【完結】遊戯王ARC-V~遊の力を矢に束ね~   作:不知火新夜

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8章・B『其々の道。エクシーズ次元に潜入した遊矢達』
103話_再会、嘗てのライバル


Side ????

 

「―――様、次元転送の反応をキャッチしたであります!」

「そうか。――――――、その転送の形態はどうなっている?最近頻発している、此処から出て行く形の物か?」

「いえ、どうやらこっちの次元に侵入して来る形の物であります」

「分かった。まだ戦いは終わらない、か…」

 

何度そんな報告を聞いただろうか、この世界に融合次元の組織『デュエルアカデミア』の兵士が侵入を初めて早3年、奴等はそれ以来この地で好き放題に暴れて来た。

そんな横暴を我らが許す筈も無く抗戦こそしたが、デュエルで倒しても逃げられて再びやって来るゾンビの如きしつこさと、多数の兵士が居る事を踏まえたしたたかな戦略の前に、多くのデュエリスト達がその命を失い、或いはカード化され、この地は廃墟と化した。

嘗てこの地を、この世界を救った英雄として称えられた俺も老骨に鞭打ち、その知名度を生かして皆を鼓舞し、前線に立って奴等を倒して来たが、その勢いを止めるには至らなかった。

そして俺の家族も戦いの中で次々といなくなり、この世界で再び生を受けてから80年近く積み上げて来た物は、この3年で殆ど消し飛ばされてしまった。

そして今も尚(最近アカデミアの本拠地にて何かあったのか、この世界から引き上げる戦士が相次いでいる様だが)、その脅威は続いている。

もうこれ以上、奴等の好き勝手にされる訳には行かない、俺の様な想いをする仲間を作る訳には行かない。

今日もまた、アカデミアの兵士を倒すべく、戦場へと出向く。

…何時まで続くんだろうか、この不毛としか言えない戦いの日々は。

遊馬、もしお前が今の俺の立場だったとしても『かっとビング』の精神で今も尚、アカデミアの兵士に真っ向から立ち向かっていたかも知れないな…

 

------------

 

Side 遊矢

 

シンクロ次元へと来た時同様『ディメンジョン・ムーバー』の能力でエクシーズ次元へと来た俺達。

だが其処に広がる光景は、まあ想像は付いていたがそれでも、シンクロ次元のそれとは正反対だった。

 

「此処が、エクシーズ次元…」

「見渡す限りのがれきの山、か…」

「此処に壮絶な戦いがあった事、アカデミアが暴れに暴れ回った事を如実に現しているわね…!」

「3年前には、戦いが始まる前には此処にも煌びやかな街が広がっていたんだろうな…」

「アカデミアの奴等、ひでェ事しやがる…!」

「許せねぇ、アカデミアめ!この世界の人達が何をしたっていうんだよ!」

 

正に、皆が言う様な惨状が広がっていた。

建物らしき物は1、2個あるか無いかで他は全てがれきと化し、人っ子1人いるのかどうか分からない、それはまるで、あの時の、『ゼロ・リバース』が起こった時のネオ童美野シティの様な…!

 

「っ…!」

「遊矢!?だ、大丈夫?顔色が青いわよ…?」

「問題無い…

ちょっと、昔の事を思い起こされただけだ」

「昔の事、もしや『ゼロ・リバース』の事か、遊矢兄ちゃん?」

「あぁ…

だがこれまでにも何度かあった事だ、少し深呼吸すれば元の調子に戻る。それよりも今は、早く生存者を探さないと…!」

 

その光景に思わず、ゼロ・リバースの光景がフラッシュバックして立ちくらみが起こってしまう、その様子に少なからず動揺している皆に心配ないと告げ、其々の地点へと転送された各部隊と連絡を取る。

 

「こちらARC-V、異常なし。各部隊、応答せよ」

『第1部隊、異常なしだ』

『第2部隊も、異常なしだぜ』

『第3部隊、此方も異常なしよ』

「了解。それでは各自、生存者の捜索及び、アカデミアに属するデュエル戦士の討伐に当たれ。連絡は以上だ。それでは、任務開始!」

『了解!』

 

