ゲートの世界にHALOの軍隊が出現したら…   作:ライダーGX

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第17話 姫 日本へ出向

ビックマンモスはアルヌス駐屯地の入り口近くで停止し、そこから車両で駐屯地へと入る。

司令部へと到着した健二達は一旦降りて、ピニャが伊丹に近寄って来た。

 

「イタミ殿!少しばかり話せないだろうか…?」

 

「あ~…すいません、ちょっと国会招致の件で呼ばれてまして…」

 

っと伊丹はクルっと回って急に走り出した。

 

「後はそこに居る女性が案内してくれますから~~~!」

 

そう言い放ちながら去って行って、ピニャは思わず唖然として固まってしまい、健二達はその様子に呆然とする。

 

「…あいつ、逃げたな」

 

「ですね」

 

「情けない」

 

健二達はその事に呟き、ピニャの近くにボーゼスが近寄る。

 

「殿下…」

 

「…説得の期会を逃した…」

 

ピニャは伊丹にある説得をしようと考えていたが、逃げられた以上無理だと判断し、そして次に健二の方を向いて問う。

 

「アンドウ殿!申し訳ないが…少しばかり話せないだろうか?」

 

「そう言したいのだが。あちらを」

 

そう健二が指を指した先は、柳田が扉の前で待っていて、それにピニャは頭を傾げながら健二に問う。

 

「誰だ?」

 

「近くの女性と同じ様な案内役の人だ」

 

「あの…大尉、どう言う意味でしょうか?」

 

柳田は健二の言葉に意味が理解出来ずにいた。

 

そして狭間陸将との協定違反への謝罪会話の中、健二とアシェリーとブライアンの3人が外で待っていて、降下艇ペリカンが来るのを待っていた。

 

その理由はオルブ司令官がFOBに来れない理由でペリカンを呼んだのだ。

 

「どうして司令は来れないのでしょうか?」

 

「受け入れると言って置きながらたくぅ…あっそうだ」

 

健二は何かを思いついて、すぐ無線機を取り出して伊丹と栗林達を呼ぶ。

 

数分後、伊丹と栗林、富田、倉田、黒川の5人がやって来て、伊丹が話しかける。

 

「どうしたんです大尉?呼んで来て?」

 

「ああ、実はお前たちにも姫さんたちと一緒に連れて俺達の旗艦を見せて案内する。そして国会参考の件についても少々話し合うつもりだ」

 

「えっ?!って事は大尉も…!?」

 

「勿論付いて行くつもりだ」

 

そうしてると柳田がピニャとボーゼスを連れて来て、健二達の前までやって来る。

 

「大尉、殿下達をあなた方の艦にお連れするのですか?」

 

「ああ、俺達の司令は宇宙に居るから、会うにはあっちまで行かないとな」

 

っとそう言ってると空から降下艇がやって来て、健二達の前で着陸し、後方のハッチが開いて、健二達がペリカンに向かって乗り込む。

すると…。

 

「ちょっと待ってよ~!」

 

「ん?」

 

健二は振り向くと、そこにはテュカとレレイとロゥリィとアルティアの4人が来ていて、ロゥリィが健二に向かって言う。

 

「私達も乗せてよ~」

 

っとその事にアルティア達は頷き、それに健二はため息を付いて、仕方なく頷き、テュカ達は喜んで乗り込んで行く。

その様子をピニャ達は唖然としていて、アシェリーが二人の前までやって来る。

 

「さあ姫様、こちらへどうぞ」

 

アシェリーに案内されて、ピニャとボーゼスはアシェリーの後を付いて行き、ペリカンに乗り込みハッチが閉じられて、ペリカンは飛び立つ。

機内で健二が伊丹達に向かって注意する。

 

「皆、しっかり捕まっていろよ? 今から大気圏から抜けるから強烈なGが来るぞ!」

 

「はい!?」

 

その事に栗林が驚くと同時にペリカンは急上昇して加速し、機内に居る伊丹達は強烈なGに必死に捕まり、健二とブライアンはアーマーのマグブーツを利用して手すりを掴んでいた。

 

そしてペリカンは大気圏から抜け、Gが一気に抜けていくのを感じて行く伊丹達は一息する。

 

『『はぁ…』』

 

伊丹達が一息する中で健二が壁に掛けてある端末を操作して、壁の一部のガラスを透明にして、それにテュカ達は思わず振り向いて見る。

彼女達の目には綺麗な景色と広い宇宙が目の前に映っていた。

 

「うわぁぁ…!」

 

「…綺麗」

 

「地面があんなに遠くに…」

 

「凄い…!」

 

その光景はピニャ達も同じだった。

 

