ゲートの世界にHALOの軍隊が出現したら…   作:ライダーGX

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炎龍編
第29話 更なる問題


アルヌスから帝都へと出発した健二達は帝都へと近くの森に着陸し、陸路で向かう為の馬車を用意させてもらった。

 

勿論この馬車はSPARTANが乗れる様に完全補強してある馬車である。

健二は荷物を馬車に詰め込み、皆に命令する。

 

「よし!全員乗って帝都付近まで向かうぞ!」

 

その言葉にラプターチームと第3偵察隊、そして外交官は馬車に乗り込んで帝都へと向かう。

 

外交官が乗る馬車にマイケル達が乗って、その後に健二とアシェリーにブライアン、そして伊丹と富田と栗林と倉田と黒川の8人が馬車に乗り込んでいた。

 

帝都に向かう際に伊丹が健二にある事を聞いてきた。

 

「そう言えば大尉、前に参考人招致の時にテレビゲームが好きって言っていましたよね? FPS以外に一体どんなゲームが好きなんですか?」

 

「ええ~!!隊長!それマジですか!!俺も聞きたいです!!」

 

「おう、それはな」

 

っと健二は伊丹と倉田にゲームの話しをし始め、それに栗林はもの凄く呆れる風になる。

 

「もう~、何でこんな所で変な会話が出て来るのかな?」

 

「そう言うな栗林、リーダーもたまにはこうして楽しい会話をしても良いじゃないか」

 

「そうですよ、栗林さんは少しワガママ過ぎだと思いますよ?」

 

アシェリーとブライアンが栗林に言い、それに栗林が不機嫌そうになる。

 

「何でですか! 第一大尉はあの若さであの階級になられたんでしょう!?エリートじゃないですか!そんな方がゲームが好きっておかしいですよ!」

 

「非番で何をしても別に良いじゃないか。それに俺はもう諦めた…」

 

そうブライアンは肩をすくめながら言うが、アシェリーはその事に少々頬を赤くする。

 

「私は別に大尉がどんな趣味を持っていても構いませんか…」

 

「…何で顔を赤くするんだ?」

 

ブライアンが顔を赤くしているアシェリーに振り向き、その事に慌てるアシェリー。

その雰囲気に栗林と黒川は顔を合わせ、富田は一滴の汗を何故か流していた。

 

「おっ?リーダー。そろそろ現地の人間と合流するぜ」

 

っと健二は話しを辞めて前を向き、既に現地の人間…ハミルトン達が健二達の到着を待っていた。

しかしその中にピニャの姿も居て、それに健二達は目を向く。

 

「あれ…?姫さん?」

 

「何で…?」

 

そして馬車から降りた健二達はピニャ達と対面する。

 

「アンドウ殿、イタミ殿。足労であった」

 

「どうして此処に?」

 

「どなたですか?」

 

藤堂が健二にピニャの事を問いかけて来て、それに健二は苦笑いしながら言う。

 

「ピニャ・コ・ラーダ…。帝国の第3皇女殿下です」

 

「んなっ!!?」

 

その事に藤堂は驚きを隠せずにいた、そして藤堂がハミルトンと挨拶をしている中、健二と伊丹はピニャと少し離れて会話をしていた。

 

「久しいな、日本から戻って以来か」

 

「そうですな、所でどうして姫さんが居るんだ?」

 

健二がその事を問い、それに答えるピニャ。

 

「スガワラ殿が新たな外交官が訪れると聞いて、まず知己を得んとな。……それと」

 

ピニャが何やら目を泳がせながらそわそわして、それに健二と伊丹は首を傾げる。

 

「どうしたんです?」

 

「いやっ、その…つ、ついでに荷物を受け取ろうとな」

 

「…荷物?」

 

伊丹がそれを言うと、ピニャがもの凄い勢い近寄って問う。

 

「ボーゼスより預かってはおらんのか!?」

 

「えっ?何を…?」

 

「決まっておる!“あれ”なかろう!“あれ”しか!!」

 

「何を…はっ!」

 

ピニャの言っている事に健二は気づいた。恐らくピニャが欲してるものは、梨紗の家にあった…あのBL系の本である事を!

