ブラック・ブレット 紅き守り手   作:フルフル真

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なんか迷走してる気分だぜぃ...

何を書きたいやら...無駄に文字数が伸びたし
まぁ今は投稿する事だけ考えてやりますわ〜

それでは第2章第7話、どうぞ〜


第7話

声がする...

いつも聞いていて他の誰よりも長い付き合いのよく知る声が聞こえる

 

なんだよ、普段はそんな事言わねぇだろ...

あ?いや、別にこんぐらい...はぁ、分かったよ、なんでそんなにやる気出してんだよ、いつもは本当にやらねぇ癖によ

...俺がそう考えてる?そんなわけねぇだろ、俺はもう割り切ったさ

 

お前は何を言ってるんだよ?俺にはわから...っておい、あからさまにため息を吐いて消えるな...ったく、分かってんよ、俺が迷ってるなんてな...さて、第二ラウンドと行くか...悪いが加減はしねぇぞ...そんじゃ、悪いが頼むぞ...《 》

 

 

真莉「...ってぇな、この服ちょっとだけお気に入りだったんだけど...どうしてくれんだ?」

 

???女「...あれ?」

 

???男「っ!?」

 

真莉は男の方に向かって拳を振り抜き男に当て男は吹き飛ぶ

 

???男「っが!?」

 

男の肺から空気が抜ける、女はバックステップで距離をとる

 

???女「(傷が治ってる...やっぱりそうなんだね、兄さん)っ!?」

 

真莉「どこに行くつもりだ?お前にも受けてもらう...ぞ!」

 

真莉の蹴りが女を吹き飛ばし木に命中させる

 

???女「っ!?ケフ...ふふ、自分の妹に...こんな一撃を浴びせるなんてね...ゲホ、ゲホ...いったぁ...」

 

真莉「妹だ?俺にそんなのはいねぇよ、俺は一人っ子だ...テメェなんかしらねぇよ」

 

???男「ァァァァァァァァ!!!!」

 

男は咆哮を上げながら突進してくる

 

真莉「血の気が多いな...」

 

男が迫る、しかし真莉はその場から消える

 

???男「っ!?どこ行きやがった!?」

 

???女「っ!?翔!上!」

 

女に翔と呼ばれた男は上を見る

真莉は上に飛んでいた

真莉は男に向かい空中で連続で回転し踵落としを放つ

 

真莉「《空牙》!」

 

ドゴォと鈍い音が辺りに響く

男は腕をクロスし踵落としを防ぐ、防いだ事により地面が少し陥没する

真莉は防がれたと判断した瞬間に踵落としを放った足とは別の足で男の顔面を蹴り飛ばした

 

バギィと音が響き男はまた吹き飛ぶ

真莉は地面に着地しすぐさま女の方に意識を切り替え仕掛ける

 

???女「っちょ!?(速い!?)」

 

真莉は女の懐深くに入り込み下から相手の顎に向けて掌底を放つ

 

???女「ちょ!?危な!?(これは...さっきより速くなってる...それに傷も消えてるし、あの方の言う通りかな...となるとここは!)」

 

女は連続でバク転し距離を離そうとするが真莉はそれにぴったりとくっつき掌底を連発する

 

???女「かわせない!?やば!?」

 

真莉は下から蹴り上げる

 

真莉「《昇天牙》(しょうてんが)!」

 

女は真莉の攻撃を腕をクロスし受ける

女は思いっきり吹き飛ばされる

数メートル先で着地し女は腕を振る

 

???「いった〜...ちょっと!可憐な乙女の腕に何すんのよ!?それでもあたしの兄さんなの!?遠慮なしなの!?」

 

真莉「ウゼェ、お前なんか知らねぇって言ってんだろ...おっと」

 

真莉はその場から横に飛び避ける

先ほどまでいたところにククリナイフが刺さる

 

真莉「結構いいのを当てたと思ってたんだがな...どういうカラクリだ?」

 

 

真莉は呟く

翔と呼ばれた男は真莉をずっと睨んでいる

やがて口を開く

 

翔「殺す...殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!!」

 

男は走り出そうとするが女に止められる

 

翔「離せ!!こいつは殺す!殺さなきゃ!」

 

???女「黙りなさい」

 

翔「っひ!?」

 

男は今にも噛みつきそうになるが女がそれを止める

 

???女「今はもう無理よ、引くわよ」

 

真莉はその場から消えた

 

???女「っ!?」

 