各隊との連絡を終え、改めて辺りを見回す。

まあデュエル戦士の討伐はともかく(向こうから寄って来るかもしれないからな)、生存者の捜索となるとこれは骨だな、辺りは一面がれきの山、その物陰に隠れて難を逃れている存在もいるやも知れない、それらを虱潰しに当たらなければ取りこぼしが出てしまうからな。

まあ俺達、というか俺はユベル達に捜索させたり、気配察知を使ったりすれば何とかならなくもないが、他の部隊となるとその苦労は尚の事だろう、その分俺達が広範囲を探さないと。

と今後の行動を考えていると、

 

「いたぞ!エクシーズ次元の残党共だ!」

「まさかこんな所をうろついているとは思わなかったな」

「これぞ飛んで火にいる夏の虫ってか?」

「折角だ、コイツらもやっちまうか?」

「そうだな、スコアを稼がせて貰うぜ!」

「OK、早速やろうぜ!」

 

そんな俺達を偶然見つけたのか、デュエル戦士らしき6人がモンスターを展開しつつ此方へと寄って来るのが見えた。

 

「アカデミア!」

「6VS6か、何とか行けるか…!」

 

その姿を見るや戦闘態勢に入る柚子達、だが丁度良いな、折角だからコイツらには俺の実験台になって貰うとしよう…!

 

「待ってくれ、皆。此処は俺に任せてくれ。ちょっと試したい事がある」

「遊矢?」

「待てよ遊矢、幾らお前でも1人で6人もの相手は…!」

「そォだぜ、何もンな事しなくても…」

「大丈夫だ、このデッキなら何人来ようが十分だ」

 

そう言いつつ皆を制し、1人前に出る。

 

「おいおい、コイツは笑えるぜ、ヒーロー気取りかよ」

「馬鹿じゃねぇの?俺達相手に勝てるとでも思ってんの?」

「まあいいや、態々やられに来てくれたんだ、たっぷりと」

「勝てる?いや違うな、

 

 

 

デカい花火を飛ばすんだよ、お前らという花火をな!」

 

そう言い放ちつつ、覇王の力を少しばかり解放する。

すると、さっきまで好き放題言っていた連中は途端に驚き身を竦め、黙り出す。

覇王の力にあてられて俺の実力を察知したのだろう、その警戒感が跳ね上がる様子は火を見るよりも明らかだ。

 

「「「「「「「デュエル!」」」」」」」

 

1番手 Yuya LP 4000 VS

2番手 ????(赤) LP 4000 & 3番手 ????(青) LP 4000 & 4番手 ????(黄) LP 4000 & 5番手 ????(緑) LP 4000 & 6番手 ????(紫) LP 4000 & 7番手 ????(橙) LP 4000

 

先攻は俺か、お、この初手は…!

 

「俺のターン!そして、

 

ファイナルターン!」

「な、ファイナルターンだと!?」

「ふざけやがって、俺達6人をこのターンで倒すってか!?」

「馬鹿にしやがって、エクシーズ如きが!」

「Ladies and Gentleman!Boys and Girls!これより俺、榊遊矢による鮮烈な花火ショーをお見せしましょう!

まずは『E・HEROバブルマン』を召喚!」

「ひ、ヒーローだと!?」

「それはフェニックス総司令官が使っていたカードカテゴリの筈!」

「何でエクシーズ次元のお前が持っている!?」

 

E・HEROバブルマン

効果モンスター

水属性

戦士族

レベル 4

攻撃力 800

 

俺のファイナルターン宣言を聞いて憤りを隠そうともせず声を上げるデュエル戦士達、だがそれは俺が召喚したバブルマンの姿で一変、驚愕の声となった。

それにしてもフェニックス?聞いたことある名前だな、まさか…?

