【完結】遊戯王ARC-V~遊の力を矢に束ね~   作:不知火新夜

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※今話以降、エレン視点となります


37話_方舟の騎士達と、痺れる猛獣達

Side エレン

 

『続いてのニュースです。昨夜、舞網市の路地にて、男性と思われる、焼け焦げた遺体が見つかりました。男性の年齢は20代近く、焼損が激しい為衣服の特徴は分からず、腹部と思われる部分に外傷が見られる事から、死因は腹部に出来た傷による物と推定されています。また、左手に起動中のデュエルディスクを装着していた事から、男性はデュエル中に外部からの襲撃を受けたと、警察は見解を示しております。この事件に関して、一昨日の夕方にも同じ様な遺体が見つかっている事から、警察は同一犯による犯行の可能性も視野に、遺体の身元の確認と、事件のいきさつを詳しく調べております』

「またこの事件、なんてひどい事を…!」

「だよな母さん、信じらんねぇよ、これ…!」

 

本当、なんつー事件だよ、全く…!

朝早くに放送されている情報番組で流れた1つのニュースに、俺の向かい側の席で共に憤りを覚えている(遊矢兄ちゃんは昨日の夜『シンクロ次元の遊矢兄ちゃん』ことユーゴといざこざがあったそうでまだ寝ている)、金髪ロング(遊矢兄ちゃん曰く「結構前に染めた」)の美人でナイスバディな女性は、俺の義理の母さんで、遊矢兄ちゃんの実の母である(さかき)洋子(ようこ)

今じゃあ「お腹すいてそうな子を見るとついつい拾ってしまう」と言っては色んな動物を拾って来る(当の俺も遊矢兄ちゃんの所へ行きたいと思っていたのを、母さんが快諾して父さんや遊矢兄ちゃんを説得してくれたし)優しい人だけど、父さんと結婚する前はもう信じられない位に荒れていたそうで、此処舞網市で悪名を轟かせていた暴走族『舞網クィーンズ』のヘッド『流れ星洋子』としてブイブイ言わせていたらしく、それで色々トラブルもあったんだけど、その折に父さんと知り合い、色々ある内に改心、父さんと相思相愛となって結婚したとか。

その後も、遊矢兄ちゃんが生まれたりとか、俺が養子に入ったりとか、父さんが失踪したりとかで色々あったけど、それにもめげず女手1つで遊矢兄ちゃんや俺を見守ってくれている、自慢の母さんだ。

 

「ところでエレン、今日の大会、準々決勝から決勝まで一気に行うのよね?」

「ああ。結構ハードスケジュールだぜ」

「全力で戦ってきなさい!応援に行くから!」

「ははっサンキュー、母さん」

 

何処にでもありそうな親子の会話、もう少ししたらランサーズのデュエリストとして、デュエルアカデミアと戦う日々が来る、それまではこの時を大事にして行くぜ。

 

 

 

 

 

だけど俺達はまだ気付いていなかったんだ、デュエルアカデミアの魔の手は、もう入り込んでいる事に、そしてその結果が『今のニュース』となっている事に…

 

------------

 

『それでは舞網チャンピオンシップ、ジュニアクラスの準々決勝を開始します!まずは第1試合、おぉっとぉ、観客の皆が待ち望んだカードの実現だぁ!

まずは1人目、ジュニアユース、ジュニア共に快進撃の止まらない遊勝塾のトップバッター!今日もまた相手モンスターをしまっちゃうのか!鮎川アユ選手!

続いて2人目、こちらも遊勝塾が送り込んだスーパーデュエリスト!今日もまた相手のハートを直接痺れさせる!原田フトシ選手!

準々決勝第1試合は、遊勝塾生同士の激突となったぁ!』

「今日は負けないよ、フトシ!悪いモンスターはしまっちゃうからね!」

「それは僕の台詞だよ!アユをビリビリに痺れさせてあげる!」

『頑張れぇ!アユ!』

『頑張りなさいよ!フトシ!』

 

いよいよ始まった舞網チャンピオンシップ、ジュニアクラスの準々決勝、最初の対戦はアユとフトシの激突か。

2人共結構癖のあるデッキなんだよなぁ、さてどう転ぶか。

 

『ランダムセレクト!アクションフィールド、オン!『おひさまの谷』!

