【完結】遊戯王ARC-V~遊の力を矢に束ね~ 作:不知火新夜
エクシーズ・チェンジ・タクティクス。
その効果は『希望皇ホープ』モンスターのエクシーズ召喚を条件とし、500LPをコストとした形の、並行世界の零児が使っていた『天輪鐘楼』。
ライフコストによるリスクから乱発は危険な代物で、俺のフィールドに1枚しか表側表示で置けないが、一方で効果発動に『1ターンに1度』の制限がなく、希望皇ホープモンスターには自らの効果によってエクシーズ召喚扱いで登場するモンスターも結構あり、普通のエクシーズ召喚1回から3枚ドローに繋がるなんて事も珍しくない、このカードの力で、勝ちに行くぜカイト!
かっとビングだ、俺!
「俺はゴゴゴジャイアントとゴゴゴゴーストでオーバーレイ!2体のレベル4モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!我が戦いは此処から始まる!白き翼に望みを託し、現れろ!『No.39希望皇』」
「『『『ホープ』』』!」
「来たか、希望皇ホープ!」
No.39希望皇ホープ
エクシーズ・効果モンスター
光属性
戦士族
ランク 4
攻撃力 2500
ORU 2
ゴゴゴジャイアントの召喚を起点として一気に並んだ3体のレベル4モンスター達、その内の2体であるゴゴゴジャイアントとゴゴゴゴーストを素材としてエクシーズ召喚した希望皇ホープの姿、約80年振りに見た俺のエースの姿に戦意を高めるカイト。
「ホープのエクシーズ召喚時、500LPを払ってエクシーズ・チェンジ・タクティクスの効果発動!
命、燃やすぜ!ドロー!」
Yuya LP 4000→3500
そんなカイトの気迫に応えるかの如く、俺もどっかの仮面ライダーの様な決め台詞を言いながらエクシーズ・チェンジ・タクティクスの効果を適用し、ドローする。
よし、良い引きだ、どうやらこのデッキも、久々のカイトとのデュエルに気持ちが高ぶっている様だ!
「今引いたフィールド魔法『希望郷―オノマトピア―』を、永続魔法として発動!」
「フィールド魔法を魔法・罠ゾーンで発動だと?」
「アクションデュエル中、フィールドゾーンはアクションフィールドが既に適用されているから使用出来ないけど、その代わりとしてフィールド魔法は永続魔法として、魔法・罠ゾーンで発動出来る!」
希望郷―オノマトピア―
フィールド魔法(永続魔法扱い)
1:このカードがフィールドゾーンに存在する限り、自分フィールドに『希望皇ホープ』モンスターが特殊召喚される度に、このカードにかっとビングカウンターを1つ置く。
2:自分フィールドのモンスターの攻撃力・守備力は、このカードのかっとビングカウンターの数×200アップする。
3:1ターンに1度、このカードのかっとビングカウンターを2つ取り除いて発動出来る。デッキから『ズババ』、『ガガガ』、『ゴゴゴ』、『ドドド』モンスターの内いずれか1体を特殊召喚する。
次はコイツだ!
「次に俺はホープのオーバーレイ・ネットワークを再構築!カオスエクシーズ・チェンジ!現れよ、混沌を光に変える使者!『CNo.39希望皇ホープレイ』!」
CNo.39希望皇ホープレイ
エクシーズ・効果モンスター
光属性
戦士族
ランク 4
攻撃力 2500
ORU 3
「ホープレイのエクシーズ召喚時、500LPを払ってエクシーズ・チェンジ・タクティクスの効果発動!ドロー!」
Yuya LP 3500→3000
希望郷―オノマトピア― かっとビングカウンター 0→1
CNo.39希望皇ホープレイ 攻撃力 2500→2700
ゴゴゴゴーレム 守備力 1500→1700
続いてコイツ!
