ブラック・ブレット 紅き守り手   作:フルフル真

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なんか戦闘シーンって本当に難しくて大変なんですな〜

頑張って書いてみましたけど...うぅーんってとこですね

次も早く上げれる様に頑張ります!


第9話

蓮太郎side

 

真莉がリムジンから降りて数分、リムジンの中の座っている順番は聖天子の右隣にはアカネ、左隣には夏世聖天子の正面には蓮太郎、その膝の上で未だに寝ているのが延珠だ

 

聖天子は蓮太郎を見て微笑を浮かべ話す

 

聖天子「里見さん、お話が途中でしたが今度私の為に何か掘ってくれませんか?」

 

蓮太郎「嫌だ」

 

聖天子は口元に手をやってクスクスと笑う

僅かだが車内にホッとした雰囲気が流れる

 

聖天子「でも里見さんも古畑さんも凄いです、斉武さんに一歩も引きませんでしたから...お二人のああいうところが、私はきっと気に入っているのだと思います」

 

蓮太郎「気に入ってる?」

 

聖天子「えぇ、私のが接する人は家庭教師から菊之丞さんに至るまで全て敬語で接してくる人ばかりでしたから、里見さんや古畑さんみたいにはっきりと物を言う人は周りには誰もいないのでとても新鮮に映ります」

 

蓮太郎はなるほどと合点がいったような表情をする

蛭子影胤のテロ事件の時も蓮太郎や真莉は聖天子に好かれる発言をしていないどころか噛み付くような発言をしている、なぜ、聖天子が自分たちを名指しして依頼を入れてくるのかずっと不思議に思っていたが...

単純に戦闘能力だけで言ったら蓮太郎の知り合いの中で真莉を超える手練れはあまり見たことはない

真莉なら護衛として優秀だ、だけど蓮太郎自体そこまでという訳ではないと自分で思っていた

 

蓮太郎「でもどうして民警なんだ?あんたには手持ちの護衛官がいるだろ?ほら、あの憲兵隊みたいなやつ」

 

聖天子「保脇(やすわき)さんですか?あの人は...ギラギラしていて、一緒にいて少し、怖いです」

 

蓮太郎は気の無い返事をするも内心ではいい気味だと思っていた、保脇の方はちゃっかり聖天子の気を引こうという魂胆だったようだが、当の聖天子には脈はなさそうだ

聖天子は小型の冷蔵庫から桃果汁のジュースを取り出しみんなのグラスに注ぐ

蓮太郎にも勧めてくるので一杯もらう事にする

一口のつもりだったが飲むと冷たい糖分が五臓六腑に染み渡り瞬く間に飲み干してしまう、どうやら想像以上に喉が渇いていたらしい

 

杯から顔を上げると聖天子は一転凛々しい顔に戻っていた

蓮太郎は彼女から視線を外しボソリと呟く

 

蓮太郎「あんただったらもっと上手く立ち回れるはずだ、上手く立ち回ってみろ」

 

聖天子「....」

 

蓮太郎「本当、真莉も言ってたがあんたバカだな...嫌いじゃねぇけど」

 

聖天子は僅かに頬を染める

 

聖天子「あ、ありがとうございます」

 

すると今まで黙っていたアカネが言う

 

アカネ「わぁ!ラブラブだね!」

 

蓮太郎「ちょ!?ッバカ!ちげぇよ!?」

 

蓮太郎がそういった瞬間不意に下顎に激痛、アッパーカットを食らったかのごとく脳が揺れた

延珠が飛び起きたのだ

延珠は視線を左右に彷徨わせていた、どうやら起き抜けのヘッドバットをもらったらしい

蓮太郎は涙をこらえながら言う

 

蓮太郎「ど、どうしたんだよお前、急に」

 

延珠は口元のヨダレを吹き聖天子に視線を固定した

 

聖天子「な、なんでしょう?」

 

延珠「蓮太郎は駄目だぞ」

 

