ブラック・ブレット 紅き守り手   作:フルフル真

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やっと書けた...

ちくしょう、無駄な仕事増やしやがってあのクソ上司どもが...

結構グダグダになってしまったのであんまし面白くないかも...



最終話

反論を加えたのは第三者、いつものようにダルそうな感じで話す真莉だった

 

真莉「分かるわけねぇだろうが、テメェの考えはテメェしかわかんねぇ、まぁジジイの考えなんざ分かる気もねぇけどな」

 

驚愕の眼差しを向ける蓮太郎

敵意丸出しといった表情を向ける菊之丞

それに意を返さずに欠伸をしてノビをする

 

真莉「ふわぁ、ったく、せっかく聖居での事が終わったら寝ようと思ってたのによぉ...面倒ごと増やしてくれたな蓮太郎」

 

蓮太郎「真莉!?なんでお前ここに!?」

 

菊之丞「小僧...何故ここにいる」

 

真莉「お前が下に敷いてる男は俺の友達何でな、それをそこまでやられてもって感じだ...まぁ、俺はお前の考えってのは大体わかっちゃうんだがなぁ」

 

菊之丞「...どういう事だ?」

 

真莉「それに俺だけじゃ無くて蓮太郎だって答えは見えてるはずだしな、答えは蓮太郎が出してくれるだろ」

 

蓮太郎「お前何の為に来たんだよ...改めて言うぞ!菊之丞!今回の事件の経過はこうだ、あんたは聖天子様が七星の遺産と呼んでいたステージV召喚の触媒を部下の一人に未踏査領域に取りに行かせた、首尾よく触媒を手に入れケースを影胤に受け渡して滞り無く終わるはずだった、だが部下は未踏査領域から帰る途中にガストレアに襲われて体液を送り込まれた、部下は命からがらモノリスの中に逃げ込んだが敢え無くガストレア化、モデル・スパイダーのガストレアになって一人の人間を感染させる事態になった...その証拠に連判状に名前が書かれている中で1人だけ未だに行方不明とされている、恐らく俺と延珠が倒した感染源ガストレアがそいつなんだろ」

 

蓮太郎がそこまで言うとその後に続いたのは真莉だった

 

真莉「最終的にあれだろ?影胤はケースを取り返したが今度はリークする筈の情報が報道管制によって素早く聖天子に封じられる、お前はガストレア新法を潰してガストレアの恐怖を思い出させる為にステージV召喚を実行させる事を是認した、東京エリアに大絶滅を引き起こすって分かっていながらな〜」

 

真莉がそこまで言うと菊之丞は火が付いたように叫ぶ

 

菊之丞「そうだとも!!全ては平和ボケした連中の目を覚まさせる為だ!何故忘れられる?何故だ!十年前のあの日、日が堕ち、地が裂け、この世界から人間が駆除されようとした!あの虫けらどもの血を宿したガキどもが何食わぬ顔でこの街を闊歩しているのだぞ!あの赤眼共はこの世全てを破滅させる悪魔だ!何故冷静でいられる?奴等にまともな人権を与えるだと?ふざけるな!」

 

菊之丞の言葉にいち早く反応したのは蓮太郎だった、蓮太郎は一瞬の隙をついて銃を持った手を払う、直後に銃声が轟き蓮太郎の頬を銃弾がかする

真莉は一拍遅れて動き銃を持っている手を蹴り上げ銃を吹き飛ばす

続けて蓮太郎は菊之丞の足を払い転倒させると肋骨の隙間に膝を打ち込む

ミシリという手応えとともに菊之丞が苦悶の声を上げる

 

蓮太郎「そんなのみんなそうだ!確かにあんたの奥さんは殺されたかもしれない!だが、木更さんも両親を殺された、先生は恋人を失っている...けれど!みんなみんな自分の過去と折り合いをつけて生きてんだよ!あんたは亡霊だ!天童菊之丞!!十年前の憎悪を引きずった亡霊、聖天子様を補佐する立場でありながら彼女を出し抜こうとした、あんたは聖天子様が嫌いなのか?」

 

菊之丞は咳き込みながらも告げる

 

菊之丞「ッゲホ、バカなこと言うな、敬愛している、彼女こそ歴代の聖天子の中でも名君と呼ばれる類の人間だ、真に私が支えようと思う女王だ」

 

蓮太郎「じゃあ!」

 

菊之丞「だからこそ許せぬこともある!」

 

菊之丞の燃える瞳を蓮太郎は銃を突き付けながら見る、この男は、聖天子への忠誠とガストレアへの憎悪が等分に持ったまま狂気へと身を投じていた

 

蓮太郎「...木更さんも真実に気付いてるぜ」

 

菊之丞「だろうな、だが証拠がない、何も出来ん」

 

