【完結】遊戯王ARC-V~遊の力を矢に束ね~   作:不知火新夜

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Ex19話_並行世界での2回戦!闇堕ちした柚子VS並行世界の遊矢その3

「私のターン!ドロー!」

 

さて此処は、ルシフェルの効果を最大限発揮させる為にも盤面を整えた方が良いわね。

 

「まずは今引いた魔法『堕天使の戒壇』発動!」

 

堕天使の戒壇

通常魔法

『堕天使の戒壇』は1ターンに1枚しか発動出来ない。

1:自分の墓地の『堕天使』モンスター1体を選んで守備表示で特殊召喚する。

 

「なっ!?また堕天使の戒壇!?」

 

私がまるで望み通りのカードを引き当てたという展開に、遊矢は驚きの声を上げる。

でも遊矢、遊士のドロー運は私なんかの比じゃ無いわよ。

 

「私は墓地から『堕天使マスティマ』を守備表示で蘇生するわ!一応言って置くけど、マスティマもフィールドにいる時、イシュタム達と同じ効果を持っているわ!」

 

堕天使マスティマ

効果モンスター

闇属性

天使族

レベル 7

守備力 2600

 

私が蘇生したのは、手札抹殺で墓地へ送られた最後の1枚で、その名はヘブライ語で『敵意』や『憎悪』を意味し、人間を害したり誘惑したりする事で神への忠誠心を試したと言われる堕天使、マスティマ。

これで私のフィールドには、5体の堕天使が勢ぞろいした。

 

「次にルシフェルの効果発動!今フィールドにはルシフェルを含めて5体の堕天使が存在する、よってデッキの上から5枚を墓地へ送って…」

 

あ、

 

「…墓地へ送られたのは『堕天使の追放』2枚と『背徳の堕天使』2枚、そして『魅惑の堕天使』、全てが堕天使カード!よってLPを2500回復する!」

「全部堕天使?」

 

Yuzu LP 1000→3500

 

墓地へ送られたカード全部が堕天使カードなのは良かったとしても、その内の1枚が堕天使版『洗脳―ブレインコントロール』である『魅惑の堕天使』だったのはちょっと不味かったわね。

今の私のモンスターゾーンには空きが無い、これじゃあコストを払わない、いや払えない以上、墓地からの発動は出来ない。

まあ良いわ、これは結果論、そうなったらそうなったで仕方ないわ。

さて、さっき背徳の堕天使をバンバン使った影響でLPが心許無くなって来たわ、ライフゲイン系のアクションマジックがあれば良いけど…

と、制限時間の事もあるし、そろそろ動かないと。

 

「続いてイシュタムを攻撃表示に変更し、バトルフェイズに入るわ!

イシュタムでダイレクトアタック!」

 

これで例えゴーズが出てこようと、後に控えるテスカトリポカとルシフェルによって後続を断てる!

 

「その瞬間、墓地の『埋没神の救済』を発動!自分の墓地からこのカードを含む5枚のカードを除外し、バトルフェイズを終了させる!」

「なっ!?」

 

ま、まさかのパターン!?

バトルフェーダーの存在もあって、バトルフェイズを終了させるという選択肢も考えていない訳じゃ無かったけど、まさかのそっちだったとはね…

良いわ、此処は通す。

 

「なら私はこのままターンエンドよ!」

 

Yuzu

LP 3500

手札 0

モンスター 堕天使イシュタム(攻撃表示)

      堕天使テスカトリポカ(攻撃表示)

      堕天使ルシフェル(攻撃表示)

      堕天使アムドゥシアス(守備表示)

      堕天使マスティマ(守備表示)

魔法・罠カード なし

 

今フィールドにいる5体の堕天使モンスター、その全てが遊矢のエースの一角であろうオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの攻撃力2500を(現在の表示形式で)突破している、仮にそれを突破して来るモンスターが出て来るなら、背徳の堕天使で狙い撃てば良い。

さあ、此処からが勝負よ、遊矢!

 

「俺のターン、ドロー!

