【完結】遊戯王ARC-V~遊の力を矢に束ね~ 作:不知火新夜
87話_全面戦争、開始
「元いた次元でアカデミアのデュエル戦士と戦った者も、ランサーズの中には少なからずいる。彼らの話を踏まえると、アカデミアにおけるエリート部隊と言われている『オベリスク・フォース』であろうと、個々の実力は我々ランサーズのメンバーには及ばない。デュエルチェイサーとして日々ライディングデュエルに明け暮れる諸君も、1対1であれば勝てない相手では無い。だが奴等は『
『おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!』
フレンドシップカップ2回戦の真っ只中で最高潮の盛り上がりを見せるデュエルパレスから少し離れた所にある広場、其処で俺達ランサーズメンバー25人(フレンドシップカップに出場している6人の他、零児と零羅にはデュエルパレスに待機して貰っている)と、デュエルチェイサーの総員が集結し、いずれ起こる戦いに向けて決起集会を開いていた。
何故、フレンドシップカップというシティ最大の祭典が行われているこのタイミングで集会を開いているのかと言うと、前日の夜に月影から入った連絡がその要因だ。
アカデミアに潜入していた月影からの連絡、それは今日、アカデミアがこのシンクロ次元に潜伏している柚子とセレナを確保するべく仕掛けると言う物。
日影や遊香が、数多のデュエル戦士が準備に騒々しい様を目撃していた事、その指揮官として『融合次元の俺』等が組み込まれていた事等から、俺達の次元に潜入して来た時とは比べ物にならない程の規模で攻め込んでくる、そんな情報を入手した俺は緊急でランサーズメンバー及びセキュリティに連絡、フレンドシップカップ中のシティで無用な混乱を招かない様、ある程度の人員はデュエルパレスに留め、残ったメンバーで今、間もなく来るであろうアカデミアの大軍勢との戦いに向けて戦意を高めていた。
「その意気や良し!各隊、其々の持ち場に付き、出撃の報を待て!」
『はっ!』
俺の号令と共に散開して行く各部隊、その足は皆、アカデミアの下種極まりない行いに対する憤りや、自分がこのシティを守るという使命感というか正義感からか、はつらつとしていた。
そんな様子に良い感じだと一種の満足感を覚えつつ、各隊が其々の拠点に到着したのを機器で確認してから数十分経過した時、
「遊星様!シティ内の数か所から強大な次元転送反応を探知しました!」
「座標パターン、パープル!アカデミアです!」
敵が、アカデミアからの侵略者が、来た…!
「総員、第一種戦闘配備!各隊、侵入者を1人残らず駆逐せよ!」
『おぉぉぉぉぉぉぉぉ!』
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「行くぜ、変態仮面共!」
「さあ、懺悔の用意は出来たか!」
「な、なんだこれ、ぐぁ!」
「く、外せな、がぁ!」
遊矢からの号令と共に出撃を開始したデュエルチェイサー及びランサーズのメンバー、ランサーズ第3部隊に属する白哉と流星もまた同じで、その途上で発見した2人のデュエル戦士にデュエルアンカーを射出、拘束に成功した。
「さぁて始めますか、白哉さん!」
「ああ、奴等を処断するぞ!」
「貴様らか、ランサーズだとか言うスタンダード生まれの烏合の衆は!」
「さっさと片づけるぞ!」
「「「「デュエル!」」」」
1番手 Ryusei LP 4000 & 3番手 Byakuya LP 4000
VS
2番手 ????(青) LP 4000 & 4番手 ????(赤) LP 4000
「よしっ1番手は俺!
まずは『闇竜星―ジョクト』を召喚!」
闇竜星―ジョクト
効果モンスター/チューナー
闇属性
幻竜族
レベル 2
攻撃力 0
2人のデュエル戦士とのタッグデュエルに突入した流星と白哉、その1番手となった流星が召喚したのは、刃とのデュエルでもその力を発揮したジョクト。
「次に手札の『水竜星―ビシキ』と『光竜星―リフン』を墓地へ送ってジョクトの効果発動!
