ゲート 元セーラー服の男、斯く地で戦えり   作:オンドゥルッフ

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 やや急ぎ足で飛ばした感が半端ねえ…しかし漫画版だとRPGで飛ばされた炎龍の腕は地面に落ちる描写があるのにアニメ版だと何故ないのだろうか・・・規制かな?

 後今回ちょいちょい特撮ネタ入れてます。作品名は全部…簡単だからわかりますね。


第2話「対炎龍戦:後編」

 ~軽装甲機動車 車内~

 

 「ゴスロリ少女が乗ったおかげでこっちに移動になりました。」

 

 「いきなり言ってるの?」

 

 と私が言うと栗林さんがそう睨んできた。

 

 「まあ、あれ以上あっちに人が乗るのは無理でしたしなら動ける私がこっちに来た方がいいでしょう。」

 

 「まあ、そうだけど…まさかこっちじゃああんな恰好の神官がいるとはね…」

 

 「流石異世界ですね…おやっさん見張り変わりますよ。」

 

 「いいよ。もう少し休んでからにしたら交代してくれ。」

 

 と立ち上がろうとする私を手で制するが、前の職場での下っ端根性が発動していて曹長クラスの人だけ働かせるわけにはいかないこれが船の上なら弁慶の泣き所に鉄板入りの安全靴で蹴られるからだ。

 

 「いえ、暇だと寝てしまいそうなので一緒で構いませんか?」

 

 「そうか?まあいいが…」

 

 私はおやっさんと一緒に車の上から周囲を見渡す。後ろには多くの難民の人達が移動しているのが見え、その顔は見える限り疲労の顔でいっぱいだった。

 

 私はその光景に早く安全を確保してあげたいが、今の私にできるのは一刻も早く炎龍の危機を和らげてあげることしかないと思い、メガネを覗く

 

 「ほんと、何もないわね~このままいいようないっそ盗賊でも出てくれたらこれで追い払えるのである。」

 

 「不謹慎ですよ。最後尾を襲われたらコダ村の人達がただではすみませんよ。」

 

 栗林さんの言葉に古田さんが注意しているのを聞きながら遠くを見ると青っぽい銀座に現れた竜が見えた。

 

 「栗林さん、どうやら相手が来ましたよ。」

 

 「マジで‼盗賊?ゴブリン!?」

 

 「いえ、銀座に現れた小さい竜です。」

 

 とメガネを外して報告すると下から少し気合いを入れた感じの声が聞こえると視界の端で大きな影が見えたのでその方向に向きながらメガネを覗くと

 

 見覚えのある赤く大きな龍が青っぽい竜を食べた瞬間が見えた。しかも赤い龍の口の端からは炎が漏れていた。その光景に私は先頭の車両に振り返りながら

 

 「炎龍が来た!総員対空戦闘用意‼」

 

 と叫びながら64の安全装置を解除した。

 

 ~高機動車 車内~

 

 「炎龍が来た!総員対空戦闘用意!!」

 

 突然後ろからの叫びに俺も後ろを見て赤い龍が迫っているところを確認した。

 

 「くそっこんな開けた場所で!戸津、LAV(軽装甲機動車)に積んでいるミニミを取ってくるんだ!」

 

 と指示しようとしたとき黒川が

 

 「ミニミならここにあります!」

 

 「なんで!?俺達のはあっちに積んだはずじゃあ…あ」

 

 と黒川が持っていたミニミをよく見ると錨のマークと「いなづま」と書かれていた。

 

 「遠坂のか…遠坂借りるぞ!!」

 

 とLAVに叫ぶと

 

 「壊さないでくださいよ~!!」

 

 と叫び返し乗り込んだ戸津にミニミを構えさせ俺は戦闘配置につかせ、倉田に飛ばすよう伝え隣の女の子に荷台に下がるよう言ったが、こっちの言葉では話してないからわからないという感じで首を傾げるだけだった。

 

 俺はため息をつき

 

 「全軍ドラゴンの気を村人からそらすんだ。攻撃開始!!」

 

 『サイバトロン戦士アタァアアアアック!!アイテッ!?』

 

 通信から栗林かおやっさんに殴られたような声を出した遠坂の声と共に炎龍に攻撃を開始した。

 

 ~軽装甲機動車~

 

 「怪獣と戦うのは自衛隊の伝統だけどなにもこんなところで戦うとはなぁ!」

 

 ドタタタタタ!!