聖天子「あ、あの、何を仰っているのかよく...」

 

延珠「蓮太郎はおっぱい星人だから木更より、おっぱいが小さいと女だと認識されないぞ、だから無理、諦めるのだ」

 

夏世は横を向き笑いを堪えている

アカネは自分の胸を見て何かを考えている

聖天子は軽蔑しきった目で蓮太郎を見た

 

聖天子「里見さん...不潔です」

 

蓮太郎「言い掛かりも甚だしいだろ!」

 

するとアカネが瞬間的に窓の方を見る

延珠も顔を引き締め蓮太郎に言う

 

延珠「蓮太郎、嫌な感じがする」

 

その言葉に蓮太郎達は気を引き締めた

車は十字路に差し掛かり赤信号にゆっくりと停車する

いつの間にか外はパラパラと小雨が降っており窓から見える景色を歪ませていた

数十秒止まっていた車はすぐに動き出す

航空誘導灯がいくつものビルを赤く照らしている以外何にも変化はない

 

しかしそれもつかの間ビルの屋上付近で、ほんの一瞬チカッと何かが閃いた

それが銃口炎だと認識した瞬間背筋が凍りつき延珠の頭を押さえつける

アカネはいち早く聖天子と夏世を屈ませていた

 

直後に激甚な厄災が襲ってきた

 

ガラスの破砕音にリムジンの甲高い急ブレーキ音に振り回され聖天子は悲鳴をあげる

そのまま車体が横に滑り標識に激突

蓮太郎はなすすべなく車内にかかるGに振り回されドアに叩きつけられる

 

蓮太郎「(街中で狙撃!?)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真莉side

 

蓮太郎達と別れた真莉はビルとビルの間の路地裏にいた

 

真莉「風が出てきたな...よっと」

 

真莉はビルとビルの壁を蹴りながら屋上に着地する

真莉は辺りを見渡す

 

真莉「(この風と距離...聖天子の車は...あった...と、なると射撃するとしたらポイントは...)」

 

真莉は一点を見つめる

 

真莉「(...あそこか)」

 

真莉は数百メートル先のビルに目を付けた

そのビルで微かに動くものを捉えたのだ

 

真莉はすぐに向かうべく足に力を込める

いざ行こうとした瞬間真莉はその場から真上に飛んだ

真莉がつい数瞬前にいた場所に弾丸が放たれていた

 

重力に従い真莉はビルの上に着地する

真莉は銃弾が飛んできた方を睨む、そこにいたのはローブを羽織った《4人》の人物がいた

 

真莉「...これで全員か?めんどくせぇからさっさと終わらせてぇんだが...」

 

真莉が言うと4人のうち1人がローブを剥ぐ

現れたのは先程まで斉武の護衛として勤めていた古火田朱音だった

 

朱音「え〜、もうちょっとお話ししようよ?兄さん?」

 

真莉「うざってぇ、テメェらと話す気なんざこれっぽっちもねぇよ...邪魔するってんだったら...排除すんぞ」

 

真莉の髪が紅蓮に染まり出す朱音はフフっと不敵に笑う

 

朱音「うん、やっぱり兄さんはこっちにいるべきなんだよ、ね?」

 

朱音がそう言うと他の3人もフードを取る

そこにいたのは朱音と共に斉武の護衛を務めていた無精ひげを蓄え眼光が鋭い中年の男、古火田和眞

和眞の右隣にいたのは大きなライフル銃を持ち、朱音が年をもう少し重ねればこんな感じになるであろう女性が立つ

 

和眞の左隣にはあの公園で真莉に一方的に敵意を持ち襲ってきた翔と呼ばれた男だった

 

翔と呼ばれた男は早くも真莉に殺意をぶつけていた

 

翔「やっと...やっとだ...やっとお前を殺せる!!」

 

和眞「翔、いい加減にしないか」

 

