ブラック・ブレット 紅き守り手   作:フルフル真

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大変長らくお待たせいたしました!!

投稿できず申し訳御座いません!
色々とやる事が多かったり仕事場の人が色々辞めたりと大変でした...

少し更新頻度は上げれるかなと思ってますが何が起こるかわからないので程々で頑張りたいです..,


第23話

翔side

 

弱い

こんなガキがなんでこんな所にいたのか分からない

 

最初こそ確かにこいつの速さに一撃貰ったがそれだけ

俺の敵じゃなかった...やっぱり俺の殺すべき敵は...古火田真莉のみ!!

 

side out

 

 

 

翔は先ほどよりも遥かに濃密な殺意をその目に宿し地面に膝をついている真莉の元へ向かう

 

しかし翔は真莉の方へ向かっていた足が止まる

 

おかしい

翔の脳内にその言葉が降りてきた

かなりの勢いを付けククリナイフで切りつけたのにたかだかあれだけしか『血が出なかった?』

 

翔の脳内にその言葉の次に降りてきたのは

 

『キケン』

 

翔「ッ!?」

 

ッバっとその場から翔は飛ぶ

飛んだ瞬間、翔のいた場所に小さな影が現れ大きな音とともに若干のクレーターを作った

 

ドゴォォン!!

 

 

翔は体勢を立て直し現れた小さな影を見据える

小さな影...アカネは舌をべぇと出してその場でぴょんぴょんと跳ねていた

 

アカネ「む〜...もうちょっとなんだけど...なんで気づいちゃうかなぁ〜」

 

翔「...なんでだ」

 

アカネ「?」

 

何を言っているのか分かっていないアカネは首を傾げた

 

翔「お前は確かに俺が斬った...なのになんで生きてる!」

 

アカネ「え?生きてるもんは生きてるでしょ...何言ってんだか」

 

アカネは両手を広げ小馬鹿にしたかのような仕草を取り相手を挑発した態度を取った

 

翔「このガキ...」

 

アカネ「(あ、意外と沸点?が低いんだ)まぁ簡単だよ、お兄ちゃんからあらかじめ聞いてたからね、それに合わせて少しだけ重心を落としたの...まさかこんな簡単なものにかかるとは思わなかった〜」

 

翔「...殺す」

 

翔はそう一言言い放つとアカネに向かって突進を開始した

走り出した瞬間に両手にククリナイフを持ちアカネの首目掛けて振る

 

アカネは慌てずに翔の動きを見て連続で振るわれるナイフを細かいステップで躱す

何回か交わされたことでイラついてしまったのか翔は大振りになっているのに気付くのが遅れてしまう

 

それを見逃さずにアカネは翔のナイフを避けその隙に翔が手に持つナイフを蹴り飛ばす

 

翔はチッと舌打ちをし距離を取ろうと後ろに飛ぶ

 

アカネ「ここからは私のターンだよ!」

 

翔「ッ!?」

 

翔はある程度距離を取ったはずだったがアカネはその距離を即座に縮める

ほぼゼロ距離まで縮めるとアカネは拳を握る力をさらに増やす

 

アカネ「やぁ!」

 

可愛らしい声とは裏腹に勢いよく振り抜かれた拳を防ごうと翔は残ったもう片方のナイフの腹の部分で防ぐ

しかし防いだと思った瞬間にバキィンと音が鳴り響く

 

翔「な...ッグ!?」

 

持っていたナイフが腹の部分から砕け拳はそのまま翔のお腹の部分に当たり後方に吹き飛ばされる

アカネは自慢の脚力を生かしそれを追撃しに行く

 

ワンバウンドした翔に追いつきクルッと一回転し翔の鳩尾目掛けてかかと落としを当て地面に叩きつけた

 

翔「ッガ!?」

 

翔は地面に沈み込んだ

 

アカネはそれを見てもう上がってこないと確信し少し離れてしまった真莉の元へ走った

 

 

残された翔は焦点の合わない目を空に向け手を伸ばす

 

翔「俺は...もう...」

 

