現代人 in エド in ONEPIECE   作:アディオス

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約一ヶ月ぶりですね


午後のティータイムにはアールグレイを8話

 

 

 

 

 

 

 

いやはや、ドライヴが長距離攻撃可能になってて驚いた。

ゲームじゃ中距離ぐらいだったのに、枠にハマらないってすげぇな。

 

「しっかし、何処に落ちたんだ」

 

狩り勝負第二弾が始まってすぐに俺に向かって来たデカイ鳥を、俺はドライヴの電磁砲で撃ち落とした。

ゲームの中でエドが脚でドライヴの中心を蹴って、攻撃してたあれだ。よくて遠距離かな?と思うぐらいの中距離攻撃…だと俺は思ってる。

強攻撃でもあるあれは連打してたら、ホントうるさい。ずっと“せぃはぁ!くらいなぁ!!”が流れるんだから、いや使用だとわかっててもさ。

え?コンボ繋げて変えたらよかった?俺、ダンジョンとか入ったら何も考えずに攻撃ボタン連打派なんだ…決闘したらすぐやられます、ハイ。

 

---ドォォオン…!!

 

お?さっきからの地響き収まったな…。結構うっとおしかったんだけど。

それはさておき、話を戻すが絶賛俺はあの怪鳥を探してる。何で怪鳥かって?闇雲に変な奇声をあげて突っ込んで来たのが、イャン◯ックとかゲリ◯スとかを思い出したからだよ。いやぁーこっちに来る前に撃ち落とせてホント良かった(遠い目)

俺はあの鳥が、首長竜には届かないがトリケラトプスっぽいのとティラノサウルスっぽいのと同じぐらいの大きさだと思っている。これぐらいなら却下とは言われないだろう。

今夜は肉かな?こんなに狩っちゃってるのだし…生態系崩したり…しないか。この島での現頂点はあの巨人二人だしな。って、あ。

 

「やっとか」

 

木々を倒して倒れてる怪鳥を見つける。白目を向いてだらしなく舌を垂らしたそいつは気絶していた。

 

「クククっ、間抜けな顔だなぁ」

 

さぁて、絶命させてお持ち帰りと行きましょうか。

怪鳥に近づき、長い首の丁度中間部分へと歩み寄る…が。

 

「グゲェエエ!!」

「っと!」

 

急に持ちがあった首と聞こえた奇声で俺は地面を強く蹴って後退する。

前を見ると息を荒くしながらも、立ち上がっている怪鳥がいた。

なんで立ち上がってんだよ!今まで通りに気絶しとけよ!

そう文句言っても仕方ないので、ドライヴを戦闘モードに移行し構える。相手は怪鳥だとしても油断は禁物。ただのデカイ鳥というか、ああいう何考えてるかわからない生物ほど、行動を読むことができない。

…こう戦闘のこと考えてるとか、俺ってばこの世界に馴染みすぎじゃね?

 

「考えても仕方ねぇか!」

「グゲゲゲゲェエエ!」

 

怪鳥が勢い良く奇声を上げて突っ込んできたので、ジャンプ。そして更にドライヴを踏み台にしてジャンプして交わした。所謂二段階ジャンプ。

おぉ、いい眺めだ。

怪鳥が俺を見失っている間、即座にドライヴを足元に展開、それを踏みつけ精一杯踏ん張ってからまた飛び上がる。そうすることで、下に電磁砲が発射されるからな。

空中で一回転してからドライヴの上に降り立つと、怪鳥はグゲェ!と俺の方を見上げていた。

どうやら、攻撃が当たったらしい。結構怒ってるが、厳しそうな声を上げてる。あと一発かな。

 

「ゲゲゲグゲェッ!」

「よっと」

 

怒った怪鳥は翼を広げてまたもや突っ込んでくる。…もうこいつ突っ込むしか脳がないんじゃね?

それをジャンプで交わして、軽やかに地面に着地。そして飛んでいる怪鳥へと標準を合わせて、ドライヴ展開、勢い良く蹴り上げる!