 

「あれ?!…あっそう言えば」

 

伊丹が何かを思い出した事にピニャは一旦止まり、ある物を取り出すとピニャは…。

 

「おお~~!これだ!これを待っていた!!!」

 

ピニャが待ちかねていた物、それは完璧なBL系の同人誌であった。

その事に健二と伊丹は苦笑いし、近くで聞いていたハミルトンと藤堂が見る。

 

「姫様?」

 

「何をお受け取りに?」

 

っとその事に慌ててしまい、笑顔満載で言う。

 

「芸術だ!!!」

 

その事に健二と伊丹はため息を吐くのだった。

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

その頃アルヌスFOBでは、ヤオはようやく自衛隊とあって話をしてみる

しかし会話していても相手が全く伝わらず困っていた。

 

「困ったな…、これでは話が進まない…ここまで来たと言うのに」

 

そう言ってヤオは一度店に入ろうとしたらある男が。

 

「ようダークエルフの姉ちゃん」

 

「ん?」

 

ヤオはそれに振り向き、男はこっちに誘い出して、ヤオはそれに釣られる。

 

そして数分後…。

 

「いって~~~!!!」

 

男は何故か股を抑えて逃げて行き、ヤオは男が落として行った財布を拾う。

 

「財布を落として行ったぞ、全く…私は娼婦じゃないぞ」

 

そう言いながらヤオは拾った財布を何故か仕舞い込む。

誰から見たら泥棒かも知れなかった。

 

「よう姉ちゃん、言葉が喋れる緑の人と黒の人を探してるのか?」

 

っとまた別の男が現れて、それに反応するヤオ。

 

「知っているのか!!?」

 

「おお、難民のPXにたまに現れるんだ。そこに…って?」

 

男がヤオに話しかけたが、すでにヤオはPXに向かい姿がなかった。

 

「何だよ何だよ? 気の早い女だな~?」

 

そしてヤオはPXに到着し、店に入るとそこにキャットピープルの『メイア』が居た。

 

「おいそこの!少し聞きたい! ここに来たら緑の人と黒の人が居ると聞いた!」

 

「ええ~?何でそんな事をニャ? 確かにここには来るけど、そう滅多に来ることはニャ…」

 

「頼む教えてくれ!こっちは一刻も早く緑の人と黒の人に会いたいんだ!!」

 

そう勢いで頼むヤオにメイアは困った表情を見せていた。

っとその時。

 

「失礼、そこの女性の方。少し宜しいですか?」

 

「っ!?」

 

ヤオは突然の言葉を聞いて振り向くと、そこにUNSC海兵隊が居て、それにヤオはようやく目に涙があふれ出る。

 

「(…ようやく、ようやく会えた…!!)」

 

「少しお話をしても宜しい「ようやく会えた~!!」うおっ!!?」

 

突然ヤオが抱き付いて来て、それに驚く海兵隊。

 

「…大丈夫かニャ」

 

っと何故か心配気味になって来たメイアであった…。

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

そしてアルティアとテュカ、ロゥリィの三人はレレイがある魔法の実験をしていて、それを見物していた時であった。

レレイは魔法を集中し、高まった時に魔法を放ち、玉の魔法が水面に振れた直後に爆発し、それにアルティア達は「おお~!」っと声を上げ、見ていたカトーは頷く。

 

「うむ、見事じゃレレ『ゴン!!!』あいたっ!!!」

 

喋っている間にカトーに頭に大きな石が落ちて来て、それに頭を抑えるカトー。

レレイは地面に置いてある科学の本を取る。

 

「門の向こうの原理の探求は、我々のはるか先を行って、深く広かった」

 

「いたたた…、見事過ぎて…言葉も出んな。流石じゃレレイ」

 

アルティア達はレレイの元に行き、アルティアは感心した表情をする。

 

「凄いよレレイ! 日本の本を呼んだだけであれだもん!」

 

「でも…まだ威力が足りない」

 

「いいじゃなぁい。別にそこまで気にしなくても」

 

そうロゥリィが言った所で一人の自衛官がやって来る。

 

「あの…突然すいません、通訳をお願いしたいのですが」

 

その事にアルティア達は顔を合わせるのだった。

 

アルヌスの取調室でヤオが何故か落ち込んだ表情をしていて、自衛官に案内されたアルティア達は見る。

そしてアルティアは中に居るヤオの姿を見て驚く。酒場に居たダークエルフの女性かいた事に驚かない訳がない。

 

「かつあげ事件の参考人として連れて来たのですが、被害者の言っている事と全然違っていて、よく分からんのです。あげくに襲われただの助けてだのと飛び留めがなく、何とかしてくれませんか?」

 

「分かった」

 

レレイがそれに承知して中に入り、ヤオと対面する。

 

「ヤオ・ハー・デュッシュ、話を聞かせてほしい」

 

