ゲートの世界にHALOの軍隊が出現したら…   作:ライダーGX

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第9話 巻き込まれるイタリカ

アルヌス駐屯地FOBから出て、伊丹達と共にイタリカへと目指す健二達、その中でテュカ達は現在乗っているビックマンモスの魅力に驚かされていた。

 

「すっご~い!」

 

「こんな大きな鉄が動くなんてね~」

 

アルティカが興奮して、ロゥリィが感心しながらビックマンモスから見る景色を眺めていた。

そして健二達はビックマンモス内にあるマップを見て確認していた。

 

「今走っているのがテッサリア街道と言う道で…、この先がイタリカか…」

 

健二がマップでイタリアの場所を確認をして、アシェリーがそれに呟く。

 

「随分長い距離ですね?」

 

「これだけ広い大陸だ、広いも当然だろうな」

 

アシェリーの言葉にブライアンがそう付け加えるように言い、健二もそれに納得する様に頷く。

そして桑原がコンパスを出して、マップの上に置いて見る。

 

「この調子で行くと、数分には着きますね…ん?」

 

桑原が近くで見ていたレレイに気付き、コンパスを見せる。

 

「これが気になるのか?」

 

それにレレイは頷き、桑原がそれを説明する。

その様子を倉田が見ていて呟く。

 

「鬼軍曹と呼ばれたおやっさんが、女の子相手に相好崩しちゃってま~」

 

彼の言葉には伊丹もそう思うのであった。

一方の他の隊員たちでは、カレンがジャクソンとランドックの方に向かい、ある物を持ってきた。

 

「ジャクソン、ランドック。あんた等にリーダーからのプレゼントだよ」

 

「ほ~う? 何だ」

 

ジャクソンがカレンの言葉に耳を向き、それにカレンは笑みを浮かばせながらある物を渡す、それは『M247H 重機関銃』とロングバレルと延長ストックを加えたカスタマイズガン『M739 ライトマシンガン改』をジャクソンとランドックに渡す。

それにジャクソンとランドックは笑みを浮かばせながら喜ぶ。

 

「うっほ~!ハニー♪」

 

「やったぜ!」

 

ジャクソンはM247Hを、ランドックはM739を受け取る。

近くに居た富田が問いかける。

 

「あの…何ですかそれは?」

 

「ああ?見て分からねぇか? 鬼に金棒って奴だ」

 

「これがあれば怖いものなしだぜ」

 

そう答える二人に富田は少々引き気味となり、その様子を少し見た健二は呆れる様となる。

 

「(やれやれ…ん?)」

 

健二はある方を見ると、テュカがチラチラと黒川の方を見て、それに黒川が気づいて見る。

テュカはすぐに視線を逸らして、それに黒川は頭を傾げる。

 

「気になるの~?」

 

「うえっ!?」

 

突如テュカの耳元で言うロゥリィの言葉に驚き、それにテュカは少しロゥリィと距離を取る。

 

「ああいう感じが好きなのね?」

 

「ええっ!」

 

ロゥリィのからかいに思わず驚くテュカ。

 

それを聞いていた健二達は呆れる。

 

「何やってんだか…」

 

そう健二が呟いた時にだった。

ビックマンモスを操縦しているUNSC兵が健二達のアナウンスをしてくる。

 

『安藤大尉、外に煙が見えます』

 

っとその事に健二達はすぐにビックマンモスの甲板に出て、外を見ると確かに遠くの先に煙が上がっていた。

健二はすぐにUNSC兵に通信で伝える。

 

「ビックマンモス、止まれ」

 

それにビックマンモスは止まり、健二はアシェリーに問う。

 

「アシェリー、この道は煙の発生源に向かうか?」

 

「と言うよりも、発生源に向かっている感じがします」

 

「本当?…これで立ち上る煙を見るのは二度目だぞ?」

 

聞いた伊丹は少々ため息をつきながらも煙の方を見て、ブライアンが双眼鏡を見ながら呟く。

 

「あの辺りがイタリカの筈だな…」

 

「…どうも嫌な予感しかしねぇな」

 

健二がそう呟き、レレイが双眼鏡を見る。

 

「あれは…煙?」

 

「理由が分かるか?」

 

レレイの言葉に健二は問い、それにレレイは言う。

 

「人の下何か…“カギ”? でも大きすぎ…」

 

「鍵?」

 

「鍵じゃなくて。“火事”って言うのそういう時は」

 

健二の言葉にレレイは『火事?』としっかりとした発音で言い、そして健二はすぐに皆に言う。

 

「全員!ここからは車両で行くぞ。ビックマンモスは此処で待機だ。後周囲を警戒しつつ前進し、対空警戒も怠らないように」

 

『了解」

 

「「「了解!!」」」

 

アシェリー達は了解し、すぐに準備に取り掛かる。

健二はまた煙の発生地の方を見てると、ロゥリィが近くにやって来て。それに健二は見て、伊丹がやって来る。

 

「どうしたロゥリィ?」

 

「ふふふ…」

 

