東方かぐや姫 竹取ボーボボの物語   作:にゃもし。

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 月の使者に戦いを挑むも、あっさりと返り討ちに…
 さらに平安京に住んでいる人たちの命を盾に脅迫、脅しをかけられ…
 輝夜は大人しく従い宇宙船へと連れていかれた。

 そしてボーボボたちは…



ザ・ラストバトル …の巻
宇宙船突入


 

 

 ――――宇宙船、内部。

 

 

 深海を思わせる蒼い鋼鉄の壁に囲まれた平たい円柱状の広間。

 軽く見ても平安京のコロシウムよりも遥かに広い造り。

 その中心部に私――輝夜と永琳。少し離れて月の使者たち三人が立っていた。

 他には誰もいない。空中に投影された映像に玉兎の姿が映るのみ。

 

 

「少々、遊び過ぎましたが… 月へ帰還しましょうか」

 

 

 満月伯爵の指示の元。映像の中の玉兎たちが慌ただしく動き回る。

 外を映している画面の一つ。その風景が小さくなっていく。

 揺れを一切感じさせないが外からでは徐々に地上から離れていっているのだろう。

 

 

「能力者に不死者に妖怪といろいろ危惧していましたが… 取り越し苦労というやつでしたね」

 

 

 何処に瞳があるのか分からない顔を私に向ける満月伯爵。

 岩石で構成されたと思われる顔では表情が読み取れない。

 

 

「忘れたの? アイツらは空を飛べるのよ?」

 

 

「存じてますよ? そのための迎撃兵器は備えられていますので…」

 

 

 映像の一つ。玉兎の一人が声を張り上げて報告する。

 

 

「噂をすれば影が差す、ですかね…?」

 

 

 大きなスクリーンに映し出されているのは()()()()()無敵要塞ザイガスの姿。

 そしてそこから発信してきたのだろう三人の姿が送られてきた。

 ボーボボ、天の助の二人で画面の9割以上を占有しており、

 残り1割以下の部分を首領パッチが窮屈そうに映されている。

 

 

『ちょ!? 何これ!? 僕んとこの面積、気持ち狭くない!? ねえ!?』

 

 

『気のせいだろ』

 

 

 首領パッチが指摘するが天の助は否定。意見を却下、切り捨てる。

 

 

『驚いたか? まさかコイツが空に浮かぶとは思うまい』

 

 

「焼き払え」

 

 

 得意気の顔のボーボボに問答無用で迎撃命令を下す。

 赤く細い光が宇宙船の先端部分から放たれて直撃。無敵要塞ザイガスを破壊。

 炎と煙を上げながら、ゆっくりと降下、地上へと墜ちていく。

 

 

『要塞跡中心部から高出力の反応が出現、波長パターン青、ハジケリストと確認』

 

 

 玉兎の一人が淡々と現状を述べていく。

 崩れていく要塞の中から腕を組んで仁王立ちする巨大な人影。

 それは見覚えのある人型兵器。

 以前見たときよりも細部が変わっており何よりも大きさが増しているがそれは紛れもなく

 

 

 核熱造神「ヒソウテンソク」――――改め、

 

 

 天元突破「ヒソウテンソク」――――見参!!!!

 

 

 

 

『『オレたちを誰だと思ってやがる!!!?』』

 

 

 

 

 画面の中の三人が吼えて「ヒソウテンソク」が動き出す。

 

 

「無人機を向かわせなさい」

 

 

 『了解』と玉兎が返事を返してコンソールを操作。

 黒い三角形の機体が次々と母艦から発進、ヒソウテンソクへと突撃する。

 迫り来る無人機に対してボーボボたちが乗るヒソウテンソクは――――

 

 

『『アタック!!!!』』

 

 

 巨大な大岩を両手に持って無人機を叩き落としていく。

 

 

「「攻撃方法が原始的だ――――っ!?」」

 

 

『今ので無人機が全滅しました!』

 

 

 玉兎が切羽詰まった表情で叫んで報告する。

 

 

「「石で!?」」

 

 

 無人機を全て打ち落としたヒソウテンソクは右腕に巨大な六角柱を装着。

 鋼鉄の身体を黄金に輝かせて――――

 

 

  天 罰 光 臨 『 ゴルディ ・ オンバシラ 』

 

 

 六角柱を構えながら背中のスラスターを噴射させて宇宙船へと突き進む。

 外壁を砕き光の粒子へと変化させ内部へ侵入。障壁を何枚か破壊したのち…

 

 

『第一エンジンルームに侵入されました!』

 

 