俺は『トラップ・ブースター』を発動!手札を1枚捨て、このターン俺は1枚だけトラップカードを手札から発動出来る!」

 

トラップ・ブースター(アニメオリジナルカード)

速攻魔法

手札を1枚捨てて発動する。このターン、自分は手札から罠カード1枚を発動する事が出来る。

 

手札3枚を使って罠カード1枚を即座に使う、普通なら同じ様な効果を持ち、手札消費を1枚少なく出来る『王家の神殿』か、同じ手札消費でもレベル4モンスター1体をフィールドに用意出来る(というかする必要がある)『バブルイリュージョン』だけど、墓地に背徳の堕天使がある以上はこれがベストかもね。

それは良いとして、果たしてどんな罠カードを使って来るのか…

 

「俺は代償の宝札を墓地に送って効果発動!更に代償の宝札の効果で2枚ドロー!」

 

と思っていたら、デメリットを最小限に抑えて来た!?

代償の宝札って零児さんもさっきのデュエルでレインボー・ライフを発動する際にコストとしたカード、それでデメリットをメリットに変えて来たって訳ね…

さっき私が堕天使の戒壇を引いた事に驚いていたけど、貴方達の引きも大概じゃない。

 

「よっと、アクションカードゲット!このアクションカードをコストに『ペンデュラム・コール』を発動!」

 

ペンデュラム・コール(制限カード(こちらの世界))

通常魔法

『ペンデュラム・コール』は1ターンに1枚しか発動出来ず、『魔術師』ペンデュラムモンスターのペンデュラム効果を発動したターンには発動出来ない。

1:手札を1枚捨てて発動出来る。カード名が異なる『魔術師』ペンデュラムモンスター2体をデッキから手札に加える。このカードの発動後、次の相手ターン終了時まで自分のペンデュラムゾーンの『魔術師』カードは効果では破壊されない。

 

「デッキからカード名が異なる魔術師ペンデュラムモンスター2体を手札に加える!俺が手札に加えるのは『星読みの魔術師』と『時読みの魔術師』!」

 

ペンデュラム・コール、遊士も愛用している大量サーチカードで、おまけにペンデュラムゾーンにある魔術師カードに効果破壊耐性も付ける制限カードだったわね。

つまりもし遊矢がこのターンにペンデュラム召喚を仕掛けようと、私にそれを阻止する術は無い。

 

「俺はスケール1の『星読みの魔術師』と、スケール8の『時読みの魔術師』でペンデュラムスケールをセッティング!」

 

Yuya

ペンデュラムスケール(青):1(星読みの魔術師)

ペンデュラムスケール(赤):8(時読みの魔術師)

 

「揺れろ、魂のペンデュラム!天空に描け、光のアーク!ペンデュラム召喚!現れろ、俺のモンスター達!レベル3、『EM(エンタメイト)リザードロー』!『EMファイア・マフライオ』!『EMウィム・ウィッチ』!そしてレベル7!美しくも雄々しく輝く二色の眼、『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』!」

 

EMリザードロー

ペンデュラム・効果モンスター

地属性

爬虫類族

レベル 3

攻撃力 1200

 

EMファイア・マフライオ

ペンデュラム・効果モンスター

炎属性

獣族

レベル 3

攻撃力 800

 

EMウィム・ウィッチ

ペンデュラム・効果モンスター

闇属性

魔法使い族

レベル 3

攻撃力 800

 

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン

ペンデュラム・効果モンスター

闇属性

ドラゴン族

レベル 7

攻撃力 2500

 

だけど、ペンデュラム召喚したモンスターなら話は別よ!

今はトラップ・ブースターの効果適用中、もしかしたら手札にあるのは『神の通告』等のカウンター罠かも知れないけど、それならそれでモンスターの空きが出来る!

 

「そのペンデュラム召喚成功時、ライフポイントを1000払って、アムドゥシアスの効果発動!適用するのは勿論、背徳の堕天使よ!」

 

Yuzu LP 3500→2500

 

「その瞬間、手札からカウンタートラップ『神の通告』発動!ライフを1500払い、アムドゥシアスの効果を無効にする!」

 

神の通告

カウンター罠

1:1500LPを払って以下の効果を発動出来る。

●モンスターの効果が発動した時に発動出来る。その発動を無効にし破壊する。

●自分または相手がモンスターを特殊召喚する際に発動出来る。その特殊召喚を無効にし、そのモンスターを破壊する。

 

Yuya LP 2000→500

 

よし、予想通り神の通告だったわ!

