【完結】遊戯王ARC-V~遊の力を矢に束ね~ 作:不知火新夜
『舞網チャンピオンシップ、ジュニアユースクラスも2日目に入りました!昨日も様々な激闘が繰り広げられたこの大会、今日も昨日に匹敵する程の激闘を期待しましょう!その記念すべき最初の試合となる、1回戦第17試合を開始いたします!
まずは1人目、昨日も快進撃を遂げた遊勝塾、その本命と言えるデュエリスト達が今日、続々と登場します!その一番手は、前回大会で準優勝に輝き、今回第2シードに入った、遊勝塾のダークヒーロー!その圧倒的な制圧力を誇る軍勢が今日もまた、出陣する!上村一行選手!
続いて2人目、昨日は遊勝塾に負けじとその力を見せ付けたLDS、その中でも指折りの実力者が登場します!その変幻自在のデュエルはまるで、日によって光景を変える星空の如く!志島北斗選手!
今日最初のデュエルは、遊勝塾とLDS、今のジュニアユースクラスでの覇権を争う2大デュエルスクールの、今大会最初の激突となりました!』
いやいやニコさんや、確かにペンデュラムモンスターを巡って一悶着あったり、沢渡の件とかで対抗戦やる事になったりしましたけども、今じゃあ刃が移籍して来たり、俺と零児が仲良かったり、ランサーズ結成に関して互いに交流していたりと、争うとかそういう間柄じゃ無くなっているんですが。
「来たな、上村一行!この前は不覚を取ったが、今日この場でリベンジさせて貰うぞ!」
「ハッ!お前如きが俺に敵うと思っているとはなァ、舐められたもンだぜ!何度だって教えてやる、兄に勝る弟はいねェとなァ、春市ィ!」
「だから春市って誰!?僕の名は北斗だ!」
「気にすンな!」
「気にするよ!」
一行、中の人ネタで挑発しない、あの対抗戦の時もそうだったけど、北斗が訳分からないと言いたげな状態になっているから。
『えーと、何かメタ発言が出た様な気がしますが気にせず始めましょう!ランダムセレクト!アクションフィールド、オン!『
って、また此処かい。
『戦いの殿堂に集いしデュエリストが!モンスターと共に地を蹴り宙を舞い!フィールド内を駆け巡る!見よ、これぞデュエルの最強進化系!アクショーン!』
「「『デュエル』!」」
先攻 Hokuto LP 4000 VS 後攻 Ikko LP 4000
「先攻は僕だ!
まずは『セイクリッド・ポルクス』を召喚!」
セイクリッド・ポルクス
効果モンスター
光属性
戦士族
レベル 4
攻撃力 1700
初手でポルクスが来たか、となると次に来るのはカウストか、それともグレディか?
「ポルクスを召喚した事で、僕はこのターン、『セイクリッド』モンスターをもう1回召喚出来る!この効果で『セイクリッド・カウスト』を召喚!」
セイクリッド・カウスト
効果モンスター
光属性
獣戦士族
レベル 4
攻撃力 1800
此処でカウストを出したって事は、出て来るのはプレアデスだよな。
「次にカウストの効果発動!ポルクスとカウストのレベルを1ずつ上げる!」
セイクリッド・ポルクス レベル 4→5
セイクリッド・カウスト レベル 4→5
「この効果でレベルを上げたポルクスとカウストでオーバーレイ!2体のレベル5・光属性モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!星々の光よ、今大地を震わせ降臨せよ!エクシーズ召喚、ランク5!『セイクリッド・プレアデス』!」
セイクリッド・プレアデス
エクシーズ・効果モンスター
光属性
戦士族
ランク 5
攻撃力 2500
ORU 2
『早速現れました!北斗選手の十八番、エクシーズ召喚!それによって現れる、光の戦士が!』
この前の対抗戦と同じく初手で登場したプレアデス、だが今回は北斗の先攻1ターン目、故にその脅威は対抗戦の比では無い。
さあ、このOCGでも絶賛活躍中の戦士を前に一行はどう動く?
「カードを2枚セットしてターンエンド!」
「おいおい、トレミスだっけ?お前のエースモンスターを出さなくていィのかァ?」
「ふん、そう言って僕が出したトレミスをバハムートでコントロール奪取しようという魂胆は分かっている!それにプレアデスの効果は相手ターンでも使える、フリーチェーンなのさ!」
「ほォ成る程なァ、ちゃンと考えているじゃねェか。ただ、それで俺に勝てると思ったら大間違いだぜェ!」
Hokuto
LP 4000
手札 1
モンスター セイクリッド・プレアデス(攻撃表示)
魔法・罠カード セット×2
「行くぜ!俺のターン、ドロー!
