ゲートの世界にHALOの軍隊が出現したら… 作:ライダーGX
健二達が国会での参考人を終え、国会から出ようとするバスが出る中で、多くの報道陣が押しかけ、カメラやテレビを回す者達も居た。
バスは護衛車両に囲まれて出て行くと、途中から謎の車が強引に割り込んできて、バスから引き離して行った。
その様子を駒門が無線で全車に通達する。
「指揮者より全車へ、お客さんがお出なすったぞ」
そう言って駒門は無線を仕舞う。
そして健二達はと言うと…。
「ねえ健二さん、目の前に一体何があるの?」
「それは来てのお楽しみだ」
何もわからないアルティアに健二はたたその事だけ言う。健二達は駒門の指示により、バスじゃなく地下鉄での移動となって、電車が来るのを待っていた。
そんな中でアシェリーが健二に問う。
「でも急にバスから地下鉄だなんてどう言う意味でしょう?」
「まあ…大体は分かるけどな…」
「どう言う事です?」
カイルがその意味の事が分からず、健二はそれに説明する。
「参考人招致が終わった後必ず俺達を乗せたバスが狙われる可能性がある、それはアルティア達を拉致する事により、俺達に対する取引材料として利用し、UNSC軍の軍事技術を取り入れる為の行動だろうな」
健二がそう言う中で電車がやって来て止まり、扉が開くのをテュカ達は驚く。
「うわっ!開いた…」
「そうだ、ほら行くぞ」
健二と伊丹達が電車に乗り込む中でロゥリィだけは何故か中々乗りたがらなかったが、伊丹が少々強引で乗らせて、電車は出発する。
電車内では乗っている人たちがチラチラと見て来て、それには健二達も少し困った。
「参りましたね…」
「ああ、これじゃ怪しいタレント事務所のスタッフだな」
カイルが言った言葉に伊丹がそう言ってると…。
「リーダー」
「隊長」
その言葉に健二達は振り向くと、別の場所で行動していたブライアン達と富田達が合流して来た。
「ようブライアン、カレン、エイミ、ご苦労」
「富田も栗林もご苦労さん」
「いや…慌てましたよ、バスを囮にするって話、聞いていなかったんで」
「まあ、無事合流出来たんだからいいんじゃない?」
そう伊丹が言ってピニャ達の方を見る、すると何やらそわそわしていて、それを栗林が説明する。
「電車が地下に入った後ずっと怯えてるんですよ。このまま地の底に連れて行く気か!って」
「成程な、まあ地下鉄も初めてだから無理ものないか…、アルティア達は興味津々だけど…」
健二はそう言ってアルティア達を見て、電車の窓から外を見ているアルティア達、電車が揺れた際にボーゼスが富田の腕にしがみ付き、それに思わず赤くなる二人。
「し…失礼」
「い、いえ…」
そんな様子を見ている健二にブライアンが隣に来てある報告を言う。
「リーダー、俺達が同行した姫さん達の件でだが…」
「ああ、どうだった?」
その事にブライアンは思い出しながら言う。
──回想──
ブライアン達が健二達と別れた場所で行われたある会議でのことだった。
ピニャとボーゼスはある二人と会話をしていた。
「首相補佐官の白百合玲子と申します。こちらは外務省の菅原浩治君」
「菅原です」
ピニャ達も挨拶を行い、これから行う外交の話し合いを行った。
行った内容はこの後の和平交渉の内容での事で、それにピニャも承知して行った、そして最後に帝国が日本に攻めてきた際に拘束した捕虜の件であった。
「最後に捕虜の扱いですが、現在我が国が捕らえている貴国の将兵、総数は約6000人です」
その数を聞いてピニャは思わず驚いた。
「ろ!6000?!」
「我々はそちらの求めに応じる形で引き渡したいと思っております」
「身代金はいかほどに?!」
っとその事を聞いて、白百合はすぐに答える。
「ご安心下さい、我が国には捕虜を金銭で交換する習慣はございません、ただ何らかの調歩は期待しております」
そう言って、菅原がある名簿を取り出す。
「捕虜の名簿です、この内若干名ならば即時引き渡しが可能です」
菅原がピニャ達に言った時にボーゼスがある事を思い出し、ピニャに耳元で話し込む。
「行方不明者の中には元老院議員の貴族の者も多くいます、もし捕虜となって居れば…」
「分かっている、彼らを解放し、向こうで恩を売って来いとそう言っているのだ」
そう彼女らの解釈に隣で聞いているブライアンは少しばかり困る表情となる。
ピニャは捕虜の返答に付いては後の名簿を見て考えると返答し、これ等の会議は終了した。
──回想終了──
「っと言う事だ」
「成程な…」
それに健二は納得する。そんな中で伊丹の元にロゥリィが腕にしがみ付き、それに伊丹は見る。
「どうしたロゥリィ?」
「地面の下はハーディの領域なのよ…!」
「「ハーディ?」」
伊丹と聞いていた健二もその言葉に傾げ、ロゥリィは震えながら言う。
「あいつやばいのよ!200年前にお嫁に来いってしつこくってしつこくって! 無理矢理お嫁にされそうなの!」
「それで…何で俺にしがみ付くんだ?」
「ハーディ避けよ! あいつ男が嫌いだから、こうしてたら近寄って来ないかも知れないでしょう?」
「しかしそれは特地での事だろう? いくら何でも日本まで来るとは思えないんだけどな」
そう健二が言い、ロゥリィは健二の方を見て言う。
「分からないじゃない!あいつの事だから!」
「しかしロゥリィ…、ここは嘘でもこう言ってくれ《か、勘違いしないでよねぇ、ただの虫よけのカムフラージュなんだから!》ってな」
