ゲート 元セーラー服の男、斯く地で戦えり   作:オンドゥルッフ

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 どうも、生存確認&投稿です。今回少しばかり実際にあったかどうかわからない噂話も入れているのでそこら辺はあまり深く考えないでください。

 しかし後1か月半くらいで2015年も終わり…おそらく今年のクリスマスイブとクリスマスはデートとか合コンとかの人の代わりに職場で過ごすんだろうな…早すぎるかもしれないけどサンタさん、彼女を下さい!三次元の!!


第2.5話「一人の海上自衛官の日常」

 自衛官は朝6時に起きると思っている人がいるが決してそうではない。実はその前に起きることの方が多い。

 

 ~0530 隊舎~

 

 「ふぁ~~~、朝か…倉田さんそろそろ準備してください。」

 

 「うう、おはよッス」

 

 「さて、昨日のバスタオルを片して毛布も畳んで…」

 

 「そこまでやるんっすね…」

 

 「ああ、こうしないと違うマーク(※)の教官とかに文句を言われてしまうからな。それと台風も怖いし」

 

 ※マーク…一般でいう整備員とか会計員みたいなもの、自衛隊には所属を示すメインマークと「他にもこれができるよ」と示すサブマークがある。(確かそうだったはず…)

 

 「そんじゃトイレ行ってくるっス」

 

 「そういえば陸は総員起こし5分前のマイクは入らないんですね。」

 

 ※海自は会議やら課業等を放送で入れるとき「~~始め5分前」と入れることが多い

 

 「総員?ああ、起床ラッパの事っすね。というより何故海は5分前に入れるんですかね?」

 

 「…5分前精神?ってもう10分前だ。」

 

 「やっべ急いで行ってくるっス!」

 

 と陸と海の違いを感じながらも総員起こしの準備をして再度布団に潜る。

 