 

 「映画だと新兵器到着までの足止めや最初の方のチョイ出しの海自よりはマシでしょう!」

 

 タァン!タァン!タタァン!

 

 「そうだけど、って遠坂あんたなんで短発で撃っているのよ!!それははあんたたち(海自)の方がよく使っているでしょう!」

 

 「しまったいつもの癖で!それと海自は陸自と違って弾薬節約のため一年に1回基本20発くらいしか撃ってないんですよ!20ミリなら一年に2回200発程度撃っているけど!」

 

 「とりあえず撃て撃てぇ!」

 

 浴びせるように炎龍にぶつけるがまるで効いてない。

 

 「くそぉ、20ミリかウルトラガンでもスパーク8でもあったら欲しい!!」

 

 「ないものねだりしてもしょうがないだろ同意はするけど!」

 

 「とりあえずは村人達から離せたことをよかったと思いなさい!!」

 

 と効いている様子がない炎龍に銃を放ち続けると炎龍は突然上体を反らした目を凝らすと口からは赤く光るものが見えた。

 

 「『ブレスくるぞ!よけろ!!』」

 

 と伊丹隊長と同時に叫ぶと車は大きく炎龍の左側に回り込むようにギリギリでかわしていく。

 

 「頭あっちぃ!?」

 

 「命があるだけましだろ!!」

 

 少し熱くなった鉄ヘルに我慢しながら炎龍を狙いなおす。その時前にいた伊丹隊長がこっちを向き

 

 「全員“目”を狙え!!」

 

 と叫んだ。そして全員顔の付近に射撃を集中し始めた。私も続こうとするが、64の弾が切れた。

 

 「って弾が切れた。予備のマガジンは!?」

 

 「余裕ないわよ!」

 

 「代わりにこれ使ってください!」

 

 と勝本さんが使っていたキャリバーを指さし私は64を下に置き、キャリバーの前まで付き狙いを炎龍の顔に定めて撃ち始める。撃ち始めて少しすると

 

 バキャオ!!

 

 今までと違う音がすると同時に炎龍は身を悶え始めた。

 

 「なんか様子が変だぞ!?」

 

 「口を覆っているように見えるが・・・?」

 

 と攻撃を止めるとメガネを見ていた栗林さんは

 

 「あ~歯の神経にでも当たったみたいね。前歯の歯茎付近に穴が開いている奴があるわね。」

 

 「ああ、それは痛い。自衛隊病院で麻酔なしで神経まで削られたからよくわかってしまうよ。」

 

 「ヤブ医者じゃねーか!?まあ、いい動きが止まった勝本!」

 

 伊丹隊長の指示と同時に私の隣にRPGみたいなものを担いだ勝本さんが狙いを定めようとする。

 

 「おっと、後方の安全確認っと」

 

 「「「「「遅い(よ)!!」」」」」

 

 と後ろの確認をして、皆から罵声が飛ぶ。

 

 「いいから、撃てぇぇぇぇ!!」

 

 隣でキャリバーを撃ちながら叫んだ。勝本さんは慌てて構えなおすと

 

 ガタン!

 

 「ウグゥ!?」

 

 バシュウ!