っとロゥリィが舌で唇を舐めて、微笑みがら言う。

 

「血の匂い♪」

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

イタリカ

 

テッサリア街道とアッピア街道の交点に発展した帝国有数の交易都市。しかし前当主と妻が急死した為、フォルマル家の三姉妹の中で後継者争いが起こり、そして結果現当主は三女のミュイがなる事となった。

だがフォルマル家は中々イタリカをまとめる事が出来ず、結果的に治安が急激に悪化したのだ。

 

そして今現在、イタリカは盗賊に襲撃を受けていた。

 

その中で帝国第三皇女のピニャが城壁に居てイタリカの民兵たちの指揮を取っていた。

 

「今だ!中央が崩せるぞ!押し出すのだ!!!」

 

ピニャの指示にすぐに実行する民兵達、その様子を盗賊の首領が表情を崩す。

 

「くそっ!引け!!」

 

それに盗賊達は撤退を始め、ピニャはそれに一息をついてハミルトン達の安否を確認する。

 

「ノーマ!ハミルトン! 怪我はないか!?」

 

ピニャの言葉にハミルトンとノーマは答える。

 

「何とか生きてま~す!」

 

「何とか…」

 

それを聞いたピニャは頷いて下に降りて、下に居たグレイが問う。

 

「白状ですな姫様、小管の心配はしてくれぬのですか?」

 

「貴様は無事に決まってるだろ。グレイ」

 

その事にグレイは思わず大笑いをするのであった。

 

 

そしてピニャとハミルトンは一度フォルマル家の屋敷に向かい一休みを取ろうとした。

そんな中でハミルトンはピニャにある事を問う。

 

「姫様…私達何でこんな所で盗賊を相手にしてるんですか?」

 

っとその事を言われたピニャは歯を噛みしめながら振り向く。

 

「仕方ないだろう!フォルマル伯爵寮に大規模な武装集団が来たと聞いて、異世界の軍隊かと思ったのだ! 急いで駆けつけて見ればまさか連合諸王国の敗残兵が盗賊になっているとは…!!」

 

ピニャは連合諸王国の兵士たちはアルヌスから故郷へと帰ったと思ったのだが、その半数以上が盗賊になっていたとは知りもしなかったのだ。

そして舌打ちをして民兵達に叫ぶ。

 

「お前たち!休んでいる暇はないぞ!盗賊共はまた来る! それまでに死体を片付けて柵を補強しろ! 本隊に使いを出した!3日だ!3日耐えれば我が騎士団達が救援に駆けつける!それまで皆頑張ってくれ!」

 

ピニャはそう言って館へとむかう。

しかしその時ピニャは皆が完全に疲れが限界近くになっている事に気が付かなかった。

 

そして屋敷へと到着し、鎧を外して一息を付くピニャ。

そこに一人の執事がそばまでやって来る。

 

「恐れながら…皇女殿下」

 

「何だ?降伏したいのか?」

 

その事を言われた執事はすぐに否定しながら答える。

 

「い!いえ! ただ…戦わずに済む方法はないものかと…」

 

「簡単だ、城門を開ければいい。その代わり全てを失うぞ、男は殺され、女は凌辱にされる。わらわも一人二人ならいざ知れず、50人100人を相手にして正気を保つ自信などないぞ」

 

その事を聞いた執事は何とも言えずとなる。

 

「お戯れを…」

 

「それが嫌なら戦うしかあるまい。戦いは忌むべき物だが、それを避ける事を考えると結局の所、全てを失うがな」

 

「お待たせしました」

 

メイド長がピニャに食事を持って来て、それを渡して、ピニャはそれを食べる。

しかしピニャは何故か不満な表情をする。

 

「う~ん…味も量も物足りんな」

 

「極度に疲労している時、味の濃い物で胃を満たしてはお体に障ります」

 

メイド長の話しの内容にピニャは振り向く。

 

「お前…この戦いの経験があるのか?」

 

「かつてロザの街に住んでいました、今は帝国領ですが」

 

「そうか…」

 

ピニャはそこを聞いてそれ以上何も言わずにする。

そして食事を済ませたピニャは客間で休むことにした。

 

「もし妾が起きなかったら何とする?」

 

「水をぶっかけて叩き起こして差し上げますとも」

 

「上出来だ」

 

そう言い残してピニャは客間に向かい、仮眠を取る事にする。

しかしピニャは不穏な表情を表しながら天上を見ていた。

 

「(正規兵は少数、民兵は勇敢な者から死んでいく。士気は下がる一方…こんな物が妾の初陣だと…。こんな物が…)」

 

そう思いながらピニャは眠りの中でと行った。

 

 

───────────────────────────────────────

 

 

その頃健二達はイタリカに向かう途中で連合諸王国の兵士達の死体の横を通り過ぎる。

健二達はその様子に徐々に警戒心が高まる。

 

「…どうやら戦闘が起きているみたいだな」

 

「ああ、…それよりもリーダー」

 

「ん?何だ」

 

