ゲートの世界にHALOの軍隊が出現したら…   作:ライダーGX

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第19話 参考人による言葉

市街地での街中では特地でのニュースが大々的に報じられていた。

そのニュースは国会での参考人招致の件も含まれている。

 

『銀座事件から四ヶ月、本日国会において初めて質疑応答が行われます。参考人として現場の自衛隊他に特地で遭遇して協力的な関係を持っている軍関係者、そして保護された特地の住人が初めて日本に招かれています』

 

放送されているニュースを世界中の人々が見ていて、息を飲むような場面に皆は見ていた。

 

『あっ!ただいま参考人にが入って来ました!』

 

カメラはすぐに国会での入り口の方に向けると、入り口から参考人として入って来る伊丹、テュカ、アルティア、レレイ、ロゥリィの5名が入って来て、カメラは一斉にフラッシュの光に包まれる。

そして護衛として健二とアシェリーとカイルは入り口で止まり、その様子を見守る様にする。

 

そしてその中継をUNSCスフィンクスで見ているオルブがモニターで見ていた。

 

「始まるな…、私が出来なかった事を健二達はどうするのか…」

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

そして時刻15:00 参考人の質問が開始される。

 

まず議員である辛原みずきがコダ村での被害内容について聞いてきた。

 

「単刀直入にお尋ねします。自衛隊の保護下であった避難民の四分の一、約150人が通称ドラゴンによって犠牲となったのは何故でしょうか?」

 

「伊丹耀司参考人」

 

その事に伊丹は立ち上がってマイクの方に向かい、健二達はその様子をジッと見つめていた。

 

「(…いつも通りの事を言えよ…伊丹)」

 

健二はそう思いつつ伊丹はマイクの前に立って話す。

 

「えーそれは…、ドラゴンが強かったからじゃないでしょうかねぇ」

 

その言葉に他の議員たちは騒めき、幸原議員は思わず言葉を詰まらせる。

 

「なっ何を他人事の様に!尊い命が失われた事に責任は感じないのですか!?」

 

幸原議員の言葉を聞いて、健二達は思わず怒りを覚える。

特地に派遣してない事に軽々しく命だの犠牲だのと言う身勝手な振る舞いに、健二は言い放とうとしたいが今は堪えた。

 

その事に伊丹はすぐに答える。

 

「大勢の方々が亡くなったのは残念に思います。あと力不足と感じましたね」

 

「それは自衛隊の非を認めると言う事ですね?」

 

「いえ、不足していたのは銃の威力です」

 

伊丹のきっぱりとした言葉に幸原議員は思わず「はっ?」となる。

 

「はっきり言って豆鉄砲でしたよ7.62ミリ弾は、もっと強力な武器が在ればと感じましたが…。彼等UNSC軍のお蔭でドラゴンの撃退は何とか出来ましたからね」

 

っと伊丹は健二達の方を見て、それに議員達は健二達に振り向き騒めく。

 

「で、では…参考人としてこちらに来て頂きましょうか?その…」

 

議員が健二達の名前を言おうとするが、その事に健二はマイクの所まで歩き、伊丹はすれ違いながら健二に言う。

 

「どうか思った事を言っちゃってください」

 

「そうするよ」

 

そう言って健二はマイクの前に出て、幸原議員はまず話をする。

 

「あ…ではまずお名前を聞いて宜しいでしょうか?」

 

「ええ、私はUNSC軍所属安藤健二、階級は大尉。日本出身です」

 

っとその事を聞いた皆はまたしても騒めき、幸原議員はそれを聞いた事に少し考える。

 

「(UNSC軍?聞いた事ない軍隊ね…)そうですか、では安藤氏にお尋ねします、貴方は自衛隊と共にドラゴンを撃退したと聞きますが、実の所本当はどうだったのですか? 貴方達は自衛隊が彼らを囮にしていたとか…」

 

その事を聞いた健二は思わず眉をピクリと動かし、その問いにすぐに答える。

 

「その事はありません、彼等自衛隊は我々UNSC軍と共に避難民を護送し、安全圏まで連れて行ってました、それにドラゴンの出現によって避難民は皆パニックを起こしていました、パニックに陥っている避難民達は冷静さを失っている為混乱状態と言えます、

そんな状態に陥っている彼らにどの様に言うつもりなのですか?」

 

健二の言葉を聞き幸原議員は思わず口をつまらせる。

 

そして一人の議員が手を上げて、立ち上がって言う。

 

「ええ~皆さん、特地から持ち帰ったサンプルを解析した結果、通称ドラゴンはタングステン並の強度を持つ鱗に覆われ、超高温の火炎を吐く、言わば空飛ぶ戦車だと言う事が判明しております。

その様な生物を相手に犠牲者ゼロにすると言うのはいささか酷な話ではないでしょうか?」

 

議員にそう言われた幸原議員はその事に言葉を失くす。

 

「…良いでしょう。では話の続きを聞きます安藤参考人。貴方達はUNSC軍と名乗っていますが…そのUNSC軍とは一体何なのですか?」

 