これで私のモンスターゾーンに空きが出来て、墓地にある魅惑の堕天使の効果を適用する事が出来る!

…ん?何か遊矢が今しがたペンデュラム召喚で並べたモンスター達を見て何か複雑そうな表情をしているわね。

一体何を躊躇しているのかしら?

 

「本当に使うとは思ってなかったけど…赤馬零児、ありがたく使わせて貰う!」

 

まさか、さっき零児さんが渡したカード、今の状況からしてランク3エクシーズモンスターを?

 

「俺はレベル3のリザードロー、ファイア・マフライオ、ウィム・ウィッチの3体でオーバーレイ!3体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!冬の眠りから目覚め、凱旋の歌を高らかに歌え!エクシーズ召喚!『No.3』!現れよ、『地獄蝉王ローカスト・キング』!」

 

No.3地獄蝉王ローカスト・キング

エクシーズ・効果モンスター

風属性

昆虫族

ランク 3

守備力 2500

ORU 3

 

「は…?アイエエエエ!?ローカスト・キング!?ローカスト・キングナンデ!?いや、バアル・ゼブルがいるから『偽物』のNo.2~No.4もいるかなとは思っていたけど、本当に出した!というか零児さん、何でまた遊矢に?風属性でランク3ですからユーゴやユートの方が、相性が良いと思いますが…」

「ユーゴはエクシーズを使わず、ユートも元々別の強力なNo.を所持している。ならば、様々なレベルのモンスターを操る榊遊矢にも数枚渡しておくべきだと思ってな」

 

な、何か外野で遊士がNRS(ニンジャリアリティショック)を引き起こしているわね(汗

遊矢が言っていた『偽物』のNo.、バアル・ゼブルの例があるからもう驚かないと思っていたけど、あの、名前の通り蝉みたいなNo.モンスターに因縁でもあるのかしら?

まあ良いわ、そのモンスター、貰い受けるわ!

 

「そのエクシーズ召喚成功時、LPを1000払い、イシュタムの効果発動!適用するのは墓地にある『魅惑の堕天使』!これはターン1回発動制限が付き、発動コストが手札か自分フィールド上の『堕天使』モンスターと化し、罠カードとなった対象を取らない『洗脳―ブレインコントロール』!」

 

Yuzu LP 2500→1500

 

「俺が何の対処手段も無しにこのカードを出したと思ったら大間違いだ!ローカスト・キングの効果発動!相手フィールド上に存在する効果モンスターの効果が発動した時、このカードのオーバーレイ・ユニットを1つ使うことで、そのモンスターの効果を永続的に無効にし、このカードの守備力を500ポイントアップさせる!」

 

No.3地獄蝉王ローカスト・キング ORU 3→2

 

モンスター効果を永続的に無効にするフリーチェーン効果、これは厄介ね…!

でも遊矢は言っていなかったけど、此処まで厄介ならターン1制限が付いている筈、なら…!

 

「後続がいる事、忘れないで欲しいわね!それにチェーンして、LPを1000払い、マスティマの効果発動!こっちも魅惑の堕天使を適用するわ!」

 

Yuzu LP 1500→500

 

「柚子、お前の言葉を借りさせて貰うぜ。何時このターン、俺が『ローカスト・キングの効果は1ターンに1度だけ使える』って言ったんだ?」

 

ゑ?

 

「ローカスト・キングのオーバーレイ・ユニットをもう1つ使い、効果発動!マスティマの効果を無効にする!メモリーサッカー!」

 

No.3地獄蝉王ローカスト・キング ORU 2→1

                 防御力 2500→3000→3500

 

う、嘘でしょ!?あんな強力な効果に、ターン1回制限が付いていないなんて…!

