そのわりに栞の可愛さを全く出せておりませんほんとすいません……
そして、最新刊である3巻とアニメ9話をみて、いままでアニメ主軸で所々原作をいれていたのですが、それでは色々きびしいことになり、どうしようか考え中です。
それでは、今回もよろしくお願いします!
「えええええ!また今週も!?」
次の週の手伝いくじ、もうなんというかそういう運命なのか。茜が再び買い物を引いて叫んでいた。
「こんなに連続で買い物当たるなんて……」
「くじ運なさすぎ~」
岬はおちゃらけて言ってるが茜からすれば死活問題なんだよな……
俺は今週洗濯を引いた。久しぶりに仕事ができそうである。
「葵姉様!僕にも当番くじを引かせて下さい!」
そんななか珍しく輝が声をあげていた。うん、手伝いたい志はとてもいいことだ。
「輝がもう少し大きくなってからね」
しかし、葵姉さんはそういってどっかに行ってしまう。
まぁ、まだ小学生だからな。ただでさえ休みなんてあるくじに参加させるのもなんであろう。
「ううーー、くそ!」
輝は悔しそうに腕を振るが、そのまま肘が机とぶつかった。あれってめっちゃ痺れるんだよな……
「おおお……、今は抑えるんだ!ジャッカル!」
そして、輝は世間で言う中二病である。いや、小学生だから違うか、ちょっとヒーローに憧れている子供である。
「姉上!買い物は僕がいきます!」
さすがに可哀想だから俺の洗濯と代わってやろうと思っていたが、輝がすごいことを提案する。
ちょっと不安だけど、茜が買い物行くのとあんまり大差ないか?
「どうしたんだ輝。なんかあったか?」
「大切なものを守るために強くならなければ……そのための試練が必要なんだ!」
「気にいった!任せる!」
修のバカがこともあろうか。輝を焚きつけてしまった。なんてことするんだこの兄は……
「……私も行く」
修のせいで栞までとんでもないことを言いだした。
「栞も行くのか?ちょっと危ないんじゃ」
「そうだぞ。栞、これは試練なんだ」
「……行く」
輝の袖をつかんで栞は少し甘えるように言った。これはダメだな。もし俺なら絶対断れない。
「栞は本当に甘えんぼだな、絶対に離れちゃだめだぞ」
違うぞ輝。おそらく、栞は甘えてるのではなくお前のことが心配なだけだ。
栞はできた子だからな。ただその分俺からすると余計心配になっちゃうんだけどな。
「うん!」
「よし、出発だ」
栞は嬉しそうにうなずくと、輝と手を繋いで行ってしまう。
「気をつけてなー」
修のやつめっちゃ暢気だな。いや、俺が心配し過ぎなのか?
「ああー、行っちゃた。これじゃあ押しつけたみたいだよ」
「そうだな。情けない姉だな」
「でも、式。二人ともやる気だったじゃない。……そうだ!光、変身よ!」
「えっ、なにそれ、遊び……?」
光が引いていた。いや、俺も引くよ。高校生がいきなり変身とか言い出すんだもん。
「違うよ!?能力で年を変えればばれずに尾行できるじゃん」
あの二人なんだからそんなことしなくても、気付かれずついてくことぐらいできるだろう。
いや、茜のスキルじゃ無理か……
「わかったよ。それで何歳ぐらいになりたいの?」
「えーとね。25、いや7かな?」
茜がそういって光が能力を使うと、見事、ちび茜が誕生していた。
「27だってば!」
「7って言ったでしょ!」
この調子なら茜と光がついていってくれそうだが、不安だな。俺も行くか。
「光。俺にも能力を使ってくれ。年は20で」
「式君も?わかった!」
光の能力のおかげで俺の体は20歳になる。身長が意外に伸びないな。175ぐらいか?服も元から緩いの着ていたがそれがきつくなる位だった。でも、一応服もかえとくか。
「式兄すごいね。大人っぽい!」
「岬、一応今は20歳の体だから?大人っぽくなってないと俺の将来がやばくなる」
こうして、俺(20歳)、光(16歳)、茜(7歳)は輝と栞を追いかけることとする。
「忘れてたけど。お前ら先に行けよ。一緒にいるとすぐ見つかりそうだから」
