現代人 in エド in ONEPIECE   作:アディオス

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三人称。


全ての日曜日と出逢うのは船の上な5話

 

 

 

 

 

 

 

「何だ?クロコダイルも知らないのか?」

「で、どんなやつなんだ?」

 

賞金稼ぎ達が集まる秘密結社バロックワークス。

そのボスであるMr.0こと王下七武海クロコダイル。

その名をミス・ウェンズデー改め、アラバスタ王国王女ネフェルタリ・ビビの一人語りによって告げてしまい、アンラッキーズに似顔絵を描かれ、ルフィ、ゾロ、ナミは仲良くビビと共にブラックリストへ。

逃げ場を無くしたナミは涙を流し、ルフィはクロコダイルについてイガラムとビビに聞いていた。

 

「今では王下七武海であるため、懸賞金がかけられていないが…海賊時代の懸賞金は8000万だというそうだ」

 

イガラムとそう深刻そうに言うが、当のルフィはふーん、と腕を頭の後ろで組んで一言。

 

「なんだ、エドより下か」

 

それを聞いたイガラム、ビビ、ナミは絶句し、対象的にゾロは笑った。

 

「あっはははっ!!そりゃそうだ!あんなガキより下か……そいつ絶対たいしたことねぇ…だろ?ルフィ」

「あぁ!ゾロもそう思うか?」

「まぁな…けど、それより楽に勝てそうだよな?」

 

ニヤニヤと笑いながら刀をキラリと光で反射させる。

それを見たルフィはむーっと頬を膨らませ、ビシッとゾロを指した。

 

「ゾロ!俺が!そのクロコダイルをぶっ飛ばす!!邪魔すんじゃねぇぞ!」

「はっ!早い者勝ちだろ?」

「何だよ!譲らねぇぞ!」

 

ギリギリと顔が接触しそうなぐらいに近寄り、睨み合う。

口から出てくるのはそれぞれの戦闘スタイルへの罵倒。

 

「殴るしか能がねぇだろ!テメェ!!」

「お前だって斬るしかねぇじゃんか!!」

「「やんのかコラァ!!」」

 

「やめんかっ!!!」

 

ゴン!という音と共に二人とも地に伏せ、頭を抑える。

殴ったのはナミだ。目を鋭くさせ、高く上げた握り拳には熱が蒸発しているのだろうか?湯気が出ている。

しかし…ゾロはともかく、打撃が効かないルフィを殴り倒すなんてナミは強い。別に愛の拳でもなんでもないのに。

 

 

 

暫くし、バロックワークスに狙われることになったビビを逃がし無事アラバスタへと向かうため、イガラムは囮役を買って出た。

それはいいのだが、もう少し格好を…いやそれ以前に性別と体格が違うのだからまぁしょうがない。

この世界の住人はとにかく鈍いので遠目で見れば、ビビと見間違うだろう。

 

「無事にアラバスタへ、ビビ様」

「…っ…!…うん…!イガラムもね…」

 

そうして別れを告げ、船が陸を離れる。二人とも無事、アラバスタへと帰還することを願って。

 

 

何分経ったのだろう?

船が小さくなりかけてた時だった、激しい轟音と思わず目をつむるような光、そして吹き飛ばされそうな風が一斉に彼らを襲った。

一瞬、理解できず放心した。目を見開き、彼がいたであろう海面で燃える炎を瞳に映し出す。

 

「立派だった!!」

 

ルフィのその言葉でビビ除き全員が動き出す。

ルフィはまだ寝ているウソップとサンジの元へ、ゾロは一足先に船に戻り出港の準備を、ナミはまだ固まって動かないビビを連れて行くためにそれぞれ行動を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

錨を上げ、出港する。

因みにビビの相棒とも言えるカルガモのカルーは一足先に船に乗っていた。

何故、日が昇る前に出港しているのかわからないサンジとウソップをナミは殴り倒し、甲板に放置。

階段を下り、ナミは辺りを見回わす。

 

「あれ?エドは?」

「あー?そういえば、見てねぇな…」

「まさかっ、置いてきたのでは?」

「あはははっ、たった数日の付き合いだけど、あいつがそんなマヌケなこと……」

「しそうだよな…」

 

三人してやらかしてしまったのではないかと、顔面蒼白になるが…ルフィの一言によって元の色へと戻る。

どうやら、エドはこの船の室内で寝てるらしい。その事に顔をひくつかせ、笑うナミ。

 

「サンジ君といい、ウソップといい…エドまで…」

「あいつ、マイペースだよなぁー」

「お前に言われたくないと思うぜ?」

「なんでだ?」

 

ルフィが首を傾げてる時、東から日が昇りゴーイングメリー号を、照らした。

その少し幻想的になる気持ちと同時に追手から逃れることができたという安堵から、ふぅと息が漏れる。

 

「追手から逃れて一安心ってところね」

「そうねぇ、けどまだ油断ならないわ」

「それはいいことだけど、ちゃんと迷子にならないよう舵を取らないと」

「そんなの航海士である私に任せときなさいよ!」

 

そう自信満々に告げたナミだが…はて?自分は一体誰と話していたのだろうか?

不安が過ぎり、横にいるルフィに問いかけるが、ん?と首を傾げるだけ…じゃ誰が。

 

「いい船ね…」

 

声は後ろからだ!

