ブラック・ブレット 紅き守り手   作:フルフル真

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戦闘シーンをちょっと頑張って見ましたがどうだろうか...

まさかの1日に2話更新です!
まぁ期待はしないでくださいね(苦笑)


第5話

亀のガストレアは大きく体を反らし逆さま状態から起き上がり大きく咆哮する

それに合わせて真莉はガストレアに肉薄する

腕を振り上げ攻撃しようとした瞬間ガストレアは大きな甲羅の中に籠る

ガゴォン!

大きな衝撃音と共に砂塵が舞う

砂塵の中から真莉がバックステップで飛び出してくる、ガストレアは甲羅から首を出し真莉に噛みつこうと首を伸ばす

真莉はギリギリで回避し蓮太郎の元に戻った

 

真莉の手からはポタポタと血が滴り落ちていた

 

蓮太郎「大丈夫か?真莉?」

 

真莉「ッてて、硬え、あそこまで硬いとは思わなかったな...それに亀の癖に何かと早いぞ、めんどくせぇな」

 

蓮太郎「っちぃ、真莉の攻撃でビクともしないんじゃ拳銃なんか無意味じゃねぇか」

 

真莉「だろうな、あの甲羅をなんとかするかカウンターを狙うか、どっちかだな、あまり長いことやってらんねぇぞ、学校ならまだしも東京エリア全域に俺の事が広がるのは避けたい」

 

蓮太郎「分かってる、とりあえずカウンターで行くか?」

 

真莉「それが手っ取り早いな、ん?」

 

蓮太郎「どうした?」

 

真莉「...いや、とりあえずやるぞ、このままだといつあの亀野郎が校舎に突っ込むともわからん」

 

蓮太郎「?あぁ、そうだな!急ごう!」

 

蓮太郎と真莉は駆け出すガストレアは突進を始める

真莉と蓮太郎は左右に分かれる

ガストレアは最初の様に尻尾で方向転換し蓮太郎に向かって突進する

 

蓮太郎は落ち着いて横に飛びそれを避ける

避けた瞬間に蓮太郎は攻撃する

 

蓮太郎「天童式戦闘術!一の型十五番!雲嶺毘湖鯉鮒!!(うねびこりゅう)」

 

ガギィン!!

 

蓮太郎「っぐあ!?」

 

真莉の攻撃すら通らなかった甲羅に蓮太郎の攻撃も通るわけもなく蓮太郎は弾かれる

蓮太郎は地面に叩きつけられ肺から空気が抜ける

 

蓮太郎「がは!」

 

叩きつけられた蓮太郎はすぐには動けずに止まる

ガストレアはまた突進する

しかしガストレアの上からの衝撃に苦悶の声を上げる

 

ガストレア「グォォォン!?」

 

真莉「っち、結構《溜めた》んだがまだぶっ壊せねぇか...蓮太郎!無事か!」

 

蓮太郎「げほ、あぁ!問題ない!」

 

真莉「にしても硬え、んだよ、あいつ超硬えじゃねぇか、亀の分際でムカつくなぁ」

 

蓮太郎「ガストレア相手で分際も何もないだろ...」

 

真莉「さて、本当にどうするか...(外すか...いや、外すとかなりめんどい...人目があるならなおさら無理か...ちぃ)」

 

蓮太郎「延珠がいればまだなんとかなるはずだけど...爆弾も使うわけにはいかねぇし」

 

真莉「...ふむ...」

 

蓮太郎「?どうした?」

 

真莉は何かを考えているようだった

 

真莉「蓮太郎、少し、ほんの少しの間あの亀の相手をしてくんねぇか?」

 

蓮太郎「何か策があるのか?」

 

真莉「あぁ、1分あれば良い、頼めるか?」

 

蓮太郎「1分なんかいつでも持ってやる、だから頼むぞ!真莉!」

 

蓮太郎はガストレアに向かって駆け出す

走りながら通用しないとわかっていながら愛用の銃であるXDを抜き発砲する

案の定甲羅で弾かれるが意識をこちらに向けることが出来たようだ

蓮太郎はガストレアが真莉の方に向かない様に銃弾を放ちながら後退していく

 

しかしここで予想外の事態が起きる

 

蓮太郎「(おい待て!あいつなんであっちを見てる!?)」

 

ガストレアは校舎の方を見ている

校舎の方から大きな声が聞こえた

 

さっさとガストレアなんか殺しちまえ!!

やれー!ブチ殺せ!!

そんな化け物殺せー!!

