【完結】遊戯王ARC-V~遊の力を矢に束ね~ 作:不知火新夜
随分と動き回ってくれたなぁ、今度はこっちの番だ!
「俺のターン!ドロー!」
「あ、あのさ遊矢、こんなのゲットしちまったんだが…
これ発動しなきゃいけない奴だよな…」
俺がデッキからカードをドローした所、大輔からそんな困った様な口調で、手にしたアクションカードを見せながら尋ねられた。
どうしたんだ、ってこれ、
「ああ、アクショントラップだな。それはゲットした瞬間に強制発動されるアクションカードで、大概はデメリット効果なんだよな…」
「わ、分かった…
なら『封印』発動」
封印(オリジナルカード)
アクショントラップ
1:自分フィールドのモンスター1体を墓地に送る。この効果で墓地に送ったモンスターとその同名モンスターはこのターン中、特殊召喚出来ない。
あらら封印か、これは結構痛い、
「効果で、プレイン・コートを墓地へ送る…
更に墓地へ送られたプレイン・コートの効果で、デッキからアバコーンウェイとレオを墓地へ送り、レオの効果でデッキから『紋章獣エアレー』を手札に加える!」
訳無かったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
封印の特殊召喚封じも、セットカードが『リビングデッドの呼び声』とかじゃ無い限り意味ないし、デッキ圧縮及びアバコーンウェイの効果を使えるようにするとか、明らかに悪用じゃねぇか…
やってくれるぜ大輔、凄いプレイングだな。
さて、俺の初手だが、やっちゃうか、ユベル、アストラル?
『これは良い手札だね遊矢、やっちゃおっか』
『ああ、これは勝利の方程式が揃ったと言っても過言では無いな』
よし、やっちゃうか!
その前に、あのセットカードがもし召喚反応系の罠だったら不味いから、勿体無いけど使う!
今なら例えセットカードがカウンター罠でも防げない、というか使う意味が殆ど無い!
「メインフェイズに入って、魔法『ハーピィの羽根帚』発動!」
「は…?
アイエエエエ!?ハーピィの羽根帚!?羽根帚ナンデ!?
それ禁止カードじゃねぇか!なんで入れてんのそれ!?ルール違反じゃねぇの!?」
『ノーコストで3枚ドローしている奴が何言っているんだ?』
『ハーピィの羽根帚なんて必須カードですよね?あれ入れないデッキなんてデッキじゃないですよ』
『あァ、折角制限カードとは言え入れられるンだ、あンな爆アドカード、入れねェ奴なンざ当麻位だ』
『何だと一行、ケンカ売っているのか!?』
『一般論だ。それに売っているンだったらなンだ、買うってのかァ?上等だァ!表出やがれ当麻ァ!』
「あれ、止めなくて良いのか…?」
「大丈夫、何時もの奴だ。リアルファイトには絶対ならないし、塾内でも『良いぞもっとやれ』って雰囲気だから」
ハーピィの羽根帚(『制限』カード)
通常魔法
1:相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する。
まあ恒例となった当麻と一行のケンカデュエルは放って置いて、そういえばZEXAL時代はハーピィの羽根帚がずっと禁止で、大嵐すら禁止の時があったな。
で、大輔が伏せていたのは…
『激流葬』!?あぶねー、羽根帚使っていなかったらホープ出した所を狙われていたじゃねぇか!
よし、これで心置きなく展開出来る!
「次に…
手札の『ドドドウィッチ』を墓地へ送って魔法『オノマト
オノマト連携
通常魔法
手札を1枚墓地へ送って発動出来る。デッキから以下のモンスターの内1枚ずつ、合計2体までを手札に加える。『オノマト連携』は1ターンに1枚しか発動出来ない。
●『ズババ』と名の付いたモンスター
●『ガガガ』と名の付いたモンスター
●『ゴゴゴ』と名の付いたモンスター
●『ドドド』と名の付いたモンスター
「なっドドドウィッチだって!?まさか、お前…!」
おや、俺の正体に感づいたか?まあユベルとアストラルが一緒にいた事、大輔が使っていた紋章獣に対して驚きを隠さなかった事、トロンも使っていなかったアンフィスバエナに対してうっかり「懐かしいな」と呟いちゃった事、某日本で最も有名なカードショップでのネタを思わず使っちゃった事等、OCG経験者相手にはバレバレにも程があったし、隠す程の事じゃ無いしな、この前だって零児や柚子、それに
「オノマト連携の効果で、デッキから『ドドドバスター』と『ゴゴゴジャイアント』を手札に加える!
