ブラック・ブレット 紅き守り手   作:フルフル真

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遅くなりましたね...見てくれてる方いるんすよね...いつもありがとうございます!

なんとか更新を早めたいのですが難しいです(汗)

多分次、もしくはその次あたりでこの長ったらしいお話は終わると思います!


第32話

 

 

真莉は和眞に突っ込む、和眞は冷静に真莉の攻撃をかわす

何度か同じ応酬を繰り返しお互いに距離を取る

 

「....真莉、諦めろ、お前では俺には勝てない、分かっているだろう?」

 

和眞は優しげな顔をしながら真莉に問う

それはまるでわがままを言う子供をあやす様な声質で言った、和眞にとってはこの戦いなどは取るに足らない小さな親子喧嘩の様なものなのかも知れない

 

「.....確かにお前は強い...今の俺じゃ勝てるかもわからない...」

 

真莉から漏れたのは今までの様な強気な発言ではなく、弱気な発言であった

和眞はそれを聞きホッと軽く息を吐く、しかしすぐに警戒を強めた

 

何故なら、真莉の言葉とは裏腹に真莉の眼には未だ戦意はなくなっておらず、さらにギラギラと輝いていたからだった

 

(不思議だな、勝ち目は薄いのに.....)

 

《負ける気がしないのかな?》

 

(キャンサーか....何でだろうな、一対一になったからか...それとも何か別の事があるのか....ともかく、思ってたよりはやれそうだ)

 

《そっか、いつでもボクの力を使うといい、ボクはいつでも君の味方だ、君が勝つことを信じているよ〜》

 

(おう、ここまでしてもらっておいて負けるわけにはいかねえよ、ありがとうな)

 

真莉は再び和眞に向かい突撃する、しかし先ほどと違うのはその速度だった、先ほどよりもさらに速く和眞の懐に接近し、和眞の鳩尾目掛けて掌底を放つ

 

しかし和眞はそれを予期していたかの様に半歩後ろにズレる

 

「《閃空打》(せんくうだ)!」

 

真莉の攻撃は確かに和眞に当たりはしたが先ほどと同じくインパクトの瞬間に後ろに飛ばれ衝撃を全て流されてしまう

 

「確かにお前は速い、俺ですらほんの数瞬遅れてしまうほどにな...だがそれだけだ、たかだか少し速いだけで俺には勝てん」

 

(まだだ....もっと、もっと速く....もっともっと、深く...)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(もっと......深く!!)

 

真莉の眼は....狩りをする狩人の様に変わった

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

「ヒヒヒ、なかなか頑張ったじゃないか、小さな少女よ」

 

なんで...なんでこいつがここにいるの....だめ、こいつをお兄ちゃんに近付けたらだめ...っぅぅ、足が動かない.....なんでこんな時に....

 

「おや?ふむ....安心するといい、私たちがここに来たのは彼には関係ないよ、安心してくれていい」

 

信じられるか、お前はお兄ちゃんの敵なんだ...絶対に信じない!

 

「パパァ!こいつおかしい!切っても切ってもすぐに治っちゃう!」

 

ってかあの子....小比奈ちゃんだったっけ?がずっと切ってるけどこの人なんで何もしないんだろう....

 

「ふむ、君はここでゆっくりするといい、あとは我々に任せておきなさい....小比奈、下がれ」

 

この男....蛭子影胤が前で姿形が異形化したあの男の子と超速の接近戦を行っていた少女、蛭子影胤の娘の蛭子小比奈に指示した

 

「鳴けソドミー、唄えゴスペル!」

 

両手で持ったお兄ちゃん曰く趣味の悪い?銃をあの男の子に向け連射する....カッコいいと思うんだけどなぁ、あの銃....

 

「....ねぇ、アカネ」

 

私があの銃に思いを馳せていると小比奈ちゃんが話してきた....なんだろう...

 

「もう動けるでしょ、さっさと立って、あの変なの相手だとキツイよ、だから速く立って、立ったらあいつを殺るよ」

 

.....えぇぇぇ、いや、確かに私ももう動けるけど....やるしかないよね

 

「むぅぅ...こう見えても外はともかく内側はボロボロなんだけど.....よし!」

 

でも、そうだよね、確かに敵だったら凄いアレだったけど.....味方だとここまで頼もしい?のはいないのかな....待っててね!お兄ちゃん!このよくわからない変なのを倒したら、すぐに向かうから!!

 

 

 

side out

 

 

 

 

真莉と和眞が戦っている場所から少し離れた廃墟の中に二人の女性がいた、その二人の女性...一人は出るところは出て、腰はキュッと引き締まり女性らしさが出てる女性、古火田榛名

 

そしてもう一人、姿そのものは古火田榛名と似通ってはいるが榛名よりかは女性らしさは若干無く、榛名はストレートな髪をしているがこの少女はポニーテールな少女、榛名の娘でもある古火田家の少女、古火田朱音(あかね)

 

二人はお互いの武器である銃を構えずに抱き合っていた

 

「何処に行っていたの?心配してたのよ?」

 

「ごめんなさい、お母さん....よく分かんない仮面に捕まってたの、でも、もう大丈夫だから」

 

榛名は目に涙を溜めながら抱き合う、朱音は前の戦いで蛭子影胤&小比奈と戦い敗れ、そのまま連れ去られていた

 

榛名は依頼を遂行するのもそうだったが実の娘も心配していた、故に、ここで会えたのは彼女にとっては本当に良かったのだろう

 

 

「それで、なんであそこで邪魔をしたの?」

 

榛名は朱音から離れて問い掛ける、先程、真莉を追い詰めてあと少しで詰みだったところなのだが突如として狙撃されそれを中断、和眞は榛名に様子を見て来いと指示されここの場所に来ていた

 

そこで待っていたのは行方が分からなかった娘の朱音だった

 

「.....うん、今までずっと考えて来たの、私は、何がしたかったのかなって....やっと答えが出たからさ...」

 

朱音は目を伏せ榛名から距離を取る、榛名はか細く「っあ」と囁く

朱音はある程度距離を取り、榛名に向き直り目を開く

 

「っ!?...朱音...」

 

「私は、お兄ちゃんを助けたい、そばで支えてあげたい、だから、それを邪魔するお父さんとお母さんは...邪魔!」

 

朱音の目は決意を秘めた目になり髪は古火田家特有の紅蓮の紅に染まっていた

 

 


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