 

「次にバブルマンがいる事で速攻魔法『バブルイリュージョン』発動!」

 

バブルイリュージョン

速攻魔法

『E・HEROバブルマン』が自分フィールド上に表側表示で存在する時のみ発動する事が出来る。このターン。自分は手札から罠カード1枚を発動する事が出来る。

 

「バブルイリュージョンの効果により、このターン俺は手札から罠カードを1枚発動する事が出来ます!この効果で手札から罠『チェーン・マテリアル』発動!」

「チェーン・マテリアル!?」

「それは我が融合次元のカードの筈!」

「ヒーローといい今の罠といい、お前は一体…!」

 

チェーン・マテリアル

通常罠

このカードの発動ターンに自分が融合召喚をする場合、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを自分の手札・デッキ・フィールド上・墓地から選んでゲームから除外し、これらを融合素材に出来る。このカードを発動するターン、自分は攻撃する事が出来ず、この効果で融合召喚したモンスターはエンドフェイズ時に破壊される。

 

「そしてこれが舞台設営の為の最後の下準備!フィールド魔法『フュージョン・ゲート』発動!」

「フュージョン・ゲートまで…!」

 

フュージョン・ゲート

フィールド魔法

このカードがフィールド上に存在する限り、ターンプレイヤーは手札・自分フィールド上から融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターをゲームから除外し、その融合モンスター1体を融合召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する事が出来る。

 

そのバブルマンを起点に着々と整えられる下準備…

さあ始めるか、鮮烈な花火ショー(無限バーン)を!

 

「それでは花火ショーの開幕です!とくとご覧あれ!

フュージョン・ゲートの効果発動!

デッキの『E・HEROフェザーマン』と『E・HEROバーストレディ』、『E・HEROクレイマン』、そしてフィールドのバブルマンを除外して融合!

四元素を司る究極のヒーロー、それは黄金をも作り上げる真の賢者!融合召喚、今こそ勝利の方程式を組み上げろ!『E・HEROエリクシーラー』!」

 

E・HEROエリクシーラー

融合・効果モンスター

光(風・水・炎・地)属性

戦士族

レベル 10

攻撃力 2900

 

チェーン・マテリアルとフュージョン・ゲートのコンボの結果として登場したのは、RPGとかではお馴染みの霊薬『エリクサー』の名を冠したヒーロー、エリクシーラー。

その重すぎる融合素材ゆえに普通のデッキでは扱いにくいが、このデッキではその効果も含めて重大なキーカードとなる。

 

「融合召喚したエリクシーラーの効果発動!

除外されているカードを全てデッキに戻します!」

「ば、馬鹿な!?たった今素材となったカードが戻っていくだと!?」

「事実上融合素材無しじゃないか!こんなのインチキだ!」

 

お前らが言うな。

 

「フュージョン・ゲートの効果発動!

デッキのフェザーマンとバーストレディ、クレイマンとバブルマンを除外して融合召喚!並び立て、エリクシーラー!

融合召喚したエリクシーラーの効果発動!

除外されているカードを全てデッキに戻します!」

 

これでレベル10モンスターが2体、発射台の準備はこれで万端!

 

「俺は2体のエリクシーラーでオーバーレイ!2体のレベル10モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!鉄路の彼方より、地響き共に、只今到着!『超弩級砲塔列車グスタフ・マックス』!」

 

超弩級砲塔列車グスタフ・マックス

エクシーズ・効果モンスター

地属性

機械族

ランク 10

攻撃力 3000

ORU 2

 

「ソイツが花火を打ち上げる為の発射台という事か…!」

 

エリクシーラー2体を用いたエクシーズ召喚の演出と共に登場したのは、遊馬だった頃に何かとひっ付いて来た女の子、神月アンナのエースカードであるグスタフ・マックス。

今更だが、今回俺が使っているのはアカデミアとの戦いの為に新たに構築した『マテリアル1キル』、1ターンに何度も融合召喚出来るフュージョン・ゲートと、融合素材を除外ゾーン以外なら何処からでも持ち込めるチェーン・マテリアル、そして融合素材をデッキに戻せるエリクシーラー、この3体の無限ループコンボで何度も融合召喚を行い、其処から今出したグスタフ・マックス等で勝負を決めるというのがこのデッキの戦略だ。

 

「ええ!只今から、花火の打ち上げを開始します!