全員が全力で振り返り、船の二階部分の手すりに足を組んで座ってる女性を見つける。

切り揃われた黒髪にカウボーイハットと西部劇場に出てきそうな格好。

誰だ?と首を傾げる中、一人だけ声を荒げた。

 

「アンタは!!」

 

ビビは恐怖と怒りに染まった顔でその女性を睨んだ。

女性はビビの睨みに臆することもなく、ただ頬杖をしてふふっと笑う。

 

「さっきそこでMr.8に会ったわよ?ミス・ウェンズデー…?」

 

妖美な微笑みでビビを見つめてくる。そこらの普通の男性や女性なら速攻落ちそうな顔だ。

だが生憎様、ここにいるのは、17歳のくせに何処までも純粋無知な麦わら少年や刀戦闘バカ、それに活発だが同じぐらい魅力がある泥棒、そもそもその女性を恨んでますよな王女である。

要するに、そんなの効かないメンツなのだ。まぁ、この女性もそんな考えもせず表へ出している表情だが。

 

「アンタが!イガラムを…っ!ミス・オールサンデー!!」

 

ミス・オールサンデー。

Mr.0…つまり、クロコダイルのパートナーである。

その名を聞けば、麦わら海賊団の敵だと言うこと。

ビビは何しに来た!?と叫ぶが、ミス・オールサンデーは少し面白おかしく微笑んだ。

 

「私が追手…と言ったら?」

 

その瞬間、皆一斉にミス・オールサンデーへと攻撃体制を取る。

いつの間にか起きていたサンジは鉄砲の銃口を頭に、ウソップは愛パチンコのゴムを最大限引っ張っている。

 

「サンジ、お前意味わかってやってんのか?」

「いや正直、俺にはさっぱり…」

 

「ふふっ、そんな物騒な物…向けないでくれる?」

 

ミス・オールサンデーがそう言った刹那、サンジとウソップの体は浮き下へと落とされた。

ゾロが持っていた刀も落とされ、さらにルフィの帽子も飛ばされ、ミス・オールサンデーの手元へと辿り着く。

 

「悪魔の実の能力者…っ!」

「お前ぇ!!帽子返せ!!やんのかこのヤロー!!!」

 

人知を超えたことをできるようにするのが悪魔の実の能力。

一生カナヅチになる変わりに得る能力。その能力は様々で、一つと決まっており見た目ではあまり判断しにくいものもある。

まぁ、殆どが自慢気に私は◯◯の実の能力者だ!と言う連中もいるそうだ。

ミス・オールサンデーはサンジとウソップを浮き上がらせ、ゾロの刀も落とし、ルフィの帽子を奪った。

何の能力か判断しづらい。そもそもよく原理がわからないので、この際は置いておこう。いつか開け明かしてくれるまで。

 

「貴方が最近騒がしてる海賊、モンキー・D・ルフィね?」

「それがどうした帽子返せ!!」

 

ミス・オールサンデーは次の島の危険性、この海賊団が全滅する可能性を示し、尚且つアラバスタへのエターナルポースを麦わら帽子と共に渡してきた。

この航路を選べば、楽に行けると。

 

「そんなのどっちだっていい!!」

 

ビビがどっちの航路を選んでいるか迷っていると、ルフィがエターナルポースを掴み、握り割った。

この船の者でもない奴が勝手に進路を決めるな、と。船長である俺が決めることだ、とルフィは怒る。

パラパラと硝子の欠片が地面に落ちていく。欠片が光と反射するその様は儚く美しい。

 

「そう…残念ね…」

 

そう彼女が言葉と裏腹に嬉しそうに言った時だった。

彼女が座る下の扉が開いたのは。

 

「何だ?やけに騒がしいけど…まだ眠いんだが」

 

光に照らされ少し光る白髪をガシガシと掻き回しながら、欠伸をする少年が出てきたのだ。

白を基調とした服装に猫耳フード、長い飾りかと思われるベルト、彼の後ろにはスマートな逆三角形のような機械がふよふよと浮いており、左眼には刺青だろうか?筋のようなものがついている。

眠たそうな眼が見開かれると電源マークが入った特徴的な瞳がジーッとこの状況を見つめた。

そう言わずもかな、最近仲間になったエドだ。

 

「あら、貴方は」

 

頭上から聞こえた声にエドは首を曲げ上を向いた。

そこには黒髪の女性、ミス・オールサンデー。

エドはこの船に乗ってない奴と瞬時に判断し、眉を顰め、睨む。

 

「何だ、テメェは」

「貴方がこの船に…予想外だけど、面白いわね」

「おい、一人で納得してんじゃねぇよ」

 

エドの話を聞かず、ミス・オールサンデーは一人でなにか納得した後、手すりから降り立ち、海の方へ歩いていく。

その途中、振り返りこの船の船長であるルフィに挨拶をしていく。

 

「じゃ、私はこれで失礼するわね、また会いましょう?」

「やっ!」

「ふふっ」

 

ルフィに会いたくないと言われたが、どこか面白そうに笑い、船から飛び降りる。

能力者が船から飛び降りるなんて死にも近いが、そんなバカなことをミス・オールサンデーがするはずもなく、船の横には彼女の船と思われるモノがあった。

 

「行くわよ、バンチ」

 

亀、だったが。

バンチと呼ばれた亀が船が進む進路とは逆に泳いで行った。

 

「でけー亀だなぁー」

 

一味全員その亀を見送りながら、結局なんだったんだ?と首を傾げた。

 

(というか俺のこと知ってそうだったな…手配書からか?ん?)

 

その中で一人、首が折れるのではないかというぐらい首を傾げている白髪の少年がいたが。

 

まぁ何にせよ…ミス・オールサンデーはミステリアスだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




全ての日曜日が集まったらどれぐらい休めるのでしょうか?

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