続いて今手札に加えた『ゴゴゴジャイアント』を召喚!」
ゴゴゴジャイアント
効果モンスター
地属性
岩石族
レベル 4
攻撃力 2000
「ゴゴゴジャイアントの効果発動!俺の墓地に、さっきお前が発動した手札抹殺で送られた『ゴゴゴゴーレム』を守備表示で蘇生する!来い!『ゴゴゴゴーレム』!」
ゴゴゴゴーレム
効果モンスター
地属性
岩石族
レベル 4
守備力 1500
俺の側に出現したゴゴゴジャイアントが、俺が効果発動を宣言すると同時に俺のデュエルディスクの墓地に当たる部分に手を突っ込むという、このデッキを使う時の何時もの光景なんだが、これは四次元ポケットか?
そして強引にゴゴゴゴーレムを両手で釣り上げるな!ほら、ぎっくり腰、というかデッドボールを喰らった初期のパワ○ロ君みたく身体が崩れちゃったじゃねぇか!
「…効果を使用したゴゴゴジャイアントは守備表示になる。
更にフィールド魔法『希望郷―オノマトピア―』発動!
尚、アクションデュエル中、フィールド魔法は永続魔法扱いとなる!」
希望郷―オノマトピア―
フィールド魔法(永続魔法扱い)
1:このカードがフィールドゾーンに存在する限り、自分フィールドに『希望皇ホープ』モンスターが特殊召喚される度に、このカードにかっとビングカウンターを1つ置く。
2:自分フィールドのモンスターの攻撃力・守備力は、このカードのかっとビングカウンターの数×200アップする。
3:1ターンに1度、このカードのかっとビングカウンターを2つ取り除いて発動出来る。デッキから『ズババ』『ガガガ』『ゴゴゴ』『ドドド』モンスターの内いずれか1体を特殊召喚する。
よし、かっとビングだ、俺!
「さあ行くぜ大輔!俺はゴゴゴジャイアントとゴゴゴゴーレムでオーバーレイ!2体のレベル4モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!我が戦いは此処から始まる!白き翼に望みを託し、現れろ!『No.39希望皇』」
「『『『ホープ』』』!」
「希望皇ホープ…
やっぱり、お前は…!」
No.39希望皇ホープ
エクシーズ・効果モンスター
光属性
戦士族
ランク 4
攻撃力 2500
ORU 2
希望郷―オノマトピア― かっとビングカウンター 0→1
No.39希望皇ホープ 攻撃力 2500→2700
俺が出したホープの姿を見て、何か確信めいた表情を浮かべる大輔。
ZEXAL世界から来たならやっぱ気付くよな、コイツを見れば嫌でも。
けれど、此処で驚くのは早いぜ!
「更に、ホープのオーバーレイ・ネットワークを再構築!カオスエクシーズ・チェンジ!現れよ、混沌を光に変える使者!『CNo.39希望皇ホープレイ』!」
CNo.39希望皇ホープレイ
光属性
戦士族
ランク 4
攻撃力 2500→2700
ORU 3
希望郷―オノマトピア― かっとビングカウンター 1→2
CNo.39希望皇ホープレイ 攻撃力 2700→2900
「まだまだ行くぜ!ホープレイのオーバーレイ・ネットワークを再構築!シャイニングエクシーズ・チェンジ!一粒の希望よ!今、電光石火の雷となって闇から飛び立て!現れよ!『SNo.39希望皇ホープ・ザ・ライトニング』!」
「ら、ライトニングだって!?マジかよ!?」
SNo.39希望皇ホープ・ザ・ライトニング
エクシーズ・効果モンスター
光属性
戦士族
ランク 5
攻撃力 2500→2900
ORU 4
希望郷―オノマトピア― かっとビングカウンター 2→3
SNo.39希望皇ホープ・ザ・ライトニング 攻撃力 2900→3100
ホープ・ザ・ライトニングの姿を見て驚きの声と、焦りの表情を浮かべつつ、デッドリー・シンに急ぐよう催促して、アクションカードを探す大輔。
流石にOCG出身なら、コイツの効果がどれだけえげつないか、分かっているよな?
だが俺は本気、OCG出身だと分かれば尚の事だ、まだ終わらせはしない!
「このままでは終わらねぇぜ!希望郷―オノマトピア―に乗っているかっとビングカウンターを2つ取り除いて効果発動!
デッキから現れろ!『ドドドバスター』!」
ドドドバスター
効果モンスター
地属性
戦士族
レベル 6
攻撃力 1900
希望郷―オノマトピア― かっとビングカウンター 3→1
SNo.39希望皇ホープ・ザ・ライトニング 攻撃力 3100→2700
ドドドバスター 攻撃力 1900→2100
ホープ・ザ・ライトニングに並び立つように現れたのは、真鍮の様な色合いの鎧を身に纏い、棘の付いた鉄球を先端に持つ杖を武器とする戦士、ドドドバスター。
「どんどん行くぞ!魔法『死者蘇生』発動!」
死者蘇生(制限カード)
通常魔法
1:自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動出来る。そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。
「死者蘇生の効果で、『ドドドウィッチ』を守備表示で蘇生する!」
ドドドウィッチ
効果モンスター
地属性
戦士族
レベル 4
守備力 1600→1800
「特殊召喚したドドドウィッチの効果で、手札から2体目のドドドバスターを攻撃表示で特殊召喚!