 

「グガっ…!」

 

電磁砲が当たった怪鳥は口から血を吐き出し、落下。

地面に身体を打ち付け地響きを発生させる。

クク、命中。

 

「結構、スムーズに終わったな」

 

俺の初の戦闘らしき戦闘は終了。終始ポケットに手を突っ込んでいた数分間でした。

これを運ばなきゃいけねぇのか。うーん、めんどくさいなぁ。

怪鳥の頭を持ち上げ引きずる。首長竜の首より重い…ってそりゃそうか。

 

「船まで遠いな…」

 

ハァ…仕方ねぇか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズルズルと怪鳥を引きずっていると、真ん中山の火山が噴火した。

タイムリミットかぁ、早々に狩れてよかったな。って、何気に狩り勝負楽しんじゃったし。

まぁ、二人とも俺のことなんて気にしてなさそうだしな。あれ?俺、ハミゴ?

そうしているうちに船に着いた。船の前には巨大なトカゲもといティラノサウルス。ってことは、サンジか。

ティラノサウルスの横に怪鳥を置く。うーん、首の分でこっちの方が長いけど、肉でいうなら少ないな。ほとんど羽だし…。むむ、俺の負け?

 

「お?エドか」

 

船からちょこっと顔を出し、此方へ話しかけてきたサンジの声に気づいて上を見上げる。

サンジは確か19歳だったよな…前世?の俺と同い年くらいだ。うん、その歳で一流コックだなんてやっぱ天才か?こいつ。

 

「どうだ?長さじゃ俺の勝ちじゃねぇか?」

「いやいや、鳥は羽が多いし、調理するところが胴体以外にあまりない。今んところ最下位だ」

 

それは、俺が狩ってきたティラノサウルスより下だ、って言いたいのか。いやわかってたけど、ムカつくな。

というか、サンジさん…こんなところで休憩してていいんですかい?多分、貴方の麗しのレディ達は蝋燭で固まってる途中だけど。

 

「ところで、エド。ナミさん達見なかったか?」

「見てねぇな、どうかしたか?」

「ん?いや、ちと遅いなと思ってな…」

「それはそれは、何かあったかもなぁ?」

「お前もそう思うか?やっぱ、仕込みとか考えてる場合じゃねぇのかも」

 

あらよっと、と船を飛び越え俺の前に着地する。

 

「どっか行くのか?」

「あぁ、麗しのレディ達を探しにな」

「お供するぜ」

「供するって面じゃねぇだろ」

「ククッ、かもな」

 

お互いに軽口を叩き合いながら、ジャングルの中を進んでいく。

デカく成長した雑草達に足元を救われそうになったりしたので、ドライヴに乗って歩く。え?ドライヴにのっているんだから歩いてないって?細かいことは気にすんなって。

 

「しっかし便利だよなー、お前のそれ」

 

“それ”と言われても正直わからなかったが、“便利”という言葉でドライヴとわかる。

 

「ドライヴか?」

「“ドライヴ”って言うのか。椅子になったり、歩行手段になったり…攻撃できたり。便利すぎやしねーか?」

「こういうものだ」

「そういうもんか」

 

まぁ確かに便利だ。攻撃手段としても、長距離近距離オールラウンダーである。ゲームじゃ能力値でいうと魔法攻撃力重視っぽかったけど。

しかも、このドライヴ。USBメモリよろしく電気機器に繋げられるコード付きだ。ドライヴ自体がコンピュータでもあるのだから、ドライヴ通じて他のコンピュータをハッキングできたりする。俺はそんな能力ないからできないけど、エドさんならできそうだよな…普通に。というか、この世界にコンピュータ…あるわ。

 

「ガァアアっ!ギャィン…!」

 

視界の端に何かが飛んで来たので、ドライヴを展開して構える前に、サンジが蹴っ飛ばしてしまった。

よくよく見てみると、それはサーベルタイガーで今で言う模様のない虎だ。勢い良く木にぶつかったそいつは、頭の上にできたタンコブを抑えて涙目になっていた。妙なところで人間臭いな。

 

「丁度いい、足にするか」

「は?」

 

サンジはニヤリと笑って、サーベルタイガーに近づき自身の足をちらつかせながら、何か喋っている。

ん?脅しか?動物って人間の言葉わかるんかね…謎だわ。

 

「ガァ」

「よしよし、いい子だ」

 

トントンと子供をあやすかのようにサーベルタイガーの首筋を叩く。だがそれはそんな優しいものではなく、いつでもお前の命は取れるという意味だ。

動物相手にえげつねぇ。いや、猛獣だけどさ。

サンジは大人しくなったサーベルタイガーの上に飛び乗り、前進させる。

俺は乗せてくれないのね。

そう抗議したら、お前には“それ”があるだろうと。ハイハイ、ドライヴですね。便利便利。いやね、ちょっと古代の生き物の上に乗って見たかったなんて思ってないよ?子供の時の夢だなんて思ってないからね?

