【完結】遊戯王ARC-V~遊の力を矢に束ね~   作:不知火新夜

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前回の投稿から1ヶ月近くと遅くなってしまって、すいませんでした。
此処まで書くのに色々な部分で行き詰まりが起こる等、スランプに陥っていた影響で遅くなりました。


130話_最終決戦、スタート!

Side ????

 

ユシウス達による赤馬零王への直談判、それによるデュエルアカデミアが行って来た侵略行為一切の停止が取り決められた翌日の、融合次元のとある場所にあるデュエルフィールド。

其処には、

 

「父さん…!

LDSを、レオ・コーポレーションを、ランサーズを引っ張る立場になった今、僕は父さんがどれだけの想いを、苦しみを、辛さを抱いてアカデミアを引っ張って来たのか、痛い程よくわかる…!

だが!それでも!どんな理由であれ!僕はアンタを、家族を捨て、会社を捨て、他次元の人達を切り捨てたアンタを許す事は出来ない!」

「零児…」

 

ランサーズの最高顧問である零児と、その父でアカデミアを率いていた零王、

 

「はは、まさか俺の相手が野獣ってかァ…

だが、コイツらがこの場に駆り出した程だ、その実力、見せて貰うぜェ!」

「グルルルルル…!」

 

ランサーズの精鋭部隊であるARC-Vのメンバーである一行と、獣の如き唸り声を上げる男、

 

「あぁ成る程、僕の相手は貴方という事ですか。やれやれ、随分と面倒な相手だ」

「おい、あんまりな言い草だな、お前。いいぜ、だったら予感通り、最後までお前にとって面倒な展開にしてやるよ。お前の思い通りに展開出来るって考えてんなら、まずはそのふざけた幻想を叩き潰す!」

 

アカデミアの精鋭部隊であるホルアクティ・フォースのメンバーであるカムシンと、ARC-Vメンバーである当麻、

 

「貴方はランサーズの精鋭部隊、ARC-Vの権現坂昇…

ならば手加減はしない、全力全開で叩き潰す…!」

「ぬぅ、見た目とは裏腹な、凄まじい殺気だ、流石はアカデミアでも精鋭中の精鋭と称されたホルアクティ・フォース…!

だがこの男権現坂、戦う前から退きはせん!」

 

同じくホルアクティ・フォースのメンバーであるヘカテーと、これまた同じくARC-Vメンバーである権現坂、

 

「貴方が、私の相手…

例えどれ程の強さを持った相手であろうと、私は全力のデュエルをして見せる!」

「へぇ、随分と強気な小猫ちゃんだ。僕とこの舞台でのデュエルの相手として、最高だ」

 

ARC-Vの紅一点である柚子と、ホルアクティ・フォースの(性別が良く分からないカムシン以外で)黒一点のフリアグネ、

 

「ひゃぁ、随分とおっかねぇ姉ちゃんだな。しかも雪乃先生を先攻ワンキルしたって聞いたし、やっぱ強いんだろうな。なら、最初から全力で行かせて貰うぜ!」

「随分と威勢の良いガキんちょだねぇ。そういうアンタは榊遊矢の一番弟子だそうじゃないか、ならこっちも手加減無しだよ!」

 

ARC-Vで最年少のエレンと、ホルアクティ・フォースにおいて姉の様な存在であるベルペオル、

 

「待っていたぞ、キサラ。我らの要求通りに仲間を連れて来るとは流石、ホルアクティ・フォースのリーダー、というべきか」

「ええ、貴方からの果たし状、受け取らない理由は無いでありますから。榊遊矢、いえ、今はユシウスでありましたか、世界最強のデュエリストである貴方からの果たし状を!」

 

そして、ランサーズの最高指揮官であるユシウスと、ホルアクティ・フォースのリーダーであるキサラ、其々が己と正対する相手と言葉を交わしていた。

この場でこの状況とあらばこの後に繰り広げられるのはただ1つ、デュエルだ。

そしてこの様子は、

 

「4つの次元の存亡を賭けた戦い。その終止符が今、この場所で打たれようとしています。各次元への侵略を繰り広げたデュエルアカデミアと、それを阻止すべく奔走したランサーズ、それを引っ張る立場である計14のデュエリストが今、一堂に会しました!アカデミアとランサーズの対抗デュエル、遂に始まります!本日はこの対抗デュエルの様子を、4つの次元全ての放送網をジャックしてお送りします!実況はこの私、ランサーズ最高指揮官である榊遊矢様、いえ、ユシウス様のマネージャー、ニコ・スマイリー!そして解説は、3年の失踪を経て今遂に帰って来た!ユシウス様の父にして、エンタメデュエルの第一人者!榊遊勝!遊勝さん、本日はよろしくお願いします!」

「はい、宜しくお願いします」

 

4つの次元、全てに向けて生中継されていた。

 

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「「デュエル!」」

 

先攻 Toma LP 4000 VS 後攻 Khamsin LP 4000

 

「俺の先攻!