翔「っな!?」

 

真莉「悪いが...もう逃がさねえぞ」

 

???女「いつのまに!?(いや、それより...どうして!?さっきよりも力も、スピードも...桁違いに!?)」

 

翔「っあか!?」

 

真莉は二人の真ん中に移動し拳を地面にぶつける

 

真莉「《剛破断》(ごうはだん)」

 

先ほどよりも遥かに大きな音が響き拳をぶつけた地面は大きなクレーターを作った

二人はそれぞれ左右にギリギリで避けた

 

 

???女「うっそん...(って言うかさっきから援護が無い...何かあったって考えるのが妥当...ね、予想外ね、ここまでなんて)」

 

翔「っ!!殺す!!」

 

???女「っ!?待ちなさい翔!?」

 

男は真莉に向かって走り出す

女は焦ったように声を荒げる

 

男は真莉に向かってナイフを振りかざす

真莉はそれを見ずにその場からまた消える

 

翔「っ!?また上か!同じようなことばかりで!」

 

翔は上を見るがその場にいない

 

真莉「んなわけねぇだろバカが」

 

真莉は真下から男の足を払う、払ったあと相手をそのまま蹴り上げる

 

真莉「《裂空牙》(れっくうが)!」

 

翔「っがは!?」

 

その攻撃で浮かした相手よりさらに上に飛び回転し踵落としを放つ

 

真莉「《空牙》!」

 

空中から男は叩き落とされ地面に新たなに小さなクレーターを作る

真莉は地面に着地する

 

真莉「そういやあの射撃止んだな...お前らが何がしたいのか知らねぇが...俺の日常を壊すって言うんだったら...容赦はしねぇぞ」

 

真莉から殺気が溢れ出し辺りを包む

女は冷や汗を溢れさせる

 

???女「...ここで撤退させてくれたりは...」

 

真莉「するわけねぇだろ」

 

真莉は答えるや否や女との距離を詰める

だがすんでのところで別の影が現れ真莉を殴り飛ばす

真莉は空中で一回転し地面に着地する

 

真莉「三人目か...って事は狙撃した奴を合わせると四人か...めんどくせぇな(それよりも...どこから現れたこいつ...気配を全く感知できなかったが...)次はテメェか」

 

三人目のローブの男はいつの間にか両手に二人を担ぎ真莉に背を向けていた

 

真莉「(こいつ...)」

 

真莉は一気に距離を詰め拳を振り抜く

 

真莉「《剛破断》!」

 

しかし真莉の攻撃は三人目のローブの人物は振り向きもせずに足だけで相殺する

いや、真莉の方が吹き飛ばされた

 

真莉「(っちぃ、こいつ...)強いな...って」

 

一瞬の内にローブたちはその場から消える

 

真莉はそれを見て目を閉じる

 

真莉「...ちぃ(もういい、悪かったな、心配かけた...あぁ、だから悪かったって...あ?っげ)」

 

辺りに静けさが戻った矢先遠くからサイレンが聞こえてくる

深夜のこの時間でこんな大きな音がしていれば当然の結果だった

 

真莉「(はぁ、分かった、また近々借りるかもしれん、その時は...すまんな)」

 

真莉は目を開ける、その目はいつもの黒に戻り髪も元に戻っていた

その場から真莉は逃げるように走って家に向かう

公園に残ったのは大きなクレーターと小さなクレーターが残されていた

 

 

 

 

次の日

 

真莉たちは豪勢なリムジンに乗っていた

家でゆっくりと集合時間まで待っていたのだがいざ出ようとした時に玄関からインターフォンが鳴る

 

真莉が出るとそこに延珠がいた

アカネは延珠の来訪を大歓迎していた

延珠の後ろには延珠の保護者でもある里見蓮太郎がいてその後ろには黒い大きなリムジンがあった

窓が開き中から聖天子が顔を出す

 

聖天子「こんにちは、古畑さん、アカネさん、千寿さん」

 

夏世「こんにちは、聖天子様...その節はどうもありがとうございます」

 

アカネ「ありがとうございま〜〜す!!」

 

真莉「あん?もうそんな時間だったか?まだ余裕があったと思ったが...」

 

聖天子「すいません、ご迷惑かと思ったのですが少しでも楽をしていただきたかったのでお迎えにあがりました」

 

真莉「普通は俺らが迎えに行く側なんだが...まぁ俺個人としては多少楽になったからありがたいが...(ぼそ)ほんの少しだけ待っててくれ、すぐに荷物を持ってくる」

 