 ~0600 起床~

 

 ~~~♪~~~~~♪!!

 

 「!!」

 

 「着替え早っ!?そこまで急がなくていいのに!?」

 

 「教育隊では1分くらいで下に行くのが当たり前でしょう!」

 

 「ここは教育隊じゃないですよ!?」

 

「陸上の生活が教育隊と(※)1術校しかないからそう思ってしまうんだ!お先!」

 

 ※1術校…広島県の江田島にある第1術科学校の略、赤レンガの建物がある。

 

 「あ、遠坂君!?」

 

 この後、廊下を走っていた遠阪は栗林に蹴りを食らいました。

 

 ~体操~

 

 「っ、っと、陸自の体操って難しいですね!それとよく跳ねる!」

 

 「海自は結構簡単ですね。でも激しくは動かないですね。」

 

 「海の上でピョンピョン跳ねたら危ないからね~」

 

 「体操終わり~~」

 

 「遠坂は腕立て50回やってから飯な~」

 

 「ウェ!?…了解しました。」

 

 「うんじゃ俺は先行くわ。」

 

 「何いっているんですか。隊長もですよ。」

 

 「え~それなら「栗に負けたら飯抜き確定で」ヤッベぇ!?てかおやっさんヒデェ!?」

 

 「それじゃ私も…」

 

 「ふ、二人とも早すぎます!?私は二人とも程体は鍛えて……ウェェェェ!!」

 

 ※遠坂はギリギリ先に終わり、伊丹隊長は間に合わず朝飯抜きとなった。

 

 

 ~0800 課業始め~

 

 「さて、皆は話し合っているみたいだけど、海自は私だけだからな…暇だ…」

 

 伊丹隊長達の会議を見ながらそう呟き、視線を駐屯地の外へ向ける。兵士の遺体は粗方埋葬したが一体で兵士3~4名分もある翼竜の死体はまだ放置のままで、最近はマシになったが、その前までは匂いが酷かった。

 

 翼竜の死体を見ているとふと思った。

 

 「(ゲームとかで竜の鱗とかを鎧兜にしたりできるけどこっちはどうなんだろ?結構固いから使えそうだけど、レレイちゃんにロゥリィさん、テュカちゃん辺りに聞いてみるか…。)」

 

 そんなことを思いながら翼竜の死体を見ていると

 

 『タカヒト、少し良いかしらぁ?』

 

 特地の言葉で話しかけられ振り向くとロゥリィさん達が集まってきていた。私は本来陸自のみで構成される筈の部隊に無理矢理ねじ込んだ海自の隊員で駐屯地の近くに水辺がないので、あまり特地での仕事がなく最初は書類業務と荷物運搬のみで、彼女達が来てからは日本語を教えながらこっちの言葉を教えてもらっていた。

 

 しかしレレイちゃんは簡単な会話ならできるようになったののに対し、私はまだ片言のままだが…これも年のせいなのか!?

 

 私は伊丹隊長達の方を見るが、まだ話しているのを確認してからロゥリィさん達に向き直りオッケーサインを作ると

 

 『実は翼竜の事なんだけど…』

 

 ~0900 午前の作業~

 

 「…という訳なのですが、どうでしょうか?」

 

 「あ~良いんじゃないの?」

 

 「へ~売れるんッスね。」

 

 「確認しましたが問題ないそうです。」

 

 「レレイちゃん、こっちはOk! No,problem!だ進之介!(ベル◯さん風に)…だってさ。」

 

 『『………』』

 

 「(しんのすけってだれ?)」

 

 「「(声まねうめーな~~)」」

 

 最後で私が滑ってしまったがロゥリィさん達の話の内容は、今は自衛隊が保護してるがどうやら彼女達は私達で言うところの『家賃後払いで住まわせて貰っている』と思っているらしく家賃を払うため、それにこちらの物を買うためにはお金が必要で、こちらでは竜の鱗は大変貴重なものらしく売ればそこそこ良い値段で売れるらしい。

 

 そして私に、話しかけたのはその鱗を少しでも良いから譲ってほしいとのことだが、はっきり言って私達はお金は国民からの血税でお給料貰ってるし、何より自衛隊は副業禁止!海自も昔船に来た記念に限定ライターとか帽子とかを船員に売るより安く(要は赤字になるよう)売ってたけど、それも自衛隊の存在事態が気に入らない人が「自衛隊員が汚い手法で国民からの金を巻き上げている」とか言って禁止になったくらい世間の目は自衛隊に厳しい。

 

 なので翼竜の死体は射撃訓練の的くらいにしか使ってないし、そうやってしか使えないから鱗でもなんでも持ってけ泥棒!(悪ノリ)な 気分である。因みにそれを言った後のロゥリィさんの

 

 『身体を売らなくて済んだわね。』

 