っとようやくまともな質問が帰って来て、健二はそれに素直に答える。

 

「国連宇宙軍…またはUnited Nations Space Commandの四つの頭文字から取った部分を略してUNSCと言います。我々UNSCはこの時代より遙か未来…西暦2578年の時代より来ました…。文明レベルも科学技術もはるか上を行っています。

UNSC軍は本来人類の防衛機関として機能しております、しかし我々は“エイリアン”との遭遇によってエイリアンとの戦い…戦争をする事になりました」

 

「え…エイリアン??」

 

健二の意外な言葉を聞いた議員たち、そしてその放送を見ている皆は騒めきながら聞いていて、健二はそれを気にしないまま言い続ける。

 

「UNSCはエイリアン…『コヴナント』との戦争をしておりまして、27年間長きにわたる戦争をしてきました。そして2553年は戦争は終結して、我々は各惑星で行った戦争の後処理を行いました…。

そしてコヴナントは我々UNSCよりも遙かに上を持つ技術を持っており、実弾で対等する我々とは違い、エネルギー兵器を使って戦っておりました」

 

それを聞いた議員たちはますます混乱していて、幸原議員はそれを聞いて唖然としていた。

 

「そ…それは本当の話しなのですか??」

 

「はい、本当の話です」

 

健二の言葉を聞いた幸原議員は戸惑いながらも冷静さを保ち、気持ちを入れ替えながら話す。

 

「わ…分かりました…ありがとうございます。では次にレレイ・ラ・レレーナ参考人にお尋ねします、日本語は分かりますか?」

 

レレイはそれに立ち上がってマイクの元に立ち、その問いに答える。

 

「はい、少し」

 

「結構です、今は難民キャンプで生活しているそうですが、不自由はありませんか?」

 

「不自由? 不自由の定義が理解不能、自由出ないと言う意味なら、人は生まれながらに自由ではないはず」

 

レレイの率直な返答に幸原議員は思わず焦った。

 

「…言い方を変えますね。生活するうえで不足しているものはありませんか?」

 

「衣・食・住・職・礼。全てにおいて必要な物は満たされている、質を求めるときりがない」

 

冷静に答えを返すレレイに幸原議員は次の手を打つ。

 

「では…150名の死者を出した原因として、自衛隊と彼等UNSC軍の対応に問題はありませんでしたか?」

 

「…ない」

 

それを聞いて次に幸原議員はレレイからテュカの質問に移った。

通訳としてレレイが隣に立つ。

 

「私はエルフ、ロドの森部族ホドリュー・レイの娘、テュカ・ルカ・マルソー」

 

自分の名前を言ったテュカ、そして幸原議員は気になっていた事を聞く。

 

「失礼を承知でおたずねしますが、その耳は本物ですか?」

 

それを通訳としているレレイが話、それにテュカは耳を見せる。

 

「本物です、触ってみます?」

 

『『『おおー!!』』』

 

すると議員たちは驚いて、カメラマン達も一斉にシャッターを押してフラッシュ音が鳴り響く。

当然放送を見ている人達も驚いている。

 

その様子を入り口近くで見ているアシェリーとカイルは呆れた。

 

「凄いカメラフラッシュ…」

 

「エルフだと知った途端にこうだね…」

 

その間に議員が皆に静粛させて、幸原議員は次の質問を問う。

 

「で…ではテュカさん、ドラゴンに襲われた時自衛隊やUNSC軍の対応に問題はありませんでしたか?」

 

レレイがそれを通訳するとテュカは少しばかり表情を暗くする。

 

「…よく分からない、その時気を失っていたから」

 

「…結構です、では次はアルティア・ヌマ・マルコ参考人にお尋ねします」

 

幸原議員はアルティアの方に回し、アルティアはマイクの前に立つ。

 

「アルティアさん、貴方はドラゴンに襲われた時自衛隊やUNSC軍の対応に問題はありませんでしたか?」

 

「在りません…問題はあると言うより、ドラゴンから私達を守ってくれた健二さん達に感謝してる」

 

「何故ですか?」

 

「あの時私は祖国をドラゴンによって滅ぼされてしまった、でもあの時滅ぼされて街から私を救ってくれた健二さん達は私とテュカを救った。言えることはそれだけ」

 

そう聞いた幸原議員はもう埒が明かないと感じて話を終わらせる。

 

「…ありがとうございました、次は…ロゥリィ・マーキュリー参考人」

 

っと次にロゥリィの方を見て、ロゥリィはマイクの前にやって来る。

 

「(黒服にベール…きっと喪服ね、ついてるわ…)難民キャンプではどの様な生活をしていますか?」

 

「単純よ、朝目を覚ましたら生きる、祈る、そして命を頂く、祈る、夜になったら眠る」

 

「命を頂く…?」

 

「そう、食べること。殺すこと。エムロイへの供儀、色々よ」

 

ロゥリィの発言を聞いて健二と伊丹は思わず心が痛む。

 

「(ロゥリィ…、頼むから普通の会話を頼む…)」

 

「(その発言はやばいから…)」

 

そう思う時に幸原議員がある事を話しかける。

 