「おお……」

 

「は~………、っ!殿下!!」

 

っとボーゼスはある物を目にしてピニャにすぐに問いかけ、それにピニャはボーゼスが見る方を見て驚く。

 

彼女の目にはパリ級重フリゲート艦とオータム級重巡洋艦が艦隊を組んで浮かんでいて、そして中央に巨大な戦艦、UNSCスフィンクスが浮かんでいて、それにピニャは驚いていた。

 

「な!何て大きさだ…!」

 

その光景は伊丹達も驚いていた。

 

「すげぇぇ…、あれ程の船を作るなんてな…」

 

「UNSCは本当に文明レベルが高いっすね」

 

そして健二達が乗るペリカンはそのままUNSCスフィンクスへと向かい、そのままドッキングベイへと行き、ペリカンをランディングパットへと着艦する。

ペリカンのハッチが開いて、健二達はそのままペリカンへと降りて行き、近くの端末からAIのユフィが出て来て迎える。

 

「お帰りなさいスパルタン健二、ODSTアシェリー、スパルタンブライアン」

 

「ただいま」

 

初めてAIユフィを見た伊丹達は驚き、テュカ達も驚きながらレレイは健二に問う。

 

「ねえアンドウ、あれは?」

 

「ああこの艦を管理してくれてるAI、分かり易く言うとこの船を見てくれている精霊って所かな?」

 

「まあそう思ってくれても構いません」

 

ユフィはそう言い、皆に報告する。

 

「では皆さん、もうじき向かえが来ますのでごゆっくりと」

 

そうユフィは言い残して消えて、健二達が待っていると別のSPARTANがやって来る。

健二はそれに振り向き、そのSPARTANは挨拶する。

 

「やあ、待っていたよ」

 

「どうも、俺はスパルタン健二。あんたは?」

 

「私はSPARTANの指揮官でショーンだ。一応君の上官でもあるが同期である、よろしくな。ではこっちだ」

 

ショーンはそう言って案内をし、健二達がその後を付いて行く。

ついて行く中で伊丹が健二に問いかける。

 

「知り合いじゃないんですか?」

 

「顔を合わせるのはこれが初めてだ」

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

そしてピニャ達はUNSC軍の最高司令官オルブ・ハレルソンと対面した。

 

「お待たせしました、私がUNSC軍司令官のオルブ・ハレルソンです。どうぞおかけください」

 

ピニャとボーゼスは椅子に座り、オルブと話し合い、伊丹達はその横で見ていて、健二達も同じように見ていた。

 

「さて、わざわざこちらへおいで下さり申し訳ありませんでした。出来ればこちらがそちらへ向かう予定でしたが、どうも向かう事が出来ない事情がありまして。さて…姫自らお出向きとは一体何の御用で?」

 

「ジエイタイにもお話ししたまして、我が方にいささか不手際がありまして、そのお詫びに参ったしまいです」

 

「なるほど、その報告は聞いております。ですがご安心下さい、協定違反の件に付きましてはそうとがめる必要はありませんので」

 

っとオルブの言葉にピニャ達は唖然とし、それには伊丹達も同じであった。

オルブの意外な言葉を聞いて耳を傾かない筈がない。

 

「宜しければ今後はこの様な事はないようお願い申し上げたいのですが、よろしいですか?」

 

「えっ?あ…も、勿論です」

 

ピニャは以外とあっさり解決した事に戸惑いながらも健二はアシェリーに後の事を頼んで伊丹達と共に部屋を出て行き、オルブは一息する中で健二はオルブと面と向かい合って話す。

 

「なあ司令、あんなにあっさり終わって良いのかよ?」

 

「簡単に行くと思っているだろうが、本来なら簡単にはいかない。だが私がそう言うからには問題はない」

 

それに健二は呆れる様子になり、その場を去ろうとした所でオルブがある事を思い出して話す。

 

「そうだ健二、君が居ない間に神様に頼んで、もう一隻インフィニティ級戦艦を寄こして貰ったのだ」

 

「はっ?なにを頼んだんだ?」

 

「実はこの艦隊には医療機関が全くない、衛生兵だけでは限界もあってな。そこで『医療研究艦』を寄こして貰った、これであらゆる病気やウイルスの治療と研究をする事が出来る。まあ頼むのに苦労したけどな」

 

オルブはそう笑いながら言い、それを聞いた健二はそれなら良いけどっと思いながらその場から出て行き、伊丹達の所に戻り、艦内を案内した後地上へと帰投する。

 

 

 

そして地上でアルヌス難民キャンプで健二と伊丹とアシェリーの三人はテュカとアルティアの二人にある話をしていた。

 

