いじめ?俺には関係無いな   作:超P

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達也の大切が壊れていく様子を書きました。


また、作者はきちんとした理由のある駄目出しはとても嬉しく思っています。
ですからここが〜だからこう感じるので〜だ。というように言っていただけると嬉しいです。

最近とても嬉しく思ったのは、キャラが薄っぺらいという感想です。

人間味を出したいのですがやはり難しいです。

スラングについてはこれを使わないとバカっぽさが出せないという作者の実力不足が理由です。

書き方を誰か教えて下さい。真剣に。



と言うわけで本編をどうぞー。



注意 胸糞あり


神よ、これが試練なのですか?

達也「なんとか生き延びれた…………」

 

 

千本ノックを受けてかなりの出血をしたが、なんとか応急処置で対応できるレベルに抑えられた。

 

後数回殴られたらやばかっただろう。

 

 

達也(これでまた、一時の平穏が訪れる………)

 

 

 

そう思うと安心できる。

人は攻撃をした後、すぐに同じ相手に攻撃をすることができない。

 

 

善人である自分を捨てきれないからだ。

 

 

その善性はハリボテのようなものなのだが………それを捨ててしまうと人間は理性を失い、獣と同じになってしまう。

そして殺人鬼やテロリストになり、それまでなかったカニバリズムや殺害衝動が生まれてしまうのだ。

だからこれ以上のダメージはひとまず無いと。

達也は安心していた。

 

だが達也は忘れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世界は残酷だということを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

教室

 

 

達也「次の授業は………………教科書がある、だと?」

 

 

おかしい。

 

最初にそう思った。

次の授業に必要な教室が『何事もなかったかのように入っているはずがない』

だいたいゴミ箱か窓の外、もしくは資料室のシュレッダーの中に入っているのだ。

 

だが今回は何もされていない。

 

 

 

 

 

(おいおいまさかそんなことがあるはずない………………やめろそれを考えるな………!そっちを見るな…………!その役目は俺の筈だ!)

 

 

 

 

 

 

何があっても認められない事態。

 

 

長年避けてきた唯一の場面。

 

 

これだけは嫌だった。

何があっても、何をされても、この事だけは起こらないように気をつけていた。

殴られても蹴られても、それこそ死ぬ寸前まで追い詰められても。

それを何も感じない自分なら耐えられるから。

だからこそ全てを背負ってきたのだ。

 

なのになぜ

 

 

 

 

 

真也の机は無いんだ?

 

 

 

 

 

 

見ると周りの男子はその事態を異常とは思っていないようだった。

気味が悪いほど静かで冷たい空気が教室を覆っていた。

女子達は笑うものや怯えるもの、横寺に至っては手で顔を覆って声を殺して泣いている。

遠藤も悲しそうな顔で横寺を慰めている。

黒井や新井は悔しそうに唇を噛み締めている。

 

野崎だけは苛立った様子でこちらを見ている。

 

 

 

 

どうして授業が始まるこの時間に真也の机だけない?

 

なぜ周りの男子はそちらを向いて笑っている?

 

なぜ真也はここにいない?

 

いや、それだけじゃない。

 

中谷はどこだ?

 

あいつもいない。

 

机はあるのに中谷だけはいない。

 

あいつは授業をサボるような玉じゃない筈だ。

 

………………いや、もう分かっていた。

 

 

 

 

 

標的を変えられた。

 

 

 

 

 

俺に対していじめが効かないのなら、俺の周りをいじめようと考えたのだろう。

それもかなり大規模な人数で。

 

中谷はあの外見だ、そして一番いじめを嫌う。

人数が集まったのをいい事についでに持っていこうとでも思って連れ去られたのだろう。

 

 

野崎「おい、達也」

 

達也「…………………どうした?」

 

野崎「行くんだろ?連れてけよ」

 

達也「その格好でか?」

 

 

野崎は全身傷だらけだった。

おそらく、真也と中谷を守っていてくれたのだろう。

………真也はいい友達に恵まれたものだ。

 

 

達也「俺は乗り込んでいくなんてかっこいい真似は出来んよ」

 

野崎「あァ⁉︎てめぇ弟見捨てんのかよ⁉︎オォ⁉︎」

 

達也「なんとでも言えよ。俺は喧嘩はしない主義だ」(ほんっとにいい奴だな………ぜひこれからも真也の友達でいてくれよな)

 

野崎「……………見損なったぜ」

 

達也「少しは評価してくれてたって事か?ありがたい事だ。もう見てくれに騙されんなよ」

 

野崎「俺は行くぜ」ガラガラ

 

達也「…………新井」

 

新井「………………本気ですか?」

 

達也「おう、頼むわ」

 

新井「………………困ったものですね、貴方も」

 

野崎「…おい、どけよ新井」

 

新井「僕としてもそうしたいんですがね………」

 

新井「あなたは今、喧嘩なんてできる状態じゃないでしょう?おとなしくしていて下さい」ガシッ

 

野崎「おい!離せ新井!俺は真也を助けんだよ!」ジタバタ

 

 

 

 

 

 

達也「………………行ってきまーす」ガラガラ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

体育館倉庫

 

 

達也「なんとかなるかなぁ………………はぁ」

 

???「おっ?マジできたよあのバカwww」

 

???「うっはwww死ぬんじゃねwww」

 

達也「あのー、すいません」

 

???「あ?きめぇ、普通に話せや」

 

達也「…………弟いない?」(敬語は駄目か……いやでも変わらないんだろうけどな)

 

???「てめぇ何タメ口使ってんだよ!」バキッ

 

???「俺ら先輩だぞゴラァ⁉︎」ドゴッ

 

達也(流石に喧嘩慣れしてるだけあって呼吸はし辛くなる……………だが)

