ゲートの世界にHALOの軍隊が出現したら…   作:ライダーGX

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第5話 避難の先は… 後編

コダ村の少しばかり外れた森に一件の家があった。

その家からは一人の老人が大量の本を持って出て来た。

 

「重い!!!この~~!!! これしき~おわっ!!」

 

本を持って階段から降りようとした際に足を滑らせてしまい、老人はこけてしまう。

 

「あいたたた…!」

 

「お師匠、これ以上積み込むのは無理」

 

っと水色の髪をした一人の少女が馬車の荷物が限界にあると伝えると、爺さんは子供の様にジタバタする。

 

「ならんならん!!本は必要なんじゃ~~!! レレイ。どうにもならんか?」

 

爺さんは『レレイ・ラ・レレーネ』と呼ばれる少女にその事を問い、レレイは無表情のまま答える。

 

「確かに。この場合貴重な書物を優先すべきと考える」

 

そうレレイはその爺さん、『カトー・エル・アルテスタン』は服に着いた泥をはたきながら頷く。

 

「そうじゃ、頭が良いなレレイ。しかし…炎龍め50年も早く出て来よって、お蔭でいい迷惑じゃい全く」

 

そう呟いてる間にレレイが馬車の積み込みを終える。

 

「お師匠も早く乗って欲しい」

 

「ああ?何を言っとる。わしはお前に乗っかる趣味はないわい。出来ればお前の姉の様なナイスバディの上に~!!」

 

っとレレイがカトーの言った言葉に途端に魔法でカトーに攻撃をする。

 

「あだっ!やめんか!魔法とは神聖な物じゃ!乱用に扱う物じゃないのじゃぞ!!」

 

カトーはそう言うも冗談の通じないレレイは攻撃をやめなかった為、止めるのに5分も掛かった。

そしてカトーは馬車に乗り、隣に座っているレレイを見る。

 

「全く、冗談の通じない娘じゃわい」

 

「お師匠から受けた教育のせいか」

 

っとその事に思わずカトーは自分の事に呆れてしまう。

レレイが馬車を動かそうとするも、ロバは重さに引っ張られずに止まってしまう。

 

「…動かんね? 荷物が多すぎた様じゃのう」

 

「積め言ったのはお師匠の筈…」

 

「心配する出ない!わしらは魔導士じゃ!」

 

「『魔法とは神聖な物じゃ、乱用に扱う物じゃないのじゃぞ』、お師匠が言った言葉」

 

その事にカトーは思わず同情を隠せない。

 

「じゃ、じゃが…」

 

「でもこの際仕方がない」

 

っとレレイは自分の杖を取り出して、魔法で馬車を浮かせた。

 

「すまんかったね…」

 

「いい、お師匠がそう言う人だと知ってるから」

 

レレイはそう言って馬車を村の方に進ませた。

そして村に通る途中に馬車の列が出来てしまっていて、それにカトーは頭を傾げる。

 

「ああ?この先はどうなっておるのじゃ?」

 

その事に一人の村人がカトーたちの元にやって来る。

 

「カトー先生!レレイ! 実は荷物の積め過ぎで車軸の折れた馬車が道を塞いでいるんです!」

 

レレイとカトーがそれを聞いている中でUNSC兵と自衛官がその横を通り過ぎて、それにレレイは振り向く。

二人が何の会話しているのかは分からない。

 

「(聞いた事のない言葉…)お師匠、様子を見て来る」

 

「レレイ?」

 

レレイは馬車から降りて、UNSC兵と自衛官の後を追いかける。

 

 

───────────────────────────────────────

 

向かった先には馬車が倒れていて、そこには女の子が一人重症を負っていた。

 

「危険な状態」

 

レレイが女の子を見ていた時に近くまで来たエイミと黒川が女の子の元に行き、容態を確かめていた。

 

「この子脳震盪を起こしています。肋骨にヒビが入っている可能性もあります!」

 

「すぐにライフパックの準備ね!」

 

その様子にレレイは見ていた。

 

「医術師?」

 

レレイが二人の様子見ている途端に馬が急に暴れ出し、それにレレイとエイミ達は振り向いた瞬間。

 

 

バババン!!

 

 

馬が暴れる三人に襲い掛かる瞬間、馬はブライアンに撃たれた。

3発の銃弾を発射したライフル。『BR85HB SR バトルライフル』に撃たれ。馬は倒れて死んだ。

 

その様子にレレイはただ唖然として見ていた。

 

「(あの人達…私を助けた?)」

 

「大丈夫か?」

 

っとレレイは後ろを振り向くと、健二がその場にやって来て。それに二人は頷く。

 

「はい、大丈夫です」

 

「よし、ジャクソン!」

 

「任せてくれ」

 

健二の問いに答えるかのようにラプター6でスパルタンの中でも大きな身体を持つ男、ジャクソンが死んだ馬を担いで道の外に出して、馬車も開けさせた。

 

「よし!行ってくれ!」

 

それに村人たちはすぐに馬車を走らせ、村から避難するのだった。

 

健二は一旦壁にもたれた時に伊丹が横に来る。

その際に健二はある事を問う。

 