デッキから『秘竜星―セフィラシウゴ』を守備表示、『炎竜星―シュンゲイ』を攻撃表示で特殊召喚!」
秘竜星―セフィラシウゴ
ペンデュラム・効果モンスター
地属性
幻竜族
レベル 6
守備力 2600
炎竜星―シュンゲイ
効果モンスター
炎属性
幻竜族
レベル 4
攻撃力 1900
「そいつが報告にあったペンデュラムモンスターか!」
「確かフィールドから墓地へ送られる時、代わりにエクストラデッキに送られ、その送られた奴もペンデュラム召喚なる方法で特殊召喚出来るらしいな、面倒臭い物を作りやがって…!」
そのジョクトが持つリクルート効果によって呼び出された2体の竜星モンスターの中で、ペンデュラムモンスターであるセフィラシウゴの姿に忌々しいと言わんばかりの様子を見せるデュエル戦士達。
彼らも今回の侵攻に伴い、その力が伝えられている様である。
「俺はレベル6のセフィラシウゴに、レベル2のジョクトをチューニング!この星の元素と、空に輝く星の光が、煌く龍を生み出すぜ!今こそ降り立ち、輝きの力で惑わせ!シンクロ召喚、レベル8!『輝竜星―ショウフク』!」
輝竜星―ショウフク
シンクロ・効果モンスター
光属性
幻竜族
レベル 8
攻撃力 2300
その様子を意に介さず、シンクロ召喚の演出と共に呼び出したのは、竜星の一角で竜生九子の一角『蚣蝮』をモデルとしたモンスター、ショウフク。
「続いてショウフクの効果発動!
フィールドのシュンゲイを破壊し、ビシキを守備表示で蘇生するぜ!」
水竜星―ビシキ
効果モンスター
水属性
幻竜族
レベル 2
守備力 2000
「自分のアタッカーを破壊して壁を蘇生した…?」
一見するとアタッカーとして有用なシュンゲイを破壊し、レベルが2低いビシキを蘇生した、という不可解なプレイング、だが、
「破壊されたシュンゲイの効果発動!
それにチェーンして、竜星カードが破壊された事でリフンの効果発動!
まずはリフンの効果で、コイツ自身を守備表示で蘇生するぜ!」
光竜星―リフン
効果モンスター/チューナー
光属性
幻竜族
レベル 1
守備力 0
「次にシュンゲイの効果で、デッキから2枚目のセフィラシウゴを守備表示で特殊召喚!」
「なっ!?一気に2体のモンスターを増やしただと!?」
「その内1体はチューナー、という事はまたシンクロ召喚か…!」
そう、これこそが流星の狙い。
これによってビシキの他、セフィラシウゴと、竜星の一角で竜生九子の一匹『チ吻』をモデルとしたモンスター、リフンが流星の場に登場した。
「俺は、レベル6のセフィラシウゴと、レベル2のビシキに、レベル1のリフンをチューニング!この星の元素と、空に輝く星の光が、幻影を司る鳳凰を生み出すぜ!今こそ降り立ち、幻影の力で惑わせ!シンクロ召喚、レベル9!『幻竜星―チョウホウ』!」
幻竜星―チョウホウ
シンクロ・効果モンスター
光属性
幻竜族
レベル 9
攻撃力 2800
その後のシンクロ召喚で登場したのは、刃とのデュエルでその効果をいかんなく発揮したチョウホウ。
「自分の効果で蘇生したリフンは、フィールドから離れると除外されるぜ。
更に永続魔法『竜星の気脈』発動し、カードを1枚セットしてターンエンド!」
竜星の気脈
永続魔法
1:自分の墓地の『竜星』モンスターの属性の種類の数によって以下の効果を得る。
●2種類以上:自分フィールドの『竜星』モンスターの攻撃力は500アップする。
●3種類以上:自分フィールドの『竜星』モンスターが戦闘・効果で破壊される場合、代わりにこのカードを墓地へ送る事が出来る。
●4種類以上:相手はモンスターをセット出来ず、相手フィールドの表側表示モンスターは全て攻撃表示になる。
●5種類以上:このカードを墓地へ送って発動出来る。フィールドのカードを全て破壊する。
輝竜星―ショウフク 攻撃力 2300→2800
幻竜星―チョウホウ 攻撃力 2800→3300
Ryusei
LP 4000
手札 0
モンスター 輝竜星―ショウフク(攻撃表示)
幻竜星―チョウホウ(攻撃表示)
魔法・罠カード 竜星の気脈
セット
「くっ俺のターン!ドロー!