真莉たちは一度家に戻り荷物を持ちまた出てきた

 

アカネ「それじゃあレッツゴー!」

 

夏世「アカネさん、遠足ではないんですから...もっと緊張感を持ちましょうよ」

 

真莉「まぁ良いんじゃねぇの、アカネはそのままで」

 

夏世「真莉さんまで...しょうがないですね...よろしくお願いします」

 

聖天子「お願いするのはこちらの方です、それでは皆さん、よろしくお願いします」

 

真莉たちはリムジンに乗り込む

席順は真ん中の聖天子を挟んで右にアカネ、左に真莉反対側の真ん中には蓮太郎、蓮太郎を挟んで右に延珠、左に夏世が座る

 

数時間後ようやく目的地に到着した

扉を開け先に真莉が出てすぐに蓮太郎も出る

二人で辺りを警戒し安全を確認した後聖天子を下す

 

蓮太郎は目の前の巨大な建物を見上げる

今回の非公式会談の場所は地上八十六階建ての超高級ホテルだった

要人のセーフハウスの代わりにエリア別の大使館など良く利用されていると聞く

 

延珠「蓮太郎!お仕事頑張ってくるのだ!」

 

アカネ「お兄ちゃん!頑張ってね!」

 

夏世「行ってらっしゃい、この子たちのお世話はお任せください」

 

延珠たちはリムジンの窓から手を振る

蓮太郎たちは手を振り返して先を歩く白い少女、聖天子の後ろに続く

蓮太郎はふとした疑問を口にした

 

蓮太郎「延珠たちは置いてってよかったのか?あいつらがいた方がより安全だぜ?」

 

聖天子「こういう真面目な場に子供を連れて行けません」

 

真莉「夏世はまだしも延珠とアカネは下手したら寝るぞ、いや、アカネは100%寝るぞ」

 

蓮太郎はしょうがないとばかりに溜め息を吐いた

聖天子は回転扉をくぐるといかにも貴人専用という豪奢なホテルのフロントに来意を告げる

途端に支配人に取り次がれかしこまった支配人はカチコチに緊張しながら丁重に鍵を持って聖天子に握らせる

聖天子が薄く微笑んで礼を言うと支配人は脂下がった笑みを浮かべた

 

エレベーターに乗ると鍵穴に受け取った鍵を差し込み捻りながら本来表示されていない最上階のボタンを押す

何度乗ってもなれないエレベーターの感触に真莉は苦い顔をする

蓮太郎は急に真面目な顔を作り聖天子に問う

 

蓮太郎「...なぁ、アンタ、本当に斉武がどうして非公式会談を組んでくるかわからねぇのかよ?」

 

聖天子「えぇ、さっぱりです...と言うより」

 

聖天子は一瞬ちらりとこちらを振り向いた

 

聖天子「私は斉武大統領と一度もお会いしたことがありません」

 

蓮太郎はハッとする、そう言われてみればそうかもしれない

東京エリアの代表は何度か交代している

敗戦後東京エリアに改称した初代、たった一年弱で病没した二代目、そして目の前にいるこの少女はまだ政治家一年生であるはずだ

 

聖天子「里見さん、貴方は斉武大統領と面識があるのですよね?」

 

蓮太郎「...あぁ、まぁな、俺が昔、天童の屋敷に引き取られていた頃あのクソジジイは俺を政治家にしようとしていて色んなパーティとかに連れ回してたからな、斉武とも一応面識はあんよ、もうずいぶん昔の話だけどな」

 

聖天子「逆に私からお聞きしたいのですが、貴方から見た斉武大統領はどのような人なのですか?菊之丞さんに斉武さんの話題を出すと露骨に不機嫌になるので...」

 

蓮太郎「アドルフ・ヒトラー」

 

聖天子「は?」

 

聖天子の声は裏返り目をパチクリとさせると見たこともないほど面白い表情をした

聖天子は身体ごとこちらに向けると目頭を軽く揉む

 

聖天子「...すみません里見さん、最近政務が忙しくて疲れているようなのです...もう一度言ってもらえませんか?」

 

蓮太郎が言う前に先に真莉が言う

 

真莉「だから、アドルフ・ヒトラーだって」

 

蓮太郎「真莉も知ってるのか?」

 

真莉「まぁな」

 

聖天子「冗談ですよね?」

 