「えっ?門の向こうに私達を?」

 

「そう、この世界の代表として、向こうで話をしてもらいたいんだ。出発は明日、二泊の予定だからすぐに戻って来られるよ」

 

「…健二さん達も行くの?」

 

アルティアは健二とアシェリーの方を向きながら問い、それに健二は答える。

 

「勿論付いて行くさ、通訳にレレイも一緒。俺やアシェリーにブライアンの他にカレン、そしてカイルやエイミを連れて行く予定だ」

 

「ええっ!?それ聞いてない!?マジですか!?」

 

伊丹はその事を聞いて驚き、それに健二は伊丹の方を向く。

 

「当然だろう、たった三人で行くと思っていたのか?当然護衛は多い方が良い」

 

「そ、それはそうですけど…」

 

どうにも不満な感じとなる一方、テュカはなにやらうつむいていた。

 

「お父さん…何て言うかな?」

 

「テュカ?」

 

アルティアの言葉にテュカはすぐに顔を上げる。

 

「ううん!ごめん、私達が向こうで話をするとイタミ達は嬉しい?」

 

「俺…っと言うより俺達かな、ここに居る隊員皆が喜ぶよ」

 

「そう…、わかったわ、それじゃあ───」

 

「ちょっと~」

 

っと別の人物の声が割り込んできて、それに健二達は見ると、扉からロゥリィが顔を出してきた。

 

「私をのけ者にして、何をしようとしてる訳~?」

 

「ロゥリィ…」

 

健二達は付いてくる満々なロゥリィの圧力に冷や汗を少々流すも、仕方なく来させる事に同意させる以外他なかった。

 

 

 

そしてピニャとボーゼスは用意された部屋で二人だけで話し合っていた。

 

「あの者達はやはり協定違反を開戦の口実にするつもりでしょうか?」

 

「いや、先の程UNSC軍の様子を見ても、自衛隊の様子を見ても、我々の訪問を受け入れ、この様に丁重に扱わないだろう…」

 

ピニャの言う通り、もし開戦を望むとなればピニャとボーゼスを拘束してくる筈、その様な事は全くない様子に違和感を持っていた。

 

「では…?」

 

「分からない、文化が違い過ぎて、何を目的に戦っているのか…それを知る為にも」

 

そう言ってピニャは外を見て、それに気付いたボーゼス。

 

「ピニャ様…まさか!」

 

それにピニャは頷く。

 

 

 

「………行くしかあるまい」

 

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

 

そして翌日、ゲートの前で集まっていて出発する時間を待っていた。

健二達はアーマーを着用しないで専用のトランクケースに詰めていて制服を着ていた、そして富田が伊丹に話しかける。

 

「良いんですか?隊長。ロゥリィもだなんて聞いてませんよ」

 

富田は一緒に来ているロゥリィを見て言い、伊丹は富田の方を向いて言う。

 

「許可なら取ったよ。それにここで暴れられたら困るだろう?」

 

そう伊丹は富田に言いつつ富田は渋々納得するしかなかった。

テュカとアルティアは着こんでいる厚着に違和感を感じていた。

 

「どうしてこんな厚着な訳?」

 

「向こうはこちらと気候が違うと言う話」

 

それをレレイが説明してアルティアは納得する。そして一台の車がやって来る。

車から柳田が降りて来る。

 

「悪い悪い、手続きに手間取ってしまった」

 

そして後部座席からピニャとボーゼスが出て来て、それに伊丹は驚く。

 

「なっ!!」

 

「このお二方もお忍びで同行する事となった、よろしくな」

 

「柳田、本気で言ってるのか?」

 

健二は柳田にその事を問い、柳田はそれを微笑みながら言う。

 

「ははは、勿論ですとも、向こうに連絡済みですし、あと大尉これは陸将から使えとの事で」

 

柳田は健二にある封筒を渡し、それに健二は受け取る。

 

「殿下は帝国との中間役です、我が国を見せても損はありませんしね。伊丹よろしくな」

 

「…」

 

伊丹はそれに黙り込み、そしてゲートが解放されて開く。

その様子をテュカ達は見る。

 

「イタミ達が来た世界…」

 

「楽しみだわ~♪」

 

「私達は遊びに行く訳ではない」

 

「分かってるわよ~」

 

そうロゥリィは言い、ピニャとボーゼスはその光景に圧巻されていた。

 

「殿下…」

 

「うむ、このゲートの向こうが…」

 

ピニャはゲートの先を見て、そして拳を握りながら言う。

 

「日本!!」

 

そして健二達はゲートを通って、日本へと向かったのだった。

 


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