今出したグスタフ・マックスのオーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて効果発動!

2000バーンダメージという名の花火を打ち上げます!まずは其処の赤い仮面の貴方!発射オーライ!ビッグ・キャノン!」

「な、ぐぁぁぁぁ!」

 

超弩級砲塔列車グスタフ・マックス ORU 2→1

????(赤) LP 4000→2000

 

グスタフ・マックスの周囲を飛んでいたオーバーレイ・ユニットを示す光球が砲身に入り、赤い仮面を被ったデュエル戦士に照準を定めて発射され、デュエル戦士を空高くへと吹っ飛ばした。

それは正に、花火の打ち上げだ(ヲイby作者)

 

「くっ!だがエクシーズモンスターの効果は大抵1ターンに1度!それにさっきの融合モンスターも名前指定!これでどう俺達を倒すというのだ?」

 

その効果、というかたった今繰り広げられた光景に恐れを抱いた他のデュエル戦士だが、その効果ゆえに乱発は出来ないだろうと高をくくり、調子を取り戻していた。

確かにグスタフ・マックスの効果は、カード毎のターン1制限、この状況ではもう1回発動する事は出来ない。

が、

 

「それはどうでしょう?」

「何?」

「フュージョン・ゲートの効果発動!

墓地のエリクシーラーと、フィールドのグスタフ・マックスを除外して融合!

大地を司るヒーローよ!その大いなる力で、悪を打ち砕け!融合召喚!『E・HEROガイア』!」

「ば、馬鹿な!エクシーズモンスターを素材に融合召喚だと!?」

 

E・HEROガイア

融合・効果モンスター

地属性

戦士族

レベル 6

攻撃力 2200

 

使えないんなら融合素材にしちゃえばいい。

オーバーレイ・ユニットに使ったエリクシーラーと効果を使ったグスタフ・マックスを用いて融合したのは、何やら重装甲なヒーロー、ガイア。

 

「フュージョン・ゲートの効果発動!

墓地のエリクシーラーと、たった今融合召喚したフィールドのガイアを除外して融合!

光を司るヒーローよ!その太陽の如き光で、全てを浄化せよ!融合召喚!『E・HERO Theシャイニング!』」

 

E・HERO Theシャイニング

融合・効果モンスター

光属性

戦士族

レベル 8

攻撃力 2600→3500

 

更にガイアをも素材に使い、Theシャイニングを融合する。

これでフィールド上にいるTheシャイニング以外のヒーローは、デッキにある奴以外は全て除外された。

 

「一応説明しますが、Theシャイニングの攻撃力は、除外されたE・HEROの数×300ポイントアップします!フュージョン・ゲートの効果発動!

デッキのフェザーマンとバーストレディ、クレイマンとバブルマンを除外して融合召喚!並び立て、エリクシーラー!

融合召喚したエリクシーラーの効果発動!

除外されているカードを全てデッキに戻します!」

 

E・HERO Theシャイニング 攻撃力 3500→4700→2600

 

「す、全て戻った、だと…!?」

 

そしてそれは全てエリクシーラーの効果で戻っていった。

そう、これこそがマテリアル1キルの全貌、それに気付いたデュエル戦士達が恐れおののき、その場を離れようとするが、

 

「何処へ行こうと言うのですか?俺の花火ショーは、まだまだ始まったばかりですよ」

『っ!?』

 

金縛りにあった様に動けなくなった、無論これは覇王の力を応用した、文字通りの金縛りだ。

 

「フュージョン・ゲートの効果発動!

デッキのフェザーマンとバーストレディ、クレイマンとバブルマンを除外して融合召喚!並び立て、エリクシーラー!

融合召喚したエリクシーラーの効果発動!

除外されているカードを全てデッキに戻します!

俺は2体のエリクシーラーでオーバーレイ!2体のレベル10モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!グスタフ・マックス、只今再到着!

今出したグスタフ・マックスのオーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて効果発動!2000ダメージ!

