ゲートの世界にHALOの軍隊が出現したら…   作:ライダーGX

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第24話 帰投 前編

皆の荷物を持ち、旅館から出て歩道を歩く健二達。

健二達はアーマーを着たまま周囲の警戒をして、アシェリー達も同じように警戒をしていた。

 

そんな中で富田は思わずため息を付きながら口を開く。

 

「はぁ…、なんか…ずっと逃げてばっかり」

 

「全然休暇になってねぇな」

 

富田の後に伊丹がそう呟き、健二はそれに同感と感じつつ頷く。

 

「確かにな…」

 

「あそこが防衛省協同組合の施設で良かったですよ。飛び込みの旅館に入って居たら今頃…」

 

「(そうだな…)」

 

健二は栗林が言った言葉に同意する様に頷く。確かに彼女の言葉通り、もし仮に別の旅館で止まっていたら確実に民間人に被害が出ていたに違いない。

そう感じると思わず頭が痛くなる健二と伊丹。

 

そして前方でブライアンと富田が前方にある車を見つける。

 

「…リーダー」

 

「隊長、前方」

 

「「うん?」」

 

二人は前を見て車の運転席に居るある男を見つけ、健二と伊丹はブライアン達に命令する。

それにブライアン達は頷いて行動し、運転席に居る男はハンドルにもたれながら仲間たちを待っていた。

 

すると彼の頭に銃が付き付けられ、それに男は思わず目を横に向ける。

 

男が見た先はカレンと栗林がサブマシンガンを構えていて、そしてカレンの大きな身体と見た事が無いアーマーを見て目を大きく開けて唖然とする。

そしてブライアンが前に出て、M6Cを構えながら言う。

 

「降りろ。早くな」

 

男はブライアンの指示通りに動き、車から降りて手を頭の後ろに置く。

 

そして仰向けになれと命令を出して、栗林が男の上に乗る。

 

「ねえ、悪人なら撃っていいわよね?」

 

「駄目だ、ここで撃ったら返って面倒になる。よく考えろ」

 

「じゃあどうするんですか? テレビの様に殴って気絶とか、下手すりゃあ死んじゃいますよ?」

 

栗林の言葉に少しばかり考える健二、麻酔銃さえあれば簡単に眠らす事が出来るのだが、今回持ってきていない。

するとレレイが前に出て来る。

 

「イタミ、アンドウ。殺傷せずに無力化出来ればよい?」

 

「レレイ?」

 

「出来るのか?」

 

それにレレイは頷いて、手を翳して呪文を放ち、その男はレレイの魔法により寝る。

 

「これで朝まで起きない」

 

「…流石だな」

 

健二達はレレイの魔法に感心をする。

 

そして伊丹達が車に乗り込もうとして、健二達も乗り込もうとしたが、あまりにも狭く、そして重量もあって、後輪のタイヤが重さに耐えられずに潰れてしまう。

健二達は降りて、車のタイヤを見る。

 

「あっちゃー…、やっぱ俺達のアーマーの重量で潰れてしまうか」

 

「この時代の車はまだSPARTANが乗る設計には出来てないからな」

 

「出来てないからじゃないですよ!どうするんですか! せっかくの足がなくなったじゃないですか!」

 

栗林が怒鳴る風に健二達に言い、健二達はそれに少しばかり考える。

っとその時健二達のレーダーに見覚えのある反応が現れた。

 

「ん? 伊丹、こっちに何かが向かって来る。それももの凄いスピードだ」

 

「えっ?!」

 

健二の言葉に伊丹達は驚き、健二達はM7Sの残弾数を確認し、向かって来る未確認に向ける。

そしてライトが見えて、それに警戒する健二達…であったが。

 

「あれ?リーダー、これは…」

 

「ん?これって…味方のシグナル?」

 

健二達のレーダーに味方のシグナルパターンが出現し、それに伊丹達は振り向き。そしてそこから一台のトラックがやって来て、健二達の前に止まる。

 

そしてトラックの運転席と助手席からホビーとマイケルが顔を出す。

 

「ようリーダー!迎えに来てやったぜ!」

 

「お待たせしました」

 

「マイケル、ホビー?」

 

健二達はホビー達が来た事に唖然とし、その様子にマイケルはイライラする。

 

「おい早く乗ってくれよリーダー? 早くしねぇと一気に夜が明けるぜ?」

 

「あ…ああ、分かった分かった」

 

健二達はトラックの荷台に向かい、そして扉からジャクソンとレックスが出て来る。

 

「ようリーダー」

 

「レックス、ジャクソン。お前たちまで来ていたのか」

 

「そう、ほら早く」

 

レックスとジャクソンはまず最初にテュカ達を中に居れ、伊丹達を中に居れた後に健二達は周囲を確認した後入り扉を閉める。

全員が入ったのを確認したホビーはトラックを銀座に向けて出発する。

 