 動力炉らしき物がある部屋に到達。巨大な円柱、その中心に光輝く力の塊が浮いていた。

 そこに到達するまでに破損したのであろう。機体のあちこちを酷く損傷させたヒソウテンソク。

 

 

『ミンナ…ヒメサマヲ…カグヤヲ…タノム…!!』

 

 

 残った右腕を突き刺す――――画面が白く染め上げられて… 爆音。そして強い揺れ。

 

 

『第一エンジンルームが破壊! 出力が低下!』

 

 

「あの三人がこれで死ぬとは思えません。部屋ごと封印しなさい」

 

 

 玉兎たちに指示を出して空中に映っている三人の姿を見る。

 未だにあの三人が映っている。

 

 

「あの機動兵器に乗っているのならば… 何故この三人が()()()()()のですか…?」

 

 

 ヒソウテンソクから発信しているならば消えてしかるべきである。

 未だに消えない、ということは…

 

 

 重厚な両扉が思いっきり開け放たれて三つの影が部屋へ侵入。

 

 

「「それは最初っから乗ってなかったってことだ!」」

 

 

 地味な色のプロテクターに身を包んだ三人がママチャリに乗って砂塵を巻き上げて爆走。

 私と永琳の横を通り過ぎ――前輪を上げながらママチャリごと月の使者に強襲を仕掛ける。

 

 

「「三人、ジャスティスクラッシュ!!!!」」

 

 

 しかし、攻撃は外れ… 全員がそれぞれ後頭部を掴まれ、顔面を床に何度も打ちつけられる。

 やがて動かなくなったのを確認すると床に投げ捨てられる。

 

 

「永琳殿、貴女の御力で抹消なり封印するなりしてくれませんか? さすがに飽きてきました」

 

 

「やめて、永琳!」

「お願い、永琳!」

「助けて、永琳!」

 

 

 ボーボボが天の助が首領パッチが永琳の服の裾を摘まんで引き留めようとする。

 

 

 パンっ! パンっ! パンっ!

 

 

「服が伸びるから止めてくれないかしら?」

 

 

 三人の額に銃弾を撃ち込んでやめさせた。

 

 

「まあ、冗談はさておきだ。永琳、お前はどうするつもりなんだ?」

 

 

 額にある銃痕からダラダラと血を垂れ流して永琳に問うボーボボ。

 だが永琳からの返答はなく代わりに答えたのは満月伯爵。

 

 

「永琳殿は月の民。当然、我々の味方ですよ? 

 部外者であるあなた達が首を突っ込む必要はない。これは月の民の問題なのですから」

 

 

「そのわりには()()()である輝夜の意思を無視しているようだが…?」

 

 

「月の民が故郷である月に帰りたいと願うのは当然でしょう?」

 

 

「――だそうだぞ? 輝夜?」

 

 

「悪いけど勘弁願いたいわ」と手をパタパタと振って拒否する。

 

 

「自分の生き方ぐらい自分で決めるわよ。私は地上に残る。誰がなんと言おうとね?」

 

 

「――だそうだぞ? 満月伯爵?」

 

 

「正気ですか、貴女? こんな不便極まりない地上に残るだなんて…」

 

 

 

 

 部屋の一角でソファーに身を沈めてテレビを眺めている天の助は…

 スナック菓子の袋を片手に寛ぐ首領パッチに――

 

 

「意外と快適だったよな?」「ああ」

 

 

 

 

「――長生きしてるから幸せかしら…?」

 

 

「…輝夜殿、貴女は何を言いたいのですか?」

 

 

「成人を迎える前に死んだら不幸かしら…?」

 

 

「当然でしょう?」

 

 

「月にいたら幸せ? 地上にいれば不幸?

 それは誰が決めるのかしら? 

 最後に決めるのは他ならない自分じゃないかしら?」

 

 

「自問自答に付き合うつもりはないのですが?」

 

 

 声に苛立ちを感じさせる満月伯爵。でも…

 

 

「悪いけど帰るなら、あなた達だけで帰ってちょうだい。

 何かしらの理由があって私を連れて帰りたいなら理由を言いなさい。

 それでも言わず、語らず、話さず、力づくでやるのならば――――」

 

 

 

 

 礼節には礼節を、非礼には同じく非礼で返すのみ!

 

 

 

 




 
 (´・ω・)にゃもし。

 ここから本当のラストバトルであり「満月伯爵」がラスボスです。
 取り巻きのミサト、ザンボットにも活躍の場をもうけますがね。

 ここまで読んでくれて、本当にありがとうっ!

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