???「全く、何でこの子はこんなに落ち着きがないのかしら...久し振りね、会いたかったわ、真莉」

 

真莉「...《榛名》(はるな)」

 

真莉が榛名と呼んだ人物はいかにも怒っていますとでも言わんばかりに頬を膨らませた

 

榛名「こら!《母親》を呼び捨てにするんじゃありません!」

 

和眞「そうだぞ、俺ならともかく母さんには呼び捨てはしてはならない、そう教えただろ?」

 

榛名は自分を真莉の母親と言い真莉を叱る

真莉は姿勢を低くしすぐにでも動ける準備をした

 

榛名「今日は戦いに来たわけではないの、あなたを迎えに来たのよ?さぁ、一緒に帰りましょう?ずっと探していたんだから」

 

榛名の目から一筋の涙が溢れる

その瞬間ゴォ!っと辺りに濃密な殺気が溢れ出す

榛名達は身構える

その殺気の発生元はすぐ目の前の少年

 

真莉「言っただろ邪魔するってんだったら...排除するって...もう一度言う、邪魔だ、消え失せろ...さも無ければ...死ね」

 

その言葉を言った直後に真莉はその場から消える

再び現れたのは無精髭の男、古火田和眞の真正面だった

真莉は右の膝を和眞の顔面に目掛け放つ

和眞は腕をクロスさせ真莉の膝蹴りを受ける

ゴキィと言う鈍い音がなり和眞は後方に吹き飛ばされフェンスに激突する

 

翔「っな!?この!!」

 

翔は真莉の着地を狙いククリナイフを振りかざす

真莉はそれを見て回転し片腕を地面に付け左足で翔の顎を蹴り上げる

翔は呻き声を上げバックステップで距離を離す

 

朱音と榛名は元いた場所から動かずにいた

 

真莉「...ちぃ」

 

ポタ...ポタと真莉の右膝から血が滴り落ちる

膝には何本もの黒色の小型のナイフが刺さっていた

真莉に蹴られる寸前で小型のナイフを真莉の膝に刺したのだ

真莉はナイフを無理やり引き抜き自分の後ろに投げ捨てる

 

すると真莉の目の前にいきなり先ほど吹き飛ばした和眞が現れる

和眞はすでに攻撃のモーションに入っていた

左腕を目一杯引き右腕を掌底の構えをし真莉に放つ

 

和眞「古火田流戦闘術、四式《剛破掌》(ごうはしょう)」

 

真莉は腕をクロスし防ごうとするがぶつかった瞬間ボキボキと鈍い音が響き遥か上空に吹き飛ばされる

痛む腕の間から下を見ると和眞がいない

 

真莉「(ちぃ、上か)」

 

真莉は背中に衝撃を受けビルの屋上に叩きつけられる

屋上は崩れ真莉と共に下に落ちていく

真莉は落ちながらも空中で体勢を立て直し着地する

 

真莉「ってぇ...(早い、目で追い切れねぇとは思わなかったな)っ!?」

 

ガシっと後ろから首を絞められる

何とか首を後ろに回すと翔が真莉の首を腕で絞めていた

 

翔「さっさと死んじまえよ...俺の全てを奪った逃走者!」

 

真莉「(ちぃ...うざってぇ)ォォォォォオオオオオオオ!!」

 

翔「っなに!?」

 

真莉はフロアの床を思いっきり踏み抜く

大音量の破砕音が辺りに響き下に落ちる

翔は予想外な事で腕を離す

真莉は離れた瞬間に逆に翔の首に足をかけ空中で回転し下に放る

 

真莉は下のフロアに着地する

真莉の目の前には和眞と榛名

後ろには翔と朱音がいつでも襲いかかれる状態にあった

 

真莉は目を瞑る

 

《必要か?》

 

何処かから、真莉にしか聴こえない声が聞こえる

 

正直厳しい

 

真莉はその言葉に返事をする

 