そんな中で伊丹がホビーとマイケルに話しかける。

 

「なあ、真っ直ぐ銀座に行くのはやめよう。待ち伏せされたらきつい」

 

「そうも行かねぇよ。俺達はすぐに特地に戻らねぇと行けねぇんだよ」

 

「ええ、貴方方はともかく、アルティアさん達がここに居ると危険ですし、特地の方が安全地帯ですからね」

 

「うぇ~! 戦闘地域が安全って皮肉~」

 

栗林がホビーが言った言葉に思わずボソッと出てしまう、健二はヘルメットを取って残り弾を確認しているとピニャが少しばかり聞いてきた。

 

「アンドウ殿、少し聞いてよいか?」

 

「何です?」

 

「どうして我々はこうも逃げ隠れしなければならないのだ?」

 

「そうです!私も気になります! 一体何が起きてるんですか!?」

 

栗林がそう言って来ると、健二は考えてる事を話す。

 

「まあ理由は簡単だ。今回俺達は参考人招致の為にこの日本に来ている。その参考人招致で来ているアルティア、テュカ、レレイ、ロゥリィの四人を捕まえようと、各国の情報機関の誘拐チームが来ているんだ」

 

「ま!待ってくれ!? 妾は?妾達は含まれていないのか?!」

 

「本来あんたは非公式でこの日本に来ている、当然連中はしらない。そして連中はアルティア達を誘拐した後に、俺達の事を脅迫してUNSC軍が保有する全技術を得ようとする腹積もりなんだろうな」

 

「それだけの為にか…」

 

伊丹は健二の話を聞いて思わず嫌な気分となり、それには栗林や富田も同じ感じとなる。

 

「ですから私達はすぐに特地に戻らなくちゃいけないんです、分かって下さい皆さん」

 

「……」

 

その事には伊丹達とピニャは黙り込んでしまい、そのままトラックは銀座へと向かった。

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

そしてトラックは銀座に向かう中で一度パーキングエリアに到着し、アルティア達は自動販売機で飲み物を買っていた。

 

「うわぁ…暖かい」

 

「押しただけ出て来るなんて、どう言う仕掛けだろう」

 

「でもこれ、アルヌスの自衛隊基地にもあった」

 

そんな中で健二はテュカ達を見ている伊丹に問い掛ける。

 

「どうした?」

 

「いえ…」

 

その一言だけ言っただけで伊丹はそのまま見届け、それに梨紗が話しかける。

 

「当てましょうか?容姿の好みからするとエルフの子」

 

「まあな」

 

「性格的には黒ゴスの子」

 

「ああ」

 

「保護欲がそそられるのはプラチナブロンドの子かな?」

 

「大変よく分かってらっしゃる」

 

伊丹は自分の考えが梨紗によくご存じである事を褒めて、それに梨紗は当然のように答えて伊丹の足を踏む。

 

ガフッ!

 

「いてっ!?」

 

「何年付き合ってると思ってる?」

 

その様子に健二達は思わず笑みを浮かばせ、アルティア達が戻って来た。

 

「お待たせ!買って来たよ!」

 

「ありがとう」

 

アルティア達は飲み物を皆に渡し、アルティアが健二に飲み物を渡す。

 

「はい健二さん」

 

「ありがとう、でも今はいい」

 

そう言うとアルティアは何故か落ち込む表情となり、それにブライアンが言う。

 

「貰っておけよリーダー、向こうに付いたら飲む期会はねぇぞ」

 

「…分かった。それじゃあ貰うよ」

 

健二はアルティアから飲み物を貰い、それに明るくなるアルティア。そして健二は飲み物を見た途端固まってしまう。

 

何故なら飲み物は『お汁粉』だったからだ。

 

「あの…俺の飲み物は?」

 

伊丹が問いかけるも、何故かロゥリィは知らんぷりをしていて、梨紗が何やら冷たい目線で見て来る。

 

「何かやったの~…」

 

「…何もしなかったんだよ」

 

 

そして少しばかり休憩をしていた時に、梨紗が何やらノートPCである作業をしていた。

 

「何をしてるんです?」

 

アシェリーが問うと。伊丹が変わりに答える。

 

「相手を撹乱させる為の準備をしてくれてるんだ。俺が梨紗に頼んでね」

 

「成程な、それで反応は?」

 

「バッチリよ! 私が書き込みをした直後にかなりの書き込みがやって来る!」

 

その様子に健二は頷く。

 

「そっか、伊丹、お前も考えたな」

 

「ええ、この逃走劇から早く逃れたいですから」

 

その事を聞いた健二は頷きながら銃を持って弾を込めたマガジンを装填し、初弾を装填して銀座への向かう準備が整うのだった。

 


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