ゲートの世界にHALOの軍隊が出現したら…   作:ライダーGX

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お待たせしました、ゲート10話です。


第10話 戦闘準備

イタリカで盗賊と戦っていた帝国第三皇女ピニャは戸惑っていた。

突如現れた精霊種エルフ二人とリンドン派の正魔導師に死神ロゥリィ、そして謎の部隊とオークの様な鎧を着た男がやって来たのだ。

 

当然この事にピニャは戸惑わない筈がない、そんな中で健二はヘルメットを取ってピニャに町の事情を聞く。

 

「すまない、一体何があったか教えてくれないか?」

 

「え、えっと…」

 

ピニャはその事に言葉を詰まらせる中、テュカに顔を水でぶっかけかれた伊丹はロゥリィに膝枕をされていて目を覚ます。

それにロゥリィが伊丹の顔を近くで見る。

 

「あら~、気が付いたみたいね」

 

っと伊丹は思わず起き上がる。

 

「うわっ!?」

 

「リーダー、伊丹二尉が起きました」

 

アシェリーの言葉に健二は振り向き、伊丹の方を向く。

 

「おう、起きたか」

 

「ここは…?」

 

「イタリカの門の中です、後皆さんの方には私が連絡しました」

 

アシェリーの言葉に伊丹は納得して、伊丹は健二に問う。

 

「あの大尉、この街の状況は…?」

 

「今聞く所だ、それで一体何があった?」

 

健二がピニャにその事を聞き、少々戸惑っているピニャに対し、ハミルトンが前に出る。

 

「お前たち!帝国第三皇女ピニャ・コ・ラーダ殿下に対して非礼であろう!!」

 

その事を聞いた健二と伊丹達。

 

「えっ…?」

 

「皇女…?」

 

伊丹達はその事に思わず驚きを隠せず、健二とアシェリーはその事に顔を見合うのだった。

 

そして伊丹達は屋敷の中に入り、ピニャ達の説明を聞きながら案内される。

 

「此処イタリカはテッサリア街道とアッピア街道の交点に位置する、交易上の重要な城塞都市だ。代々貴族であるフォルマル伯爵家が収めて来たのだが、先代が急死した為に残された三姉妹の間で後継者争いが起きてしまった。

長女と次女は既に他家に嫁いでいたのだが、正統な後継者である三女のミュイの後継人の座を巡って対立したのだ」

 

「…どの世界も変わらんな、その事には」

 

「ですね…」

 

「何処の世界でもあるんだな、そう言うの」

 

っと伊丹の言葉にレレイが問う。

 

「イタミ、彼女が言っている事が分かるのか?」

 

「?…ああ、所々分からない単語もあるんだけど…大体は、頭打ったからかな?」

 

「耳が言葉に慣れて来たんだろう」

 

伊丹が考える事に健二が答え、伊丹は健二の方を向いて見る。

 

「え?」

 

「分からないか? 長い間この世界に居るんだ。耳が言葉に慣れない筈はないさ」

 

「…そんな物でしょうかね」

 

伊丹はその事に今一度これず。そう言ってる中でピニャはある事を言う。

 

「そこへ帝国によって異世界出兵が行われた」

 

ピニャの言葉に伊丹は思わず息を飲み、健二はそれに耳を向く。

 

「各家共、当主が兵を率いて参戦する事が求められた。しかし誰も帰って来なかった、結果イタリカの治安は急激に悪化、今や街を守るのも困難な状態になっている」

 

そう言ってるとピニャは扉の前に止まり振り向く。

 

「この扉の向こうにいらっしゃるのがイタリカの現当主、フォルマル伯爵皇女ミュイ殿だ」

 

ピニャが扉を開けて入り、健二達も入るとそこにはまだ若い少女の姿があった。

それに伊丹達は思わず唖然とする。

 

「子供…?」

 

「確か皇女は、今年で11歳の筈」

 

レレイの言う通り、まだミュイは11歳の子供である。その隣のピニャが来て再び説明する。

 

「いかに当主と言えど、ミュイ殿に軍を引き入れろ等の事は酷な話だ。そこで妾が代わりに指揮を取っていると言う訳だ」

 

「成程…」

 