「そんな簡単に見つからないよー」
「いいから、ほら行った行った」
二人を先に行かせて、俺はさらに遠目から見守る。
というかなんで栞が買い物袋持ってるんだ?もしかして、輝のやつ忘れてたのか……あり得そうだ。
「しまった!買い物袋忘れてた!」
こんなに離れてるのに輝の声はよく通るな。そしてほんとに忘れてたのか。
「栞!戻るぞ――何と!」
そして、栞が持ってるのを見て驚いていた。輝はそれを渡せとそぶりを見せてるが……
栞が頑なに渡さなかった。まぁ、輝が持ったらどっかに消えそうだもんな。わかるぞ栞。その気持ち、
「ワンワン!!」
「しし、静かにしろ!」
今度は近所の犬にほえられて、輝がビビっていた……
みれば見るほどどっちが上なのかわからなくなってくる。
栞が無言でその犬を見つめると急にその犬がおとなしくなった。
「今だ!行くぞ栞!」
その瞬間に輝が栞を引っ張って走っていった。
「能力使って犬の誤解を解いたのか。さすが栞できた子だな」
そんな事を呟きながら、二人の後を追いかけようとしたが
「何者だ!お前たち何をしている!」
バカな妹二人組が見事に見つかっていた。何してんだか。
しかも、栞がすごい見ている。気付かれてるかなあれは……
「お前たち!何をしている。怪しいな、署までついてきてもらうぞ!」
できるだけ声を低くして、ばれた二人に俺は話しかけ、腕を引っ張っていく。
「えっ!?ええ!」
「ちょ、ちょっと!」
「君たちもおうちに帰りなさい。いや、それともおつかい中かな。頑張りな」
二人が騒ぐがお構いなしで、輝と栞に声をかけそのままフェードアウトしていった。
俺が一番身長代わってないから出たくなかったんだが、栞にはばれたかもな。それよりも――
「お前ら、ばれずにつける気なかっただろ?」
「「ごめんなさい」」
あまりに雑な尾行にため息を吐きながら、二人を離して尾行を再開するのであった。
二人は無事スーパーでの買い物を終え、帰路についていた。
ちょっと冷や冷やする部分があったが、栞のおかげで安心して見れていた。
「ひいぃぃ!」
もう何もないだろうと思ったが、また二人の前に犬が現れていた。しかも、さっきと違いリードはあるが飼い主が見当たらない。野良なのか、それとも飼い主とはぐれたのか?
しかし、さっきのこともあり、俺は安心して見ていたが。
いきなり、犬は二人に。いや、栞に向かって走り出した。
栞に何する気だあの犬!能力使ってぶっ飛ばして――
と思った矢先に、コンクリートの地面が割れ。犬は止まってしまう。
輝が能力を使って足で砕いたのだ。
「おいお前、弱いやつを狙う卑劣なやつだな!僕は母上と能力を無暗に使わない契約をした。だが、栞を傷つけようするなら僕はその契約を破るぞ!」
輝の覇気に押されきった犬は逃げるようにどこかに行こうとしたところで。盛大にこけた。
「これは俺からの罰な。これからは人を襲ったりするんじゃねぇぞ」
俺の前を通った犬に能力を使い、威圧したところで犬はすぐに体勢を立て直し逃げていった。
そんな事をしていると、輝と栞はいい雰囲気になっており、俺はホッと胸を撫で下ろす。
「ふぅ、無事でよかった」
「後始末が大変そう、式君に任せた方がいいかな」
「そうね、飼い主に文句言いに行かないといけないもんね」
「いや、道路の方ね」
撫で下ろす間もなく、尾行組の二人が騒いでいた。ただでさえ輝があんだけ派手にやったのだ。必然的に人が集まってくるわけで……
「キャー!小さい茜様よ!」 「あぁ、テレビに出てたやつね!」
すっごい注目の的になっていた。そりゃそうだよな。小さい茜なんてレアだもんな。光には気付いていないのか?
なにはともあれ、あのままじゃまずいのでさっさと助け船を出して家に帰るとしよう。
俺は人前に出て行き、茜の前に立つと軽く一礼した。
「すいません。もう少しで夕飯の時間なのでここらで失礼させてもらいたいのですが」
その瞬間なぜか、目の前にいた女性たちが固まってしまう。俺なんかしたか?