戦いの殿堂に集いしデュエリストが!モンスターと共に地を蹴り宙を舞い!フィールド内を駆け巡る!見よ、これぞデュエルの最強進化系!アクショーン!』

「「『デュエル』!」」

 

先攻 Ayu LP 4000 VS 後攻 Futoshi LP 4000

 

「よしっ!私の先攻!

じゃあ、まずは手札の『コアキメイル・アイス』を墓地へ送って魔法『ワン・フォー・ワン』発動!」

 

ワン・フォー・ワン(制限カード)

通常魔法

1:手札からモンスター1体を墓地へ送って発動出来る。手札・デッキからレベル1モンスター1体を特殊召喚する。

 

「ワン・フォー・ワンの効果でデッキから『アクアアクトレス・テトラ』を守備表示で特殊召喚!」

 

アクアアクトレス・テトラ

効果モンスター

水属性

水族

レベル 1

守備力 300

 

ワン・フォー・ワンの効果で登場したのは、熱帯魚の一種であるネオンテトラがお洒落した様な姿のモンスター、アクアアクトレス・テトラ。

本来なら水中に居る筈の熱帯魚が、陸に打ちあげられてぴちぴち跳ねているのは何ともシュールな光景だけど、

 

「次にテトラの効果発動!

デッキから永続魔法『水舞台(アクアリウム・ステージ)』を手札に加えてそのまま発動するよ!」

 

水舞台

永続魔法

1:自分フィールドの水属性モンスターは、水属性以外のモンスターとの戦闘では破壊されない。

2:自分フィールドの『アクアアクトレス』モンスターは相手モンスターの効果を受けない。

3:このカードがフィールドから墓地へ送られた場合、自分の墓地の水族モンスター1体を対象として発動出来る。そのモンスターを特殊召喚する。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は水族モンスターしか特殊召喚出来ない。

 

カンカン照りだったアクションフィールドが一瞬の内に、みこっちゃんが1回戦でデュエルした時のフィールド『スフィアプール』の様な水中フィールドと化し、テトラは一瞬の内に活発に泳ぐ様になった。

これがアユのデッキ『水族アクアリウム』の戦略、テトラの効果で永続魔法である『アクアリウム』カードをサーチし、それで場を整えていき、展開して行くという物だぜ。

 

「続いて、墓地のアイスを除外して『水の精霊アクエリア』を攻撃表示で特殊召喚!」

 

水の精霊アクエリア

効果モンスター

水属性

水族

レベル 4

攻撃力 1600

 

その水の一部が何やら凝縮したように集まり、人型に形成されると、其処に水で出来た人の様な姿の精霊、アクエリアが登場した。

此処まででまだアユは通常召喚権を使っていない、という事は、

 

「更に『豪雨の結界像』を召喚!」

 

豪雨の結界像

効果モンスター

水属性

水族

レベル 4

攻撃力 1000

 

「そして、アクエリアと結界像でオーバーレイ!2体のレベル4モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!満たされない魂を乗せた箱舟が、光の届かない深淵より浮上する!さあ悪いモンスターはしまっちゃうよ!『No.101S(サイレント)H(オナーズ)Ark(アーク)Knight(ナイト)』!」

 

No.101S・H・ArkKnight

エクシーズ・効果モンスター

水属性

水族

ランク 4

攻撃力 2100

ORU 2

 

『で、出たぁ!アユ選手の切り札、S・H・ArkKnightが、この水で満たされたフィールドに浮き上がってまいりました!果たして今日はどんなモンスターをしまっちゃうのか!』

 

やっぱりArkKnight出してキター!

アユがアクエリアと、蛙みたいな姿の像を使ってエクシーズ召喚したのは、どっからどう見ても機械族にしか見えない戦艦型エクシーズモンスター、遊矢兄ちゃんの前世である九十九遊馬の親友だったシャークって人の切り札であるArkKnight。

MCの人が言っている通りArkKnightの効果は、相手フィールドの特殊召喚された表側攻撃表示のモンスターを、自分自身のオーバーレイ・ユニットとして文字通り「しまっちゃう」強烈な物。

とは言えまだ先攻1ターン目、フトシの場には勿論、モンスターなどいないけど…

 

「これでターンエンドだよ!」

 

Ayu

LP 4000

手札 1

モンスター アクアアクトレス・テトラ(守備表示)

      No.101S・H・ArkKkight(攻撃表示)

魔法・罠カード 水舞台

 

「いきなりArkKnightとか痺れるなぁ!だけど僕も負けないよ!僕のターン!ドロー!

