現代人 in エド in ONEPIECE 作:アディオス
やぁ、エドだ。
人語を理解する賢いラブーンと元海賊王の船医のクロッカスと別れ、今はウィスキーピークに向かってるぜ。
何故ウィスキーピークに向かうことになったかと言うと、ラブーンを食料として狙った二人。Mr.9とミス・ウェンズデーがウィスキーピークに帰りたいと言ったからだ。まぁ最終決定はルフィだけども。
「いい天気になったな……」
メインマストの上、監視室というか部屋ではないからまぁ違うかも知れないが、そこでのんびりと空を見上げる。
さっきまで慌ただしかったもんな…雪降ったと思えば雷鳴る…と思えば方角が違う…慌てて方角を変えれば、春一番の風。そして目の前に氷山、霧、水漏れ、嵐。
とっと、下に降りる。うわぁ、伸びてんな…そりゃあんな動き回ったらなぁ。ルフィはピンピンしてるけど。
「あ?何だ?天気がいいからってだらけ過ぎだろ」
「ゾロ、起きたのか」
「おぅ、エドお前はだらけねぇのか」
ニヤニヤしながらそう尋ねてきたが、首を振った。
「いや、一歩も動いてなかったからな」
「は?」
(((こいつらぁ〜…)))
お、おにぎり残り発見。うん、塩加減が絶妙だ。
あ、ゾロが殴られたざまぁwwwごはっ!」
「アンタも同罪よ!!」
なんだと…?
いってぇ…タンコブできたぞ、こんちくしょーめ。
俺が涙目を浮かべながら頭を押さえていると、どうやらウィスキーピークに着いたようだ。
Mr.9とミス・ウェンズデーはかっこよさげに船の淵に降り立ち、そこから宙返りして海に飛び込んだ。無駄にかっこいい。まぁ、泳いで行ったからなんか締まらないけど。
ウィスキーピークはサボテンのような山がずらりと並んでいた。中央が割れ、川ができている。
船のまま中まで進んでいくと、たくさんの人々に歓迎された。
歓迎の街ウィスキーピーク。
海賊の俺たちを歓迎して、宴をしたいというマーマレードさん。え?名前が違う?気のせいだろ。
ナミがログポースについて聞くが、上手くはぐらかされ宴が始まった。
まぁ、着いた時点で夕方だったもんな。あっという間に夜になる。
ナミとゾロは酒に、ルフィは料理に、ウソップは英雄譚という嘘に、サンジは女に、皆それぞれ溺れながら楽しむ。
ん?酒が出てきた。
「ささっ、貴方様もどうぞ」
「あぁ、悪いな」
そうして生まれて初めての酒を飲む。む、葡萄の甘さが美味しいな。
ちょっとアルコールが入っているせいか苦いが。
思わず一気飲みする。そしてもう一杯と。頬に熱が回るが、頭は冴えてる気がする。
「いやぁ、いい飲みっぷりですな、三人共」
どうやら、酒飲み大会に参加してたみたいだ。よっし10万ベリーは俺のものだ。
ふへへ、いい気分だ。
酒を飲み続け、15杯目ぐらいでちょいと飲み過ぎたなと思う。胃がたぷたぷだ。因みに10万ベリー貰った、ラッキー。
ふふ、ふはははっははっははははは、はっ…。
ゴツンという音と共に俺の意識はフェードアウトした。
『母さん、父さんは今日も帰ってこないの?』
小さい白髪の少年が女性のスカートの裾を掴む。
少年とは違う透き通ったような白髪を持つ女性はこの少年の母親らしい。その女性は少年に向けて微笑む。
『えぇ。でも明日には帰ってくるって言ってたわ』
『ホント!?じゃぁボク、父さんに研究の手伝いさせてもらうよう頼む!』
『あらあら、貴方はまだ6歳よ?早いわ』
クスクスと女性は笑う。見てると安心するその微笑みを見ながら、少年はむすーっとむくれた。
『ボク、もう子供じゃないもん…それに父さんに貰った問題、全部解いたもん』
『え?アレを解いたの?あらまあ、貴方は天才ねぇ』
『ふへへっ』
くしゃりと少年は笑う。褒められて嬉しいのだろう。
場面が変わった。
小さかった少年が少しだけ大きく成長していた。年は…10歳ぐらいだろうか?背は低いが、確かにあの少年と女性の面影がある。
研究所のような場所で、白衣を着た男性と同じような格好をした少年がそれぞれ何かに取り組んでいる。
研究…と言っても生物に関してだろうか?顕微鏡を二人して必死に覗いてた。