「気持ちわるっ!」
栗林は伊丹の考えに思わず言葉に出る、しかし健二は伊丹の考え方に一理あると考える。
「まあ…分からなくもないよな」
「おいおい…リーダー」
その事にはさすがのブライアンも呆れるしかない。っと電車が次の駅に止まり、そこに駒門がいた。
「よう」
駒門は電車に乗って健二達に共に行動をする。
「予定を早めて箱根へ向かうぞ、このまま東京まで行って乗り換えだ」
「バスは?」
「見事に引っかかったよ、移動の変更の手段を知らなかった時点で情報漏洩の容疑者は二人に搾り取れた、今行き先を突き止める為泳がせている」
それを聞いた健二は少しばかりそれでいいのかと感じる。
するとロゥリィが…。
「イタミィ!此処から出たいの!もう我慢出来ない~!」
「もう少しだ、次の次で降りるから」
しかしロゥリィは降りたがっていて、それには健二は苦笑いするしかなかった時にある気配を感じとり、スッと横目で電車内の奥を見る。
すると誰かが見ていたらしく、健二の気配に気づいたのかすぐに何処かに隠れてしまい、健二は目線を鋭くしていた。
健二だけじゃなくブライアンもカレンもそれに薄々と気付いていた。
そして丁度次の駅に到着し、健二が伊丹達に言う。
「皆、此処で降りるぞ」
「はっ!?ちょ!おい!!」
駒門は健二の独断行動に驚き、伊丹達はそのまま言う通りに降りて行き、駒門は健二の肩を掴む。
「待て!アンタ何勝手な事を言っているんだ!?こっちにも段取りがあってな!」
駒門が健二に言った時にアナウンスが流れる。
『お伝えします、現在丸の内線は銀座東京間で発生した架線事故の影響で運休しています、運転再開のめどは立っておりません。現在丸の内線は──』
その放送を聞いた健二と駒門、駒門は健二の肩を離して、駒門も仕方なく駅から降りた。
まるで先回りされてるかのように。
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外に出たロゥリィは身体を伸ばして気持ちを落ち着かせる。
「う~ん!空気は汚いけど、地面の下より一万倍マシだわ♪」
そんな様子に健二は駒門に問う。
「連中、一体何が目的だと思う?」
「デモンストレーションだな、いつでも手が出せると敵は言っているんだよ。だがバスも地下鉄も失敗した、今度はもっとわかり易くて直行的な行動に出てくるはずだ。例えば…」
するとロゥリィの背後から何者かがやって来て、ロゥリィが持つハルバートを奪って逃げ去る。
「ほらな、こんな風に」
っがその男は逃げる所かハルバートの重みに耐えられずに倒れてしまう。
「全く何やってんだ…」
そう言って駒門はロゥリィのハルバートを持った時に健二と伊丹が思わず見る。
「あっ!それは!?」
「待て!」
「ん?何だ?」
グギッ!!
「フギャ!?!?!」
駒門の腰から強烈な音が鳴り響いた。
そして救急車がやって来て、駒門を担架に載せて運ぶ。
健二達は何とも言えずにいて、ロゥリィはハルバートを回しながら呟く。
「だらしないわね、このくらいで?」
「いやそれ普通の人じゃまず無理だから」
苦笑いしながら言う健二、駒門は苦しみながら言う。
「と…とりあえず今夜は…市ヶ谷会館に…」
そう言い残して救急車に運ばれて行った駒門、健二達はその様子を見送った。
「ではそこに向かいましょうか?」
富田がそう伊丹に言った時に、健二がその事を言う。
「いや待て、市ヶ谷には向かわない」
「はっ?何でです?」
栗林がそれに聞き、それをブライアンが話す。
「恐らく市ヶ谷会館も敵が先回りしている可能性が高い、困ったな…」
「どうします?リーダー」
アシェリーがそう聞き、健二が考えるも中々名案が浮かばない。
「どうしようかな…」
「あの…大尉、俺に案があるんですが」
「えっ?あるのか?」
健二は伊丹の方を見て言い、それに伊丹は頷く。
「秋葉原には行きませんよ?」
「「一人で行って来い」」
「はっ!?なんで!?」
栗林がそう言うと、健二とブライアンが同時に言い、それに栗林は驚く。
「ロリ巨乳は黙ってればいいのよ」
「だ~か~ら!!それはやめて下さいってば!!!」
カレンの発言に怒鳴る風に言う栗林、それをスルーとする健二は伊丹の案に取りあえず聞く事とする。
そして健二達は伊丹の案内であるアパートに来た。
「ここか?」
「はい…ただちょっと性格があって…」
「もうここまで来て性格ってのはいい、休める所は休めたいしな」
そう聞いた伊丹は頷き、そのままアパートの二階に行き、ある人の部屋と付く。
『葵梨紗』
その人物のネームが掛かれている部屋に平然と入る伊丹。伊丹はその部屋の人物に話しかける。
その女性は髪を後ろに束、ヘアピンで髪止めをして眼鏡をかけていた。
「エアコンくらい付けろよ、寒いぞこの部屋?」
「あっ先輩! ご!ご飯…!!」
「はいはい、そんな事だろうと思って買って来たよ。どうぞ気楽に入ってくれ」
「あの…隊長、誰です?その人」
富田が伊丹に梨紗の事を聞き、それに伊丹は答える。
「ああ、これは…俺の元『嫁さん』だ」
「「「「「「…嫁?」」」」」」
「「「「「「ええ~~!?」」」」」」
その事に健二達は唖然、レレイ以外の栗林達は驚きを隠せずに思わず大声を上げた。
「うへへへ……うぇ?」
ようやく健二達の存在に気付いた梨紗はその事に頭を傾げた。