Charlotte~君の為に……~   作:ほにゃー

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第五十話にしてCharlotte~君の為に……~ 完結です

オリ主が死んでしまい「なんじゃこら!」状態でありながら最後まで読んでくださった方々に感謝です。

最後に、重大発表があります。


これからの記録、そして……

ある日、由美と隼翼、熊耳、前泊、目時、七野の六人はある墓の前に居た。

 

『一之瀬家之墓』

 

ここには由美の両親と弟の響きが眠っている。

 

線香を上げ、六人は手を合わせる。

 

「父さん、母さん。響と三人で仲良く過ごしててね」

 

由美はそう言うと悲しそうに空を見上げる。

 

「………本当に一人になっちゃったわね」

 

そんな由美の肩に隼翼は手を置き、言う。

 

「なぁ、由美。俺と………俺達と家族にならないか。形なんかじゃなく本当のな」

 

「………それ意味分かって言ってる?」

 

「ああ。俺は本気だ。それに、お前を一人にはできないよ」

 

由美は右腕を伸ばし左肩に置かれた隼翼の手に重ねる。

 

「そのお誘い………喜んで受けるわ」

 

「ああ」

 

熊耳が気を利かせて由美の車いすを操作し、隼翼の前に合わせる。

 

隼翼は膝を着き、見えない目で由美の左腕をゆっくりと取り、指に指輪をはめる。

 

すると、由美がくすくすと笑い出す。

 

由美だけでなく、熊耳も前泊も目時も七野も笑い出す。

 

「な、なんだよ?」

 

「ふふ……そこは薬指じゃないわよ」

 

「な!?本当か?………はぁ、なんか締まらないな」

 

そう言って頭を掻く隼翼を見て、由美は言う。

 

「いいんじゃない。これが私達なりのやり方ってことで」

 

「………そうだな」

 

「これからよろしくね。旦那様」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある病院の一室。

 

そこでは有宇がベッドに横たわり眠りについていた。

 

そのベッドの隣では奈緒が本を片手に有宇が目覚めるのを待っていた。

 

すると、有宇の目が開き辺りを見渡す。

 

「ようやくお目覚めですか?」

 

その声に反応し、有宇が奈緒の方を振り向く。

 

「お疲れ様でした。約束、守ってくれましたね。肉体的にも精神的に疲労が見られるとのことですが、命に問題はありません。でも、暫くは安静だそうです」

 

奈緒の言葉を呆然と聞き、有宇は体を起こす。

 

「………友利か」

 

「……!?………記憶があるんですか?記憶喪失程度は覚悟してたんですが、予想外ですね」

 

奈緒がそう言うと、有宇の片目から涙が零れる。

 

「響が…………響が助けてくれた………!」

 

涙が落ちシーツにシミを作る。

 

「彼奴は、自分の命を僕に分け与えてまた死んだ。折角能力で戻ってこれたのに、僕の所為で響がまた死んだんだ!」

 

シーツを破れるかの勢いで掴み、有宇は泣き叫ぶ。

 

そんな有宇の手を奈緒は優しく握り締める。

 

「きっと響なら………こう言います」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

          俺 の 分 ま で 生 き て く れ な 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「響は他でもない貴方の為に自分の命を貴方に与えた。貴方だから、自分の命を、魂を預けたんです」

 

「響の………魂?」

 

「はい」

 

そう言って有宇の胸の中心に手を置く。

 

「ここに彼の命が、魂が息づいている。それを託されたんですから、貴方は彼の分まで生きるんです」

 

「………そうだよな。これも僕にしかできないことかな?」

 

「はい。そうです」

 

いつの間にか、奈緒も涙を流していた。

 

奈緒は涙を拭き、精一杯の笑顔を浮かべた。

 

「そう言えば、まだ言ってませんでしたね。乙坂有宇君、お帰りなさい!」

 

「……ああ、ただいま!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

有宇の体力も戻り始め、外への外出許可を貰うと生徒会メンバー+歩未ちゃんは有宇を外に連れ出す。

 

奈緒は愛用のビデオカメラを取り出し、弄る。

 

「ずっと、撮りたくない物ばかり撮って来たビデオカメラですが、これからは皆を撮り続けます。幸せな日常をたっくさん撮って行きます。なので、幸せな思い出をたっくさん残していきましょう!」

 

「いいですね!」

 

「はい!」

 

「あゆも入れて貰えるでしょうか?」

 

「はい、もちろん!」

 

前と変わらぬメンツに有宇は息を吐き、言う。

 

「なんて言えばいいのかな……」

 

「思ったことをどうぞ」

 

高城に言われ、有宇は今思ってることを言う。

 

「……これからが楽しみだ。そして、命を、魂を預けてくれたアイツの為に、生き続けよう。そう思うよ」

 

有宇がそう言うと、皆は笑顔を浮かべる。

 

「すべてはこれからですよ!」

 

「そうなのですぅ!」

 

嬉しそうに叫ぶ、柚咲と歩未に有宇は思わず笑い、奈緒の方を見る。

 

「これからは楽しいことだらけですよ!」

 

そう言って笑う奈緒は、何よりも輝いていた。

 

その時、大きな風が吹き、思わず全員が目をつぶる。

 

奈緒も髪を手で押さえ目をつぶる。

 

その時

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

             お 疲 れ 様 、 奈 緒 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その言葉が奈緒の耳に強く響いた。

 

思わず奈緒は、風が吹き去っていく方向を見つめる。

 

そして、目に涙を浮かべながら、笑う。

 

「貴方も、お疲れ様です。……………響」




次回予告

死んだ世界戦線?

あなた入隊してくれない?

貴様が新入りか?

お前、高城か!?

たっく、センスがねぇな!

お前とは仲良くできそうだな

これなのか?

オペレーション・トルネードよ!

あれが天使?

私は生徒会長よ

お前は戦うのか、あの子と?

できることならあたしだってしたくないよ

一体、どっちが正しいんだ?

AngelBeats~残響~ 近日投稿予定!

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