そンじゃァ、そのセットカードには退場願おォか!魔法『ハーピィの羽根帚』発動!」
「なっさせるか!それにチェーンだ!ライフを半分払ってカウンター罠『神の宣告』発動!」
ハーピィの羽根帚(制限カード)
通常魔法
1:相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する。
神の宣告(制限カード)
カウンター罠
1:LPを半分払って以下の効果を発動出来る。
●魔法・罠カードが発動した時に発動出来る。その発動を無効にし破壊する。
●自分または相手がモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚する際に発動出来る。それを無効にし、そのモンスターを破壊する。
Hokuto LP 4000→2000
「神の宣告の効果で、羽根帚の発動を無効にする!」
「ほほォ、其処で使って来るか…」
相手の魔法・罠カードのみを一掃する爆アドカードと言って良い羽根帚を無効にされた一行だったが、
その顔はまるで「計画通り」と言いたげに、にやけていた。
「最初に言って置くぜ、お前も、観客席にいる皆も、良く聞きなァ。
このターンで俺の勝ちだァ!」
「何だと!?」
『おおっとぉ!一行選手、いきなりの勝利宣言です!此処からどう勝利の方程式を書いて行くと言うのでしょうか!』
「まずはお前のモンスターの数が俺より多い事で『ヴェルズ・マンドラゴ』を攻撃表示で特殊召喚!」
ヴェルズ・マンドラゴ
効果モンスター
闇属性
植物族
レベル 4
攻撃力 1550
「次に『ヴェルズ・カストル』を召喚!」
ヴェルズ・カストル
効果モンスター
闇属性
戦士族
レベル 4
攻撃力 1750
「エクシーズ召喚させはしない!罠『強制脱出装置』発動!」
「おォっとォ!それにチェーンして速攻魔法『侵略の汎発感染』発動!」
「何!?」
強制脱出装置
通常罠
1:フィールドのモンスター1体を対象として発動出来る。そのモンスターを持ち主の手札に戻す。
侵略の汎発感染
速攻魔法
自分フィールド上の全ての『ヴェルズ』と名の付いたモンスターは、このターンこのカード以外の魔法・罠カードの効果を受けない。
「侵略の汎発感染の効果で、俺のヴェルズモンスター達は魔法と罠の効果を受けねェぜ」
「くっ!」
「更に、カストルを召喚した事で、俺はこのターン、『ヴェルズ』モンスターをもう1回召喚出来る!この効果で『ヴェルズ・オランタ』を召喚!」
ヴェルズ・オランタ
効果モンスター
闇属性
炎族
レベル 4
攻撃力 1650
オランタを呼び出したその時、にやけていた一行の顔が、更に笑みで歪んだ。
「1つ言って置くぜ。オランタは自分自身をリリースする事で、相手フィールドの表側表示モンスターを1体破壊する起動効果を持っているぜェ!」
「な、何だと!?使わせて堪るか!召喚成功時に、プレアデスのオーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて効果発動!今出したオランタを戻して貰う!」
あ。
「あーあ、1ターンに1度だけしか使えない、貴重なプレアデスの効果を使っちまったなァ」
「はっ!?しまった!」
「じゃァこのまま押し切らせて貰うぜ!マンドラゴとカストルでオーバーレイ!2体のレベル4・ヴェルズモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!わりィがこっから先は、俺の支配という名の一方通行だァ!『ヴェルズ・バハムート』!」
ヴェルズ・バハムート
エクシーズ・効果モンスター
闇属性
ドラゴン族
ランク 4
攻撃力 2350
ORU 2
『一行選手も十八番のエクシーズ召喚です!そして皆さん、先程の一行選手の勝利宣言を覚えているでしょう。そう、今しがたエクシーズ召喚によって現れたあの漆黒のドラゴンによって、一行選手の勝利の方程式が完成したのです!』
ニコさんの言う通り、一行の場には今しがた出したばかりのバハムート、2枚ある手札にはプレアデスの効果によって戻された『ヴェルズ』・オランタ、そして北斗の場には効果を使っちゃったプレアデス…
これは、決まったな。
然し、OCGでもかなりの力を持ったセイクリッドデッキを使いこなしている様に見えた事もあって、北斗もランサーズのメンバーとして招聘しても良いかなと思っていたんだが、マストカウンターのタイミングを見失い、一行の話術にまんまと嵌められて致命的なプレイングミスをするとなると、ちょっと考え直さざるを得ないな。
一行とは過去に対戦して、持っているエクシーズモンスターをある程度把握していながら(特にバハムートに関しては効果の凶悪さを、身を以て味わったにも関わらず)あの行動となれば尚更だ。
「そしてバハムートのオーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて効果発動!
手札のオランタを捨てて、お前のプレアデスは俺の物だァ!」
「ぷ、プレアデスが!」
「せめてもの慈悲だ、お前のエースモンスターにトドメを刺させてやるぜェ!
バトルフェイズに入って、プレアデスでダイレクトアタック!」
「ぐぁぁぁぁぁぁぁ!」
Hokuto LP 2000→-500 LOSE
WINNER Ikko
『決まったぁ!第17試合の勝者は、巧みな話術とプレイングに裏打ちされた、『遊勝塾のダークヒーロー』ならではのエンタメデュエルを見せてくれた一行選手!流石は前回準優勝した一行選手、その実力を如何なく発揮したデュエルでした!』
「ははっ!じゃァな!」