「あの、人違いなら申し訳ないのですが。式様ですか?」
「はい、ちょっと見た目がかわっていますが櫻田式ですよ?」
質問に首を傾げながらも笑顔で答えると――
「かっこいい!」 「何あれすごすぎじゃない!?」
「えっ!え? 二人とも飛ぶぞ、気をつけろよ!」
思っていた反応と違うものが返ってきて、やばいと思った俺は茜と光に能力を使い空を飛んで人ごみを回避するのであった。
下ではすごい騒ぎになっていた。どうしてこうなった……
「式、今の自分の姿ちゃんと鏡で見たの?」
「いや、みてないけど」
「式君普通でも十分だけど、大人になるとかなりイケメンになってるんだよ」
そう言われて、光が鏡を渡してきたので、自分の顔を見ると確かに子供っぽさは完全に消えて大人の顔にはなっていたが、
「そこまで騒がれる顔だとは思ないが……」
「岬だって褒めてたじゃない」
まぁ、そうだけどそういう意味だったのか?と考えつつ俺たちは家に着くのであった。
「なんか、妙に疲れたよ。これなら最初から茜と当番代わればよかったかな」
「えー。せっかく二人が頑張ってたからよかったじゃん!」
「確かに光の言うことが最もか」
「式、代わってくれるなら今週の残りは――」
「代わらんぞ。形はどうあれ一度輝たちに押し付けたんだ。責任は持て」
「そんな~~」
「ただいまー!」
家に入ると、今日頑張った輝と栞が出迎えてくれ――
「お前たちまた!悪さしに来たのか!刑事さん、また捕まえてください!」
輝にとんでもないことを言われた、そうか。体そのまんまだもんな。しかし、俺が刑事か……
「大丈夫だ。こいつらはもう改心したんだ。悪い奴らじゃないぞ」
「そうなんですか?お勤めご苦労様です!」
なんか俺のキャラがすごい方向で勘違いされてるけど、まぁいっか。
「ってわけだから、お前らもなんか新しいキャラ付けでもして、いいわけしとけ」
そういって俺は先に家の中に上がっていく、後ろではすごい言い合いが始まっているが気にしない。
「ただいま、葵姉さんだけ?」
「お帰りって、どうしたのその姿?」
そう言えばさっきのくだりの時葵姉さんと奏は席を外していたから知らないのか。
「ちょっと輝たちを見守るのに20歳の姿になっただけだよ。料理手伝おうか?」
「う、うんお願い」
葵姉さんには珍しく歯切れが悪い。やっぱり顔が問題なのだろうか?
「葵姉さん、俺の今の顔慣れない?」
「そ、そんなことないよ。ただ、急に大人っぽくなっちゃったから驚いちゃって!」
そういいつつ、葵姉さんは少し俯いてしまう。うむ、こういう葵姉さんは新鮮で面白い。
「刑事さん!あいつら僕の姉だとか嘘を――何してるんですか?」
葵姉さんをからかっていると輝が玄関の方からやってくる。
あいつらうまく説明できなかったのか……
「ちょっと葵姉……」
まずい、このまま葵姉さんッて言ったら俺も嘘つきの対象になってしまう……考えろなんて呼べば――
「葵さんと一緒に料理を作っていてね。あの二人のことは輝に任せるよ」
「わかりました。刑事さん!立派に役目を果たして見せます!」
輝は張り切って玄関に戻っていく。しかし、このキャラめんどくさいな……
「……式くん」
「いや、ごめん葵姉さん!ここで言うと輝に何言われるかわからなかったから……」
「なんか恥ずかしく感じちゃうからそれ禁止ね」
顔を赤くしている葵姉さんは可愛かった。身長が伸びてるせいでいつもより見下ろせるので余計可愛く感じるのかも。でも、からかいすぎて怒られるのでここらへんでやめとくか。
「わかったよ。あお――」
「刑事さん!あいつらやっぱり嘘を――」
「葵さん!」
やばい、このキャラすごくめんどくさい上に、都合悪いな。
「……」
それに、無言になってしまう葵姉さんとも非常に話ずらい。こんなのが一日続くのか。
そんな状況に俺はため息を吐くのであった。
式は都合上尾行スキルがめっちゃ高いです。一つ間違ったらストーカーですね笑
そして、葵が全然出てなかったので無理やり出したらグダった感がいなめない……
でも、できるだけ均等に出番をあげたいと思ってるので、このキャラの出番が少ないぞ何やってるの!と思った方は是非とも感想にご意見お願いします。
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