伊丹は納得し、健二はただ黙っていた。

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

そして健二達はある程度自己紹介をして、ピニャ達は「タイイ?ニトウリクイ?」と言う単語に頭を傾げるが、すぐに気持ちを切り替えて話を聞く。

 

会話を初めて数分後…。

 

「ではお前たちは妾達に力を貸すと言うのだな」

 

「ああ、この状態では龍の鱗を売る所でもないしな」

 

健二はそう言ってピニャに言い、それにピニャは承知する。

 

「…良いだろう、お前たちは先ほどの戦闘で破壊された南門の守備を任せる。良いか?」

 

「分かった…アシェリー」

 

「はい」

 

アシェリーはすぐさま皆に通信を入れて、それにブライアンはアシェリーの内容を聞いて頷く。

 

「分かった、おい皆!門内に入るぞ!」

 

ブライアンは皆に通信で話し、それに皆は従って進み、門内へと入って行った。

 

皆が車から降りている様子を街の人々は目がくぎ付けとなる、それを上から見ていたピニャ達。

 

「あれが噂の緑の人と黒の人ですか。炎龍を倒したっと言う」

 

「…の様だな」

 

「けど姫様、良いんですか?あんな連中入れてしまって?」

 

ハミルトンは城内に入れた事にやや不安を隠しきれずに問い、それにはピニャは言う。

 

「贅沢を言える状況ではないからな、使える物はなんでも使うまでだ」

 

そう言ってその場を去り、ハミルトンもピニャの後を付いて行く。

 

そんな中で健二はピニャの作戦に少々考えていた。そこにアシェリーがやって来て問う。

 

「どうしましたか?」

 

「この配備、姫さんの配置が単純過ぎてな…、相手がやすやすと俺達の所に来るかどうか少し考えてな、そこであの姫さんに内緒でSPARTANを三組に分かれさせる」

 

「それは納得だなリーダー、っでどうするんだ?」

 

ブライアンが健二の元にやって来て、健二は言う。

 

「まず俺とブライアンが南門に残り、レックスとランドックが西門を守り、ジャクソンとカレンは東門を守るんだ、ODST達はこのまま南門に残らせる。良いな」

 

「了解です」

 

「了解だリーダー」

 

アシェリーとブライアンはそれに承知して皆に伝えに行き、健二は現在通信を行っている伊丹の方に向かう。

近くによると何やら上司がご機嫌斜めの様子だった。

 

『今日は帰れないだと?!どう言う事だ伊丹~!!!』

 

「いや~どうも戦闘に巻き込まれたみたいで…」

 

苦笑いをする伊丹に対し、上司の檜垣三佐が再び怒鳴って来る。

 

『何を他人事の様に言っている!!肝心の参考人招致はどうするつもりだ!!?』

 

「ですよね…。…そこで少しお願いがあるんですが」

 

伊丹が上司の檜垣三佐に話し、それに健二は黙って聞いていて、少しばかり考えた。

そして話を終えて伊丹が車から降りて、健二が問う。

 

「増援を呼んだのか」

 

「はい…って、分かるんですか」

 

「まあな、それで?」

 

「はい、夜明け前には到着するとの事で」

 

それを聞いた健二は街の様子を見て、どの状況なのかを感じ取り、健二はキャリゲーターの方に向かい無線機を取る。

 

「こちらラプター1、ビックマンモス聞こえるか?」

 

『はい聞こえます。どうしましたか?』

 

「ああ、実はな…」

 

っと健二はある事を頼み込むのだった。

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

夕暮れの日、健二達は城壁上で敵の偵察隊らしき人影を見つける。

 

「居たな…見えるか」

 

「はい、斥候の様ですね…、後方に本体も居ます、数は…500か600ですね」

 

健二が言った言葉に桑原が言う。

その後に伊丹が呟く。

 

「狙いはこの南門かな?」

 

「そうですね、包囲するには敵の数が少なすぎます。切りだった崖に面している北側は除くとして、残る三方の何処かに戦力を集中させてくるはずです。しかしそれ以上に気になるのは…」

 

「ああ、分かってる」

 

健二はヘルメットを外し、壁にもたれながら言う。

 

