原作2巻しかなかったけど買ってきました!
なので最後ら辺まで原作に合わせて書きました
(楽してるし...)
目的地に到着したヘリはすぐさまその場を離れた
蓮太郎はそれを見て思考する
蓮太郎「(大丈夫、真莉は生きてる筈だ、あいつはあんなんで死ぬやつじゃない...絶対に)」
延珠「...蓮太郎...」
延珠は不安そうな顔を蓮太郎に向ける
蓮太郎「大丈夫だ、絶対に生きてる、とにかく俺たちはまず影胤を倒す事に専念するぞ!」
延珠「...分かった!」
蓮太郎と延珠は目的を確認し、道を進む
蓮太郎は腰に差したナイフを取り後ろにいる延珠の邪魔にならないように周囲の邪魔になってる枝などを切っていく
森はかなり大きくなった木々のせいで月を隠してしまい森の中はひどく暗い
誤算だったのは事前に持ってきていた地図が全く役に立たない事と当初の予定では真莉と合流しツーペアで進む予定だったのだが(アカネがいるため)ヘリが襲われ破壊された、真莉なら恐らく平気だろうが何処に墜落したか分からないため合流は不可能に近い
蓮太郎は早々に懐中電灯を使い明かりをつける
本当は敵性のガストレアや影胤達に見つかる可能性が高くなるためあまり使いたくなかったのだがそうも言ってられなかった
懐中電灯の明かりが多少なりとも辺りを照らす、すると蓮太郎は驚愕した
気温はやや肌寒いくらいなのに熱帯雨林にしか生えないような植物や灌木が光の届く限り何処までも続いている
延珠「れ、蓮太郎...」
流石の延珠もこれには少し恐怖を感じていた
蓮太郎は少しの間思考し結論を出す
蓮太郎「延珠、町の方に行こう」
延珠「でもいいのか?ここら辺にいるっていう話ではなかったか?」
蓮太郎「その線は少し薄い、こんな所常人なら直ぐに気がどうにかなっちまう、恐らく影胤は町にいる筈だ」
延珠は異論は無いのか黙って頷いた
しばらく歩き土からアスファルトになり始めた
そのまましばらく歩くと近くで大きな足音と唸り声が聞こえ蓮太郎はすぐさま懐中電灯の明かりを消しその場にしゃがむ
蓮太郎は腰からXD拳銃とワンタッチ式サイレンサーを取り出しXDの銃口に取り付けるとゆっくりと音の方に近づいた
遠くから小川の音が聞こえそれは近づくとどんどん大きくなる
音を忍ばせながら1分ぐらい進み茂みをゆっくり掻き分ける
思いがけず近く、それこそ目の前にそれはいた
一瞬立ちすくんでしまって蓮太郎は慌てて茂みにしゃがむ
最初に見えたのは赤く光る眼の中に見える細い瞳だった
細長い口には鋭い歯がびっしりと生え、頭から長い尾まで鎧のように覆われた硬い外皮はヌラヌラと光っていた
川から半分ほど身を乗り出し鎮座しているその姿はまるで重戦車の様だった
蓮太郎「これは...ワニだ...よな?」
ガストレアウイルスで肥大化した身体は今更驚くには値しないが足が6本も生えており、眼が本来付いている所以外にもあと4つも付いている
恐らく体をデザインする上で細胞に何らかのエラーが出てあのような異形の姿になったのだろう
あちらもこちらにきづいている、しかし今だに襲ってくる気配は無い、それでも横目でじっとこちらを見ている、蓮太郎は掌に嫌な汗をかく
蓮太郎「(どうする...やるか?)」
蓮太郎は自分の銃に視線を落とす
現在、蓮太郎の銃はサイレンサーの効果を最大限に発揮するために弱装弾と呼ばれる火薬を減らし銃弾初速を音速以下まで落とした亜音速仕様のバラニウム弾を装填している
しかし相手は元々強靭な肉体を持つワニの皮にガストレアウイルスの強化が加わっていることを考えると例え頭部に当てても頭蓋骨辺りで止まってしまうのでは無いか...