「続いてホープレイのオーバーレイ・ネットワークを再構築!シャイニングエクシーズ・チェンジ!一粒の希望よ!今、電光石火の雷となって闇から飛び立て!現れよ!『SNo.39希望皇ホープ・ザ・ライトニング』!」
「一気に2回もエクシーズチェンジ、しかもどれも希望皇ホープモンスターだと…!」
SNo.39希望皇ホープ・ザ・ライトニング
エクシーズ・効果モンスター
光属性
戦士族
ランク 5
攻撃力 2500→2700
ORU 4
「ホープ・ザ・ライトニングのエクシーズ召喚時、500LPを払ってエクシーズ・チェンジ・タクティクスの効果発動!ドロー!」
Yuya LP 3000→2500
希望郷―オノマトピア― かっとビングカウンター 1→2
SNo.39希望皇ホープ・ザ・ライトニング 攻撃力 2700→2900
ゴゴゴゴーレム 守備力 1700→1900
よし、今のドローで『究極奥義』を発動する準備が出来た!
「更に魔法『死者蘇生』発動!対象はさっきの手札抹殺で墓地へ送られた『ドドドウィッチ』!」
死者蘇生(制限カード)
通常魔法
1:自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動出来る。そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。
「死者蘇生の効果で、ドドドウィッチを守備表示で蘇生する!」
ドドドウィッチ
効果モンスター
地属性
戦士族
レベル 4
守備力 1600→2000
「蘇生したドドドウィッチの効果発動!
手札の『ドドドバスター』を攻撃表示で特殊召喚!」
ドドドバスター
効果モンスター
地属性
戦士族
レベル 6
攻撃力 1900→2300
「レベル4モンスターが再び2体並んだ…
来るか!」
いや、まだ来ないぜ。
「そして希望郷―オノマトピア―のかっとビングカウンターを2つ取り除いて効果発動!
デッキから2体目のドドドバスターを攻撃表示で特殊召喚!」
希望郷―オノマトピア― かっとビングカウンター 2→0
SNo.39希望皇ホープ・ザ・ライトニング 攻撃力 2900→2500
ゴゴゴゴーレム 守備力 1900→1500
ドドドウィッチ 守備力 2000→1600
ドドドバスター(A) 攻撃力 2300→1900
「レベル6モンスターも2体…
まさか!?」
「そう、そのまさかだ!俺は2体のドドドバスターでオーバーレイ!2体のレベル6モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!人が希望を越え、夢を抱く時、遥かなる彼方に、新たな未来が現れる!限界を越え、その手に掴め!『No.39希望皇ビヨンド・ザ・ホープ』!」
No.39希望皇ビヨンド・ザ・ホープ
エクシーズ・効果モンスター
光属性
戦士族
ランク 6
攻撃力 3000
ORU 2
よし、新バージョンとなった『究極奥義』の完成だ!
「エクシーズ召喚したビヨンド・ザ・ホープの効果発動!
それにチェーンして、500LPを払ってエクシーズ・チェンジ・タクティクスの効果発動!
まずはエクシーズ・チェンジ・タクティクスの効果で、ドロー!
次にビヨンド・ザ・ホープの効果で、タイタニック・ギャラクシーの攻撃力を0にする!
「くっ…!」
Yuya LP 2500→2000
希望郷―オノマトピア― かっとビングカウンター 0→1
SNo.39希望皇ホープ・ザ・ライトニング 攻撃力 2500→2700
No.39希望皇ビヨンド・ザ・ホープ 攻撃力 3000→3200
ゴゴゴゴーレム 守備力 1500→1700
ドドドウィッチ 守備力 1600→1800
No.38希望魁竜タイタニック・ギャラクシー 攻撃力 3000→0
「う、うわぁ…
流石は鬼畜トンマ、転生して鬼畜っぷりに拍車が掛かっちゃっているでアリマスな…」
「エクシーズ・チェンジ・タクティクス…
何つーか、もォドーピングって言うレベルじゃねェぞオイ。無茶苦茶なカードだな…」
「そ、そんな事無いわよ。私が転移された並行世界での零児さんなんて、どんなシンクロモンスターでもシンクロ召喚する度に何のコストも無くドロー出来る永続魔法を使って来たんだから」
「それは、何て言うかぶっ壊れ過ぎな様な気が…
遊矢が持っているハイパー・ライブラリアンだって制限カードだってのに…」
何か外側で色々コメントが出ているが気にしたら負けだな、うん。
「よし、バトルフェイズに入る!」
「ならバトルフェイズ開始時にアクションマジック『大脱出』発動!バトルフェイズを終了させる!」
大脱出
アクションマジック
1:バトルフェイズを終了する。
流石はカイト、このターンでの決着は通してくれないか。
だがタイタニック・ギャラクシーの効果は厄介だ、このターンで潰させて貰う!