蓮太郎は長い間菊之丞の瞳を見つめていた

やがて真莉が蓮太郎に言う

 

真莉「蓮太郎、そろそろ」

 

真莉の言葉に蓮太郎は膝を退けるとXDをベルトの間に挟むと踵を返す

 

菊之丞「...どういうつもりだ、私を今殺さねば後悔するぞ?」

 

蓮太郎「もうしてるよ、あんたは木更さんの最大の敵だからな」

 

菊之丞「貴様は...どうだと言うのだ?蓮太郎、古畑」

 

蓮太郎「なに?」

 

真莉「べっつに、俺は後悔なんかと無縁の男だしな、それに前のお前だったらともかく年老いたジジイの相手なんざ余裕すぎてヤル気にもなれん、俺に殺されてぇなら若返ってから来るんだな」

 

二人は振り返ると菊之丞は顔中の皺を吊り上げた凄絶な表情を浮かべていた

 

菊之丞「まずは貴様だ蓮太郎、お前は手足を食われ、貴春や舞風優を奪われたのだろう?何故奴らを許せる?奴等を恨んでいないのか?」

 

蓮太郎「恨んでいたさ!八つ裂きにしても足りない、ガストレアも、呪われた子供たちもこの手でブチ殺してやりたいと思っていた!」

 

菊之丞「では何故だ!」

 

蓮太郎「あんたは彼女たちと一人でも接したことがあるのかよ?彼女たちはつまらないことで泣き、笑い、スネて、柔らかくて人間のぬくもりに満ちている、彼女たちが虫けらだと?あいつらは人間だ!俺は...里見蓮太郎は藍原延珠を信じる!!」

 

菊之丞「蓮太郎...貴様というやつは...次は貴様だ、古畑真莉」

 

真莉「俺は別に誰がどうとか関係ねぇよ」

 

菊之丞「貴様もガストレアによって家族と引き離されたのだろう?何故許せる?」

 

真莉「...さぁな、ただ、それはガストレアであって彼女たちじゃねぇ、確かに彼女たちにはガストレアの血が流れている、だがな、それでも生きてる人間に変わりはねぇ、化け物って言うなら形象崩壊した時に言え、少なくともあの子達に比べれば俺の方が万倍も化け物だしな」

 

真莉がそこまで言うと蓮太郎は眼を瞑り言う

 

蓮太郎「天童菊之丞、あんたは俺の命を救ってくれた、『死にたくなければ生きろ、蓮太郎』ってな、簡潔であんたらしい、絶望に両眼を閉じた時折に触れてこの言葉を思い出して乗り切れた...十年前のあの日のこと、一日たりとも忘れた事はありません...ありがとう...さようなら、お義父さん」

 

蓮太郎はそう言うと屋敷を出た、真莉も続こうと歩こうとしたら菊之丞に止められた

 

菊之丞「古畑真莉」

 

真莉「んだよ」

 

菊之丞「...蓮太郎を頼む」

 

真莉「...言ったろ、友達だって、ただでさえ少ない友達だ、少なくするわけにはいかねぇ、お前に言われなくてもやってやるさ...まぁ、あいつも自分の事は自分で出来るさ、自分の義理の息子だろ?もっと信じてやれ...それが父親ってもんだ」

 

今度こそ真莉は歩き始めた、後ろで菊之丞が何かを行った気がしたが気には止めなかった

 

 

 

 

自宅近くになり真莉は大きくノビをしながら大きな欠伸をした

すると自分の家の前に見覚えのある人物が二人はいることに気づく、真莉は眼が良いので誰だかすぐに分かった

 

真莉「...夏世?」

 

そこにいたのは青いワンピース姿で大きなケースを二つ持っている元三ヶ島ロイヤルガーター所属のイニシエーター、千寿夏世だった

夏世はペアだった伊熊将監が殺されペアを解消してしまいその事を三ヶ島ロイヤルガーターの社長、三ヶ島社長に報告したら死亡扱いとしてIISOに報告し自由に生きろと言われその時は天童民間警備会社に無理やり置いてきた筈だったが...

 

夏世「あぁ、古畑さん、お待ちしてました」

 

真莉「どうした?こんな所で?天童たちは?」

 

夏世「はい、その事でお話があるのですが宜しいですか?」

 

真莉「あぁ、まぁこんな所じゃなんだ、家に入ると良い」

 

夏世「お邪魔します」

 

真莉は鍵を開け夏世を中に招き入れる

すると真莉はある違和感に気づく

今日はアカネに買い物を頼んでいるのでまだこの時間は誰もいない筈なのに...誰かいる

 

真莉は夏世にハンドシグナルで警戒を促し自身も最大限の警戒モードに入る

真莉は家の中に入りリビングの前に来た、リビングの中に誰かいるのを確認し一気に扉を開けるとそこにいたのは意外な人物が二人

 