「…質問を変えます。見た所貴方は大切な物を失ったようですが、そうなったのは自衛隊やUNSC軍にあったとは思いませんか?」

 

レレイが通訳し、ロゥリィがレレイに通訳の言葉を言い、レレイが言う。

 

「質問の意味がよく分からないと言っている」

 

レレイがその後の事を話しかけた際に幸原議員は自衛隊の死者がゼロのと言う理由が難民を盾にして戦っていたと言う話をしている事に、健二は薄々と怒りがにじみ出て来る。

そして更にその事が被害を出したと言って、レレイはロゥリィに通訳すると少しばかり驚く表情をする。

 

「(来た…!)」

 

幸原議員が確信を得た瞬間、ロゥリィがマイクを持って…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あなたおバカぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロゥリィが大声を発し、幸原議員にバカなのかと発言させる。

それに参議院議場は途轍もない騒音が響き渡る。

 

「おい撮ったか…?」

 

「あぁ…」

 

カメラマンたちはロゥリィの発言を聞いて騒めく。

幸原議員はようやく収まる音に耳を開かせて、戸惑いながら聞き直す。

 

「い、今なんと?」

 

「あなたおバカさんなのって聞いてるのよ」

 

そうベールを上げるロゥリィは微笑みながら言う。

 

「あなた…日本語が?」

 

「そんな事はどうだって良いのよ、イタミ達やアンドウ達がドラゴンとどう戦ったのか知りたいんでしょう? イタミ達やアンドウ達は頑張ってたわ~、難民を盾にして安全な場所に居たなんて事は…絶対にないわよ」

 

その事を聞いた幸原議員は言葉を詰まらせる。

更にロゥリィは今まで発言して来た幸原議員の言葉を否定するかの様な発言をして、更に自衛隊やUNSC軍の弁護する発言もしていて、健二達や伊丹はそれに目を奪われていた。

 

「それにイタミ達やアンドウ達は誰にもできない事をやり遂げたわぁ、四分の一が亡くなった?違うわ、炎龍から四分の三の命を救ったのよぉ、その意味も分からない元老院議員ばかりじゃこの国の兵士も苦労してるでしょうねぇ」

 

「さ!参考人は言葉を慎んでください!」

 

そう注意が来るもロゥリィはドヤ顔の表情をしていた、そんな中で幸原議員はピクピクしていた。

 

「お嬢ちゃん…。大人に対する礼儀がなってないようね…?」

 

「お嬢ちゃん?私が?」

 

「そうです!!私は常日頃から年長者を敬えと主張しています!! 特地ではそういう習慣はないのですか!?」

 

幸原議員の発言を聞いたロゥリィは…。

 

「へえ~?これは驚いたわね~。たかが…」

 

っとハルバートに包まれている布を手にする。

 

「(不味い!)」

 

伊丹が委員長に申し上げようとした時に、健二がロゥリィの首根っこを持って持ち上げる。

 

「こらロゥリィ、此処でそれを出すな」

 

「何で止めるのよう~!」

 

「良いから大人しくしててくれ」

 

そう言って健二はロゥリィを戻し、それを見た伊丹はすぐに言う。

 

「委員長!幸原議員は重大な勘違いを正す為に申し上げたい事が…」

 

「い、伊丹参考人の発言を許可します…」

 

そう言って伊丹は返答台へと立つ。

 

「えー皆様。我々は時として年齢を武器に使うことがありますが。外見と年齢がかけ離れている例があるのを忘れてはいけません。つまり…ロゥリィ・マーキュリーさんは皆様の誰よりも年長でして」

 

「はい? …ではおいくつですか?」

 

「女に歳を訊くもんじゃないわよ?まあいいわ…よく聞きなさい。『961歳』よ」

 

っとロゥリィの発言を聞いた議員たちは騒然とし、周りも騒めく。

当然見ている人たちも騒然となる。

 

「テュカさんは…?」

 

「『165歳』よ」

 

「あ…アルティアさんは?」

 

「『174歳』です」

 

っとテュカとアルティアの年齢を聞いた皆は唖然とする。

 

「ま、まさか…」

 

皆はレレイの方を見て…、それにレレイは答える。

 

「15歳」

 

それに皆はホッとする。

 

「イタミ変わって、私が説明する」

 

「お、おう」

 

伊丹はレレイに場を譲り、特地での説明をする。

 

「私はヒト種、その寿命は60から70年、私達の世界の住民のほとんどはこれ、テュカとアルティアは不老長命のエルフ、中でも貴重な妖精種で寿命は永遠に近いと言われている。

ロゥリィは元々ヒトだけど、亜神となった時肉体年齢は固定された。通常は1000年程で肉体を捨て、霊体の使徒に、やがては神になる。従って寿命と言う概念はない」

 

その事には議事堂内の皆は呆然となり、テレビを見ている人たちも騒然としていて、LINEやツイッターでもその内容が書かれる。

 

「幸原議員、質問は以上ですか?」

 

「…以上です」

 

っと幸原議員の信念はレレイの質問によって打ち消された。

 


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