【完結】遊戯王ARC-V~遊の力を矢に束ね~   作:不知火新夜

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Ex4話_紋章獣使いとのデュエルその3

さて、大輔が『仁王立ち』を発動した事によって決着を付ける事は叶わなかったが、それでも俺のフィールドにはライトニングとビヨンドがスタンバイし、ドドドウィッチも壁として立ち塞がっている、魔法・罠カードだって希望郷―オノマトピア―にはかっとビングカウンターが2つ、つまりリクルートの準備は出来ているし、いざと言う時の『アレ』もセットしてある、さあ大輔、この布陣をどう崩す?

 

「俺のターン、ドロー!

俺は魔法カード『エクシーズ・ギフト』を発動!

俺の場にエクシーズモンスターが2体以上いる時、俺の場のオーバーレイ・ユニットを2つ消費して2枚ドローする!」

 

エクシーズ・ギフト

通常魔法

自分フィールド上にエクシーズモンスターが2体以上存在する場合に発動出来る。自分フィールド上のエクシーズ素材を2つ取り除き、デッキからカードを2枚ドローする。

 

それはねぇ、それは通せないなぁ大輔、ハンドアドバンテージが1増やされるだけでも結構キツイのに、オーバーレイ・ユニットを消費とか書いているけど実質墓地アドバンテージを2増やされるそれはなぁ、だから此処は、

 

「またアドを稼がれるのはな…

だからライフを半分払ってカウンター罠『神の宣告』発動!」

 

神の宣告(制限カード)

カウンター罠

1:LPを半分払って以下の効果を発動出来る。

●魔法・罠カードが発動した時に発動出来る。その発動を無効にし破壊する。

●自分または相手がモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚する際に発動出来る。それを無効にし、そのモンスターを破壊する。

 

2000ライフポイントの消費は少なくないが、此処は阻止する!

 

「ふむ…

それなら、手札のアンフィスバエナのモンスター効果発動!手札の『紋章獣ツインヘッド・イーグル』を墓地に送って特殊召喚!」

 

紋章獣アンフィスバエナ

効果モンスター

風属性

ドラゴン族

レベル 4

攻撃力 1700

 

「更に、墓地のアバコーンウェイのモンスター効果!

1ターンに1度、自身とは別のアバコーンウェイを除外する事で、墓地から回収することが出来る!

そして通常召喚!」

 

紋章獣アバコーンウェイ

効果モンスター

風属性

ドラゴン族

レベル 4

攻撃力 1800

 

『ん…?

そォいや、さっきのアイツのターン、通常召喚してたっけかァ?』

『してただろ…

あれ、してたか?』

 

していないぞ2人共。

 

「さぁて、天にこのデュエルの行く末を尋ねよう…

俺はアバコーンウェイとアンフィスバエナでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築、エクシーズ召喚!全てを天に委ねよ『No.85クレイジー・ボックス』!」

 

No.85クレイジー・ブッ…ボックス

エクシーズ・効果モンスター

闇属性

悪魔族

ランク 4

攻撃力 3000

ORU 2

 

あれ?なんか今…

 

「な、なぁ…

今、h「表記は一切ブレてない、良いね?」あっはい」

『表記が気になったが…

また知らないNo.…』

『ホント、次々とよく出てくるね…

感心するよ』

 

これも確か使う事無く回収されたNo.だったっけな、これ自体はZEXAL放送中にパック収録されてはいたんだが。

 

「クレイジー・ボックスのモンスター効果!オーバーレイ・ユニットを1つ使って、ダイスを1回振る。そして、出た目によってその効果が決まる!」

 

大輔が効果の宣言をすると共に、手のひらの上にダイスが1つ現れた。

デスティニー・ドローならぬ、デスティニー・ロールってか?