「この村には軍人や領主は所か、この辺には貴族もいないんだな…」

 

「ああその事ね。実はさっき村長に話を聞いてさ、この辺りの地方領主は皆アルヌスの丘に出陣して以来、誰一人帰って来ないって言ってました」

 

その事に健二は一度伊丹の方を見て、また村人の列を見るのであった。

 

 

 

そして逃げ出す村人たちを健二達は先頭三台、後方三台づつに分かれて周囲を警戒していた。

キャリゲーターの車内でエルフ二人を見ていたエイミと黒川が健二に報告する。

 

「リーダー、バイタルは安定しています」

 

「この調子なら意識もまもなく回復すると思われます」

 

「そうか、分かった」

 

そう言って健二は伊丹に無線連絡をする。

 

「伊丹、エルフの二人はもうすぐ意識が回復する。以上だ」

 

『了解』

 

健二は無線機をしまった後、アシェリーが銃座で警戒してる中で後方の列を見て、そして健二に問う。

 

「リーダー…、皆さんは目的地はどこへ…?」

 

「目的地? ああ~……ないらしい」

 

「はっ!?ないのかよ!?」

 

ブライアンはその事に驚き、健二はため息をしてしまう。

 

「はぁ…。あえて言うなら炎龍が襲ってこない事が分かるまで逃げるって事らしい、どこまでもな…」

 

「…どこの世界でも難民は大変ですね」

 

そう呟くアシェリー、っとそこにカイルから無線連絡が入る。

 

『リーダー!こっちに来てください!』

 

カイルの無線に健二はキャリゲーターから降りて、カイルが居る場所に向かう。

 

向かった先は車軸の折れた馬車が倒れていた。

そして伊丹達と村長もやって来て、村人が村長にどうにかならないかと問う。

 

しかし村長は頭を横に振る。

 

「ここで待っていても死を待つだけだ、残念だが背負える分だけ持って逃げるんだ」

 

っとその事に村人は思わず黙り込んでしまい、それを見た健二は村人の肩を持つ。

 

「っ! …分かりました!」

 

悔しながらも村人は持てる分だけの荷物を持ち、後の物は馬車と共に全て燃やした。

 

健二はそれに何を言えず、ただキャリゲーターに戻って行く。

 

戻った健二は黙ったまま座り、アシェリーは健二に馬車の事を聞いた。

 

「どうして火を…かけさせたのですか?」

 

「荷物が動こうとしないんだ、それにああするしか他にない」

 

「そんな!車両や!フリゲート艦一隻ぐらいなら要請出来ないのですか!?」

 

アシェリーはフリゲート艦なら呼び出せる事が出来ると考えてはいた、しかし健二は…。

 

「…却下されたらしい」

 

「えっ?! 何で!?」

 

「アシェリー、俺達はUNSC軍だ。文明レベルの高い戦艦が来たら明らかに敵対行動されるって判断されたらしい…。車両は現状で何とかしろってよ」

 

健二の話しを聞いたアシェリーは思わず言葉が止まる。

 

「俺はそんな事は無いって言ったんだが…、上の人たちが時が来るまで待つんだって言われてな…」

 

「そんな…」

 

肝心な時で役に立たないUNSC軍に不満を隠せないアシェリー、それは健二も同じだった為にそれ以上何も言わなかった。

その時にブライアンが前方に何かを見つけた。

 

「ん?リーダー。前方に何かいるぞ?」

 

それに健二はすぐにヘルメットを透視モードにし、確認すると高機動車の前になにやらカラスの群れがいた。

 

「カラス…?」

 

そして何か斧らしき物が見えて、健二はそれに頭を傾げた。

健二はより確認する為、倍率を上げると、そこにはゴスロリ少女が居た。

 

「ゴスロリ?」

 

「はい?」

 

アシェリーは健二の言葉に頭を傾げ、健二はそのまま見ているとそのゴスロリはそのまま高機動車の側に近づいて、しばらくしていると車の中に入った。

 

「車に入ったぞ」

 

その様子に健二達は無線機で聞いていると。

 

『おいちょっと!!』

 

『うふふふ♪』

 

『あっこら!小銃に触るな!!』

 

『羨まし過ぎます隊長!!』

 

『良いから降りろ~~!!』

 

その無線を聞いていた皆は何とも言えない状態だった。

 

「…これ」

 

「どう思うよリーダー」

 

「…どうって」

 

健二は何とも言えない様で困ってしまう。

っとそこに伊丹から無線連絡が来て、それに出る健二。

 

「こちらラプター1」

 

『…こちら伊丹、面倒な子が来て中々降りてくれない…』

 

もうかなり疲れた様子になっている伊丹の様子を健二は感じながら言う。

 

「見た、さっき無線で聞いた…っで。大丈夫か?」

 

『何とか……てなわけで、この子も一応連れて行きます』

 

「了解だ」

 

そう言って健二は無線を切り、一度アシェリー達を見ながらお手上げ状態と告げる。

それにアシェリーは苦笑いして、ブライアンはため息をするしかなかった。

 

そして健二達は一人ゴスロリ少女を拾い、再び前進するのであった。

 




出来ました。

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