たぁぁまやぁぁ!」

「ぎゃぁぁぁぁ!」

 

超弩級砲塔列車グスタフ・マックス ORU 2→1

????(赤) LP 2000→0 LOSE

 

そして、先程の砲撃でまだ宙を待っていたデュエル戦士に、再度砲撃が繰り出され、そのデュエル戦士は文字通りの花火となってこの場から消え去った。

 

「フュージョン・ゲートの効果発動!

フィールドのTheシャイニングとグスタフ・マックスを除外して融合召喚!現れろ、ガイア!

フュージョン・ゲートの効果発動!

墓地にある2体のエリクシーラーを除外して融合召喚!現れろ、Theシャイニング!

フュージョン・ゲートの効果発動!

フィールドのTheシャイニングを吸収して再びその力を振るえ、ガイア!

フュージョン・ゲートの効果発動!

デッキのフェザーマンとバーストレディ、クレイマンとバブルマンを除外して融合召喚!並び立て、エリクシーラー!

融合召喚したエリクシーラーの効果発動!

除外されているカードを全てデッキに戻します!」

「あ、あぁ…」

 

だからといって、この無限ループが終わる事は無い。

 

(暫くお待ちください)

 

「今出したグスタフ・マックスのオーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて効果発動!2000ダメージ!

かぁぁぎやぁぁ!」

「がぁぁぁぁぁ!」

 

超弩級砲塔列車グスタフ・マックス ORU 2→1

????(橙) LP 2000→0 LOSE

 

WINNER Yuya

 

そして花火ショーの最後を締めくくる最後の花火が打ち上げられ、デュエルは宣言通り先攻1キルで終結した。

 

「はい、一丁上がり!」

 

その光景を見届けながら、後ろで待っていた柚子達のもとへ向かおうと振り向くと、

 

「うわぁ…」

「あンな無茶苦茶な先攻1キル、どォしろと?」

「俺だったらチェンマの所でぶち込むか、或いはゲートをうさぎでやればなんとかなる、か?」

 

其処には何だか唖然とした様子の皆が居た。

いや、今更かよ?と思いつつも皆のもとへ向かった、

 

「今のえげつないまでに洗練されたデュエルタクティクス、まさか…

 

お前まさか、鬼畜トンマでありますな!?まさかカイト様やオイラと同じく転生してきたとは…!」

 

そんな、俺を呼んでいるらしき声がした。

自分の事をオイラと言い、俺を鬼畜トンマだとか言う奴は1人(?)しかいない、

 

「オービタル7…」

「オイラの事を知っている…!

やっぱり鬼畜トンマでありますか!こんな所で会うとは驚きであります!」

 

その方向へ振り向くとやはり其処には、遊馬だった頃の最大のライバルである天城カイトに付き従うロボット、オービタル7がいた。

今の口振りからしてカイトも、この世界に転生して来たんだな…

というかオービタル7、お前はロボットだろ、ロボットが転生って色々とおかしくないか?

 

「遊矢、あの、ロボット?あれは一体?」

「ああ、アイツはオービタル7。俺が遊馬だった頃の最大のライバルだった天城カイトが作り上げたロボットだ。まあ今の通り口は無茶苦茶悪いが、性能は凄まじく高いぞ」

「カイト様!こっちであります!姿は変わっているでありますが間違い無く、其処にいるトマト頭こそあの鬼畜トンマであります!」

「引っ張るなオービタル、流石の俺も年なんだぞ」

「あ。か、カシコマリぃ…」

 

そんなオービタル7について疑問を覚えた柚子達にアイツの事を説明していると、近くにいたのかオービタル7がカイトを連れて来た様だ。

ん?年?

 

「お前、カイト、なのか…?」

「あぁ。久しぶりだな、遊馬。俺の視点で言わせれば、78年ぶりか」

 

この世界で再会したカイト、その姿は前世での晩年の姿、そのままだった…




注:『遊戯王ARC-V~灼眼のガンスリンガー~』との整合性から、今作でのカイトはアニメよりも60歳年取っている設定となっています。

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