「お前は…?」

 

「私はレレイ。日本語を解する者」

 

そしてレレイはヤオの話しを聞き、ある事を聞き出し、近くで聞いていた自衛官が外に居るロゥリィに話し、それにロゥリィは頷いて向かう。

数分後、戻って来たロゥリィが話し、それに自衛官は取調室に入り話す。

 

「只今訴え出ていた男が自供しました。ヤオ被害者への暴行未遂として、男の身柄を拘束、イタリカに護送します」

 

「あなたの無実は証明された、今からあなたは開放される」

 

「っ!!待ってくれ!」

 

突如立ち上がったヤオにレレイは見て、ヤオは必死に話しかけて来る。

 

「我が一族が炎龍に襲われているのだ!」

 

「炎龍…?」

 

その事に外で聞いていたテュカは思わず目を大きく開き、一歩ずつ後ずさりして、その場から去って行く。

まるで現実から逃げて行くように…。

 

「テュカ…」

 

それにアルティアは目を細め、去ったのを確認した後再び取調室を見ると、ヤオが頭を下げていた。

その頼みは自衛隊とUNSCに話を付けに行きたいと言うのであった。

 

「…日本人と助っ人たちに助けを求めたらいいのか?」

 

「っ!そうだ!」

 

慌てて頷くヤオ。

 

「それだけでいい?」

 

「えっ…、…見た所、御身は顔が効くようだ。出来れば口添えも頼みたい」

 

「分かった」

 

「かたじけない」

 

そう礼を言うヤオ、その様子に外で見ていたアルティアはただ見ているだけであった。

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

取調室を出たアルティアとレレイはまず最初にヤオに自衛隊と話をするべく向かわせた。

そして狭間陸将と会話して炎龍退治を頼んでみた。

 

だが結果は思いもよらない事であった。

 

「ヤオ・ハー・デュッシュさん。力になれず申し訳ない」

 

「?…、何と言っている?」

 

「…協力出来ないと」

 

その事にヤオは抗議をしようとしたが狭間陸将が言うには、ヤオが居る森、シュバルツの森は帝国を超えて『エルベ藩王国』の国境をの先にあった場所、許可なく入れば開戦と言う事になる。

当然の事なら自衛隊は介入できない場所であった。

 

「た!大軍でなくても良い!!緑の人と黒の人は20近くで炎龍を撃退したと聞いています!でしたら!」

 

「滅相もない、それでは部下を死に追いやるも同然。その様な命令を下す様な事は出来ません。遠路はるばるおいで下さったのに、申し訳ない」

 

「っと言っている」

 

その事にヤオは思わず唖然としてしまうのであった。

 

「ヤオさん…」

 

アルティアは側でヤオの表情を見て、無残にも崩れていく思いに唖然としているだけであった。

その様子を聞いている柳田が狭間の耳元で話す。

 

「この様子ですと、UNSCの方々に話しても…」

 

「話を聞いていないだろうな…、彼等ならば受けてくれると思うのだがな…」

 

そして話を終えたアルティア達は柳田にUNSCの元に送らず、そのまま難民キャンプまで送って貰っていた。

ヤオが落ち込んでいる様子を見て、柳田が呟く。

 

「伊丹。そしてラプターチームである安藤大尉達ならやってくれると思うね」

 

「イタミ、そしてアンドウ達ならやるっと」

 

レレイが通訳をしているが、今のヤオに耳が届いている筈はなかった。

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

そして帝都の付近で健二達は一度休める場所に向かう事となった。

 

「それでは殿下、後に殿下の屋敷に向かう事になりますので」

 

「ああ、すまなかったなアンドウ殿、イタミ殿」

 

「別に構いませんよ、それを渡す為にきたんじゃないんですからね」

 

そう言って伊丹はピニャに言い、それに慌てるピニャ。

 

「わ!分かっている!貴殿らの狙いは童の願いでもある。我々の共通の目的は一つ!」

 

それに健二と伊丹は頷いて同時に言う。

 

「「日本と帝国との協和!っでしょ?」」

 

「その通りだ!」

 

三人は笑みを浮かべ、健二達が乗る馬車は指定の場所へと向かって行く。

ピニャは見送った後に空を見上げる。

 

「さあ、今後は忙しくなるぞ」

 

「はい!姫様」

 

そう言ってピニャはハミルトン達と共に屋敷へと向かうのであった。

 

しかしこの講和への道のりははるか先に先送りになる事を、健二達とピニャ達はまだ知るよしもなかったのだ。

 


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