 

「ここで運だめしか。だけど、外れの確率はそこそこあるぞ?」

 

そう、この状況下で『外れ』と言える確率は結構高い。

素でデメリット効果である1と6は勿論の事、3のハンデスは手札0の俺に対して無意味な物、4の効果無効だって、ライトニングに打っても肝心のクレイジー・ボックスは自身の効果によって攻撃出来ないし、それ以外はビヨンドの効果によって攻撃力0、つまり2を出してトップデッキに賭けるか、5を出してライトニングを破壊し、後続に賭けるしか無い。

かなり分が悪い賭け、だがそんな俺の忠告にも、

 

「俺は、俺の勝利への道筋を自分で切り開く!! ダイス……ロール!!」

 

大輔は臆する事無く、ダイスを転がした…!

そして、

 

「出た目は2!よってデッキから1枚ドロー!フ…

ハハハッ」

「ど、どうした?」

 

出た目は俺が一応『当たり』の可能性があるとした2、これによって大輔の手札は、レオの効果によって手札に加わったエアレーの他に1枚、となったんだが、それを見た瞬間、大輔が笑い声を上げた。

ま、まさかこの状況を覆す1枚を引いたと言うのか!?

 

「いやぁ、今日はヤケにヘイトを稼ぐなぁと思ってな…

今引いたこのカードを発動する…

2枚目のエクシーズ・トレジャー!!」

 

エクシーズ・トレジャー(アニメオリカ)

通常魔法

フィールド上に表側表示で存在するモンスターエクシーズの数だけ自分のデッキからドローできる。

 

は…?

 

「『『『『『『ハアアアアアアアッ!?』』』』』』」

 

ま、マジか!?此処でエクシーズ・トレジャーを今引きするとか流石の俺でも遊馬時代にそうそう無かったぞ、十代だった頃からのチートドローを以てしても!

 

「フィールド上に存在するエクシーズモンスターは5体!よって5枚ドロー!!」

『デュエルモンスターズで5枚ドローとか、今まであったっけ…?』

『しかも手札抹殺の効果じゃねェ、純粋に手札アド4枚増加とか…』

『あぁ、ハンデスループしてぇ』

『止めてください刃先輩』

『自分だけ天からの宝札って…』

 

ほんとそれなユベル。

と、俺と周囲が驚きを通り越して呆れかえった中、大輔は新たなるアクションカードを引いた、が、

 

「またかよ…

アクショントラップ『封印』発動」

 

封印(オリジナルカード)

アクショントラップ

1:自分フィールドのモンスター1体を墓地に送る。この効果で墓地に送ったモンスターとその同名モンスターはこのターン中、特殊召喚出来ない。

 

それは2枚目の封印だった。

今度はさっきのプレイン・コートの様な、墓地送りした際に効果を発動出来る奴はいないらしく、苦虫をかみつぶした様な表情で、

 

「そうだな、今度は…

ラヴァルバル・チェインだ。すまないな、チェイン…」

 

チェインはいなくなった。

 

「俺は『死者蘇生』を発動」

 

死者蘇生(制限カード)

通常魔法

1:自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動出来る。そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。

 

「2体目の蒼血鬼を守備表示で特殊召喚!」

 

蒼血鬼

効果モンスター

闇属性

アンデッド族

レベル 4

守備力 1700

 

何気に蒼血鬼も過労ルートに入っちゃっているな。

 

「俺は蒼血鬼の効果でデッドリー・シンのオーバーレイ・ユニットを使い、オーバーレイ・ユニットだった蒼血鬼を守備で特殊召喚。

そして『蘇生紋章』発動!」

 

蘇生紋章

通常魔法

自分の墓地の『紋章獣』と名の付いたモンスター1体を選択して発動出来る。選択したモンスターを特殊召喚する。

 

「これにより墓地に眠りし紋章獣レオを特殊召喚!」

 

紋章獣レオ

効果モンスター

地属性

獣族

レベル 4

攻撃力 2000

 

あれ、レオって墓地に投げ捨てる物じゃなかったっけ(すっとぼけ)?

