使族

レベル 9

攻撃力 2700

 

ミエルが発動した儀式魔法、その演出と共に出現したのは、魔法使いを思わせる姿の天使、タロットレイ。

 

「更にモンスターをセット、カードを1枚セットしてエンドフェイズにタロットレイの効果発動!

墓地にある『禁忌の壺』を裏側守備表示で特殊召喚!」

 

Mieru

LP 4000

手札 0

モンスター 聖占術姫タロットレイ(攻撃表示)

      セット

      セット(禁忌の壺)

魔法・罠カード セット

 

「では俺のターン、ドロー!

メインフェイズ、そっちの場にのみモンスターが存在するので『サイバー・ドラゴン』を攻撃表示で特殊召喚」

 

サイバー・ドラゴン

効果モンスター

光属性

機械族

レベル 5

攻撃力 2100

 

亮太郎が最初に呼び出したのは、機械仕掛けの白い龍、サイバー・ドラゴン。

 

「次に、手札の『サイバー・ドラゴン・ドライ』を墓地へ送って『銀河戦士(ギャラクシー・ソルジャー)』の効果発動。

このカードを守備表示で特殊召喚」

 

銀河戦士

効果モンスター

光属性

機械族

レベル 5

守備力 0

 

「特殊召喚した銀河戦士の効果発動」

「同じレベルが2体並んだ…!

させないわ!チェーンしてタロットレイの効果発動!裏側表示になっている禁忌の壺を表側攻撃表示に変えるわ!」

 

禁忌の壺

効果モンスター/リバース

地属性

岩石族

レベル 9

攻撃力 2000

 

「ならばチェーン処理で、デッキから2枚目の銀河戦士を手札に加える」

「チェーン処理は終わりだけど、此処でリバースした禁忌の壺の効果発動!

貴方の場のモンスターを全て破壊するわ!」

「何…!?

『サンダー・ボルト』と同等のリバース効果だと…!」

 

その後、機械仕掛けの戦士を出してエクシーズ召喚の準備を進めるも、ミエルがセットしていた、禍々しき雰囲気を放つ壺が新たなる効果を発動した事で、寸での所で除去される。

 

「だがこれで出せなくなったと思ったら大間違いだ。

2枚目のサイバー・ドラゴンを攻撃表示で特殊召喚。

更に魔法『死者蘇生』発動」

 

死者蘇生(制限カード)

通常魔法

1:自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動出来る。そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。

 

「死者蘇生の効果で、さっき破壊された銀河戦士を攻撃表示で蘇生する」

 

が、すぐさま先程と同じ様な布陣に立て直した。

 

「俺はサイバー・ドラゴンと銀河戦士でオーバーレイ。2体のレベル5・機械族モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築。超量の力を得た機光竜が、新星の如き光を解き放つ!エクシーズ召喚、ランク5!『サイバー・ドラゴン・ノヴァ』!」

「エクシーズ召喚、やっぱり使って来たわね…!」

 

サイバー・ドラゴン・ノヴァ

エクシーズ・効果モンスター

光属性

機械族

ランク 5

攻撃力 2100

ORU 2

 

更にエクシーズ召喚の演出と共に、バリアユニットと、レーザー砲と、車輪状のパーツを取りつけた姿となったサイバー・ドラゴンを呼び出し、

 

「更にサイバー・ドラゴン・ノヴァのオーバーレイ・ネットワークを再構築!超量の力を得た機光竜が更なる進化を遂げ、無限の如き光を放つ!エクシーズ召喚、ランク6!『サイバー・ドラゴン・インフィニティ』!」

 

サイバー・ドラゴン・インフィニティ

エクシーズ・効果モンスター

光属性

機械族

ランク 6

攻撃力 2100→2700

ORU 3

 

それが更なる進化を遂げ、洗練された姿となったサイバー・ドラゴン・インフィニティとなった。

 

「今出したサイバー・ドラゴン・インフィニティの効果発動!そっちの場にある禁忌の壺を、サイバー・ドラゴン・インフィニティのORUに変える!」

「な、何ですって!?」

 

サイバー・ドラゴン・インフィニティ ORU 3→4

                  攻撃力 2700→2900

 

「バトルフェイズに入る。

サイバー・ドラゴン・インフィニティでタロットレイを攻撃!エヴォリューション・バースト・インフィニティ!」

「きゃぁ!?」

 

サイバー・ドラゴン・インフィニティ 攻撃力 2900 VS 聖占術姫タロットレイ 攻撃力 2700

 

Mieru LP 4000→3800

 

「メインフェイズ2に入って、カードを1枚セットしてターンエンド」

 

Ryotaro

LP 4000

手札 1(銀河戦士)

モンスター サイバー・ドラゴン・インフィニティ(攻撃表示)

魔法・罠カード セット

 

ミエルと亮太郎のデュエルも、互いにモンスター効果の応酬で盛り上がりを見せていた。

 

 

 

 

 

そんな中、事件は起こった。


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