ゲートの世界にHALOの軍隊が出現したら…   作:ライダーGX

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第16話 姫 いざアルヌスへ

 

伊丹の悲鳴を聞いて、ピニャはすぐに健二達を謁見室へと呼ばれた。

ピニャは伊丹の顔を見て表情を歪めてしまう、何故なら伊丹の顔には平手打ちの後と引っかき傷があって、それにピニャは眉を片方ピクピクさせながら問う。

 

「…それで、その傷は?」

 

ピニャの問いにブライアンとカレンに取り押さえれているボーゼスが落ち込みながら話す。

 

「…私がやりました」

 

「だあああああああっ!!この馬鹿者!!」

 

ピニャは頭を抱えながら悩みの種を増やしたボーゼスに怒鳴り、その様子を見てる健二は冷や汗をかきながら呟く。

 

「彼女の胃に穴が開きそうだな…」

 

呟く頃にピニャは気まずそうな雰囲気を出して、心の中ではかなり焦っていた。

 

「(不味い…!このままでは帝国の未来が…!)…こうなれば妾が直接身体を差し出す!」

 

『『『えっ!!?』』』

 

ピニャの言葉に健二達は思わず驚く、先ほどのボーゼスの様子にピニャは同じように身体を差し出して許しを問うと考えている事に健二達は驚かない筈がないからだ。

その事にすぐ健二は手を横に振る。

 

「いやいや!我々はそんなの良いですから!それに───」

 

「そうです!!リーダーにそんな真似は絶対にさせません!!!」

 

「絶対にさせません!!!」

 

っとアシェリーとアルティアは大声でピニャに怒鳴る風に言い、それには健二達だけでなく、伊丹達もその事に驚いていた。

 

アシェリーとアルティアの様子に気付いたカレンはこっそり『なるほどね』っと呟いた。

 

「あ…、そ…そうか…、すまないアンドウ殿、イタミ殿。少しばかりこう…」

 

「い、いえ…」

 

伊丹は苦笑いしながらいい、そしてピニャは少し息を吸ってため息をする。

 

「はぁ…、しかしこの始末…どうしてくれよう…」

 

ピニャは考えてる中で富田が話す。

 

「あの…我々は隊長と大尉を連れて帰りますので。そちらの方は…そちらで」

 

そうボーゼスを見て言う富田。その富田の言葉をレレイが通訳する。

 

「勝手に決めてよい。と」

 

「なっ!そ!それは困る!! そ!そうだ!!朝食を一緒に取ろう!そうすれば考えも!」

 

っとピニャがそう言った時に倉田が手を上げて言う。

 

「申し出は嬉しいのですが…、伊丹隊長…国会から参考人招致が掛かってまして…」

 

「ん?伊丹、お前国会に参考人招致がかかってるのか?」

 

「えっ?はい…」

 

伊丹の言葉を聞いて、健二は少しばかりため息を付く。国会に参考人招致が掛かっていたとなれば話は大体想像がつくからだ。

それにピニャは頭を傾げ、それをレレイがまた通訳する。

 

「イタミは元老院に報告を求められている」

 

「元老院!!?」

 

「だから、急ぎ戻らなくてはならない」

 

レレイの言葉を聞き、ピニャは健二や伊丹達の方を見る。

そして想像する、国会でこの事を話し、帝国が攻撃されてしまう末路を…。

 

「(ニホンの元老院に…報告? と言う事は…つまり。この男たちの言葉で…ジエイタイやユーエヌエスシー達が動く可能性が…!!?)」

 

そう想像したピニャはすぐに問いかける。

 

「ま!待ってくれ!!!」

 

それに健二達は振り向いてピニャを見る。

ピニャは拳を握りしめて、そして考えを決めて言う。

 

「では…妾も!…では妾もアルヌスへ同道させて貰おう!」

 

「えっ?」

 

「それはつまり謝罪の事で?」

 

健二はピニャが付いてくる理由を問い、それにピニャは頷いて言う。

 

「そうだ、此度の協定違反、上位の指揮官に正式に謝罪しておきたい、よろしいな?アンドウ殿、イタミ殿」

 

「ええ~~!?」

 

伊丹はその事に驚き、健二はそれに黙り込みピニャの目を見る、彼女の意思は強く、聞かないと感じた健二は言う。

 

「…分かりました、ではその様にしましょう」

 

「えっ?!」

 

「助かるアンドウ殿」

 

ピニャは健二の計らいに感謝の言葉を言う。

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

早朝、健二達は付近で待機していたビックマンモスを呼び、イタリカの門前まで来させ、ハッチを開かせて待機していた。

 

アルヌスへ向かうメンバーはピニャとボーゼスの二人、今回の詫びの為にボーゼスも同行する事となり、ハミルトンはイタリカで残る事となった。

 

「では頼むぞハミルトン」

 

「はい、姫様」

 

「殿下」

 