と、すっとぼけている場合じゃ無い、レベル4モンスターが並んできたという事は何か仕掛けて来る筈、今しがた手にしたアクションカードで何とかなれば良いが…

 

「俺は蒼血鬼2体とレオで、オーバーレイ!3体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築、エクシーズ召喚!全てを焦がす(いかずち)、電撃の速さで敵を焦がせ、『No.91サンダー・スパーク・ドラゴン』!」

 

No.91サンダー・スパーク・ドラゴン

エクシーズ・効果モンスター

光属性

ドラゴン族

ランク 4

攻撃力 2400

ORU 3

 

なっ!?此処でサンダー・スパーク・ドラゴンだって!?

 

『一体彼は何体、私の知らないNo.を持っているんだ…』

 

おいアストラル、呆けている場合じゃ、

 

「俺はサンダー・スパーク・ドラゴンの効果発動!オーバーレイ・ユニットを3つ使って、コイツ自身以外の、フィールド上の表側表示のモンスター全てを破壊する!」

「っ!しまっ…

アクションマジック発動!」

「サンダー・スパーク!全てを…

焦がせっ!」

 

サンダー・スパーク・ドラゴンの効果によってフィールド中に雷が落ちる前に、俺は肩車されていたビヨンド・ザ・ホープから飛び降りつつ、アクションマジックを発動する…!

 

「…危ない所だったぜ。

アクションマジック『ミラー・バリア』の効果でホープ・ザ・ライトニングを守らせてもらった!」

「っ…」

 

ミラー・バリア

アクションマジック

1:フィールドのモンスター1体を対象として発動出来る。そのモンスターはカードの効果では破壊されない。

 

正直ビヨンドとライトニング、どっちを守るか迷った。

移動手段であるビヨンドを失うのは余りにも痛いし、効果でビヨンド自身を除外してライトニングを蘇生し、ライフアドバンテージを稼ぐ、という考えもあったが、そうすると希望郷―オノマトピア―を除去された上で戦闘破壊されかねない、大輔の主力であろうランク4エクシーズには、ライトニングの元々の攻撃力を上から叩き潰せる奴は少なくない、それを踏まえると攻撃力5000の壁を立てて置いた方が良い。

故に俺は、移動手段を放棄してまでライトニングを守った、が、

 

「…って!

何でデッドリー・シンが!?」

 

雷撃によって発生した黒煙が晴れた後には、自分自身は破壊対象に入って居ないサンダー・スパーク・ドラゴンはともかく、何故かデッドリー・シンの姿まで。

一体何故!?

 

「デッドリー・シンの効果で自身のオーバーレイ・ユニットを1つ使って破壊を無効にして、トークンを1体守備表示で特殊召喚する!」

 

スパイダー・トークン

闇属性

昆虫族

レベル 1

守備力 0

 

ああ、リードブローの様な破壊耐性、と言ってもコイツは壁を出せるのか。

そのレベルも1、シンクロ召喚デッキで良い潤滑油になりそうだな。

 

「全員倒せないなら今度は!

魔法カード『高等紋章術』を発動!

 

高等紋章術

通常魔法

自分の墓地の『紋章獣』と名の付いたモンスター2体を選択して発動出来る。選択したモンスター2体を特殊召喚し、その2体のみを素材としてエクシーズモンスター1体をエクシーズ召喚する。

 

「俺の墓地のユニコーンとレオを特殊召喚して、この2体でエクシーズ召喚する!2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築、エクシーズ召喚!漆黒の闇から出でし反逆狙いし龍よ、その牙で敵を噛み千切れ!『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』!」

 

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン

エクシーズ・効果モンスター

闇属性

ドラゴン族

ランク 4

攻撃力 2500

ORU 2

 

まだまだ終わらんと言わんばかりに更なるエクシーズモンスターを出して来た大輔、だが、

 

「なっ…

ダ、ダーク・リベリオン…

だと!?」

『ば、馬鹿な!?あれは確かユートしか持っていないカードの筈!』

『ちょっと待って遊矢、アストラル。感づいているとは思うけどどうやらユートの持っているダーク・リベリオンとはまるで違うみたいだね。あれと同じ様な力は感じられないし、効果もなんか書き換わっている。もしかしたらOCGのダーク・リベリオンかも知れないよ』