 

達也「いや、ここにいるんだよ、弟とクラスメイトがよ」

 

???「…………タカシくんとこだけど?」

 

???「お前死ぬよ?ま、ここで殺すけどなwww」

 

 

 

達也「いいからこいよ」

 

 

 

その2人は意外に強かった。

 

2人だということもあってか、片方が抑えて片方が殴る。

体を固定されてたから衝撃を逃がすことも出来ない。

 

無呼吸でパンチを耐えても、流石に鉄パイプで首を突かれたら息も吐き出てしまう。

また、2人ともとても嫌味な性格のようで。

膝に思いっきりジャンプして踏みつけられた。

 

 

 

 

多分皿割れたね。

 

 

 

 

だって痙攣止まんねぇもん。

 

 

今も意識は残ってるけど…………正直立てる気がしない。

 

 

???「はぁ、はぁ」

 

???「こいつ、なんで帰んねぇの?」

 

達也「………帰ったらあんたら、2人に何するか分かんないじゃん」

 

???「お、俺………なんか怖くなってきたよ」ガクガク

 

???「俺も………か、帰ろうぜ!」ダダッ

 

達也(倉庫入る前にこれか……………)

 

 

 

 

ガラッ

 

 

 

 

???「誰だ?」

 

達也「宅急便でーす、なんて」

 

???「んだお前?」

 

???「何?りゅーじたち逃げたわけ?」

 

???「うっわ……………こいつ超ボロボロじゃん」

 

???「お前、達也だろ」

 

達也「えぇ、達也です。ところで弟とクラスメイト、返して頂けません?」

 

タカシ「いーぜ?クラスメイトはな?」

 

 

タカシ

そう呼ばれた男が後ろの女に視線を送ると、その女はその視線を合図のように受け取り近くにある薄汚れた掃除ロッカーのドアを開ける。

 

 

未来「」

 

 

そして中から出てきたのはクラスメイトの中谷だった。

 

達也「丁寧に掃除ロッカーに入れとくかよ普通…………というか」

 

タカシ「あぁ」

 

 

 

タカシ「ヤったよ?」

 

 

 

 

???「ギャッハッハ!こいつ馬鹿みてーだったな!」

 

???「最初なんてうるさかったのに、後半なんて『お願いします………やめて下さい………』だもんな⁉︎」

 

???「血なんてグロかったもんねー?マジやばいってあれ!ちょーウケる!」

 

???「お前よりも具合良かったしな!」

 

???「何それ?酷くなーい?」

 

 

 

……………………一体、何を言ってるのだろうか?

 

1人の純潔を奪っておいて、グロかった?良かった?

俺が言えることではないかも知れないが………同じ人間でもこうも違うのか。

未来は最後まで抵抗したのだろう。

 

…………………俺が代わりだったら

 

 

 

悲しい事になんてならなかった。

 

 

 

 

達也「弟は?」

 

タカシ「んー?ゴミ捨て場じゃね?」

 

???「今頃しゅーしゅーじょ?にいってるかもなwww」

 

???「てかさー?うちらの持ち物持ってくって酷くない?」

 

???「そうだなー………………お前さ、ボコられてけよ」ガシッ

 

タカシ「楽に出てけるなんて、思ってないよな?」

 

達也「ご自由に」

 

 

 

 

 

 

 

 

夕暮れ

 

 

???「じゃ、帰るかー」

 

???「チクったらこの街で生きてけないとおもえよー?」

 

???「ねー、あたしのパンツ知らなーい?」

 

タカシ「俺が持ってる」

 

???「もー、へんたーい」

 

 

 

 

 

 

 

達也「……………中谷」

 

未来「」

 

達也「……………起きてるわけないよな」

 

未来「」

 

達也「………………さて、真也は…………………うおっ」

 

 

 

中谷を背負って行こうとしたが、膝が折れてしまってうまく歩けない。

 

ケータイも折られたし………困った。

 

 

達也「這いずり歩くしかないなこりゃ………」

 

俺の膝は完全に折れている。おそらく一週間はまともに歩けないだろう。

 

未来「」

 

達也「…………………自殺だけはやめてくれよ」

 

自ら命を絶つのはとても悲しい事だからな。

 

未来「」

 

達也「俺を恨め、俺を憎め、俺を貶め」

 

なんでもいいから目的を見つけなきゃな。

 

未来「」

 

達也「それがお前の生きる原動力になるのなら」

 

そしてそのために生きて

 

未来「」

 

達也「俺は全てを受け入れるから」

 

いつか自由になるんだ。

 

未来「」

 

達也「生きていれば………………生きてさえいれば」

 

 

 

いつか希望を見つけられるからな。

 

 

 

 

本当に、お前は俺に関わらなきゃ良かった。

 

 

 

ゴミ捨て場

 

 

真也「」

 

達也「ふぅ、ふぅ…………ご丁寧に剥かれちゃって、まぁ」

 

真也「」

 

達也「新井………黒井………横寺………遠藤………渡辺………後は」

 

達也「佐藤………か」

 

達也「また、独りか…………」

 

真也「」

 

未来「」

 

達也「俺が普通だったらな…………お前らはこんな目に逢わなかった」

 

真也「」

 

未来「」

 

達也「もう………………さよならだな」

 

真也「」

 

未来「」

 

達也「悪くなかったな……………お前らといるのも」

 

 

 

 

 

最後の暖かさが消えた。

 

 

 

 




大切なモノに触れて欲しくなかった。

それだけ

それだけが希望だった。

それを守れないのなら

俺は修羅の道を行こう。

2度とお前らとは会えない。

別の道を行くのだ。




光などない俺だけの救いの道を、独りで。

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