ボーゼスがピニャに問い、ピニャはハッチを開けているビックマンモスを見て、そして足を踏み入れて入り、ボーゼスも後に続く。

アシェリーが二人を案内させ、倉田が上部の手すりで城壁上にいるペルシア達に手を振っていた。

 

「ペルシアさ~ん!また来ますね~!」

 

「お待ちしておりますニャ~♪」

 

その事に倉田は大いに喜んでいて、近くに居たジャクソンとランドックは呆れる。

 

「やれやれ…」

 

「オタクって奴はよ…」

 

そして健二達はピニャ達の様子を見て、付いてくる感じに伊丹は呟く。

 

「姫様、本気で付いてくるみたいっすね」

 

「帝国の皇女様だからな、協定違反の事を黙っている訳にも行かないからな」

 

そう健二は伊丹に言い、富田が健二に報告する。

 

「安藤大尉、UNSC軍のオルブ司令官より連絡です、『承知した、受け入れを許可する』と」

 

「分かった、到着時間を伝えておいてくれ」

 

「了解」

 

富田は頷き、すぐに返事を返して、すぐに伊丹に檜垣からの伝言を伝える。

そして健二はビックマンモスの操縦席に居る兵士に無線で伝える。

 

「ビックマンモス発進だ!」

 

『了解』

 

するとビックマンモスは動き出し、その中でじっとしているピニャ達は動き出した事に戸惑いを隠せない。

特にボーゼスがかなり戸惑っていた。

 

「………」

 

ピニャは黙ったままジッとする事にし、ビックマンモスはアルヌスへと向かう。

 

 

 

そして数分後、ビックマンモスはアルヌス付近へと近づき、健二達はピニャ達を連れて外に出る。

するとボーゼスが気付き、ピニャに呼びかける。

 

「殿下!アルヌスです!!」

 

「何!?もう着いたのか?!」

 

ピニャはたった数分でアルヌスに到着した事に驚き、前まで行き、アルヌスを見渡すのだった。

するとピニャの目にある物が映る。

 

「はっ!?」

 

それは上空にVTOLホーネットがUH-1Jやコブラの連隊を連れて飛行して行き、そして地上ではUNSC軍の海兵隊が自衛隊にUNSCの装備の中で旧式の一つ『MA37アサルトライフル』を貸して。

自衛隊はそれを使い、射撃訓練を行っていた。射撃の際に見やすい様、本体に標準機を取り付けていて、狙いを定めて撃っている。

 

ピニャはその光景を見ていて、すぐに健二達に問う。

 

「おい!ジエイタイやユーエヌエスシー達は皆魔導士なのか?!」

 

「いや、あれは銃と言う物で、別に意味で小銃と呼ばれる武器だ」

 

「武器…だと!?」

 

健二の言葉にピニャは驚き、健二は頷いて言い続ける。

 

「ああ、簡単に言うと鉛の弾に火薬を包んだ筒に詰めて、そこに仕掛けてある発火材に点火させて放つ仕組みなんだ」

 

「それを全ての兵士に持たせてるのか!?」

 

「はい、我々UNSC軍は自衛隊と同じ様に今の戦い方を工夫して保っています」

 

アシェリーの説明を聞き、ピニャは黙ってしまった、そして感じた…。

 

 

戦い方が…根本的に違う…っと

 

 

ピニャが驚いてる中で健二がアシェリー達に問いかける。

 

「ところで何でMA37を自衛隊に渡してるんだ? 旧式でもあれは彼らに取って最新式だぞ?」

 

「それは私達もわかりません、でももしかしたら司令が知ってるのかも」

 

っとアシェリーの言葉に健二は少しばかりため息を付く。

 

そしてピニャとボーゼスはまたしても驚く物を見てしまう、反対側では自衛隊の74式戦車とUNSC軍の『M808B スコーピオン』と『重装甲戦車 グリズリー』が共に砲撃訓練を行っていた。

 

「鉄の天馬…鉄の像! まさに異世界からの怪物だ!」

 

すると急に薄暗くなって、それにピニャとボーゼスは思わず空を見て、そして目を大きく開けて驚いた。

 

それはUNSC軍のパリ級重フリーゲート艦『UNSC アンバーブロー』とオータム級重巡洋艦『UNSC クアンタム』が上空を飛んでいた。

ピニャは震えながらその光景に目を奪われていた。

 

「て…鉄の…箱舟?!」

 

その光景に伊丹達もくぎ付けとなっていた。

 

「すっげぇぇぇ…、近くでみると迫力」

 

「隊長、こればかりは同感です」

 

っと栗林が伊丹の言葉に珍しく賛同した。

 

健二はようやく巡洋艦とフリゲート艦が投入して来た事に呟いた。

 

「ようやく投入かよ…、遅いぜ」

 

「全くです。あれが在ったらあの炎龍だって倒せますのに」

 

そう健二とアシェリーは呟いて、ビックマンモスはまず自衛隊から謝罪する為、自衛隊アルヌス駐屯地へと向かった。

 


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