「メインフェイズ2に入って、俺はゴゴゴゴーレムとドドドウィッチでオーバーレイ!2体のレベル4モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!並び立て、希望皇ホープ!
ホープのエクシーズ召喚時、500LPを払ってエクシーズ・チェンジ・タクティクスの効果発動!ドロー!」
Yuya LP 2000→1500
希望郷―オノマトピア― かっとビングカウンター 1→2
SNo.39希望皇ホープ・ザ・ライトニング 攻撃力 2700→2900
No.39希望皇ビヨンド・ザ・ホープ 攻撃力 3200→3400
No.39希望皇ホープ 攻撃力 2500→2900
「次に俺はホープのオーバーレイ・ユニットを再構築!シャイニングエクシーズ・チェンジ!宇宙の秩序乱されし時、混沌を照らす一筋の希望が降臨する!見参!『SNo.39希望皇ホープONE』!」
SNo.39希望皇ホープONE
エクシーズ・効果モンスター
光属性
戦士族
ランク 4
攻撃力 2510→2910
ORU 3
「ホープONEのエクシーズ召喚時、500LPを払ってエクシーズ・チェンジ・タクティクスの効果発動!ドロー!」
Yuya LP 1500→1000
希望郷―オノマトピア― かっとビングカウンター 2→3
SNo.39希望皇ホープ・ザ・ライトニング 攻撃力 2900→3100
No.39希望皇ビヨンド・ザ・ホープ 攻撃力 3400→3600
SNo.39希望皇ホープONE 攻撃力 2910→3110
「続いて今エクシーズ召喚したホープONEを対象に速攻魔法『RUM―クイック・カオス』発動!」
RUM―クイック・カオス
速攻魔法
1:『CNo.』モンスター以外の自分フィールドの『No.』エクシーズモンスター1体を対象として発動出来る。その自分のモンスターよりランクが1つ高く、同じ『No.』の数字を持つ『CNo.』モンスター1体を、対象のモンスターの上に重ねてエクストラデッキからエクシーズ召喚する。
「俺はホープONEのオーバーレイ・ネットワークを再構築!カオスエクシーズ・チェンジ!混沌の力纏いて勝利を目指せ!進化した勇姿が今此処に現れる!現れろ!『CNo.39希望皇ホープレイV』!」
「やはりソイツか…!」
CNo.39希望皇ホープレイV
エクシーズ・効果モンスター
光属性
戦士族
ランク 5
攻撃力 2600→3200
CORU 4
「ホープレイVのエクシーズ召喚時、500LPを払ってエクシーズ・チェンジ・タクティクスの効果発動!ドロー!」
Yuya LP 1000→500
希望郷―オノマトピア― かっとビングカウンター 3→4
SNo.39希望皇ホープ・ザ・ライトニング 攻撃力 3100→3300
No.39希望皇ビヨンド・ザ・ホープ 攻撃力 3600→3800
CNo.39希望皇ホープレイV 攻撃力 3200→3400
素の状態のホープ、全身から光を発するホープONEを経て、バリアンの力を纏って凶悪な姿へと進化したホープレイVの姿を見て、俺が何をするかを推測したカイトは顔に警戒の色を浮かべる。
じゃあその直感が正しい事、見せてやる!
「更にホープレイVのオーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて効果発動!タイタニック・ギャラクシーを破壊する!Vブレードシュート!」
「タイタニック・ギャラクシー!ぐぁっ!」
CNo.39希望皇ホープレイV CORU 4→3
どうやら手にしたアクションマジックが『透明』等の効果破壊を防ぐ類の物では無かったらしく、そのままホープレイVが放った刃の餌食となったタイタニック・ギャラクシー。
だが、これで終わりじゃないぜ!
「まだまだ行くぜ!俺はビヨンド・ザ・ホープのオーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて効果発動!
フィールドのホープ・ザ・ライトニングを除外し、墓地のホープを攻撃表示で蘇生させる!