蓮太郎「マジだよ、斉武が大阪エリア市民に十七回も暗殺されかけてるのはあんたも知ってんだろ?あんな重い税金かけたら誰だってぶちギレるだろうに、それに札幌エリアや仙台エリア、博多エリアのトップたちもそうだが奴らはガストレア大戦後の荒廃期からたった一代でエリアを立て直した極めつきの連中だぞ?そして危険な奴らだ、どの当事者も我こそは日本の代表とか寝言を真顔で言う連中だからな、中でも斉武は一番やばい、気を付けろ」

 

蓮太郎の真剣な眼差しに聖天子は息を飲んだ

 

聖天子「わ、分かりました、ご忠告ありがとうございました」

 

蓮太郎は顔を上げ最上階を睨む

真莉は目を閉じ瞑想していた

聖天子は不安げに二人に話す

 

聖天子「お二人とも私の傍を離れないでくださいね」

 

蓮太郎「へいへい」

 

真莉「あんたがいなくなると斉武の奴が色々仕掛けてくる、そんなのさせねぇよ、安心してくれ、俺は俺の全力を持ってあんたを守ろう」

 

聖天子は真莉の言葉には微笑んで頷き蓮太郎の言葉にはムッとし人差し指を蓮太郎の鼻面に突き付けた

 

聖天子「あと、里見さんは短気なので自制するようにお願いします、里見さんが斉武さんに殴りかかってエリア間の戦争になったら目も当てられません、うっせぇなとか、ざけんじゃねぇよとか汚い言葉を絶対に使わないでくださいね」

 

蓮太郎「っち、んなこと言うわけねぇだろうが」

 

真莉「賭けようか?お前のそれ100%無理だぞ」

 

蓮太郎「うっせぇな...あ」

 

真莉「くくく、ほらな」

 

蓮太郎「っち」

 

やがてインジケーターが最上階で止まり重々しい音を立て扉が開くと思いがけず最初に目に飛び込んできたのは青空で蓮太郎は度肝を抜かれた

半円のドーム状に張り巡らされた六角形の強化ガラスは透明でそこから見渡せる奥行きは無限の広がりを感じる

 

一人の白髪の男がこちらに背を向けソファに腰掛け六枚のペーパーディスプレイに視線を落としていた

やがてソファから腰を上げた男が振り返り立ち上がる

 

斉武「初めまして、聖天子様」

 

そこで斉武は蓮太郎に気づいたのか急に声のトーンが下がる

 

斉武「隣にいるのは天童のもらわれっ子か」

 

蓮太郎「テメェこそまだ生きてたのか、いい加減死ねよジジイ」

 

斉武「口を慎め民警風情が!ここをどこだと心得ている!」

 

稲妻の如き一括が走り隣の聖天子がびくりと震える

すると隣の真莉からクスクスと笑い声が上がり斉武はそちらを睨む

 

真莉「くくく...やっぱり無理だったじゃん、何がわかったよ...おもしれー」

 

斉武「っ!?貴様は...」

 

斉武が何かを言おうとしたら斉武の護衛だろうか、一人の女が口を開いた

 

???「あはは!やっぱり変わらないんだね!...ね?《兄さん》?」

 

女のまさかの言葉に蓮太郎と聖天子は驚愕の眼差しを真莉に向ける

真莉は目を閉じたまま何も答えない

すると女は

 

???「ん〜、やっぱり忘れてる?私は一度たりとも忘れたことなんてないよ?」

 

 

真莉は目を開け失笑する

 

真莉「は、随分と面白いこと言うな、昨日は《殺しあった》だろうが」

 

今度は斉武も驚いたのか三人とも驚愕した

 

斉武「...一体どういうことだ?」

 

???「...ん〜、申し訳ございません、ご主人様、こればっかりは...ね?」

 

斉武「...まぁお前たちの事情は知っている...それはお前ら《家族》の問題だ」

 

蓮太郎「家族...?」

 

女は嬉々として答えた

 

???「うん!私たちとそこにいる人はちゃんと血の繋がった家族だよ!あ、申し遅れたね!」

 

女はくるりと回りスカートの端を摘み優雅に一礼する

 

???「初めまして、聖天子様、私の名前は《古火田朱音》(こかだあかね)です、以後お見知り置きを」

 

蓮太郎「こかだ...あかね...?」

 

聖天子「あかねさんって...」

 

真莉「...」

 

真莉は盛大にため息を吐いた




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