こっちも手札の『エレキリギリス』を墓地へ送ってワン・フォー・ワン発動!

効果でデッキから2枚目のエレキリギリスを守備表示で特殊召喚!」

 

エレキリギリス

効果モンスター

光属性

雷族

レベル 1

守備力 0

 

うわ、フトシの奴あのロックを使う気かよ…

フトシの場に登場したのは、キリギリスの姿を模した電流、エレキリギリス。

レベルはワン・フォー・ワンで出せるレベル1で、ステータスは攻守ともに0、なんだけど、

 

「次に魔法『死者蘇生』発動!」

「え゛!?」

 

死者蘇生(制限カード)

通常魔法

1:自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動出来る。そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。

 

アユ、思わず固まる気持ちも分かるぜ。

 

「死者蘇生の効果で、たった今墓地へ送ったエレキリギリスを攻撃表示で特殊召喚!

よしっ!これでエレキリギリスロックの完成だよ!くぅ~2体のエレキリギリスのコンビ愛、痺れるぅ!」

『あぁっと完成してしまった!フトシ選手が出した、エレキリギリスの効果がダブった事による、強固なロックが!これはアユ選手、大ピンチ!』

 

エレキリギリスの効果、それは『自分自身以外の『エレキ』モンスターを攻撃・効果対象に出来ない』という物で、この『自分自身以外の『エレキ』モンスター』は、他のエレキリギリスも含まれる。

つまりアユは現時点で、フトシの場の『エレキ』モンスターを攻撃出来ず、効果の対象にも選べない。

良く知られている『切り込み隊長ロック』よりも強烈なこのロック、突破するとしたら『ブラック・ホール』の様な全体除去、『地砕き』や俺のアーティファクトデッキに入っているモラルタ等の『対象を取らない』除去カードを使うしかない。

このエレキリギリスを始めとした低ステータスながら強力な効果を持った『エレキ』モンスターを展開して行くのが、フトシの『エレキ』デッキの戦略だぜ。

あ、そういえばまだ手札3枚残っていて、通常召喚権も使っていない。

 

「続いて『エレキングコブラ』を召喚!」

 

エレキングコブラ

効果モンスター

光属性

雷族

レベル 4

攻撃力 1000

 

で、その通常召喚権を使って出したのは、エレキデッキのメインエンジンと言って良い、毒蛇の姿を模した電流、エレキングコブラ。

 

「バトルフェイズに入るよ!

エレキングコブラで、自分自身の効果によってダイレクトアタック!」

「あばばばば!?」

 

Ayu LP 4000→3000

 

「よしっ!ダイレクトアタックでダメージを与えたからエレキングコブラの効果発動!

デッキからチューナーモンスター『エレキンギョ』を手札に加えるよ!」

 

そう、エレキングコブラはダイレクトアタッカーである事に加え、ダイレクトアタックでダメージを与えれば『エレキ』モンスターをサーチ出来る。

これだけでもエレキデッキでは必須級の効果なのだが、今フトシの場はエレキリギリスロックが完成している状態、つまりこのダイレクトアタックを妨害する術は限られている(アクションマジック『回避』は何故か攻撃モンスターを『対象に取る』し、カウンター罠である『攻撃の無力化』も同様)ので、このサーチを実行できるのは、デッキによっては確定的に明らかなんだよなぁ。

 

「メインフェイズ2に入って、永続魔法『平和の使者』発動!カードを1枚セットしてターンエンドだよ!」

 

平和の使者

永続魔法

フィールド上に表側表示で存在する攻撃力1500以上のモンスターは攻撃宣言をする事が出来ない。

このカードのコントローラーは自分のスタンバイフェイズ毎に100ライフポイントを払う。または、100ライフポイントを払わずにこのカードを破壊する。

 

Futoshi

LP 4000

手札 1(エレキンギョ)

モンスター エレキリギリス(守備表示)

      エレキリギリス(攻撃表示)

      エレキングコブラ(攻撃表示)

魔法・罠カード 平和の使者

        セット

 

しかも『念の為のお守り』的に平和の使者も発動しやがった、これはアユにとっては物凄く動きにくい、フトシにとっては恐らく次のターンに、手札のエレキンギョを召喚して行うシンクロ召喚の為に心強い布陣だぜ。

さあどうする、アユ?