その後俺のLPは1250ポイント回復する!」
Yuya LP 500→1750
希望郷―オノマトピア― かっとビングカウンター 4→5
No.39希望皇ビヨンド・ザ・ホープ 攻撃力 3800→4000
ORU 2→1
CNo.39希望皇ホープレイV 攻撃力 3400→3600
No.39希望皇ホープ 攻撃力 2500→3500
此処で俺は、攻撃の要と言っても過言じゃないホープ・ザ・ライトニングを切り捨ててまでビヨンド・ザ・ホープの効果を適用、さっきのVブレードシュートを発動する際に墓地へ送られたホープを蘇生させ、思いっきり減ったLPを補充する。
何でかって?それは今に分かる!
「まだ終わりじゃない!俺は墓地のホープレイとゴゴゴゴーストを除外!光と闇、2つの魂を生け贄に、今こそ降臨せよ!混沌を操りし魔術師よ!『カオス・ソーサラー』!」
カオス・ソーサラー
効果モンスター
闇属性
魔法使い族
レベル 6
攻撃力 2300→3300
その特殊召喚条件によって呼び出されたカオス・ソーサラー、これで次のターンに再びビヨンド・ザ・ホープを呼び出す算段が付いた、だけじゃない!
「今除外された2枚と、さっき除外されたホープ・ザ・ライトニングを対象に速攻魔法『大欲な壺』発動!」
大欲な壺
速攻魔法
『大欲な壺』は1ターンに1枚しか発動出来ない。
1:除外されている自分及び相手のモンスターの中から合計3体を対象として発動出来る。そのモンスター3体を持ち主のデッキに加えてシャッフルする。その後、自分はデッキから1枚ドローする。
「大欲な壺の効果で、対象の3体をデッキに戻してシャッフルし、ドロー!」
よし、良いカードを引いたぜ!
「今引いた2枚目のクイック・カオス発動!対象はホープだ!
俺はホープのオーバーレイ・ネットワークを再構築!カオスエクシーズ・チェンジ!希望に輝く魂よ!森羅万象を網羅し、未来を導く力となれ!『CNo.39希望皇ホープレイ・ヴィクトリー』!」
CNo.39希望皇ホープレイ・ヴィクトリー
エクシーズ・効果モンスター
光属性
戦士族
ランク 5
攻撃力 2800→3800
CORU 1
「ホープレイ・ヴィクトリーのエクシーズ召喚時、500LPを払ってエクシーズ・チェンジ・タクティクスの効果発動!ドロー!」
Yuya LP 1750→1250
希望郷―オノマトピア― かっとビングカウンター 5→6
No.39希望皇ビヨンド・ザ・ホープ 攻撃力 4000→4200
CNo.39希望皇ホープレイV 攻撃力 3600→3800
CNo.39希望皇ホープレイ・ヴィクトリー 攻撃力 3800→4000
カオス・ソーサラー 攻撃力 3300→3500
よく考えたらこれでもうエクシーズ・チェンジ・タクティクスのコストとして4000ものLPを消費したんだよな、ビヨンド・ザ・ホープの効果によるライフゲインが無かったらもう打ち止めになっていた所だ。
そして最後に、コイツを出して次のターンでの勝利を確実なものとする!
「そして、エクストラデッキにある『SNo.0ホープ・ゼアル』は、手札の『RUM』通常魔法カード1枚を捨てる事で『希望皇ホープ』モンスターの上に重ねる形でエクシーズ召喚出来る!俺は手札の『リミテッド・バリアンズ・フォース』を捨てる事でこれを適用する!
俺はホープレイVのオーバーレイ・ネットワークを再構築!シャイニングエクシーズ・チェンジ!今こそ現れろ、希望を司る原初のNo.!これが新たな時代の天地開闢!かっとビングだ、俺!『SNo.0ホープ・ゼアル』!」
「コイツは、ZEXAL…!」
SNo.0ホープ・ゼアル
エクシーズ・効果モンスター
光属性
戦士族
ランク 0(ルール上は1)
攻撃力 ?→5200
ORU 4
このターンの締めくくりとして、ホープレイVをシャイニングエクシーズ・チェンジさせて登場させたのは、カイトが呟いた通りゼアルチェンジした俺達そっくりなモンスター、ホープ・ゼアル。
コイツの効果は、このデュエルの勝利を決定づけると言っても過言じゃないぜ!
