ブラック・ブレット 紅き守り手   作:フルフル真

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遅れて申し訳有りません(>人<;)

今回も全然話が進みません(^_^;)

どないしよ...


第2話

里見蓮太郎、古畑真莉、天童木更の背後には黒板があった

直上には太陽が、足元には芝生が、そして正面には蓮太郎の苦手な子供がいた...それもうじゃうじゃと

 

左隣を見るとカチコチに緊張した真っ黒セーラー服少女、天童木更が直立不動の体制で口元を引き結んでいる

逆を見ると大きくあくびをして今にも寝そうな黒のシャツにジーパンというラフな格好をしている

 

蓮太郎は覇気のない瞳でもう一度正面を見る

子供達が好奇心を隠そうともせずにこちらを見上げていた

彼らは芝生に直接体育座りをしており、机がわりに渡された長い板切れの上には鉛筆と消しゴム、ノートが広げられている

 

蓮太郎は肘で木更の脇を小突き小声で語りかける

 

「どっちから自己紹介するよ?」

 

「さ、里見くんからお願い、私、緊張で口から心臓が飛び出しちゃいそう」

 

「それはそれで見てみたい気もするが...まぁ良いや、とりあえず蓮太郎、俺から行くわ」

 

木更の声は細かく震えていた、それを見た真莉は面倒くさそうに頭をガシガシと掻き一歩前に出る

 

真莉は子供達の顔を見渡しながら話し始める

 

「よし、今日からお前たちの先生をやることになった、古畑真莉だ、よろしくな」

 

軽く手を挙げ挨拶する真莉だったが子供達は反応を示さずにじっと真莉の方を見つめている

(他にもなんか言えってか...)

 

「ん〜...趣味は特にないな、いや、料理を作るのが趣味?なのか?まぁそんなところだ、一応自己流の戦闘術、及び格闘技も出来る」

 

真莉がそういうもの未だに無言、それを見て何かを悟った真莉ははぁとため息をつく

 

「.....何か質問のある子はいるか?」

 

『ハイハイハイハイハイハイハイハイ!!!!』

 

途端にクラス全員が猛烈な勢いで手を挙げ、そのあまりにも無軌道な元気っぷりに真莉は苦笑し蓮太郎は改めてうげっとした顔をする

空に雲はなく、青空、風はなく航空機が飛行機雲を引きながら通過して、空に轟音をまき散らしている

太陽に掌をかざし、目を細める、3人は東京エリア外周区展第三十九区、青空教室に真莉たちはいた

 

「頑張って下さ〜い、先生方〜〜」

 

ふと、生徒たちのさらに後ろ側から間延びした声が聞こえてくる

蓮太郎は恨みがましい目でそちらを見ると、折りたたみ椅子に腰掛け喜色満面で撞木杖を振り回している男性がいた

 

百六十にも満たない身長、薄く日焼けした肌には苦労を重ねた深いシワが刻まれている

 

外周区のマンホールチルドレンたちの保護者を買って出ている初老の男性で名前は《松崎》と言い蓮太郎は蛭子影胤テロ事件の際、延珠共々世話になっていた

 

真莉もこの男性とは面識があるようであった時にはお互いにお久しぶりと話をしていた

 

蓮太郎はなぜ自分たちなのだろうと思いながら首を傾け、生徒たちの中に混じってニコニコと手を振ってくる藍原延珠に視線を向けた

隣のティナ・スプラウトは大胆にもホームルームの時間から机に突っ伏して寝ていた

 

それをなんとか起こそうと必死に揺すっているアカネは大変そうだった

 

『里見さんと天童さん、古畑さんに外周区の子供達を教えてやってほしいのです』

 

延珠たちを外周区の小学校に入学させて数日経って

突然松崎からそう切り出された

提案を受けた直後、3人は困惑した

 

「どうして俺たちに先生なんてやらせようと思ったんだよ?」

 

松崎は笑顔を崩さない

「いえね、私ほどの老骨になると教え方がいまいち古くなっていけません、新しい風を入れたいんですよ

ご覧の通り新しい先生は外周区には来ないし、ウチは半分ボランティアの形で運営されている吹けば飛ぶような学校です

現役の学生さんである里見さんたちにぜひ教鞭を摂っていただけないかと」

 

木更の眉が八の字にして手をこまねいてしまう

 

「私たちだって学校があるわ」

 

「まぁ確かにな、俺的にはあの場所は行かなくても良いんだが....あいつらが良しとしねぇだろうしな」

 

「はい、ですので土日の空いている時間だけでも、何卒お願いできないでしょうか?」

 

3人は困惑して顔を見合わせた

 

 

 

『『『ハイハイハイハイハイハイハイハイ!!!!』』』

 

かまびすしい声に我に帰る蓮太郎、少女たちの剣山のような挙手攻勢がまだ続いており真莉がそれに答えていた、見るからに疲労が見えていた

 

二十人からなる女生徒たちの服はボロボロでいつ風呂に入ったともしれない汚い身なりをしている

それも当然で生徒は皆、外周区に捨てられた『呪われた子供たち』と呼ばれる女児なのだから

 

真莉が女児たちのパワーに若干ながら押されていると横から蓮太郎が出てくる

 

「よし!ガキども!俺は里見蓮太郎だ!俺がなんでも答えてやるよ...じゃあまずはそこ!」

 

「はい!先生!先生は延珠ちゃんと結婚を前提に同棲してるって本当ですか?」

 

いきなりヘビー級もびっくりなパンチが飛んできて蓮太郎は呻く、その隙に

 

「おう、そうだぞ、こいつは延珠と結婚秒読み状態だ」

 

真莉のまさかのフレンドリーファイアで女生徒たちは更にテンションが跳ね上がる

 

「待て待て!真莉!テメェ何言ってやがる!んなわけねぇだろ!居候だ居候!....ったく、はい、次!」

 

「里見先生って呼べば良いんですか?蓮太郎先生って呼べば良いんですか?」

 

蓮太郎はなんだそんなことかとほっとしながら蓮太郎は顔の前でさっと手を振る

 

「まぁ、好きに呼んでくれ」

 

「変態!」

「ロリコン!」

「不幸顔!」

 

「ぶっ飛ばすぞテメェら!!」

 

そんなやかましく騒がしい時間はだんだんと過ぎて行くのであった


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