 

 車体が大きく揺れた瞬間RPGみたいなのは炎龍めがけて飛んで行った。

 

 「あっ…」

 

 「ガク引きかよ!?」

 

 「当たらないかもしれないから次発装填用意を!」

 

 「いや、これ使い捨て…」

 

 「なら新しい奴をチャッチャと準備!!」

 

 「ハイィ!?!?」

 

 と勝本さんに怒鳴りながら弾頭が飛んで行った先を見る。弾頭は大きく炎龍から外れようとしていると黒いものが飛んで行った。前を見ると車の屋根にあのゴスロリ少女が乗っていて持っていた斧はなかった。つまり

 

 「あれをゲッターのように投げたのか!?いや、ハルバードだから真ゲッターか?」

 

 と自分が無理やり納得すると斧は炎龍の足元に刺さると地面が盛り上がり炎龍は体勢を崩した。そしてバランスを崩した炎龍の腕の根元に弾頭が飛んでいき激しい爆発とともに腕は千切れた。

 

 千切れた腕が地面に落ちると炎龍は痛みで咆哮を上げてから私達を睨むと飛んで去っていった。

 

 車は全部停車し、辺りには静寂で満たされる。

 

 「終わった…ようだな…。」

 

 「そ、そのようですね…。」

 

 おやっさんの言葉に私は鉄ヘルを脱いで炎龍の腕を見つめた。

 

 ~数時間後~

 

 私達はあの後炎龍によって殺された被害者の墓と葬儀を行い、撤収の準備を終えた。

 

 炎龍の襲撃から生き残った者の大半は近くの身内のもとかどこかの町へいくことになったが、残りの親や身内を失った子供や老人は自分たちの身で精一杯の村の方では保護してもらえず、日本であれば孤児院とかがあるかもしれないがこっちにはそういうのはないかもしれないので自衛隊が保護することになった。

 

 私は片付け終えた後伊丹隊長の元へ足を向けようとすると

 

 『『ねえ、おじさん』』

 

 後ろから声が聞こえ振り向くとフォアとジャックが手をつないで私を見ていた。この子たちは幸いにも両親が無事で、近くのイタリカという町に身内がいるためそこへ向かうそうだ。

 

 『おじさん、違う、でも、元気で』

 

 と片言で伝えるとジャックは涙目で

 

 『おじさん、ありがとう…』

 

 『また会えるよね?』

 

 と言ってくるが、涙声でしゃべっているせいかよくわからなかったが、私は二人に近づき

 

 「大丈夫!」

 

 と笑顔で右手にサムズアップを見せた後二人の頭を優しく撫でた。遠くで二人を呼ぶ声が聞こえ、二人はそっちに行こうとしたとき

 

 『ジャック、フォア、待って!』

 

 と二人を止め急いで車に向かい私のバックを取り出し、中を探りお目当ての物を出す。二人に近づき

 

 「これは君たちへのプレゼントだよ。」

 

 とフォアに船のマークのタイピンを服につけジャックにはレンジャーのバッジ(お土産用の)を胸元につけて最後に二人には掃海部隊の帽子をかぶせた。二人はそれを見て暗い顔から明るい顔に変えて

 

 『『お兄さん、ありがとう!!』』

 

 と手を振りながら親たちの元へ向かった。

 

 「全く、ようやくお兄さんって言いやがって…」

 

 「良かったな。お・に・い・さ・ん?」

 

 「伊丹隊長後でヘッドシザースね。」

 

 「やめろよ!」

 

 私達は村の人達を見送り、

 

 「それでどうしますか伊丹2尉?」

 

 「流石にここで彼女らを捨てていくわけにはいかないですよね…。」

 

 と私と黒川2曹の話に伊丹隊長は残った生存者たちを見ると

 

 「ま、いっか。大丈夫任せて!」

 

 と笑顔でピースサインを送った。私は耀ちゃんらしいと思い

 

 「では戻りますか?」

 

 と尋ねると耀ちゃんは

 

 「全員乗車!これよりアルヌスに帰還する!!」

 

 と号令をかけ、私達は乗車し駐屯地への帰途についた。




 ※主人公が最後辺りに帽子とかを送った子供たちの名前は私の好きなお酒からとってます。後掃海部隊の後方に行けば小さいお子さんなら部隊帽は貰えるかもしれません。

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