「カードをセットして、ターンエンドだ!」
Yuya
LP 1250
手札 0
モンスター No.39希望皇ビヨンド・ザ・ホープ(攻撃表示)
CNo.39希望皇ホープレイ・ヴィクトリー(攻撃表示)
SNo.0ホープ・ゼアル(攻撃表示)
カオス・ソーサラー(攻撃表示)
魔法・罠カード エクシーズ・チェンジ・タクティクス
希望郷―オノマトピア―(永続魔法扱い かっとビングカウンター:6)
セット
エクシーズ・チェンジ・タクティクスの効果でドローした回数、8回。
希望皇ホープモンスターを特殊召喚した回数、9回(うち8回によって、希望郷―オノマトピア―にかっとビングカウンターが乗った)。
デッキの残り枚数、メイン・エクストラ共にあと半分ちょっと。
何を言いたいかは分かっている、『やり過ぎだ』と言いたいんだろう?
だが相手はカイト、今までデュエルしてきたデュエリストの中で最強クラスの力を有する、俺の最大のライバル、その実力はこのエクシーズ次元に転生し、タイタニック・ギャラクシーという新たなエースを手にしてますます磨きがかかっている筈。
そんな相手とのデュエル中は『やり過ぎ』なんて言葉は死語と化すんだ。
「随分と凄まじい展開力だ、暫く会わない内に、また数多くの修羅場をくぐって来た様だな。ならば俺も全力で向かわねばならない!
俺のターン、ドロー!」
悪いが、此処で止めさせて貰うぜ!
「スタンバイフェイズに、ホープ・ゼアルのオーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて効果発動!
カイト、お前はこのターン、
効果を発動出来ない!」
「な、何!?」
ホープ・ゼアル、その最大の特徴は、相手ターン時にのみ発動出来る、この究極と言っても過言じゃないロック効果。
効果を無効にするのではなく、発動自体を無効にするという凶悪極まりない効果だ。
無論、抜け道と言えなくもない物はあるが。
「今はまだ効果を発動したに過ぎない。これにチェーンする形であれば、まだ効果を発動する事は出来る。それに適用された後であっても通常召喚やチェーンを組まない特殊召喚は出来るし、カードのセットも可能だ。効果自体が無効になる訳でもない。対抗手段があるなら今の内だぜ、カイト」
「いや、無い。まさか其処までの効果を持っていたとはな…
俺はモンスターをセットしてターンエンドだ」
SNo.0ホープ・ゼアル ORU 4→3
攻撃力 5200→4200
Kaito
LP 4000
手札 2
モンスター セット
魔法・罠カード なし
流石に此処までのロック効果に対抗する術は無かったのか、カイトはカードをセットしただけでターンを明け渡した。
この状況で長々と展開したらアクションマジックを拾われる等で勝利が遠のくだけ、一気に行くぜ!
「俺のターン!ドロー!
このままバトルフェイズに入る!
カオス・ソーサラーでセットカードを攻撃!」
「セットカードは『ギャラクシー・ドラグーン』だ」
カオス・ソーサラー 攻撃力 3500 VS ギャラクシー・ドラグーン 守備力 1200
「ホープレイ・ヴィクトリーでダイレクトアタック!ホープソード・ヴィクトリースラッシュ!」
「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
Kaito LP 4000→0 LOSE
WINNER Yuya
「大丈夫か、カイト」
「ああ、問題ない。まさか此処まで圧倒されるとは」
いや、圧倒したとは言うが、デッキの回りが物凄く良かっただけ、それもエクシーズ・チェンジ・タクティクスの効果でバンバンドローした事で齎された物だ。
まあそれは兎も角それを語るカイトからは悔しさではなく、心から楽しめたという笑みの表情が浮かんでいた。
「此処まで白熱するデュエルは久々だ。ありがとう、遊矢。久しぶりに、心踊るデュエルだった」
「こっちもありがとうな、カイト。そういってくれると、エンタメデュエリスト冥利に尽きるって奴だぜ」
そう礼を言い合い、健闘を称えあう握手をした俺とカイト。
そのまま拠点に戻ろうと、足を進めたカイトに従おうとしたその時だった。
「む?」
「どうした、遊矢?」
「カイト達は先に戻っていてくれ。ちょっと野暮用が出来た」
「野暮用だと?
…分かった、余り遅くなるなよ?」
「ああ、なるべく早く帰る」
カイト達に遅くなることを告げ、そのカイトの忠告を背に、俺はとある場所へと向かう…