そして、2体のドドドバスターでオーバーレイ!2体のレベル6モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!
人が希望を越え、夢を抱く時、遥かなる彼方に、新たな未来が現れる!
限界を超え、その手に掴め!『No.39希望皇ビヨンド・ザ・ホープ』!」
No.39希望皇ビヨンド・ザ・ホープ
エクシーズ・効果モンスター
光属性
戦士族
ランク 6
攻撃力 3000→3200
ORU 2
そして俺の場に舞い降りた、三対の黄金の翼と、三対の黄金の剣を持った白き希望の騎士、ビヨンド・ザ・ホープによって、俺の勝利の方程式、遊勝塾内で、これを完成させられると絶対に勝てないとか噂になっている『究極奥義』が完成した…!
希望郷―オノマトピア― かっとビングカウンター 1→2
SNo.39希望皇ホープ・ザ・ライトニング 攻撃力 2700→2900
ドドドウィッチ 守備力 1800→2000
No.39希望皇ビヨンド・ザ・ホープ 攻撃力 3200→3400
「エクシーズ召喚したビヨンド・ザ・ホープの効果発動!大輔、お前のモンスターの攻撃力を全て0に変える!
「なっ!?くっ…!」
ラヴァルバル・チェイン 攻撃力 1800→0
No.70デッドリー・シン 攻撃力 2400→0
『で、ででで、出たぁぁぁぁ!遊矢兄ちゃんの究極奥義!これは痺れるぅ!』
『ゆ、遊矢兄ちゃん、すごく、えげつないです…』
『遊矢兄ちゃんのライトニングとビヨンド、並ぶと何時見ても格好いい…!』
『良いぞ遊矢兄ちゃん!やれやれ!やっちまえ!』
『遊矢兄ちゃんのホープ達の前には、他のモンスターなんてウ○コなのだ!』
『うわぁ。遊矢の奴、今日会ったばかりの奴に究極奥義使うか、歪みねぇな』
『手札を全く持たせてくれない刃先輩に言われたくありません』
観客の声は賛否両論って所か?まあ良い、先手であれだけの腕前を見せてくれたんだ、ならこっちも本気で戦うまで!
それに、こんな布陣を見せられて尚、大輔の眼には勝利を諦めない気持ちが前面に出ている、ならばそれに応えなきゃデュエリストじゃねぇ!
「バトルフェイズに入る!ホープ・ザ・ライトニングでデッドリー・シンを攻撃!
ホープ・ザ・ライトニングが戦闘を行う場合、お前はダメージステップ終了までカードの効果を発動出来ない!行くぜ、究極奥義!ホープソード・ライト・ザ・ライトニング!」
ホープ・ザ・ライトニングが剣を構え、その身を青い雷球で包み込み、大輔を乗せたデッドリー・シンへと突っ込んでいく…!
キィィィィィィィン、という音と共に、辺り一面を白い光が覆った…
やったか…?
白い光が晴れたその後には、
「あ、危ねぇ…
危機一髪って所か…」
デッドリー・シンを庇う為にホープ・ザ・ライトニングの前に立ちはだかる大輔、そしてその身を覆う透明なバリアによって自慢の剣撃を受け止められ、それでも刃を振ろうと悪戦苦闘しているホープ・ザ・ライトニングの姿があった。
まさか、あのカードを手にしたというのか…?
「ホープ・ザ・ライトニングの攻撃宣言時に、俺はこのカードを発動していたぜ!確かこれ、『発動出来ない』効果は無視されるんだよな?」
そう言って大輔が見せたカードは、やはりと言うべきか、
仁王立ち(今作オリジナルカード)
アクションマジック
1:バトルフェイズ中にライフを半分払って、『発動出来ない』効果を無視して発動出来る。バトルフェイズを終了する。
仁王立ち、だった。
すげぇぜ大輔、アクションデュエル初心者で、土壇場でそのカードを引き当てるとか。
Daisuke LP 4000→2000
「仁王立ちの効果でバトルフェイズは終了!だからホープ・ザ・ライトニングの攻撃は無かった事になるぜ!」
「やるな、大輔!ならメインフェイズ2に入って、カードを1枚セットしてターンエンド!行くぜ、ビヨンド・ザ・ホープ!」
Yuya
LP 4000
手札 0
モンスター SNo.39希望皇ホープ・ザ・ライトニング(攻撃表示)
ドドドウィッチ(守備表示)
No.39希望皇ビヨンド・ザ・ホープ(攻撃表示)
魔法・罠カード 希望郷―オノマトピア―(永続魔法扱い かっとビングカウンター:2)
セット
ターンエンドを宣言すると同時に、俺はビヨンド・ザ・ホープに肩車される形で空中に飛び立った…!