健二はブライアンの方を向き、ブライアンは健二の方を見て問う。

 

「今ヘルメットの音声は外に漏れないから心配はない、…これが初の実戦になるが…、今の気分は?」

 

「………正直分からない。今どんな気分か気持ちか分からないんだ…」

 

「…そうか。それで良いんだ、最初は分からないのが正しいんだよ。最初に問題ないって言う奴は可笑しい奴のパターンだからな」

 

それを聞いた健二は再び前を向いて考える、ドラゴンとの戦闘は別として、今度は人間…果たして健二は戦えるかと思うのをアシェリーが感じていた。

 

「(…健二さん)」

 

アシェリーが思ってる中でブライアンがイタリカの城壁の近くまでやって来る事に報告する。

 

「リーダー、もうすぐ到着するぜ」

 

「了解だ、全車、警戒を厳にしつつ前進するぞ」

 

『『『了解!』』』

 

 

フォルマル伯爵の屋敷

 

客間で寝ているピニャに突如水が掛けられて、それに思わずピニャは慌てて起き上がる。

メイド長が水が入ったバケツを持ってて、隣にグレイが居た。

 

「はっ!何があった!敵か!?」

 

「果たして敵か味方か…兎に角おいで下さい」

 

グレイの言葉にピニャは何が起きてるか分からずにいて、すぐに門の所に向かった。

 

ピニャの目からは驚きの光景が映る。

 

それは六台の『木甲車(ピニャ達から見たらそんな感じ)』が並んでいて、それにピニャは驚く。

 

「何だあれは…?」

 

「も…木甲車ですかね?」

 

「…いや、アレは鉄だ」

 

その事にピニャは少しばかり警戒心を高め、城壁上に居たノーマがその部隊達に向かって叫ぶ。

 

「何者か!敵でないなら姿を見せろ!」

 

 

そして健二達がイタリカの前まで来て、その様子に見ていた。

 

「かなり警戒されてるな」

 

「まあこの車両を見たら警戒するのも無理ないな」

 

「どうします?リーダー」

 

アシェリーの問いに健二は少しばかり考えるも、高機動車にいたレレイ達が降り始めた。

それを見た健二達は思わず伊丹達に連絡を入れる。

 

「おい何やってるんだ?」

 

『レレイがどうも此処に行くとかで聞かなくて!俺もすぐに行きますんで、どうか此処で待っていて下さい!』

 

そう言って伊丹もすぐ高機動車から降りてレレイ達の後を追いかける。

 

「あいつ…、アシェリー、一緒に付いて来い。ブライアンは此処に残り皆の指示を頼む」

 

「了解」

 

ブライアンは了解し、健二とアシェリーはキャリゲーターから降りて伊丹達の後を追いかける。

 

 

レレイ達が降りたのを確認したピニャ。

 

「あの杖…リンドン派の正魔導士か? それにエルフまで…正魔導士と精霊魔法の組み合わせは厄介だな……っ!?」

 

するとピニャはロゥリィの姿を確認したのに思わず驚きを隠せない。

 

「ロゥリィ・マーキュリー!?」

 

「ええっ!!」

 

ハミルトンはその事に驚き、グレイが覗きながら呟く。

 

「あれが噂の死神ロゥリィですか…」

 

「ああ、以前国の採取で見た事がある」

 

「しかしエムロイの使徒が盗賊なんかに加わりますかね?」

 

「あの方なら…っ!!」

 

するとピニャの目にある者が映る。

 

オークの様な巨大で鎧の姿をした者がレレイ達の後を追いかける様に出て来る。

 

「何だあれは…!?」

 

「ひ!姫様…! あれってもしかしたら以前コダ村の住人が言ってたあの兵士達じゃ…?」

 

「まさか…な」

 

ピニャは一度窓を閉じて、後ろを見て、民兵達が待っている様子にピニャは考え込む。

 

「(ええ~い!どうしたらいいのだ!)」

 

っとその時。

 

ドンドンドン!

 

突如扉からノックがかかり、それに驚いたピニャとハミルトンは互いの顔を見合い、そしてピニャはある事を決意する。

 

「ええ~い!こうなれば!」

 

ピニャは扉を閉じている木板を外し始め、それを見たグレイとハミルトン。

 

「姫!」

 

「姫様!」

 

二人の停止を聞かずに勢いに開けるピニャ。

 

「ええーい!!」

 

バタン!!

 

「よく来てくれた!」

 

すると皆は下を向いていて、それにピニャは分からずにいた。そして彼女も同じように下を見ると、伊丹が伸びた状態で倒れていた。

 

「え…もしかして…妾が?」

 

それにレレイ達は頷き、アシェリーはすぐに調べて健二に言う。

 

「リーダー、伊丹二尉完全に伸びちゃってます」

 

「…仕方ない、担ぐ」

 

健二は気絶している伊丹を担ぎ、レレイ達と共に中に入り、アシェリーに皆に通信を入れる様に頼んだ後に健二はピニャに街に何が起きているのかを聞くのだった。

 


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