現代人 in エド in ONEPIECE   作:アディオス

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ナミ視点


船長の決定には従うのがクルーよね6話

 

 

 

 

 

 

 

正直わからない。

 

目つきが悪いし、白髪。それに背中に意味不明な機械が浮遊している。

本人はドライヴと言っていた。

それはあの機械の名称だとわかるのに時間がかからなかった。

 

そいつが来たのは、ローグタウンでのこと…海軍に追われ、嵐が襲ってきたので私達はすぐに出向した。

 

いつものメンバーと変わらない。

 

サンジ君が加わったのは最近だけど、本当の意味での仲間に加わったのは私の方が後。

サンジ君は本当に使い勝手がいい、みかん畑を守ってくれるし、料理も美味しいし、強い。え?それじゃ道具みたいだって?みたいに扱ってるのよ。それに、女の人に弱いサンジ君が悪いし。

 

まぁ、その話は置いて…問題はほんのつい最近に加わったエドという白髪の少年。

私より少し背が低いし、年も下…それに目つきが悪い、ゾロと比べろと言われると同じぐらいと答えるほど…。

怖かったわよ?だってアーロンより賞金が上…どんな化け物だってね。

 

エドは懸賞金9000万ベリーの大物賞金首。でも、どこの海賊団にも所属していない。

賞金をかけられたのは、今から四年前のこと…エドが12歳のときね。

私も結構幼かったけど、そのときにはすでにアーロン一味に加わってたから、アーロンが話していたのを盗み聞きして得た情報なの。

今でもその会話は覚えてるわ。

 

『シャハハハハっ!見ろよオメェら!』

『どうしたんです?』

『今日の新聞に入ってたんだけどよぉ、この金額!この年にしてこれだ』

『にゅっ!凄い!』

『こりゃぁ、ニコ・ロビンを超えての初期金額…将来大物になるなぁ、チュ』

『仲間にしてぇが、残念なことにグランド・ラインだ…シャハハハハハハハっ!』

『どこに笑うところが…』

 

そうグランドライン…。そう言ってたはずなのよ。

だけどね、当のエドは出身地を東の海と言ったのよ。

何か怪しい。

 

まぁ、船長であるルフィが連れてきたのだから、悪いやつではないと思うのだけど。

 

海図を描きながらそう思考する。

羽ペンの先を黒いインクに浸して、見てきた海を描く。

今、描いてるのはウィスキーピーク。歓迎の街ではなく賞金首の街だったけど、当の本人達は根っからではないけど優しい。ビビを助けようとして行動してたのだから。

定規を動かし、ペン先を走らせる。滑らかに、それでいて力強く、繊細に、ブレがなく。

そうしてウィスキーピーク周辺の海図が完成した。

 

「ふぅ…」

 

羽ペンを置いて、一息する。

ペン先に神経を尖らせていると、どうしても精神がゴリゴリと削られる感じがする。

けど、楽しい。

完成した海図を紐に取り受けた洗濯バサミに挟み、乾かす。

挟む前にインクを乾かさないとインクが垂れてきて台無しになるけど、垂れてこない程度にはもう乾いている。それは確認済み。

干された二つの海図を見る。

 

リバースマウンテン、双子岬。

 

そしてウィスキーピークの海図。

 

たった二つ。それだけだけど、この海図を私が描いた…そう思うだけで心が満たされ、踊る。

このまだ本やベットだけの部屋だけど、いつか私の海図で埋まるとかんがえると幸せな気分になるし、頑張ろうと思う。

 

「ナミさぁん」

 

この声は、サンジ君ね。

なにかしら?

私は部屋から外へ出て、この船のリビングルームと言える場所へ向かう。

その途中で、部屋から出てきたサンジ君とバッタリ会い、私を見ると微笑み、サンジ君は盆と呼ばれる平たい器に乗せたドリンクをこっちに渡してきた。

 

「特性ドリンク作りました。どうぞ」

「ありがと」

 

私も微笑み返して、それを受け取る。

 

「あ、俺は彼奴らに配ってくるんで、ビビさんにも渡してくれません?」

「いいわよ?」

 

そう言って、もう一つのドリンクも受け取り、ビビの元へと歩く。

サンジ君はその間、下にいる男どもに配っていた。

チラリと下を見る。ドリンクはどうやら少しアルコールが入っているようで、何杯も飲んだカルーは酔って倒れていた。それを笑う、ルフィ、ウソップ、サンジ君、そしてエド。

皆と同じように笑っている白髪の少年。険しい目つきは何処へやら、その笑う姿は年相応に見える。

 

(そういえば、エドってこの中で一番年下なのよね…)

 

なのに、何故か彼に敵わない気がした。

戦闘面じゃない。そりゃ私は航海術しかできない一般人だし、化物じみた彼奴らみたいに戦えないもの。

違うの、内面での話。

ここ数日でわかったことだけど、何処か大人びて落ち着いてる。

クジラに飲まれた時だってのんびりと空を見ていたし、ウィスキーピークだって普通にお酒飲んで寝てたし、ミス・オールサンデーと出会った時だってハテナマークを頭上に浮かべてた気がしたし………あれ?

 

(これ、ただバカかアホなだけじゃ…)

 

…考えるのやめた。

ビビにドリンクを渡しながら、ちゃんとログポース通りに船が進んでいるか、確認する。うん、まっすぐ進んでるわね。

先に少し黒い影が見えたので、あれがリトルガーデンだろう。

リトルガーデン…かぁ、どっかで聞いたことある気が…ま、今考えてもしょうがないかっ。

 

兎に角、彼は謎だらけ。

ルフィがローグタウンで、逃げてる時に勧誘して即OKだってゾロに聞いた…その時は賞金首と知らず、彼の逃げ方が面白かったから誘ったらしい。

それにルフィが処刑台に向かう時に会ったらしく、道を教えてくれたとか。

うん、謎よね。

 

「島だ!!」

 

ルフィがそう叫ぶ。

これからも、ルフィって島が見える度に島だ!!島に着いたぞ!とか言いそうよね。

…それは置いといて、ログポースをもう一度見る。赤い指針はその緑溢れる樹海の島を指していた。

間違いない。

 

「リトルガーデンよ!」

「うひょぉおお!着いたぁ!!リトルガーデン!!!」

 

船首に座り、笑顔で声を上げる我が船長。ホント、子供みたいだわ。

そして、その横で無表情ながらも顔をキラキラさせて樹海を眺める、黒髪と対照的な白髪。

 

 

……散々、悩んだけれども、船長の決定。

 

 

それに今はビビを送り届けることが先決よね。

 

 

 

 

 




お気に入りが40件超えた、だと…?エドさん好きな人が多くて驚きです。

たとえ、賞金が自分より高くても、自分より強くても、仲間にしたいなら勧誘するのが我らが船長。
そんなルフィを信頼しているからこそ、得体の知れないエドを受け入れることができたんだと思うんですよね。

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