 

蓮太郎はしまったといった表情を見せる

ガストレアの意識が学校にいる連中に向いてしまった

ガストレアは学校に向かって突進を開始する、学校の連中は悲鳴をあげ逃げる

蓮太郎は舌打ちしガストレアに銃弾を与えるがやがて弾切れを起こす

もう少しで校舎に突っ込む寸前でガストレアの動きが急に止まる

ガストレアは足をバタバタとするが前に進まない、真莉がガストレアの尻尾を掴んでいた

 

真莉「お前はぁぁ...こっち...だぁぁ!!」

 

真莉はガストレアをもう一度振り回しぶん投げた

ズッズゥゥンとまた大きな音がしガストレアが逆さまになる

 

真莉「蓮太郎!合わせろ!」

 

蓮太郎「っ!おう!」

 

真莉は地面を蹴りジャンプしガストレアの上に飛んだ

蓮太郎も地面を蹴りガストレアに肉薄する

 

蓮太郎「天童式戦闘術!一の型三番!《轆轤鹿伏鬼》(ろくろかぶと)!!」

 

真莉「流石にここまで溜めりゃあ...打ち砕く!《狼虎掌破断》(ろうこしょうはだん)!!」

 

ビキビキ!ビキビキ!!

 

ガストレアから甲羅だけじゃなくガストレア本体からも尋常じゃない音がする

 

真莉「(っ!?ちぃ、こいつ本当に普通のガストレアなのか?インパクトの瞬間に軸をずらすだと...まさかこいつ...)蓮太郎!ズレろ!」

 

蓮太郎「っ!?」

 

真莉「(決める、ここで殺す!)ぉぉぉぉらぁぁぁ!!《空閃断》(くうせんだん)!!」

 

バキィィンと大きな音を立てガストレアの甲羅が割れ破片が散乱しガストレアは大きな断末魔をあげ絶命した

すると学校中の生徒たちが歓声をあげる

しかし真莉はまだ紅蓮の髪と眼を戻しておらず明後日の方向を向いたまま動かない

蓮太郎は怪訝な眼差しを向ける

 

蓮太郎「真莉?」

 

真莉「...あそこか」

 

真莉はボソリとつぶやき散らばっているガストレアの甲羅の破片の中でも手のひら大の大きさの破片を手にとり投擲の構えを取る

助走を取り構えていた破片を見ていた方角に全力で放り投げる

蓮太郎たちはその行動に驚き言葉を失った

しばらくの静寂の後遠くで何かに当たる音がし何かが崩れる音がした

 

蓮太郎「っちょ!?お前何してんの!?」

 

真莉「...ちぃ、外したか、逃げ足の速い奴らだ...」

 

街の方からサイレンの音が聞こえて来る

戦闘音、更に学校から恐らく連絡があったのだろう、多くのパトカーのサイレンが近づいて来る

 

真莉「...めんどくさ...俺はパスだ、蓮太郎頼んだ」

 

蓮太郎「は?あ!?おい!?真莉!?」

 

真莉は地面を思いっきり蹴り飛んだ、学校の足場を数回蹴り屋上に逃げた

パトカーがそこそこの台数が到着し警官隊がかなり降りてきて蓮太郎のもとに殺到する

 

蓮太郎「(あいつ...逃げやがったぁぁぁ!!)」

 

 

 

真莉「...あれはやっぱりそういうやつか...斉武か...それとも...終わった《実験》を蒸し返しやがって...クソが」

 

真莉はイラつきながら呟く

 

真莉「...あん?なんであいつらここにいるんだ?」

 

真莉の目線の先には本来ならここにいるはずのない少女が2人...アカネと夏世が勾田高校に来ていた

2人はキョロキョロと辺りを見渡し何かを探しているみたいだった

 

真莉「ふむ...(ピュイィ)」

 

真莉は口に指を当て鳴らす、するとアカネが上を見て真莉を見つけると走って校舎に入ってきた、それに続いて夏世も走って校舎に入る

少しして屋上の扉が思いっきり開かれそこから小さな影...アカネが飛び出し真莉に飛びついてきた

 

アカネ「お兄ちゃん!!大丈夫!?怪我は!?」

 

真莉「お前が掴んでる左腕がめちゃめちゃ痛い、今その腕折れてんだからやめろ」

 

アカネ「折れてるの!?病院!お医者さん!」

 

アカネの暴走に後から屋上に上がってきた夏世が止める

 

夏世「やめなさい、アカネさん、真莉さんが痛がってますよ」

 

アカネ「だってだって!」

 

真莉「とにかく離してくれ、どうせ骨折ぐらい《すぐ治る》」

 

夏世「骨折ぐらいって言うのもまたどうかと思うのですが...本当に大丈夫ですか?」

 

真莉「ん、ちょっと待っててくれ」

 

真莉はそういうと左腕をプラプラさせると手首をコキコキ鳴らし左腕で正拳突きを放つ

ブン!と空気が振動する音が聞こえる骨折は本当に治ったようだった

 