 と言っていたが、ここ(駐屯地)じゃあ、それをやったほうが大問題になることを注意しておいた…性的な意味では特地には絶対避妊のゴムの近藤さんとか無いし、それ関連の病気もあるかもしれないからやってもキャバクラもどきが精一杯だろうな。それも敷地内だったら許可は降りないだろうけどね。

 

 その話が終えて、私も試し切り用の鱗を数枚頂戴するために鱗剥ぎの方に参加したが肉が腐って崩れ始めていたからか割と剥ぎとりやすく調子に乗って剥いでたらレレイちゃんたちに怒られてしまった。たまに様子を見に来た伊丹隊長達に鱗を見せ

 

 「翼竜の鱗を手に入れた」

 

 と某狩ゲーのシステムメッセージみたいなことを呟いたら近くにいた隊員達と一緒に笑いをこらえていた。

 

 ~1200 昼食~

 

 「あ~さっぱりした。しかし…腹が減った。」

 

 鱗の剥ぎ取り作業を終え匂いが染みついた体をさっぱりとさせ食堂に向かう。

 

 「お、遠坂じゃん」

 

 栗林さんが駆け寄ってくるのが見え、少し足を止め一緒に食堂へ向かう。焦ることはない私はただお腹が減っているだけだ。

 

 「どうだったの鱗は?」

 

 「ええ、少々剥ぎ取りすぎて、テュカさん達に洗う身にもなってくれと怒られましたよ。まあ私も洗いましたが、」

 

 「へえ~あ、そうだ黒川2曹も合流するけど急いではいないし構わないよね?」

 

 「ええ、私の腹が猛烈に減っていることいがいは何もありませんし午後も別科まではこっちの言葉と文化の勉強くらいですからね…全くなんでこの間までセーラー服を着てた私じゃないほかの海自隊員を呼べばいいのに、どうして呼ばなかったのやら…」

 

 「まあ、そこは選ばれた隊員と思って頑張りなさいよ。それとあんた…その服目立ちすぎるわ。見つけやすかったけどね。」

 

 「まあ、新品の私物の作業服(鮮やかな青)ですからね。緑の中では目立ちますよ。」

 

 と話しながら食堂へと向かっていった。(因みに服の事については黒川2曹にも同じこと言われた。

 

 後食堂で倉田さんから海自は船ごとに決まったカレーがあるのかと聞かれたが、

 

 「毎週昼飯が毎回おんなじカレーをずっと出されたら嫌でしょう?」

 

 と言ったら納得してもらえた。それにルーが同じだからどこも大して味は変わらないよ。

 

 ~1330 午後の課業~

 

 「また、シャワー浴びなきゃ…」

 

 「ドンマイ遠坂、今回は俺たちも一緒だ。」

 

 伊丹隊長達と目の前の血なまぐさい匂いを放つ物…炎龍の腕を見る。この腕は前の戦闘の際に落としたもので私が

 

 「そういえば前の戦闘の件、書類だけだと野党のお偉いさん達納得しないはずだから炎龍の体の一部を見せた方がいいんじゃないでしょうか?腕とかせめて指の一本はいるでしょう鱗も資料でアメちゃんにも出した方がいいかもしれませんよ。ひょっとしたら開発中の携帯レールガンが光学兵器の一つでも貰えるかもしれませんよ?」

 

 と数日前に娯楽室で冗談で言ったのだが、柳田2尉が国会には提出しなくてはいけないと進言し、ヘリ部隊によって基地近くに持ってきたらしい、そしてその腕を保存しやすいよう切り分け、大きさ比較のための写真を撮るため私達にお声がかかったのだ。

 

 そして今回この作業に参加するのは私と伊丹隊長の他には女性自衛官2名と古田陸曹(調理の為)、それとおやっさん(書類が急に来たため)を除いた全員が参加し、ロゥリィさんとレレイちゃんも参加することになったがまあ、やることは炎龍の手首を切ったり炎龍の腕や手の前に立ち、写真に取られたり鱗を試しに刀とかで斬るのを動画で撮るだけだったが…

 

 ザクッ、コツン

 

 『嘘…』

 

 『あら~?私は切れなかったのに?』

 

 「なあ、倉田、確か翼竜のは12,7mmの徹甲弾でようやく貫通するんだろ?」

 

 「そのはずっす…」

 

 周りがざわつく中私は視線を自分の握っている刀と真っ二つに切れた炎龍の鱗を見て

 

 「切れたぁ!?!?」

 

 思わず鏡の中で戦う龍の騎士っぽく叫んでしまった。そして先にやったロゥリィさんが切れなくて私がやった時に切れた理由はただのロゥリィさんの斧が鱗を斬るには刃が厚く、鱗が切れるより先に地面に埋まったからのようだ。

 

 その後は捨てる予定の部分の鱗をレレイさん達と半分こ(最初は2割程度の予定が向こうがそんなにいらないと言われ押し付けられ、貰った。)

 

 ~1630 別科~

 

 「せい!ハァ!」

 

 「うぉ!?いて!」

 

 「うおりゃあああ!!」

 