 

「くっ!私のターン!ドロー!お…?」

 

ん?なんか今『カンコーン!』なんて効果音が聞こえて来たんだけど…

 

「よし!まずは魔法『ハーピィの羽根帚』発動!」

「えぇ!?」

 

ハーピィの羽根帚(制限カード)

通常魔法

1:相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する。

 

「ハーピィの羽根箒の効果で、フトシの魔法・罠カードを全て破壊するよ!」

「わわ!『エレキャンセル』が!」

 

セットしていたのそれかよ。

 

「あ、危ないなぁ、でもこれで心置きなく展開出来るよ!

次にテトラの効果発動!

デッキから永続魔法『水舞台装置(アクアリウム・セット)』を手札に加えてそのまま発動するよ!」

 

水舞台装置

永続魔法

1:自分フィールドの水属性モンスターの攻撃力・守備力は300アップする。

2:自分フィールドの『アクアアクトレス』モンスターの攻撃力・守備力は300アップする。

3:このカードがフィールドから墓地へ送られた場合、自分の墓地の水族モンスター1体を対象として発動出来る。そのモンスターを特殊召喚する。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は水族モンスターしか特殊召喚出来ない。

 

アクアアクトレス・テトラ 守備力 300→600→900

No.101S・H・ArkKnight 攻撃力 2100→2400

 

テトラによってサーチされた水舞台装置が発動されると、水で満たされたアクションフィールドに、竜宮城を模したと思われる舞台装置が出現し、テトラとArkKnightがパンプアップされた。

 

「続いて『RUM-バリアンズ・フォース』発動!」

「や、やば!?」

 

RUM-バリアンズ・フォース

通常魔法

自分フィールド上のエクシーズモンスター1体を選択して発動出来る。選択したモンスターと同じ種族でランクが1つ高い『CNo.』または『CX』と名の付いたモンスター1体を、選択したモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。その後、相手フィールド上にエクシーズ素材が存在する場合、相手フィールド上のエクシーズ素材1つを、この効果で特殊召喚したエクシーズモンスターの下に重ねてエクシーズ素材とする。

 

まさかとは思うが、ドローフェイズでドローしたのそれだったのか?

だとしたらあの効果音が聞こえて来たのも分かるぜ。

 

「バリアンズ・フォースの効果で、ArkKnightのオーバーレイ・ネットワークを再構築!カオスエクシーズ・チェンジ!満たされない魂の守護者が、暗黒の騎士となって光を砕く!さあ悪いモンスターはドンドンしまっちゃうよ!『CNo.101S・H・Dark(ダーク)Knight』!」

 

CNo.101S・H・DarkKnight

エクシーズ・効果モンスター

水属性

水族

ランク 5

攻撃力 2800→3100

CORU 3

 

アユのArkKnightが、バリアンズ・フォースの効果で変身(というか進化?)したのは、さっきまでの機械族っぽい外見から一転して戦士族っぽい姿になった(だけど種族は相変わらず水族)エクシーズモンスター、DarkKnight。

元となったArkKnightが持っていた「しまっちゃう」効果は、守備表示であろうと裏側表示であろうと関係なくなった上にオーバーレイ・ユニットを使う必要が無くなり(ArkKnightの時は2つ必要、つまり実質的に1回ぽっきりだった)、破壊耐性の代わりに自己再生効果も付いた、まさに強化形態だぜ。

とは言っても「しまっちゃう」効果はArkKnight同様に『対象を取る』効果、エレキリギリスロックが未だ健在の中でそれは無理。

だけどそれが分かっていながら、アユが今回DarkKnightを出したのは、そしてフトシが狼狽えたのは、それが理由じゃないぜ。

 

「更に、DarkKnightのオーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて、オーバーレイ・ネットワークを再構築!エクシーズ召喚!正義の氷剣が、あらゆる妨害をも打ち破るよ!『No.21氷結のレディ・ジャスティス』!」

「や、やっぱりそれぇ!?」

 

No.21氷結のレディ・ジャスティス

エクシーズ・効果モンスター

水属性

水族

ランク 6

攻撃力 500→3500→3800

ORU 3

 

そう、本当の理由は今出した、騎士の様な姿の女の子(しつけぇ様だが水族だぜ)、レディ・ジャスティスの、

 

「そして、レディ・ジャスティスのオーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて効果発動!