「俺達は囮、一度は突破された南門を守るのは四人のSPARTANを除く俺達20名だけ。手薄に見えるのをワザと誘い込み、敵を奥の二次防衛線を決戦上にする気だ…あの姫さんはよ」

 

「まあ相手が上手く乗って来るのを期待するしかないな」

 

ブライアンが斥候部隊を覗きながら言い、健二は頷きながら言う。

 

「そう願うしかない。まあ今の指揮官はあの姫さん、今は言う事を聞いとこう」

 

それに皆は頷いて行動に移り、伊丹はかがり火は要らないと皆に言い、かがり火を片付けに入る。

栗林が伊丹に暗視装置を渡しに来て、それを受け取る伊丹。

 

「ねえ~イタミ、アンドウ」

 

「ん?」

 

健二と伊丹はロゥリィの方を向き、ロゥリィは気になっている事を問う。

 

「どうして敵国の姫様を助けようとするの?」

 

「街の人を守る為さ」

 

「本気で言ってるの?」

 

「そう言う事になってる筈だけど」

 

伊丹はそう言ってヘルメットに暗視装置を付けようとするも中々つかない、それにロゥリィは近寄る。

 

「兜かして、持ってあげるわ」

 

「おうサンキュー」

 

その様子を健二は少し壁にもたれ、伊丹はロゥリィの気にしている事を問う。

 

「理由が気になるか?」

 

「エムロイは戦いの神、人を殺める事を否定しないわ。でもそれだけに動機は重要なの…偽りや欺きは魂を汚す事になるのよ」

 

ロゥリィはそう言って伊丹のヘルメットを被らせる。伊丹はそれに笑みを浮かばせながら言う。

 

「ここの住民を護る為、これは嘘じゃない…けどもう一つ。俺達と喧嘩するより仲良くした方が得だと、あの姫様に理解してもらう為さ」

 

「ふ~ん…アンドウは?」

 

ロゥリィの言葉に健二は少し間を開けさせて、口を開く。

 

「俺達の実力を知らしめる」

 

「え?!」

 

それには伊丹は思わず驚いて振り向く。

 

「あの姫さん、俺達の実力を知らないからな、それを見せる良いチャンスだ。ついでだ伊丹、お前たち自衛隊にも俺達SPARTANの本当の能力を見せてやるよ…」

 

「え…と、マジっすか?」

 

「ああ」

 

伊丹はその言葉に思わず詰まらせてしまうが、ロゥリィはそれに目を輝きさせる。

 

「気に入った…気に入ったわそれ! 『恐怖』!全身を貫く恐怖をあのお姫様の魂魄に刻み込むのね~!」

 

ロゥリィが喜ぶ中で伊丹が思わず否定するのだが、健二は全く否定しなかった、現に合っているからである。

 

「そう言う事なら是非協力させていただくわ、私も久々に狂えそうで楽しみ~♪」

 

「ははは…違うんだけどな」

 

「良いじゃねぇか」

 

健二はそう言って、日が沈むのを待つのだった。

 

 

そして真夜中、警備を厳重にしているイタリカ、各自守備に入っているSPARTAN達、そして東門に異変が起きた。

 

「はっ!」

 

そこを警備しているノーマ達は東門に盗賊達が攻めて来た事にすぐに言う。

 

「敵襲だ!ピニャ殿下に伝令!敵は東門に現れたと伝えるんだ!」

 

「はっ!」

 

すぐにこの事はピニャに伝わり、それを驚きを隠せない。

 

「東門だと!?」

 

「はい!」

 

それにピニャは歯を噛みしめ、南門に居る健二達は東門が荒れてる様子を見て、ロゥリィがご機嫌斜め状態になる。

 

「なんで~!此処に攻めて来るんじゃなかったの~!?」

 

斧を地面に突きながらイラつくロゥリィ、それをアシェリーが時計を見る。

 

「0320、夜襲には絶好のタイミングですね」

 

「元々あいつ等は正規軍だ。その辺は心得ていたんだろう」

 

ブライアンがそう言い、健二が桑原に問う。

 

「桑原曹長、東門からの連絡はあったか?」

 

「今のところは何も」

 

それを聞いた健二は頷いて再び東門の方を見る。

 

「(頼んだぞ…ジャクソン、カレン)」

 

健二は信頼する部下たちを信じて待つのであった。

 


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