 「アヒンッ!?」

 

 別科の時間に私はなぜか栗林さんの組手の相手になっていた。起き上がりながら私は

 

 「な、何故海自の私が栗林さんの組手の相手に…?」

 

 腰に手を当てている栗林さんに話しかけるが

 

 「ここは異世界!銃だけじゃダメかもしれないし、あんたを鍛えるのは隊長にも言われたのよ。ほら構えなさい!!」

 

 「ひ、ひい~~~~~!?!?」

 

 私はこの後栗林さんの組手を私の心がボロボロになるまで行い、他の隊員たちに何故か褒められながら風呂場へ向かった

 

 ~1800 風呂~

 

 「あ~~打ち身に沁みる~~今日で二回目か…指がふやけてしまいそうだ。」

 

 「そういうことは気にするなよ禿げるぞ。」

 

 「私達いつもヘルメットか帽子かぶってますからね。そういえば伊丹隊長」

 

 「何だ?」

 

 今日できた風呂に入りながら私は伊丹隊長の隣に入り話していた。

 

 「今日テュカちゃんはぎ取った鱗はどうするのでしょうか?」

 

 「ああ、レレイによると“イタリカ”という町にレレイのお師匠さんの友人がいるらしい。そこで売るらしいが、馬の引き取り先も探すらしい。」

 

 「ん?イタリカ?聞いた事があるような…まあ、いいや。そういえば私はどうなりますか?まさか留守番?」

 

 「いや、もちろんお前も連れていく。お前の顔と刀はこっちの人達には偉そうに見えるからな。それに一人だけ服の色が違うから目立つし、ひょっとしたら俺の代わりに代表役として前に出てもらうかもしれないぞ?」

 

 伊丹隊長の意地悪そうな顔にうげーという顔をしながら顔を天井に向け

 

 「あ~~もう酒でも飲まねえとやってられんわ…そういやこっちの酒ってどんなんだろう?それにもし駐留する町があってほかの海自隊員、特に若いのが来たら酒場とかバーとか“ア~ン”な場所とかのマップも作らなきゃいけねえからどないしよう。」

 

 「…性病があるかもしれないからダメだろう。」

 

 「なので私としてはヒト以外の種族の女の子と楽しく酒飲んだら7割満足ですよ。」

 

 「7割かよ!?」

 

 「やっぱり彼女ができたら嬉しい。童貞ではないから魔法使いにはならないけどやっぱり彼女は欲しい。このままじゃあ船でホモ疑惑が出続けるだけだよ…」

 

 「結構大変だな。」

 

 「出港して電波の入らないところに出たら暇になってしまうからな~~」

 

 「「あ~~なるほど」」

 

 少しのぼせかけた私達はいそいそ風呂を出た…あ~日本酒をクイっと飲みたい。

 

 ~2130 自室~

 

 「よいしょっと」

 

 「うわ、それ全部鱗ッスか?」

 

 「ええ、しかもこの前戦ったヤツ(炎龍)のですよ。しかもこれでもまだほかにもあるんですよ。これはイタリカに行く時に持っていくやつですよ。」

 

 私はロッカーの横に鱗の入った衣嚢(服とか防止とか入れる袋)を置く。量が多すぎてロッカーには入りきらずしかもレレイちゃんたちに預けている分もあるから全部換金できたら良いけど翼竜の鱗でこっちでは大金持ちくらいになれるののに更に貴重な炎龍の鱗だと金が用意できない可能性と言われた。というかそこまでいくともはや商売になるかもしれないから駄目だな。イタリカでティッシュ配りみたいに鱗配ろうかな…

 

 私は胸はポケットから鱗を取りだし

 

 「倉田さん、何かの記念に数枚いる?」

 

 「い、いただくッス…」

 

 衣嚢袋から10枚くらい鱗を出して手渡す。倉田さんは貰ったそれを一枚だけ残して他をロッカーに入れて残った一枚を重さを確かめてみたり指でたたいてみたりして

 

 「結構軽いッスね。」

 

 「それでモース硬度はダイヤモンド並らしいですよ。」

 

 「へ~~あ、そうだゲームだとこういうのを防具にするけど遠坂君もやってみたらどうっすか?」

 

 「あ~~代金代わりになるものもあるし、時間があればいいですねぇ~でも作るとしたら…盾?」

 

 「大量にあるからフル装備で作ればいいっすよ!目指せリアルレウスシリーズ!!」

 

 「置き場所がないから却下。でも使えたらいいですね~~」

 

 この後他の部屋の陸曹の人たちまで来て消灯ギリギリまでどの防具を作るか盛り上がり、盾の他の防具の候補は胸当て、籠手、脛あて、それと兜となった…骨一本どうしよう…ランスか大剣でも作れそうだよ…。


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