まずは『古代の機械猟犬』を召喚!」
古代の機械猟犬(アニメオリジナルカード)
効果モンスター
地属性
機械族
レベル 3
攻撃力 1000
流星のターンが終わり、青い光石をはめ込んだ仮面を着けているデュエル戦士のターン、その初手で登場したのは、最早アカデミアご用達となった古代の機械猟犬。
「今召喚した古代の機械猟犬の効果発ど『ビーッ!ビーッ!』な、なんだこの警告音は!?」
「おっと!シンクロ召喚したチョウホウがいる限り、お前らはコイツの素材となった竜星モンスターと元々の属性が同じモンスターの効果を発動出来ないぜ!コイツのシンクロ素材となったモンスターの属性は地、水、光だ!」
「な、何!?」
だがその効果は、チョウホウの永続効果によって使えない状態。
古代の機械カテゴリモンスターはその殆どが地属性、よってお得意のバーン攻勢や、大量展開はこれで制限されたといっても過言では無い。
「くっならば魔法『融合』発動!」
融合
通常魔法
1:自分の手札・フィールドから、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。
「俺はフィールドと手札に1枚ずつ存在する古代の機械猟犬を融合!古の魂受け継がれし、機械仕掛けの猟犬の番いよ!互いに混じり合い、新たなる力と共に生まれ変わらん!融合召喚!『古代の機械双頭猟犬』!」
古代の機械双頭猟犬
融合・効果モンスター
地属性
機械族
レベル 5
守備力 1000
「カードを1枚セットしてターンエンド!」
????(青)
LP 4000
手札 1
モンスター 古代の機械双頭猟犬(守備表示)
魔法・罠カード セット
「私のターン、ドロー!
まずはフィールド魔法『
混沌の場
フィールド魔法
『混沌の場』は1ターンに1枚しか発動出来ない。
1:このカードの発動時の効果処理として、デッキから『カオス・ソルジャー』儀式モンスターまたは『暗黒騎士ガイア』モンスター1体を手札に加える。
2:このカードがフィールドゾーンに存在する限り、お互いの手札・フィールドからモンスターが墓地へ送られる度に、1体につき1つこのカードに魔力カウンターを置く(最大6つまで)。
3:1ターンに1度、このカードの魔力カウンターを3つ取り除いて発動出来る。自分はデッキから儀式魔法カード1枚を手札に加える。
結局融合モンスター1体を守備表示で融合召喚し、セットカード1枚でターンを明け渡したデュエル戦士、それを受けて自分のターンとなった白哉が最初に発動したのは、何とも言い難い白い光を放つフィールド魔法。
「混沌の場を発動した時の効果処理で、デッキから『超戦士カオス・ソルジャー』を手札に加える。
次に手札の『開闢の騎士』を墓地へ送って魔法『ワン・フォー・ワン』発動!」
ワン・フォー・ワン(制限カード)
通常魔法
1:手札からモンスター1体を墓地へ送って発動出来る。手札・デッキからレベル1モンスター1体を特殊召喚する。
混沌の場 魔力カウンター 0→1
「ワン・フォー・ワンの効果で、デッキから『超戦士の魂』を守備表示で特殊召喚!」
超戦士の魂
効果モンスター
地属性
戦士族
レベル 1
守備力 0
その後に登場したのは、何やら荘厳な気を放つ鎧が浮いている様な姿のモンスター。
本来なら此処で古代の機械双頭猟犬の効果を発動する事も出来るが、チョウホウの効果によりそれを禁じられている以上、このターンに白哉がどれだけモンスターを展開しようと、デュエル戦士にそれを妨害するタイミングは無い。
「流星、お前の墓地のモンスターを使いたい。良いか?」
「勿論です、白哉さん!この状況下なんだ、出し惜しみは無しですよ!」
「ああ、そうだな!私は墓地の『開闢の騎士』とジョクトを除外!光と闇、2つの魂を生け贄に、今こそ降臨せよ!開闢を告げる混沌の戦士よ!『カオス・ソルジャー―開闢の使者―』!」
カオス・ソルジャー―開闢の使者―(制限カード)
効果モンスター
光属性
戦士族
レベル 8
攻撃力 3000
其処に並び立つように君臨したのは、光と闇、相反する2つの力を取り込んだ混沌の戦士。
「除外された開闢の騎士の効果発動!
