ゲートの世界にHALOの軍隊が出現したら…   作:ライダーGX

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第14話 早すぎる条約破り

イタリカ付近にてラプターチームと第3偵察隊が捕まった健二と伊丹の救出に来ており、その様子を夜になって見ていた。

栗林が双眼鏡を置いて呟く。

 

「隊長…もう死んでたりして」

 

「縁起でもない事言わないでくださいよ」

 

倉田が冗談でもない事を栗林に注意し、それを栗林は気にしない。

 

「だって連れていかれる途中、あの人だけ随分と酷い目に合ってるじゃない」

 

「まあ、リーダーと違ってあいつはただ防弾ベストとヘルメットを被っているだけの生身だからな」

 

っとブライアンがヘルメットの双眼鏡を覗きながら言い、アシェリーは双眼鏡を置いて皆に言う。

 

「とにかくもう少し様子を見ます。その間に皆さん準備をお願いします」

 

アシェリーはそう言って皆に言い、皆は頷いて準備を始める。

 

救出チームはアシェリー、ブライアン、レックス、カイル、ビル、カレンの六人で、第3偵察隊は栗林、富田、倉田、笹川、勝本の五人で向かう事となり。

それに同行するテュカ、レレイ、ロゥリィ、アルティアの四人が来ることとなった。

 

準備をする中で栗林がアシェリーに健二の事を問う。

 

「あの、大尉は大丈夫なんですか? 隊長の様に───」

 

「それはありません。リーダーが着ているGEN2アーマーは剣を刺す所か傷を入れるすら苦労する程の頑丈なアーマーです」

 

「おまけにあれを引きずって行ったあいつ等の方が、かなりの疲れがたまってると思うぜ、何せアーマーの重量は500㎏はあるからな」

 

「なっ!!?」

 

その事を聞いた栗林は驚いた、車両の半分もある重さのアーマーを健二達は何も感じない仕草を見せずに動いていた事に驚かない人は必ずいない。

栗林がそれに唖然とする中で倉田が呟く。

 

「隊長~。無事で居て下さいよ~、そうでないと俺、猫耳娘の話を誰にするんですか~?」

 

っとつまらない事を言う倉田にアシェリーはクスクスと笑うのだった。

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

そして場所は変わってフォルマル伯爵の屋敷。

そこではピニャが…。

 

「なんてことをしてくれたんだ!!!」

 

コンッ!

 

ボーゼスの額にピニャのコップが投げ込まれて当たり、額から血が薄らと流れ落ちる。

 

「え…?」

 

突然の行動に唖然とするボーゼス、ピニャは息を荒くしながらボーゼス達を睨みつける。

 

「貴様等…!」

 

その事にボーゼスは崩れ落ち、隣に居るパナシュがすぐさまハンカチでボーゼスの額に当てる。

 

「姫様!我々が何をしたと言うのですか?!」

 

「分からんのか!」

 

ピニャの怒りに震えるボーゼスとパナシュ、そしてピニャ苦難な表情で横の方を見ると。何ともない状態で座っている健二の隣でボコボコにされてしまった伊丹が居た。一方その近くで完全に疲れ切っている騎士団の姿もあった。

その理由は健二を連れて行く際に、あまりのアーマーの重さに引っ張るのがかなり苦労したらしく、最終的には馬の力を借りて連れて行ったらしいが、それでも疲れたらしい。

 

ハミルトンは伊丹を揺さぶって話しかけていた。

 

「イタミ殿!イタミ殿!」

 

全く返事のない伊丹にハミルトンは隣に居る健二に話しかける。

 

「あのアンドウ殿!イタミ殿は!」

 

「心配ないよ、気を失ってるだけ、しばらくしたら目を覚ますと思うよ。さて…」

 

健二は立ち上がって腕に縛られた縄を簡単に解き、ピニャの前までやって来てヘルメットを取る。

 

「姫さん、この場合はどうする?決めるのは貴方だけど?」

 

「っ…」

 

ピニャはその事に言葉を詰まらせ、そう言い残した健二はその場を立ち去り、伊丹を連れて行くメイドの後を付いて行き、立ち去った後にピニャは頭を抱える。

 

「…はぁ、結んだその日に協定破りとは…」

 

近くに居たグレイがピニャの側に近寄り、今の状況を見て話す。

 

「これを口実に戦争を吹っ掛ける、帝国の常套手段ではありますが、彼らが同じことをしないとは限りませんな」

 

「そうなれば滅ぶのは我らだ…」

 

ピニャは恐れていた、UNSC軍と自衛隊がもし帝国に牙を向けたとなったら確実に敗北は決定している。それを先の戦いで分かっていて、それをどうするか恐れていた。

 

「ですが幸い此度には死人が出ておりません。ここは素直に謝罪されてはいかがでしょうか?」

 

グレイの言葉にピニャは頭を上げて言う。

 

「妾に頭を下げろと言うのか!?」

 

「で!ですが姫様! もし戦うとなれば勝てるのですか?!彼らに!」

 

ハミルトンの言葉にピニャは言葉をつまされてしまう。

どう考えても勝つ方法は何処にも見つからないからだ…。

 

 

そしてイタリカ付近のラプターチームと第3偵察隊の方では…。

 

「…今!何つったの!?」

 

栗林が信じられない表情をしながら聞き直し、それを倉田が言う。

 

「ですから隊長なら大丈夫だって…?」

 

「その後よ!その後!!」

 

「ああ見えて隊長《レンジャー持ち》だからな」

 

富田の言葉に栗林は驚いた、陸上自衛隊の名誉であるレンジャー勲章をオタク自衛官である伊丹が持っている事がとても信じられなかったからだ。

栗林はその場に倒れた。

 