まずは手札の『PSYフレーム・マルチスレッダー』を墓地へ送り、魔法『ワン・フォー・ワン』発動!」

 

ワン・フォー・ワン(制限カード)

通常魔法

1:手札からモンスター1体を墓地へ送って発動出来る。手札・デッキからレベル1モンスター1体を特殊召喚する。

 

「ワン・フォー・ワンの効果で、デッキから『PSYフレームギア・α』を守備表示で特殊召喚!」

 

PSYフレームギア・α

効果モンスター/チューナー

光属性

サイキック族

レベル 1

守備力 0

 

「俺のフィールドにPSYフレームチューナーが特殊召喚された事で、たった今墓地へ送ったPSYフレーム・マルチスレッダーの効果発動!

コイツを守備表示で蘇生するぜ!」

「ああ、ワン・フォー・ワンのコストで墓地へ送ったカードですか、全く無駄が無いですね」

 

PSYフレーム・マルチスレッダー

効果モンスター

光属性

サイキック族

レベル 6

守備力 2500

 

第1試合である当麻とカムシンのデュエル、先攻となった当麻は、本来は相手がモンスターを呼び出した時にその力を発揮するPSYフレームギア・αをワン・フォー・ワンによってリクルートし、そのコストとして墓地へ送られた、女性的な出で立ちのサイキック戦士の効果を誘発させ、並び立たせた。

 

「俺はレベル6のPSYフレーム・マルチスレッダーに、レベル1のPSYフレームギア・αをチューニング!お前のモンスターの力が、フィールドを思い通りに出来るってんなら、まずはそのふざけた幻想をぶち殺す!シンクロ召喚、レベル7!『PSYフレームロード・Z』!」

 

PSYフレームロード・Z

シンクロ・効果モンスター

光属性

サイキック族

レベル 7

攻撃力 2500

 

「自分の効果で蘇生したマルチスレッダーは、フィールドを離れると除外されるぜ。

カードを2枚セットして、ターンエンド」

 

Toma

LP 4000

手札 1

モンスター PSYフレームロード・Z(攻撃表示)

魔法・罠カード セット×2

 

「では、僕のターン、ドロー。

まずはフィールド魔法『暴走魔法陣』発動」

「確かそのフィールド魔法、報告にあった奴だな…

なら止めさせて貰うぜ!LPを半分払ってカウンター罠『神の宣告』発動!」

「ああ、其処で止めに来ますか。やってくれますね」

 

暴走魔法陣

フィールド魔法

『暴走魔法陣』は1ターンに1枚しか発動出来ない。

1:このカードの発動時の効果処理として、デッキから『召喚師アレイスター』1体を手札に加える事が出来る。

2:このカードがフィールドゾーンに存在する限り、融合モンスターを融合召喚する効果を含む効果を自分が発動した場合、その発動は無効化されず、その融合召喚成功時に相手は魔法・罠・モンスターの効果を発動出来ない。

 

神の宣告(制限カード)

カウンター罠

1:LPを半分払って以下の効果を発動出来る。

●魔法・罠カードが発動した時に発動出来る。その発動を無効にし破壊する。

●自分または相手がモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚する際に発動出来る。それを無効にし、そのモンスターを破壊する。

 

Toma LP 4000→2000

 

PSYフレームロード・Zと2枚のセットカードでターンを明け渡した当麻、明け渡されたカムシンが早速、真紅の魔法陣を展開しようとするが、当麻はセットカードの1枚、カウンター罠の定番として知られる神の宣告でそれを阻んだ。

 

「ならばLPを1000払って魔法『簡易融合』発動!」

 

簡易融合

通常魔法

『簡易融合』は1ターンに1枚しか発動出来ない。

1:1000LPを払って発動出来る。レベル5以下の融合モンスター1体を融合召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃出来ず、エンドフェイズに破壊される。

 

「我が生命の力を糧とし、出でよ、レベル5!響け!『召喚獣ライディーン』!」

 

召喚獣ライディーン

融合・効果モンスター

風属性

戦士族

レベル 5

守備力 2400

 

Khamsin LP 4000→3000

 

ならばとカムシンが己のLPを引き換えに呼び出したのは、雷鳴を纏った騎士。

と此処で、

 

「おっと、ソイツの特殊召喚成功時に速攻魔法『終焉の地』発動!」

 

終焉の地

速攻魔法

相手がモンスターの特殊召喚に成功した時に発動する事が出来る。自分のデッキからフィールド魔法カード1枚を選択して発動する。

 

当麻は残り1枚となったセットカードを発動した。

 

「此処でまだ動きますか。ならばそれにチェーン、手札を1枚捨てて速攻魔法『超融合』発動!」

「来るか…!」

 

超融合(制限カード)

速攻魔法

このカードの発動に対して魔法・罠・モンスターの効果は発動出来ない。

1:手札を1枚捨てて発動出来る。自分・相手フィールドから、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 

「僕はフィールドにいる、僕のライディーンと、貴方のPSYフレームロード・Zを生け贄に捧げる!迅雷纏いし風の騎士、電脳世界を駆ける戦士、2つの魂を糧とし、出でよ、レベル10!君臨せよ!『召喚獣エリュシオン』!」

