ゲートの世界にHALOの軍隊が出現したら…   作:ライダーGX

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第34話 討伐依頼 中編

健二達が紀子の件を自衛隊に任せてアルヌス駐屯地から出る際にアントラがヘリポートで待っていた。

 

「よう健二」

 

「どうした?」

 

「実はな健二、お前に聞かせたい話がある。時間は大丈夫か?」

 

それに健二は少しばかり考え、アシェリー達に振り向く。

 

「皆さきにFOBに戻ってくれないか?」

 

「分かりました」

 

アシェリー達は健二の命令に従い、先にアルヌスFOBへと戻って行く。

健二はアントラと共にアルヌスの居酒屋へと向かう。

 

そこにはショーンも居て、健二がショーンがいる事に頭を傾げる。

 

「ショーン、どうしてお前が此処に?」

 

「俺はアントラに頼んでお前を此処に連れて来るようにしてもらったんだ。さて…健二、まずは何を飲む?」

 

健二達はまず最初にビールを頼み込み、つまみに枝豆を頼んでもらい持って来させた。

 

「それで話って何?」

 

「実はお前たちが居ない間、ちょっと面白い奴が自衛隊の所に来たんだ。柳田が言うには『ドラゴンを退治してくれ』ってな」

 

「ドラゴン?」

 

健二はショーンが話す内容を聞いて、それに少しばかり考える。

 

「成程ね…故郷を炎龍に。…しかしその話し…アルティアと聞いたダークエルフの者のとちょっと似ている様な」

 

「その通りだ、今回の依頼主は…そのダークエルフだ」

 

「何だって?」

 

「ダークエルフの故郷の森であるシュバルツの森が炎龍に襲われてしまい、大勢のダークエルフの住民たちが亡くなってしまったそうだ」

 

ショーンの話しに健二は少々ダークエルフの住民に惨めな感じになって来る。

 

「しかしその話…自衛隊は断ってしまったんだろう? ならどうして俺達の元に来なかったんだ?俺達ならば断わらないと思うけど」

 

「当時彼女は自衛隊から依頼を断られてしまって、こっちに来る事に頭が入らなかったそうだ。相当ショックだったことは確かだそうだ」

 

その事に健二は言葉をなくすのも無理はない。

大いに期待していた願いをいとも簡単に断られたらたまったもんじゃないからだ。

 

「それで…そのシュバルツの森は何処にあるんだ?」

 

「シュバルツの森は南にあるエルベ藩王国領だ、そこには資源である石油が出るみたいでな、おまけにダイヤモンドの原石もあるとの事だ」

 

「へぇ~、それは凄いな」

 

健二はその話を聞いてビールを飲む、っとショーンが面白い事を語り出す。

 

「そこでだ健二、お前第3偵察隊と共に資源偵察に出る気はないか?」

 

「はっ?それは流石に無理だろう。いくら俺達でも炎龍を相手に伊丹達は生きて帰れる保証もないんだ、そんな事を俺はさせるつもりはないね」

 

「ははは…そうか」

 

「やっぱりそういうと思ったぜ。まあ健二、お前達は必ず行くと思うぜ、その為の準備はしておいてやるさ」

 

ショーンとアントラが立ち上がって立ち去る際に振り向く。

 

「そうだ健二、少し気になった事があってな。エルフの少女の元に行くといい、確かテュカと言う娘だった筈」

 

そう言い残しショーンとアントラは去って行き、それに健二は眉を傾げる。

 

「テュカの元に?」

 

健二はショーン達の言葉に頭を傾げつつ難民キャンプへと向かった。

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

難民キャンプに向かう健二はショーン達の言葉を感じつつ、難民キャンプに到着すると。

 

「どうする緑の人よ!!このままエルフを見捨てるか!それとも武器を取って立つか!!」

 

突如大声で叫んでいる女性の声を聞き、健二は思わず物陰に隠れてそっと見ると、そこには伊丹達とダークエルフのヤオが何やら口論をしていた。

 

「愛する者を殺めたのが人なら!その下種に追い求めれば復讐を果たす事は出来よう!だが炎龍はどうか!?手も足も出ない!誰も捕らえることも出来ず罰することも出来ない!!ならばこの怒りは何処にぶつければよい!!」

 