そのまま空に伸びた手は地面に落ちた

辺りに静けさが残された

 

 

 

 

 

 

 

 

 

辺りには銃声や何かがぶつかり合う音が鳴り響く

その戦いはとてつもない速度で行われていた

一般の人ならば影だけが動いて見えるだろう、それ程までに速い戦いとなっている

 

真莉「ォォォォォオオオオオオオ!!」

和眞「ォォォォォオオオオオオオ!!」

 

二人の咆哮とそれに負けないかの如く響く打撃音が辺りには木霊していた

 

お互いの拳は血で溢れており痛々しいものになっている

しかし、それでもどちらかと言えば真莉の方がダメージがデカかった

 

お互いに何十回かも分からないぶつかり合いの後、お互いに距離を取った

 

和眞も多少なりとも息が上がっているが真莉はそれの遥か上を行く程の息切れをしている

汗も尋常ではなく誰が見てもどちらかが優勢かなんかは一目瞭然だった

 

和眞「ふぅ、前回よりも強くなっているな...あまり時間がなかったがなぜそこまで強くなれた?」

 

和眞は呼吸を整え真莉に聞いた

 

真莉「はぁ...はぁ...答える義理はねぇよ...」

 

真莉は息も絶え絶えながらに答える

 

真リ「そんなら...タイケンシテミルカ?」

 

和眞「なんだと?」

 

 

 

 

真莉side

 

強い...比喩なしに本当に強い

こいつは本当に別格だし恐らくこいつはまだ底を見せていない...はは、本当に化け物かよ

 

だがまぁ、大分目も慣れたし呼吸も掴めた...アカネがあいつを引き離してくれたからかなりやり易いしな...

 

あとは...どこまで持つか...だな

 

 

(本当にやるのかい?)

 

...あぁ、それしか、それしかこいつに勝つ方法を思い付かねぇんだよ...

 

(ボクとしてはオススメしないんだけどね〜)

 

...それは俺が負けるってことかよ?

 

(ボクが言ってるのは君の身体のことさ、はっきり言って耐えられる保証はない、ボクは別に良いんだけどそれで君にどんな悪影響が起こるかわからない、だから聞いているんだ)

 

...そんなこと...

 

(無いなんて言わせないよ、ボクは君より君の中を知っている...もう限界でしょ、ボクに代わりな)

 

ッ!?ふざけんな!またお前にやらせたら俺は!

 

(ボクからの特別講義だよ、それに...あいつは今君を見ているようで見ていない、分かっているだろう?)

 

.....

 

(大丈夫)

 

.....

 

(大丈夫)

 

...分かった...勝手にしやがれ!

 

(ありゃ、拗ねちゃった...さて、それじゃあ...)

 

 

 

 

シンリ「やらせて貰おうかな」

 

side out

 

 

和眞「(ッ!?来たか!)」

 

和眞は一気に自身の警戒レベルを数段階引き上げる

下を向いていた真莉は今こちらを見ていた

先ほどと同じに見える...しかし纏っている雰囲気が段違いに重くそしてその両眼は呪われた子供たちの様に紅蓮に染まっている

 

和眞は武者震いをしていた

和眞よりも強い相手、それも自分の息子なのだ、震えないわけがなかった

 

和眞「...お前はあの時のヤツだな?何故今出てくる?」

 

シンリ「やぁやぁ、こないだぶりだね〜?人間?何で出てくるか〜って?ん〜...講義...かな?」

 

和眞「講義だと?」

 

シンリ「ん、この子は色々と...ねぇ?」

 

シンリはぽりぽりと頬を掻く

和眞は自身の頬が引きつっているのが分かった

和眞も彼の言う色々というのが分かっているのか何も言えなかった

 

シンリ「まぁ、今回もボクが相手してあげるよ...人間相手に本気も何も無いし、手加減してあげるから2人まとめてかかってきな?油断してると...」

 

シンリから先ほどよりもさらに強い殺気が溢れ出す

それを受け和眞と榛名は警戒を最大限高めた

 

シンリ「死んじゃうかも...ッネ!」


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