 

その出て来たモンスターの姿に俺やアストラルは勿論、観客席にいて、尚且つこのカードの、エクシーズ次元の事を知っている当麻と一行、エレンが驚くも、いち早くその違和感に気付いたっぽいユベルが冷静に分析してくれたおかげで平静を取り戻せた。

なんだ、OCGから持ち込んだのか、なら大丈夫だな、と安堵しているとまた大輔はアクションカードを手にした。

 

「アクショントラップ『封印せし呪縛』」

 

封印せし呪縛(オリジナルカード)

アクショントラップ

1:自分の場のモンスターを1体選択して破壊する。エンドフェイズ時に攻撃に参加していないモンスターの表示形式を強制的に変更する。

 

「自分の場のモンスターを破壊してエンドフェイズに攻撃に参加していないモンスターの表示形式を強制的に変更する。俺はスパイダー・トークンを破壊する」

 

またアクショントラップか、しかも地味に痛い系、

 

「更に2枚目の高等紋章術!」

 

でも無かった、スパイダー・トークンがいたままだったら高等紋章術を使えない所だったな。

今度は何だ…?

 

「ツインヘッド・イーグルとレオを特殊召喚してエクシーズ召喚!2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築、エクシーズ召喚!闇を撃ち抜け、『鳥銃士カステル』!」

 

鳥銃士カステル

エクシーズ・効果モンスター

風属性

鳥獣族

ランク 4

攻撃力 2000

ORU 2

 

「ゲッ…」

 

此処でランク4屈指のガチカード!?今度の禁止制限でゴヨウ(禁止カード化)されるプトレマイオスに変わって環境に返り咲くとか咲かないとか言われているカステルかよ!?

やばい、ライトニングを処理されたりしたら…!

 

「俺はオーバーレイ・ユニットを1つ使い、ホープ・ザ・ライトニングを裏側守備表示にっ!」

「なっ…

しまった!?」

 

まずい、ホープ・ザ・ライトニングの守備力は2000、希望郷―オノマトピア―の効果でパワーアップしていると言っても2400止まり、ダーク・リベリオンで突破される…!

 

「バトル!ダーク・リベリオンで裏側モンスターへ攻撃!反逆の牙、ライトニング…

ディスオベイ!」

「くっ…

させるか!」

 

間に合え、間に合(ドゴォォォン!)わな…!?

 

「うわっ!?ライトニング…!」

『くっまさかあの布陣を突破して見せるとは…!』

「まだ攻撃は終わってない!サンダー・スパークで直接攻撃!」

「まだ、だぁっ!アクションマジック『回避』発動!」

 

回避

アクションマジック

1:フィールドのモンスター1体を対象として発動出来る。そのモンスターの攻撃を無効にする。

 

「回避の効果で、攻撃を無効にするっ!」

 

サンダー・スパークの攻撃は防いだが、まだカステルの攻撃が待っている!

届け、届け…

 

「…ここはバトルを終了」

 

届…あれ?

 

「俺もアクションマジック『封印の神秘』を発動!」

 

封印の神秘(オリジナルカード)

アクションマジック

1:自分フィールド上のモンスター1体をリリースする。リリースしたモンスターの攻撃力の数値だけ、自分のライフポイントを回復する。

 

「コイツはいわゆる攻撃力だけしか選べない神秘の中華鍋だ。俺はサンダー・スパークをリリースして2400ポイントライフを回復する!そしてカードを1枚セット。ターンエンドだ!そしてこの瞬間、デッドリー・シンとカステルは攻撃に参加していないため封印せし呪縛の強制効果で表示形式が変更される」

 

Daisuke

LP 4400

手札 1(紋章獣エアレー)

モンスター No.70デッドリー・シン(守備表示)

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン(攻撃表示)

鳥銃士 カステル(守備表示)

魔法・罠カード セット

 

カチン、という音が頭の中で反芻した。

アクションデュエル初心者の癖して舐めプとかやってくれるじゃねぇか…!

次のターン、その選択を後悔させてやるぜ!


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