フトシの守備表示モンスターを全て破壊するよ!」

「う、うわぁ!?」

 

No.21氷結のレディ・ジャスティス 攻撃力 3800→2800

 

この効果の為だぜ。

相手の守備表示モンスターを全て破壊するという、『邪悪なるバリア―ダーク・フォース―』みたいな効果、今フトシの場にいる守備表示モンスターは、2体いるエレキリギリスの片方だけだが、全体破壊効果は『対象を取らない』、これによってエレキリギリスロックは一部崩壊。

何時も思うけど、トップデックTUEEEE!

 

「よし!テトラを攻撃表示にしてバトルフェイズに入るよ!テトラでエレキリギリスを攻撃!」

「うわぁ!?」

 

アクアアクトレス・テトラ 攻撃力 900 VS エレキリギリス 攻撃力 0

 

Futoshi LP 4000→3100

 

「レディ・ジャスティスでエレキングコブラを攻撃!ジャッジメント・アイス!」

「わぁぁぁぁ!?」

 

No.21氷結のレディ・ジャスティス 攻撃力 2800 VS エレキングコブラ 攻撃力 1000

 

Futoshi LP 3100→1300

 

「これでターンエンドだよ!」

 

Ayu

LP 3000

手札 0

モンスター アクアアクトレス・テトラ(攻撃表示)

      No.21氷結のレディ・ジャスティス(攻撃表示)

魔法・罠カード 水舞台

        水舞台装置

 

「ぼ、僕のターン!頼むよ、ドロー!

モンスターをセットしてターンエンド…」

 

Futoshi

LP 1300

手札 1

モンスター セット

魔法・罠カード なし

 

ありゃ、こりゃぁアユの勝ちか?

 

「私のターン!ドロー!

まずはテトラの効果発動!

デッキから永続魔法『水照明(アクアリウム・ライティング)』を手札に加えてそのまま発動するよ!」

 

水照明

永続魔法

1:『水照明』は自分フィールドに1枚しか発動出来ない。

2:自分の『アクアアクトレス』モンスターが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動する。その自分のモンスターの攻撃力・守備力はダメージ計算時のみ倍になる。

3:このカードがフィールドから墓地へ送られた場合、自分の墓地の水族モンスター1体を対象として発動出来る。そのモンスターを特殊召喚する。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は水族モンスターしか特殊召喚出来ない。

 

展開を緩めるつもりは無いと言わんばかりに、テトラによってサーチされた水照明を発動すると、水で満たされたフィールドに光を放つ球体が投入された。

 

「このままバトルフェイズに入るよ!テトラでセットモンスターを攻撃!」

「セットモンスターはエレキンギョだよ…」

「この時、水照明の効果発動!テトラの攻撃力・守備力が倍になるよ!」

 

アクアアクトレス・テトラ 攻撃力 900→1800 VS エレキンギョ 守備力 0

 

水照明によって投入された球体から放たれた光がテトラを照らすと、それによって元気になったテトラが、フィールドに出現した金魚の姿を模した電流、エレキンギョを突進して吹っ飛ばした。

まあ最善を尽くすと言う意味ではデュエリストとして当然だけど、見知った仲と考えるとオーバーキルだよなぁ。

 

「レディ・ジャスティスでトドメだよ!ジャッジメント・アイス!」

「ま、負けた…!」

 

Futoshi LP 1300→-1500 LOSE

 

WINNER Ayu

 

『決まったぁ!準々決勝第1試合の勝者は、フトシ選手のロックを見事に打ち破った、アユ選手!』

「いやぁ負けちゃったか、でも痺れる位良いデュエルだったよ、アユ!次も頑張ってね!」

「うん!フトシの分も頑張って来るよ!」


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