 

召喚獣エリュシオン

融合・効果モンスター

光(闇・地・水・炎・風)属性

天使族

レベル 10

攻撃力 3200

 

それに対してカムシンも行動を起こし、今しがた登場させたライディーンと、当麻のフィールドにいたPSYフレームロード・Zを融合素材として、エリュシオンを登場させた。

 

「ちぃっ!だがチェーン1、終焉の地の効果で、デッキから『PSYフレーム・サーキット』を発動するぜ!」

 

PSYフレーム・サーキット

フィールド魔法

1:自分フィールドに『PSYフレーム』モンスターが特殊召喚された場合に発動出来る。自分フィールドの『PSYフレーム』モンスターのみをシンクロ素材としてシンクロ召喚する。

2:自分の『PSYフレーム』モンスターが相手モンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時に、手札の『PSYフレーム』モンスター1体を捨てて発動出来る。その戦闘を行う自分のモンスターの攻撃力はターン終了時まで、この効果を発動する為に捨てたモンスターの攻撃力分アップする。

 

だが当麻とてやられてばかりではなく、チェーン1で発動させていた終焉の地の効果によって、自らのデッキにおいてキーカードと言っても良いPSYフレーム・サーキットを発動させる。

 

「ですがセットカードはもう無い、このまま決めます!

バトルフェイズに入って、エリュシオンで攻撃!」

 

だがそんな事はお構いなしと言わんばかりに、カムシンはバトルフェイズに入る事を宣言、エリュシオンに攻撃を指示する。

それが、当麻の狙い通りだと知らずに…

 

「掛かったな!その攻撃宣言時、手札の『PSYフレームギア・β』の効果発動!手札のコイツと、デッキの『PSYフレーム・ドライバー』を特殊召喚し、エリュシオンを破壊するぜ!その後、バトルフェイズは終了される!」

「なっ!?まさかエリュシオンを破壊された挙げ句にバトルフェイズを終わらせるとは…!」

 

PSYフレームギア・β

効果モンスター/チューナー

光属性

サイキック族

レベル 1

攻撃力 700

 

PSYフレーム・ドライバー

通常モンスター

光属性

サイキック族

レベル 6

攻撃力 2500

 

「ですがタダでは終わりません!貴方がモンスターを特殊召喚した事で、手札を1枚捨てて墓地の『ドラゴン・アイス』の効果発動!」

「ソイツは超融合のコストで墓地へ送られたカードか、アフターケアも十分って訳か。だが俺もPSYフレーム・サーキットの効果発動!

まずはPSYフレーム・サーキットの効果だ!俺はレベル6のPSYフレーム・ドライバーに、レベル1のPSYフレームギア・βをチューニング!シンクロ召喚!再臨せよ、PSYフレームロード・Z!」

「その後ドラゴン・アイスの効果でこのカードを守備表示で蘇生します!」

 

ドラゴン・アイス

効果モンスター

水属性

ドラゴン族

レベル 5

守備力 2200

 

攻撃宣言を利用しての特殊召喚と除去、其処からのシンクロ召喚と己の思い通りに動いて来た当麻、一方でカムシンも氷で出来たドラゴンらしき姿のモンスターを呼び出した。

 

「カードをセットしてターンエンドです!」

 

Khamsin

LP 3000

手札 0

モンスター ドラゴン・アイス(守備表示)

魔法・罠カード セット

 

「俺のターン!ドロー!

っ!よし、これで決める!

魔法『ミラクルシンクロフュージョン』発動!」

 

ミラクルシンクロフュージョン

通常魔法

1:自分のフィールド・墓地から、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを除外し、シンクロモンスターを融合素材とするその融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

2:セットされたこのカードが相手の効果で破壊され墓地へ送られた場合に発動する。自分はデッキから1枚ドローする。

 

然しながら、そのアフターケアすら、当麻の前には無力と化す。

 

「俺は墓地にあるPSYフレームロード・ZとPSYフレームギア・αを除外してシンクロ融合だ!此処から先は、俺による支配と言うシナリオでやらせて貰う!シンクロ融合!『アルティメットサイキッカー』!」

 

アルティメットサイキッカー

融合・効果モンスター

光属性

サイキック族

レベル 10

攻撃力 2900

 

「バトルフェイズに入るぜ!

アルティメットサイキッカーでドラゴン・アイスを攻撃!コイツは貫通効果持ちだ!イマジン・バースト!」

「なっぐぁぁぁぁぁぁ!?」

 

アルティメットサイキッカー 攻撃力 2900 VS ドラゴン・アイス 守備力 2200

 

Khamsin LP 3000→2300

 

貫通効果を持ったアルティメットサイキッカーの攻撃によって、カムシンのフィールドにいたドラゴン・アイスは粉々に砕け散り、その余波がカムシンをも襲った。

これによってカムシンのLPはPSYフレームロード・Zの攻撃力を下回った…!

 

「PSYフレームロード・Zでトドメだ!イマジン・ブラスター!」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

Khamsin LP 2300→-200 LOSE

 

WINNER Toma


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