《お前に死なれるとこちらもたまったものでは無いからな、今回は貸しにしておこう》

 

真莉の口元に笑みが浮かぶ

 

和眞「どうした?何か楽しいことでもあったか?」

 

榛名「私たちと戻る決意が固まったのよ、だから喜んでるんだわ」

 

朱音「でもとりあえずは...ね?」

 

翔「俺的には殺したいが...とりあえず両方の手足は捥いでも良いよね?」

 

和眞「まぁ...良いだろう」

 

翔「ははははは!!オラァ!」

 

翔は真莉に迫る

真莉は動かない

翔は真莉まであと少しといったところである違和感に気付く

先程までの傷が何処にもない

 

 

 

 

前回のも貸しだったろ?まぁ助かる...そんじゃ借りるぞ《 》

 

 

 

翔は真莉に向けククリナイフを振り下ろす

 

和眞「っな!?」

 

和眞はいつの間にか襲ってきた衝撃で吹き飛ばされた

翔の攻撃は空を切る

真莉は先程いた場所におらず和眞のいた場所にいた

榛名は驚愕の視線を送るがすぐさま吹き飛ばされる

 

榛名「きゃあ!?」

 

朱音「お母さん!?兄さん!!」

 

朱音は真莉に迫る、真莉は朱音の方に視線をやる

すると朱音は恐怖に襲われる

 

真莉の瞳が紅蓮に染まっていた

しかし一番の変化は紅蓮に染まっていた髪が毛先から少しだが白く変わっていた

 

朱音「どういう...事?っ!?」

 

朱音は目の前に現れた真莉に驚愕する

真莉は右腕を引き左腕を掌底の形を取る

放とうとした瞬間に真莉は真横から吹き飛ばされた

 

朱音「あ...お父さん」

 

そこには無傷の和眞が立っていた

 

和眞「...どういう事だ、スピードも力も上がっている...何があった」

 

真莉「元に戻しているだけだ、昔の様に...な」

 

和眞「...昔の様にだと?何を言っている?」

 

真莉「関係ねぇ、お前らはどうせここで...殺す」

 

真莉は姿勢を低くし特攻する

先ほどよりもさらに速い速度で和眞に近付き殴ろうとする

当たる寸前で真莉は拳を止めバク転をしてその場から離れる

真莉がいた場所に銃弾が着弾する

 

真莉は舌打ちし辺りを見渡す

しかし何処にもいない

ほんの少し視線を外したのが運の尽きだった

 

和眞はほんの少しだけ離れた視線を見逃さず真莉に近付き真莉の鳩尾に拳をぶつける

ドゴォとすさまじい音が響く

 

真莉「ッカハ!?」

 

真莉の口から血が溢れ後ろに吹き飛ばされる

壁に激突しようやく止まった

真莉は膝立ちの形になりながらも和眞の方を向く

しかし正面に和眞はいない

いたのはライフル銃を構えて引き金に指を掛けた状態で静止していた榛名だった

 

榛名「もう、お母さんに手を上げるなんて...教育し直さなきゃ...さて、とりあえずはこれでチェックメイトね、大丈夫よ、起きたらちゃんと全てが分かるはずだから...それとも自分から一緒に来るって宣言する?それでも私は良いのよ?自分の息子を撃たなきゃいけないなんて...世も酷な物ね...どうかしら?」

 

真莉は口から流れる血を乱雑に拭い言い放つ

 

真莉「寝言は寝ていうものだ...テメェらとなんざ時間を共にするつもりはねぇ、俺の道は...俺が決める!」

 

榛名は本当に残念そうな表情を浮かべた

 

榛名「そう...それじゃあまた後でね?」

 

榛名はそう言うとライフル銃の引き金を引いた

 

ダァン!と大きな銃声が辺りに響いた

 

 

 




もうそろそろで《》内の事も触れていこうと思います
自己解釈が多いですが出来れば気にしないで貰いたいです!

それでは!

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