「そんなのあり得な~い!勘弁してよ~!」

 

「イタミがレンジャーと言うの持ってたら…いけない?」

 

近くにいたレレイがその事を問い掛け、栗林は今だに信じられない表情で話す。

 

「だってキャラじゃないのよね~! 地獄の様な訓練課程をくぐり抜けて、鋼の様に強靭な肉体と精神でどんな過酷な任務でも遂行する!それがレンジャー!あんな人には似合わない物なのよ!!」

 

栗林の話を聞いて、テュカとアルティアは見合って思わず笑い、ロゥリィも笑いながら伊丹のレンジャーの話を重ねる。

 

「イタミが精強の戦士~?」

 

「人間見た目だけじゃあ分からない物ですよ」

 

っとその事に栗林は起き上がってアシェリーの方を向き、アシェリーはサイレンサー付きのMA5Dを持って立ち上がる。

 

「どんな人でも見た目だけじゃないですからね」

 

「ああ、あいつをオタク目しか見てないお前じゃあ無理ないな」

 

ブライアンの言葉に栗林は思わず機嫌を悪くし、64式小銃を持って立ち上がる。

 

「すいませんね!見た目だけの女で!」

 

プイっと明後日の方向を向く栗林に皆は思わず笑いを堪える。

 

「ふふふ…、さて皆さん、そろそろ行きます。ブライアン、カレンさん。先頭をお願いします、後方をレックスが」

 

「ああ、分かった」

 

「了解だよアシェリー」

 

「了解」

 

アシェリーの命令を受けてブライアンとカレンは先頭に立ち、後方をレックスがカバーして皆前に進む。

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

イタリカの門付近まで来たアシェリー達。ブライアンはすぐさま索敵を開始する。

 

「門の近くに数人…城壁上に数人か…。数は多くないが少し目立つな」

 

「さてどうするかね」

 

ブライアンとレックスが考えている中で、レレイ達が前に出て進む。

それに二人は見て慌てる。

 

「ちょ!おい!」

 

「待て!」

 

「大丈夫、此処で待ってて」

 

アルティアはそう言ってレレイ達と共に生き、それにブライアンとレックスは見合う。

 

「良いのかよ?」

 

「俺に聞かれても…」

 

そう呟くしかなかった二人。

 

そしてイタリカ城門では、騎士団に命令されたいた民兵が文句を言っていた。

 

「くそっ!帝国の騎士団だか知らんが威張りやがって!盗賊と戦ってねぇのによ!」

 

「よせよ、上の帝国兵に聞こえるぞ?」

 

「構うかよ! ん?使徒様たちじゃねぇか?」

 

一人の民兵がレレイ達の姿を見て気付き、テュカが民兵に手を振る。

 

そしてテュカとアルティアは城壁上に上がって、眠りの呪文を唱え、その精霊魔法が付近の帝国兵たちを眠らせた。

テュカはすぐに松明で合図を送り、それを見たアシェリー達は動く。

 

「凄いですね…。行きます」

 

「魔法で眠らすとはな…」

 

ブライアンは呟きながらもカレンと共に先頭に立ち、周囲を警戒しながら屋敷へと向かった。

 

 

 

そして屋敷内で健二は伊丹が回復するのを待っていた時に伊丹が目を覚ます。

 

「っ…?」

 

「お目覚めですかご主人さま」

 

「えっ?」

 

突然のメイドにご主人様と呼ばれた事にに思わず驚く伊丹、健二は伊丹が起きた事に振り向く。

 

「おう起きた?」

 

「あ、大尉…此処は?」

 

「フォルマル伯爵の屋敷だ。俺達はまたイタリカに戻ったみたいだぜ」

 

「そう…すか」

 

伊丹はその事を聞いて身体を休めてると、横に猫耳メイドが水を入れているのを見て驚く。

 

「ね!猫耳」

 

「ん?どうされましたかニャ?」

 

猫耳メイドが振り向いて問いかけ、それに伊丹は慌てる。

 

「いや状況はどうなのかなって…」

 

「ああ、それなら心配ないぜ、俺達を連行して来た騎士団の連中は姫さんがお叱り中らしい」

 

「えっ?」

 

伊丹は健二の言葉に耳を傾け、それにメイド長がやって来る。

 

「その通りですよイタミ様、アンドウ様とイタミ様には最高のおもてなしをするよう我ら一同、ピニャ様に命じられております。この度はこの街をお救い下さり、誠にありがとうございました」

 

メイド長が頭を下げると同時にメイドたちも同じ様に頭を下げる。

 

「あ…いや、どうも」

 

「いいですよ、俺達は当然の事をしたまでです」

 

健二はそうメイド長達に言い、メイド長は頭をさげながら言い続ける。

 

「イタリカをお救い下さった恩人に対してこのような仕打ち、もし制裁としてこの街を攻め滅ぼすと言うのであれば力を貸す所存、ミュイ様だけには矛先を向けぬよう、伏してお願い申し上げます」

 

「心配しないでください。俺達はそんな事は一切しません」

 

「そ、そうですよ。ですから安心して下さい」

 

「有難きお言葉、誠にありがとうございます。ではイタミ様が回復されるまで、この四名が身の回りをお世話をします。アンドウ様もどうぞ遠慮なさらずにお申しつけ下さい」

 

っとその事にメイド四人がスカートを上げ広げてお辞儀をする。

 

「「「「ご主人様、よろしくお願いします」」」」

 

「は…はい♪」

 

「(これは…男にしてはちょっと嬉しいかも…♪)」

 

っと健二と伊丹は可愛らしいメイド達のお世話に浮かれ気分になって行った。

 


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