ゲート 元セーラー服の男、斯く地で戦えり   作:オンドゥルッフ

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今回はタイトルの通り戦闘後の小話です。まぁただ主人公もただの人なので実戦経験が少ないのにこんな目にあったらこうなるだろうと思い書きました。

 なので余り深く考えずに見てください。(これを書いたときオマーンにいたから話をほとんど忘れかけていましたww)


閑話「戦闘後の一幕」

 ~イタリカ、東門近く~

 

 「アイタタタ……」

 

 「はい、これで終わり。応急処置だから駐屯地に戻ったら縫合するね。」

 

 「ありがとうございます。」

 

 第三偵察隊全員が集まるなか、黒川が自衛隊唯一の怪我人、遠坂の治療を終えると遠坂は戦闘服を着直していると。

 

 「さて、隊長には俺から報告する。」

 

 「じゃあ、俺達は後片付けの方に行くッス。」

 

 「私達は他の怪我人の治療にあたるわ。」

 

 見守っていた三偵の隊員達は各々割り振られた仕事につき、遠坂も立ち上がり

 

 「さて、では私も何かした方が…あ、倉田さん何か手伝いましょうか?」

 

 「「「「怪我人は手伝うな!」」」」

 

 「もしここで傷口開いたら麻酔なしで縫うからね?」

 

 「りょ、了解しました…」

 

 とんでもないことを言った遠坂に三偵の隊員達のツッコミと黒川の脅し(?)に遠坂はすごすごと小さくなった。

 

 

 ~~~~

 

 「青騎士様、ありがとうございます!」

 

 「あなた様のおかげで娘が助かりました。」

 

 「盗賊を退治してもらい感激しました。青騎士様の唄を是非作らせてください!」

 

 「おっ、鬼平じゃねぇか。あんまり単独行動するんじゃねえぞ。」

 

 「手伝いってか、鬼平は怪我しているんだから休んでな。」

 

 「わりぃな、鬼平にやらせる訳にはいかないからな。」

 

 あれから瓦礫撤去、捕虜の移動、町の人の遺体運び色んな事に手伝おうと試みたが、全部拒否された。

 

 そして街を歩いていても街の人達からは感謝と「青騎士(戦闘服が青メインだから?)」と言われ、増援の隊員達からは「鬼平」と言われた。その都度訂正をしていったが治りそうな傾向は無かった。

 

 「私は騎士よりは武士、いや見た目だけなら浪人?それに鬼平も火付盗賊改方じゃないし…」

 

 私はため息をつきながら腰に手を当てるがこっち(特地)にきてからいつも感じていた感触が無いことに気づき視線を向けると日本刀の鞘が寂しく揺れていた。

 

 「そうか、あの時投げたから…時間があるから探すか……」

 

 私は足を東門の方へ向けて歩き、門まで着くと激しく壊れた門と瓦礫撤去と薬莢回収をしている隊員達と丁重に遺族の元へ運ばれていく街の人の遺体と乱雑に積み重ねられている盗賊の死体が目にはいった。

 

 盗賊の死体を見てあの死体のいくつかは自分が作ったことに私は自分の手を見るが、震えてなく、恐怖や嘔吐感も感じなかった。

 

 「結局、私もこの人達と同じ狂った殺人鬼か……」

 

 私は思ったことを呟くと、

 

 「それは違うわ~~」

 

 そうだれかが否定した。

 

 「その間延びした言い方…ロウリィさんか。何故ここに…」

 

 「正解よ~それと私達の用事はまだ始まりそうに無いからよ。」

 

 私が振り向くと門の上にロウリィさんは立っていてハルバードを持ってない方の手に何かを持ちながら門から飛び降りた。

 

 「本物の殺人鬼は自分の事をそんな寂しそうに言わないわよ。」

 

 「しかし、あの盗賊達を見て私は自分のしたことによる恐怖を感じない。」

 

 「一々そんなのを感じてたら、亜神でも気が狂っちゃうわ…トオサカ、とりあえず座りましょう。」

 

 私とロウリィさんは門の側に落ちてた大きな瓦礫に腰かけると

 

 「トオサカ、貴方は多くの戦士をエムロイの元に送ったわ。それはニホンならどうか知らないけど、この世界では悪いことではないわ~。それエムロイの元へ送った事をちゃんと受け止めているのなら問題ないわ~」

 

 ロウリィさんは足をプラプラさせながら言う。

 

 「戦だからとはいえ、今の日本には自衛隊が嫌いな人達や同じ人間なら話せば分かると思っている人達がいます。その人達にとって私がやったことは許されない事でしょう。」

 

 私は肘を膝の上に乗せ手を顔の前で組みながら言うと、ロウリィさんはふ~んと言ったあと

 

 「ニホンってめんどくさいわね~。でもあなたが戦ったことで助かった命がある事があるのはわかっているのよね?」

 

 「ええ、それはもちろんしかしそんな私が奪った命があることもしっかりと受け止めないといけない。そう思っています。」

 

 「そう・・・でもそれを受け止めるのは後でもいいわ~」

 

 ロウリィさんは立ち上がると私の前に立ち、斧とは違う手で持っていた物を私に差し出した。

 

 それは元の半分の長さになり刃はボロボロ、所々欠けた鍔、柄糸は切れてプラプラと宙を揺れていた私が投げ捨てた刀だった。私はそれを受け取ると

 

 「最初ここに来たときイタミや町の人達が揃ってこれを探していたわ~。今のあなたはこの街の英雄なんだから落ち込まず胸を張りなさい~。」

 

 ロウリィさんはそう言いながら私の背中を少し強めに叩く。衝撃で傷口が痛むが、私は耐えて立ち上がり刀を受け取り鞘に戻した。

 

 「ありがとうございます。ロウリィさん…さて何かするか。」

 

 と私は何か作業をしようとしたところに

 

 「あ、遠坂こんなところにいた。」

 

 「あら、イタミじゃないどうしたの?仕事はいいのかしら~」

 

 「え、サボり?そんなことするから宴会でサボローの恰好をさせられるんですよ。」

 

 伊丹隊長が来てロウリィさんと一緒に少しふざけるが

 

 「違うよ。ちょっと遠坂借りるぞ。ちょっとこっちに」

 

 「了解しました。ロウリィさん、これで失礼します。」

 

 「行ってらっしゃい~~青騎士さん♪」

 

 「せめて青武士!?でもそれなら色的に鎧武でもいけるか!?」

 

 「鎧がオレンジじゃないから無理だね。てか早く来てくれ」

 

 隊長に連れていかれながらも私はその場を後にしたが…

 

 「あの隊長、どこに行くのですか?」

 

 「いいから、いいから。」

 

 「この方向、屋敷の方に行きますが?」

 

 「いいから、いいから。」

 

 「た、隊「いいから、いいから。」ほんと何処に?」

 

 それから何度も話しかけるが同じ事しか言わず、私はフォルマル家の屋敷に連行された。




 ~フォルマル家屋敷前~

 「嫌だ~~‼」(←入り口近くの柱にしがみついている)

 「子供みたいな事をするな遠坂!」

 「嫌だ~~‼なんで私が~~!!」

 「向こうのご指名なんだから仕方ないだろ!」

 「傷口が広がろうとも嫌だ~!」

 ※この後10分くらい遠坂は柱にしがみついたままだった。

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