アカネ「治ってる...すっごい!」

 

夏世「相変わらずの回復力ですね...下手したら私たち呪われた子供たちよりも速いのではないですか?」

 

真莉「だろうな、それが《俺》だからな...んで、なんでここに来たんだ?」

 

アカネ「あのね!ドッカーンって音がして危ないって思って走ってきたの!」

 

真莉「...夏世、説明頼む、何を言ってんのかよく分からん」

 

夏世「勉強している時に急に立ち上がったから何かと思って聞いてみたら近くで大きな音がした!って言うものですから近場を探してたんです、そうしたら二度目の音は私にも聞こえたので走って来たら勾田高校だったんですよ」

 

真莉「...俺ん家からそこそこ離れてるんだが...よく聞こえたな?」

 

アカネ「うん!私の耳はロバの耳!」

 

夏世「それを言うならば地獄耳です、ロバの耳なんてほとんど意味ありませんよ」

 

真莉「はぁ...ところで、いつまでそこで見てるつもりだ、出て来い」

 

夏世「...」

 

アカネ「ふぇ?」

 

扉の方には聖也とその取り巻きの加古が立っていた

 

真莉「何の用だ?」

 

聖也「加古を助けてくれて、本当にありがとう」

 

加古「あの...ありが...とう」

 

真莉「...別にお前らのためにやったわけじゃねぇよ、ただ、あのままだと俺の友達がヤバかった、ただ、それだけだ」

 

聖也「それでもさ、俺の友達を助けてくれた、本当にありがとう」

 

聖也は頭を下げる、それに続き加古も頭を下げる

真莉は溜め息を吐き面倒くさそうに頭をガシガシと掻く

 

真莉「別に関係ねぇって言ってんだろ、掌返しなんざ受けたって嬉しかねぇよ」

 

聖也は苦笑いを浮かべる

 

聖也「掌返しか...そうかも知れない、そう思われても仕方ないよな...だけどこれだけは信じてほしい、みんな本心で言ったわけじゃない」

 

真莉「っは、どうだっていいな、そんなもん」

 

加古「どうでもよくないわ!」

 

加古が大声を張り上げる、聖也は驚きの表情を浮かべた

 

加古「私はあなたの事を化け物と呼んだのよ...許されるわけないじゃない...」

 

真莉はその言葉に対して笑う

 

真莉「はは、化け物は当たってっから良いんだっつうの、信じられねぇなら...」

 

真莉は自分のポケットから小型のナイフを取り出し自分の腕に当てる

一同が驚愕した

真莉が自分の腕をそのナイフで切りつける

 

聖也「っな!?」

 

加古「っちょ!?何し...て...」

 

そこには驚愕の光景が広がった

普通なら、普通の人間だったら腕を切りつけたら当然辺りが血だらけになる、なのに真莉の腕から切りつけたにもかかわらず血が一滴も流れなかったのである

 

それにはアカネと夏世も唖然とした

 

夏世「...流石にここまでとは思いませんでした」

 

アカネ「ふわぁぁ、切ったのに切れてない?あれれ?」

 

加古「うそ...」

 

聖也「真莉...君は一体」

 

真莉「お前らが言ったろ、俺は化け物だ、これでわかっただろ?俺にとっては高々こんなちゃちなオモチャなんかでは傷つかねぇし着いたところですぐに治る、それに」

 

そこまで言った真莉はまた目を瞑りすぐに目を開ける

真莉の眼は紅蓮に染まる、眼だけでなく髪も紅蓮に染まっていた

 

真莉「髪と眼が真っ赤に変わる、男でそんなことができるやつなんか化け物以外にいるわけねぇだろうが」

 

聖也と加古は言葉が見つからず固まってしまう

真莉は2人に背中を向け扉に歩き出す

 

真莉「アカネ、夏世、帰るぞ」

 

アカネ「え?もう?」

 

夏世「学校は...成る程、どうせこの騒ぎですから授業が無いのですか、帰るのも自由、騒ぎが静まっていない今が帰るのも今のうちの方が良いということですね?」

 

真莉「話が早くて助かるぜ...と、言うわけで俺らは帰る、明日は多分こねぇから、沙耶と綾夜には伝えといてくれ...そんじゃな」

 

真莉達は聖也達の制止を受け入れず帰路に着いた

明日の午後はいよいよ護衛の任務の初日を迎える

真莉の目には憎悪が映り込んでいた

 

真莉「斉武...宗玄...か」

 

ぼそりと呟いた言葉は虚空に消え去った




やっぱり戦闘シーンって難しいっすね...
これでオリジナルの学校編終わりっすね
たったの2話ぐらいでしたが...
次からは原作に戻りますよ!

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