と嘆いていてもこの不味い状況に変わりは無い、LP的にテスカトリポカの効果を使う事は出来ない、というか使った所でまたローカスト・キングに吸い取られるだけ、一応ステータス的にはまだどの堕天使も、オッドアイズの攻撃力と同じか上回っているけど、これはアクションデュエル、アクションマジックを使われる可能性もあるし、仮にそうだとしても今のオッドアイズはホープレイ・ヴィクトリー並のロック効果を持っているからノーアクションで返す事は出来ない、となるとバトルフェイズが始まるまでにライフゲイン系のアクションマジックを…!

 

「バトルだ!オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンで堕天使ルシフェルに攻撃!この瞬間、アクションマジック『エクストリーム・ソード』を発動!」

 

エクストリーム・ソード

アクションマジック

1:フィールドのモンスター1体を対象として発動出来る。そのモンスターの攻撃力はバトルフェイズ中のみ1000アップする。

 

ま、間に合わな、

 

「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの攻撃力を1000ポイントアップする!」

 

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 攻撃力 2500→3500 VS 堕天使ルシフェル 攻撃力 3000

 

「行け、オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!その双色の眼で捉えた全てを焼き払え!螺旋のストライクバースト!」

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

Yuzu LP 500→-500 LOSE

 

WINNER Yuya

 

------------

 

Side 遊士

 

「ねぇ遊士、私ってそんなにストロングでガサツな女かな…?」

「な訳あるか。俺は柚子の可愛い所も、物事をしっかりと捉え、受け止められる事も知っているし、そんな柚子を、ありのままの柚子を俺は好きになったんだ。だから自信を持て」

 

デュエルは遊矢の勝利で決着、となったのだが、其処で遊矢から色々言われた事にショックを受けたのか、オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの攻撃を受けて吹っ飛ばされた先へと急いで向かった俺に抱き付いたまま離れない柚子。

これはこれで可愛いなと思うが、遊矢の奴、柚子の事をボロクソに言いやがって、覚えていろよ?

と、その遊矢は何かローカスト・キングのカードを、複雑そうな表情で見ているな。

まあ確かに相手モンスターの効果を永続的に、しかもオーバーレイ・ユニットさえあれば幾らでも無効に出来るのは強すぎるし、演出面でも、そもそもの出自からしてもエンタメデュエルには向いていないと思うのは仕方ないのかも知れないな。

だがエンタメデュエルの形は1つじゃない、俺の『完全決闘』の様な一見してエンタメとは到底言えないパーミッションデッキも、使い様によっては人を魅了し、笑顔にさせる事が出来るんだ(実際これで、一行や当麻、美琴に刃、何よりエレンが遊勝塾の門を叩いてくれたし)。

さて、今度は俺の番だな!

 

「柚子、そろそろ行って来るよ」

「うん…

ごめんね、いきなり抱き付いちゃって」

「良いって事よ。元はと言えば柚子の魅力に気付いちゃいない遊矢が悪いんだし、柚子の可愛い一面を見られたって事で」

「え、か、可愛いって、ば、バカ…」

 

ははは、照れる柚子も可愛いな。

そんな柚子の姿にほっこりしつつ、デュエルフィールドへと向かう。

なんか傍らでユーゴが殺気飛ばしているけど、こっちのユーゴも、幼馴染のリンがアカデミアにさらわれているんだったっけ?

そしたら悪い事したな、ちょっと自重するか。

 

「さて、俺達の出番だね」

 

…ん?俺、達?

まさかファントムにも、俺にとってのユベルやアストラルの様な存在が…?

まあ良いか、それはデュエルして明らかになるかも知れないし。

 

「さあ始めようか、ファントム!」

「うん。俺達のエンタメを、アクションデュエルを始めよう!」

「アクションフィールド、オン!フィールド魔法『水晶渓谷(ザ・マアキュリー)』発動!」

 

俺達のデュエルの舞台となるアクションフィールド、それは水晶で出来た渓谷だった。

その水晶の透明度の高さから、向こう側のアクションカードも見える、けど実際にゲットするとなると困難を極めるだろうな。

 

「戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が!」

「モンスターと共に地を蹴り宙を舞い!」

「「フィールド内を駆け巡る!」」

「「見よ!これぞデュエルの最強進化系!アクショーン…」」

「「デュエル!」」


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