暫くすると、少年が荒声をあげ自身の父親を呼び顕微鏡を覗くように言った。その父親はまさか!というような顔をして顕微鏡に目を近づける。
『と、父さん?』
『や、やったぞ!やったぞ!間違いなく、これは■■■の成分だ!』
『じゃ、じゃぁ!』
ぱぁあと少年と男性の顔が明るくなる。
『あぁ!研究が一段階先へと進むぞ!』
少年と男性が抱き合い、喜び合うところでまた場面が変わる。
今までのほのぼのとしたのと打って変わり、視界に広がっていたのは炎が舞う町だった。
その中で、12ぐらいの白髪の少年が茶髪の男性と白髪の女性の胴を揺する。
どうやら二人は寝てるようだ。死んだように眠って、ピクリとも動かない。
次第に少年の目に涙が溜まる。溜まった涙はポツリポツリと、地面に落ち小さいシミを作った。
『父さん…母さ、ん…うぐっ、ひぐっ』
必死に涙をこらえようとして、嗚咽のような声が漏れる。
そうか、この少年の父親と母親なのか…なるほど、死んでそれで悲しいんだな。他人事のように考えていた。
そう、他人事だ…他人の親が死んだからってこちらまで悲しくはならない。
だが、なんだろうか?この胸を締め付けられる感覚は……どこか他人事じゃない気がした。
目が覚めたのは発砲音が聞こえてから、重い頭をあげ辺りを見回す。
暗い部屋、確かに先ほどまでに宴を開いていたが今は俺たち以外誰もいない。
はて?先程まで夢を見ていた気がする。白髪の子供が出てきたとこまでは覚えてるんだが…まぁ、今はいいか。
外から発砲音と、怒鳴り声が聞こえる。どうやら喧嘩のようだ。
ナミももういないし、どうしようか。確かここって忘れてたけど、賞金稼ぎバロックワークスの島なんだよな…。
というか、唯一の賞金首である俺とルフィがここで寝てたってなんだよ。どういうことだよ。
あ、そういえば寝てるときってドライヴどうなんかねと思ったら、寝返りとかに合わせて移動するんだよこいつら。普通に寝転んだら前に、横になった横って風に。何か可愛いだろ、ルンバみたいで。
というか俺の10万ベリーがない。なんでだよ。返せよ10万ベリー…渡すつもりなかったのなら景品にだすなよ。
はぁ…さてどうすっかなー………とりあえず、このバカ三人組に落書きしとこう。
「くははははっ、こりゃ傑作!」
典型的な落書きをして笑う。
サンジにはヒゲとぐる眉の反対側にもつけたし、赤のペンで頬を赤くする。くっそwwサンジって一時期オカマ化するからな、やべぇ似合うwww
顔はいいんだ、本格的に女装すればあれ?と思うことがあっても男性だと気づかれにくいだろう。それにこの世界では女性も身長が高い。
さて、ウソップは鼻の先を赤くし、頬にナルト模様、くるりヒゲと長い長い睫毛を付け足す。額には王と書く。そげキングってな感じでwうんww完璧wwwww
ルフィは、あれ?いない?さっきまでいたのになんで?
まぁ、いっか。
気分を変えるために外に出ると人が倒れてた。そりゃもうゴロゴロと。
そこで寝てたら風邪引くってのに、知らないよ。
なるべく踏まないように屍(仮)を超える。たまに踏んづけてぎゃっ!みたいな声が聞こえるが気のせいだろう。
その時遥か前方で爆発音が聞こえた。確か、鼻くそ爆弾と全身レモンのオフィサーエージェントだったっけ?
行ってもやっつけてくれるし、それに眠たい…まだアルコールを分解し切れてないみたいだ。
「ふぁああ」
ここにいてもしょうがないし、船に戻って寝るか。
ああ、眠い。眠いせいかわからんけど、ドライヴがクルクル回ってる…落ち着けよ。クルクル回るなよ、背中に扇風機背負ってるみたいになってんじゃん。
「なんじゃこりゃぁああ」
あ、ルフィ。
「あ、エド!これ、誰がやったんだ!」
「ゾロ」
「なっ!」
だってゾロだもん。全部切り傷だし、俺のドライヴでは切り傷はできない…それに刃物を使うのはゾロだけだしな。
そう言ったら、ルフィはぽよんぽよんと腹を揺らしながら走って行った。よくあんなので走れるな。
さて、もう一眠りするか。
足腰痛いから、できればハンモックで。
早くもフラグ回収。
と言ってもまだエド編は先になるけども。
……って、あれ?今思ったらエドって自分から捕まりに行ってる希ガス。