しかしやっと話が進むと思います!
だってボクは君たちの言う...ガストレアだからね
シンリのその言葉を聞いた2人は同時にシンリの目の前に現れ和眞はシンリの首に手刀を
榛名はシンリの額に銃口を向けた
シンリは二人の行動に何も反応せずにただコーヒーに砂糖とミルクをたっぷり入れそれを啜る
和眞「.....今すぐに真莉から出て行け、出ていかないのであれば...お前を殺してでも」
和眞の言葉にシンリは笑みを浮かべて答える
シンリ「ん〜、殺されるのは無理かな〜、それにボクだけを殺すのは無理だよ」
和眞「やってみなければ...シンリ「分かるよ」何だと?」
シンリ「ボクを殺せばこの子も死ぬ」
榛名「そんなのを信じろと言うの?」
シンリはうんうんと頷き持っていたコーヒーを飲み干す
シンリ「ボクの正体は聞かせるとこの子めちゃくちゃ怒るから教えないけどボクのタイプは教えてあげるよ、ボクは寄生タイプのガストレアさ、今まで動物に寄生したり他のガストレアに寄生したりして過ごしてたんだ、それでどんぐらい経ったか忘れたけどボクはこの子に出会ったんだ、それからボクはずっとこの子の中にいるのさ」
シンリは説明しながら左腕を出し力を込めた、その行動に和眞と榛名はシンリから離れる
シンリの腕からビキビキと軋む音がし腕からホネが飛び出して来た
それを見た榛名は口に手を当て唖然とし和眞は目を細めシンリを睨む
榛名「何よ...それ...」
シンリ「ん?普通にホネの形状を変えただけさ、ボクが表に出てる時だけ出来る芸当さ、安心してよ、この子にはなんの損傷も無いからさ」
和眞「だとしてもそれを見て良しとするわけ無いだろうが!」
シンリ「この子を殺そうとしていた人とは思えないセリフだね、やっぱり人間ってのは分からないな〜」
シンリは呆れたかのように大袈裟に両手を広げる
するとシンリの懐からピリリリリと機械音が鳴り響く
シンリ「おりょ?電話?.....ちょっと待ってって、無理矢理変わろうとしないで!わかった!分かったから!」
シンリが何やら独り言を言いだし身悶え始め目を瞑った
その瞬間シンリはピタリと止まり目を開ける
その目は先ほどまでの赤い目ではなく普通の黒に戻っていた
纏っていた雰囲気も先ほどまでの軽々しいものではなく最初の様な威圧とも取れる雰囲気が発せられた
和眞「....今のお前はどっちだ?」
真莉「俺は俺だ、話しかけんなウザってぇ」
真莉は面倒くさそうに懐から携帯を取り出した
ディスプレイには電話をかけてきた人物の名前が映し出されており真莉は溜息を吐き通話ボタンを押した
真莉「...もしもし?どうした蓮太郎?」
蓮太郎『良かった!やっと出てくれた!』
真莉「あ?どうした?そんな切羽詰まって?」
電話の相手は真莉の友人であり今回の依頼を共にする仲間、里見蓮太郎だった
蓮太郎は何かあったのかかなり慌てている様子だった
真莉は電話先の相手をなんとか落ち着かせようと言葉を発した
真莉「落ち着け、何を言ってるのかわからん」
蓮太郎『わ、悪りぃ!それより大変なんだ!!』
真莉「(よっぽどの事か?全く落ち着いてねぇけど...)とにかく何があった?」
蓮太郎『あ、あぁ!大変だ!天童民間警備会社が...木更さんが襲撃された!』
蓮太郎の言葉に真莉の表情が険しいものになる
天童民間警備会社が襲撃された、恐らくは例の聖天子を狙撃したやつかそれとも別のやつのどちらかだろうと真莉は考えていた
しかし蓮太郎から告げられたのは予想を超えたものだった
蓮太郎『襲って来たのは....ティナ・スプラウトだ!』
真莉の表情はいよいよ厳しさが増した
真莉はふぅ...と息を吐き和眞たちを見ながら話を続ける
真莉「そうか...《やっぱりか》」
真莉のやっぱりかと言った瞬間電話先から驚愕の声が上がる
蓮太郎『っな!?やっぱりってどういう事だよ!?お前まさか知ってたのか!?』
真莉は面倒くさそうに話す
真莉「お前今どこにいる?」
あの後真莉は和眞と榛名が止めるのを無視し指定された病院に文字どおり走る
普通の道を真莉が全力で走ると大変迷惑を掛けるのでビルの上や屋根伝いに走る
真莉は病院に向かう際色々と考えていた
真莉「(俺の悪い予想ってのは当たっちまうのな、やれやれだぜ)」
シンリ(って言ってる割には色々も考えてるみたいだけど?)
真莉「(まぁ、言ったところで予想を超えたってわけではねぇからな、ある程度の予想を立てていたのが良かったかもな...まぁ、蓮太郎のショックはわかるが...)」
シンリ(それで?どうするの?)
真莉はビルの上で立ち止まり思考する
暫くそのままだったがやがて空を見上げ呟く
真莉「出来ることなら止めてやるのが大人なんだろうがな...」