???「おや、ようやく帰ってきたのかい?遅かったね、入り口の鍵が開いていたから不用心だと思って入って待たせてもらっていたよ」

 

???「おかえり、真莉、お菓子貰ってるよ(もしゃもしゃ)」

 

その姿を見た夏世はいち早く反応しショットガンを構えた

 

夏世「ッ!?蛭子...影胤!!」

 

そこにいたのは蛭子親子だった

影胤はお茶をすすり小比奈はお菓子を頬張っている

真莉は今にも発砲しそうな夏世を手で制する

 

夏世「っ!?何故邪魔するのですか!?」

 

真莉「俺ん家ぶっ壊れるだろ...お前の考えはわかる、将監はこいつらに殺されてる、だがその仇を取れるほどお前は強くない、今ここで死ぬつもりか?」

 

真莉の言葉に屈辱の表情を見せ夏世はショットガンをしまった

 

影胤「すまないね、手間が省けるよ」

 

真莉「お前の為じゃねぇよ...後、小比奈、どっからその菓子持って来た...ってか不法侵入だぞおめぇら」

 

真莉は盛大に溜め息を吐いた

それに影胤はくつくつと笑い答える

 

影胤「ふふふ、今更そんな事で言われるとは思わなかったね...今回は君に恩を返しに来たんだ」

 

夏世は首をかしげる

 

夏世「恩...ですか?」

 

真莉「まぁ、こいつを助けたのは俺だしな、ってそんな事言いに来たわけじゃねぇんだろ?さっさと言え、また海に落とすぞ」

 

影胤「ヒヒヒ、それは怖いね...大阪エリアの代表が動き出した...と言えば君には伝わるかな?」

 

影胤の言葉に真莉はいきなり赤髪赤眼になり影胤に問いかける

 

真莉「っ...本当か?」

 

影胤「ヒヒヒ、本当さ、この眼で見てきた、近々内密に来るだろうね、気をつける事だよ、いくら君が《その力》を持っているといっても彼らもその力を欲しがっている、手段は選ばんだろうね」

 

真莉は眼を閉じ思考する、既に髪の色は元の黒に戻っていた

真莉は眼を開けると先ほどよりも深い溜め息を吐く

 

真莉「ハァァァ...分かった、それだけ聞ければこちらとしても対策できるだろ...めんどくせぇ...」

 

夏世「どういう事ですか?」

 

真莉「...はぁ、しゃあねぇ、アカネが帰ってきたらお前が聞きたい事も含めて教える、こいつの前で言う気はねぇよ」

 

真莉は影胤の方を向きながら言った

影胤はこれまた笑いながら小比奈を連れて出て行く

 

影胤「ヒヒヒ、さぁやるべき事はやった、小比奈、帰るよ」

 

小比奈「はい、パパ」

 

帰る寸前で小比奈は立ち止まり真莉の所に戻ってきた

 

真莉「あん?どした?小比奈?」

 

くいくいとしゃがめと裾を引っ張り催促する

真莉はそれに従いしゃがむと小比奈は真莉の耳元に近付き小声で喋った

 

小比奈「真莉、パパを助けてくれてありがとう」

 

真莉は目を丸くして小比奈を見る、小比奈はトテトテと影胤の元へ走っていく

影胤は小比奈に一言二言言って歩いて行く小比奈は何かを言いながら影胤に付いていく、若干の静寂の後先ほどより騒がしい騒音娘が帰ってきた

 

アカネ「たっだいまぁぁぁ!!」

 

真莉と夏世はお互いを見あい苦笑しあう

 

夏世「それではお話を聞かせてもらいますね?」

 

真莉「なんか一気にめんどくなったな...まぁいい、そんじゃ、アカネを呼ぶか...とりあえずココアを入れるから座っとけ」

 

夏世「はい、ありがとうございます」

 

ガチャ!っとドアが勢いよく開く

 

アカネ「お兄ちゃん!ただいま!...あれ!?夏世!どうしたの!」

 

真莉「アカネ、話があるから夏世と座って待っとけ、今ココア淹れてる」

 

アカネ「は〜い!」

 

 

真莉はアカネと夏世を座らせてココアを淹れる、不意に窓から外を見て空を見る

真莉の目は赤く染まり憎しみの篭った目を外に向けていた

 

真莉「...斉武宗玄...か...覚悟を決めなきゃ...か」

 

 

真莉の呟きは2人の騒音で掻き消され消えていった

 

この平和な生活はそんなに続かない、真莉はそう思い本日3度目の深い溜め息を吐いた




これで第1巻の内容は終わりです!

なんか異様に長くなりましたね...

次の章では色々オリジナリティを加えていきます
真莉くんの過去もどんどん明かしていきますよ!

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