その話しに健二は思わず目を細めて聞いている中に後ろから手を叩く人を感じ、思わず健二は後ろを見ると、そこにはアルティアが居た。

 

「アルティア…」

 

「健二さん…テュカが…テュカが…!」

 

今でも泣きそうなアルティアを健二が抑える。

 

「落ち着けアルティア、何があった?」

 

健二がアルティアから事情を説明させて貰った。

 

ヤオが自衛隊からの依頼を断られた後に今だに現実から逃げているテュカの心に目を付け、炎龍に父親を殺されたとテュカに真実を遂げた瞬間、彼女の心は一気に壊れてしまい、伊丹の事をお父さんと見て言うよになってしまった。

それに伊丹は一番最悪な出来事になってしまった事をヤオに問い詰めた所を逆にヤオが必死な掛け声を上げていたのだった。

 

「成程な…」

 

「健二さん!どうしたらいいんですか!このままじゃテュカが昔のテュカに戻れなくなってしまいます!」

 

「落ち着くんだアルティア、俺に任せてくれ」

 

っとそう言って健二は再び伊丹達の方を見る。

 

「頼む…!私の事を八つ裂きにしてもかまわない! どうか……!我が同胞を救ってくれ!」

 

「………」

 

その事に伊丹は言葉を言葉をなくしてしまう。

 

「その事、俺達の方に話してこなかったのか?」

 

「!!?」

 

伊丹達が後ろを向くと、健二とアルティアがやって来て、伊丹は健二の登場に目を開かせる。

 

「大尉…!」

 

「ど…どう言う事だ?」

 

「どうして俺達の方に話をしに来なかった? 俺達ならばその依頼を受けてやってもよかったのによ」

 

「っ!!!!!ほ!本当か!!!」

 

ヤオは健二が言った言葉を聞いて立ち上がり、健二はそれに頷く。

 

「ああ、俺達ならば炎龍退治を受けてやってもいい、……っと思ったんだがな。お前のやり方を見て俺は考えを変えた」

 

「えっ…?何を『俺はこの依頼を断る』っ!!?」

 

「残忍なやり方をするお前の行動に俺は嫌気を指した、そんな奴の依頼を受けたくなくなった」

 

「ま!待ってくれ!!」

 

「待たん!今日の所は去れ! お前が考えを改めるとなれば俺もちょっとは考えを改めてやる」

 

そう言い残して健二はその場から去って行き、ヤオはその場に棒立ちとなり、伊丹はそれに騒然とするしかなかった。

 

 

 

そして翌日、健二は一度UNSCスフィンクスでオルブ司令官に昨日の事を話し、それにオルブは目を閉じる。

 

「ん~…、確かに我々ならばやらない事は無いはずだ。しかし健二…お前の言い方も少し不味かったと思うぞ?」

 

「良いんだよ、ああ言う風に言わないと恐らくあのダークエルフの女は考えを変えないと思うからな」

 

健二はそう呟いてコーヒーを飲み、オルブはやれやと頭を横に振り、立ち上がって窓の外を見る。

 

「それはそうと健二、前にお前が言っていた伊丹がテュカの心に詳しかった件に付いて調べてもらった、その結果興味深いものが見つかった」

 

「興味深い物?」

 

オルブ司令官の言った言葉に健二は振り向き、オルブはあるファイルを健二に渡し、それを健二は目を通す。

 

「……おいおい、これって」

 

「そうだ、彼の家庭はDVに悩まされていた事があった、父親から酷い暴力を受けていて、母親が我が子を救う為に刺殺してしまった。

だがその結果彼の母親はパーソナリティ障害となり、更には追い打ちをかけてしまう言葉を言っていまい、母親は精神病院へと入院、その様な事態になってしまったようだ」

 

「…通りであいつはテュカの心を知っている訳だ」

 

健二は伊丹の過去のファイルを読んでようやく納得が行った。

 

オタク自衛官と呼ばれる彼の裏には、とても辛く悲しい過去を持っている事を健二は少しばかり頭を悩ませる。

 

「(となるとあいつは…)…司令、少しばかり頼みがあるんだが良いか?」

 

「ん?何だ」

 

オルブは健二の方を向き、健二はオルブにある物を頼み、研究開発艦へ開発を頼み込むのであった。

 


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