 

「ナミすわぁん!ビビちゅわぁん!」

 

サンジがそう叫びながら進んでいる横を俺はドライヴで並走する。

俺も座りたかった…ってあ、座りながら移動できんじゃね?これ。

さっそく試そうと、ドライヴを動かしできた簡易椅子に座って前進させる。おぉ!できた!すげぇ!

 

「おまっ…そんなこともできんのかよ」

「たった今な」

「それあれば、重いものもスムーズに運べるな」

 

…ハッ!確かに!

サンジあったまいいな!俺は思いつかなかったぜ。

 

そんなこんなで、進んでいると一つの奇妙な建物に着いた。それは白く四角い部屋のようなもので、壁面は結構凸凹していた。

む?これって。

 

「Mr.3の…」

「ん?Mr.3ってのは?」

 

思わずと言った感じで呟いたのだが、聞こえてたらしい。

サンジがMr.3のことを聞き返して来たので今時点で持っていて不自然のない情報を与える。

 

「ビビの言ってたバロックワークスのオフィサーエージェントだ」

「あぁ、ビビちゃんの」

「そのMr.3の能力は知ってたからな、この家のようなものを見て確信した」

「ここにMr.3が追手として来てるってことか」

 

俺はその言葉に頷き、白い建物にある扉を開ける。すると紅茶のいい匂いがしてきて、思わず頬が緩みそうになったので慌てて引き締めた。

 

「アールグレイか…いい茶葉使ってんじゃねぇか」

 

テーブルクロスの上に置かれたティーカップに手を付け、紅茶の香りを嗅いだサンジはそのままティーポットへと手を伸ばし、手慣れた手付きで紅茶をカップへと注ぐ。

二つのカップへと適量に注いだサンジは、片方のカップを此方へ差し出してきた。俺はそれをどうも、と返事をして受け取り蝋燭でできた椅子へと足を組んで座った。

受け皿からカップを持ち上げ、香りを嗅いで口をつける。うん、うまい。ほのかな甘みが絶妙で、一気飲みしてしまいたいが、それを抑えて一口ずつ味わって飲む。

あれ?俺って紅茶、好きだったっけ?

 

「そういうのは様になるんだな」

 

急にサンジがそう言ってきたので、顔を上げ、同じく紅茶を飲んでいるそちらを見るが煙草に火を付けてる最中だった。

新しい煙草からくる煙を吸い込んで、吐く。部屋中に煙草の煙が充満しそうになるが、硝子がない窓から空へと登っていく。

昔は煙に嫌悪感があったが、今はこの匂いは好きな方だ。サンジはヘビィスモーカーかと思いきや、そんなに重いものを使ってないらしい。鼻をくすぐるこれは思いの外、さらさらしていた。

 

「こう見るとどっかのお坊ちゃんかと思っちまうが、そーでもなさそうだな」

「それはどうも」

「いや、褒めてねぇよ!」

 

その時何処からか、プルプルプルと呟く声が聞こえた。

その声は少し不気味だが、何処か機械的で一定の音程でしか聞こえない。この世界では良く聞く声でもある。

音の発信源をサンジはすぐに見つけ、テーブルの上に置く。大きな蝸牛のようなそれは、殻に“Mr.3”と書かれてあった。

 

「電伝虫か…」

 

俺がそう呟いたのを機に、サンジは迷いなく受話器を取った。

すぅと息を吸って一言。

 

「へいまいど。こちらクソレストラン、ご予約で?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




アールグレイ?飲んだことないですよ!
エドって紅茶とか、コーヒーとか似合いそうですよね。ただ、本人は甘いものが好きらしいです。科学者には糖分が必須だそうで。紅茶は甘いものもあるけどね!多分!ミルクティーとかね!

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