デッキから儀式魔法『超戦士の儀式』を手札に加える。
貰いっ放しは悪い、これで返そう。速攻魔法『異次元からの埋葬』発動!」
異次元からの埋葬(制限カード)
速攻魔法
1:除外されている自分及び相手のモンスターの中から合計3体まで対象として発動出来る。そのモンスターを墓地に戻す。
「異次元からの埋葬の効果で、除外されているジョクトとリフン、そして開闢の騎士を墓地に戻す!」
「あ、どうもっす!これで墓地にある竜星モンスターの属性は4種類、よって!」
古代の機械双頭猟犬 守備力 1000→攻撃力 1400
「な、古代の機械双頭猟犬が攻撃表示に!?」
「竜星の気脈の効果で、ソイツは攻撃表示になって貰うぜ!」
「何!?」
白哉のお返しという名のアシストにより、その更なる力が発揮される竜星の気脈。
これによって守備表示で耐えるというプレイングは通じなくなった。
「まだまだ行くぞ!儀式魔法『超戦士の儀式』発動!」
超戦士の儀式
儀式魔法
『カオス・ソルジャー』儀式モンスターの降臨に必要。
『超戦士の儀式』の2の効果は1ターンに1度しか使用出来ない。
1:自分の手札・フィールドから、レベルの合計が8になるようにモンスターをリリースし、手札から『カオス・ソルジャー』儀式モンスター1体を儀式召喚する。
2:自分の墓地からこのカード及び光属性モンスター1体と闇属性モンスター1体を除外して発動出来る。手札から『カオス・ソルジャー』儀式モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動出来ない。
「私はフィールドの超戦士の魂と、手札の『疾走の暗黒騎士ガイア』をリリース!光と闇を司る魂は混沌の場を創り出し、今フィールドに君臨する!疾走れ、暗黒騎士ガイア!カオス・フィールドを駆け抜け、そして超戦士の力を得よ!儀式召喚、レベル8!『超戦士カオス・ソルジャー』!」
超戦士カオス・ソルジャー
儀式・効果モンスター
地属性
戦士族
レベル 8
攻撃力 3000
混沌の場 魔力カウンター 1→3
だがそれでも白哉の展開は留まるところを知らない。
先程サーチしたカード達によって儀式召喚されたのは、混沌を司る戦士の、その力の果ての姿。
「リリースされた疾走の暗黒騎士ガイアの効果発動!
デッキから2枚目の超戦士カオス・ソルジャーを手札に加える。
そして混沌の場の魔力カウンターを3つ取り除いて効果発動!
デッキから2枚目の超戦士の儀式を手札に加える。
此処で行くか!バトルフェイズに入る!
開闢の使者で古代の機械双頭猟犬を攻撃!開闢双破斬!」
「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
カオス・ソルジャー―開闢の使者― 攻撃力 3000 VS 古代の機械双頭猟犬 攻撃力 1400
????(青) LP 4000→2600
「モンスターを戦闘破壊した開闢の使者の効果発動!
コイツはもう1度攻撃出来る!」
「な、何!?」
「喰らえ、デュエリストの誇りを忘れた塵屑よ!時空突刃・開闢双破斬!」
「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
????(青) LP 2600→-400 LOSE
「う、嘘だ、我らオベリスク・フォースが、こんなスタンダード生まれ如きに、たった1ターンで…!」
たった2ターンの間に4体もの大型モンスターを展開、しかもその内の1体のみで仲間が敗北、捕縛される様を目の当たりにした、赤い光石をはめ込んだ仮面を着けているデュエル戦士は呆然としていたが、まだ白哉のバトルフェイズは終了していない。
「その思い上がりが貴様の身を滅ぼす禍となる!超戦士カオス・ソルジャーとチョウホウでダイレクトアタック!」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
????(赤) LP 4000→1000→-2300
「よしっ一丁上がり!」
「良い調子だ、このまま削り切るぞ!」
タッグデュエルに勝利し、デュエルアンカーから放出された電撃によって気絶した2人のデュエル戦士を捕縛しつつ、2人は再び動き出す…!
引き続き、7.5章にてコラボしてくれる方を募集しています。
詳しくは活動報告にて。