すると延珠が袖を引いて不安げな瞳で小さく首を横に降る
延珠の無視しようという意思は読み取れた
それがだめ押しだった、蓮太郎は銃を構えながらゆっくりと後ずさりした
6本足のワニは何を考えているのか分からない瞳でこちらの様子をじっと見ていた
ワニの姿が見えなくなると足早にその場から離脱した
おおよそ安全圏まで来たと判断して蓮太郎は大きく息を吐いた
自分の臆病を笑い飛ばす余裕もなかった
すると横から不機嫌な声が聞こえた
延珠「お主、妾が止めなければ突っ込んでおっただろう?」
蓮太郎はそれに答えられなかった
延珠は続ける
延珠「蓮太郎は妾より脆いのに妾の前に出たがり過ぎだ!」
冷静になって考えてみれば弾幕の温存やリスクの管理など様々な問題があった
あのまま倒そうと飛び出して行ったらよしんば勝てたとしてもかなりのダメージを受けることになっただろう
蓮太郎は首を振って答える
蓮太郎「悪い、気をつけ...ッ!?」
ドゴォォォォン...
言い終わる前に重低音の爆発音が響き空気を、辺りを振動させた
蓮太郎は直ぐにその音の正体に気づき舌打ちした
蓮太郎「馬鹿野郎!何処かのペアが爆発物を使いやがったな!?...何て事を...」
その時、バサバサバサと何処にいたのか森の中からコウモリが一斉に飛び立ちキィキィ鳴きながら蓮太郎たちの頭上を狂ったように飛び回る
蓮太郎は冷や汗をかいた
蓮太郎「(まずい...森が起きるッ!?)」
そう思った矢先直ぐにさっきの音とは別の重低音が足元から伝わってくる
それは巨体が地面を踏みしめる地鳴り
その音は四方に響き音の出所がわからない
続いて聞こえたのは腹の底に響くような低い唸り声
さっきのワニの方向かと思ったがもっといびつで禍々しい...
すると延珠は顔面を蒼白にしある一点を見つめる
延珠「蓮太郎...あれは、なんだ?」
延珠の見ている方向を見てもそこには巨大な影があるだけ、意を決してライトを点けるが思わず驚愕し懐中電灯を取り落としそうになった
身長はおおよそ6メートル以上ある
爬虫類特有の獰猛な顔を首は長く、口から赤い舌がチロチロと覗いている
その姿はお伽話な出てくるようなドラゴンに似ていた
間違いなくステージ4のガストレア
恐らく鳥類と爬虫類が何種類か混ざっているがここまでステージが進行すると元が何の生物なのか分からない
ドラゴンは神経質そうに右足で地面を蹴る、さながらそれはランナーが走り出す前の如く
視線を釘付けにされながら直ぐにあの巨大な生き物に抗える武器を思考するがそんなの持ち合わせているわけもない
あそこまででかいとバラニウム弾仕様の重機関銃か対戦車用ライフルでも無ければとても太刀打ちできない
蓮太郎「延珠、俺を連れて走れるか?」
延珠は視線だけで了解の旨を伝えた
視線はドラゴンに向けながら延珠の肩に負ぶさる、身長が随分違うのでもたれかかるようになるが今は気にしていられない
蓮太郎「延珠、逃げ切れないようなら俺を捨てろ」
蓮太郎の言葉に延珠は大声を張り上げる
延珠「そんな事、出来るわけないであろう!」
声と共に延珠は地面を蹴る、冷たい風が頬を叩き、風圧に抗いながら薄く目を開けたときそこはもう空中だった
延珠が飛んだのだ、延珠は蓮太郎を背負ったまま二十メートル近く跳躍していた
服の裾がはためき、空中で一旦静止する、一瞬の後自由落下の軌道を描き猛烈なスピードで森が迫ってくる
延珠は太い枝を一つ見定めるとそこに両足で着地し再跳躍、今度は短く五メートルほど離れた木の枝に飛び移ると目にも止まらない速さで再々跳躍
延珠が飛ぶたびに強力なGが掛かり振り回されて落ちそうになるがなんとか堪える
蓮太郎は後ろを見ると驚愕する
獰猛なハンターは前傾姿勢になると木々を踏み倒しながら追跡、木々をバキバキと粉砕しながら猛追してくる、想像以上のプレッシャーに叫びたくなる
延珠は前を見て逃げ場所を探していると前方に人影が見えた
延珠「おい!そこのもの!逃げるのだ!」
影はそれに気付いたのかこちらを向いた
延珠はそれに気づき後ろにハンターが迫っているのに急停止してしまった
それに一番驚いたのは延珠に負ぶさっていた蓮太郎だった
蓮太郎「お、おい!?延珠!?」
すると影が喋る
???「ふむ...待っててくれるか?」
???「うん!」
影は一つではなく二つ、若干小さくて見えなかったのだ、小さい影は元気に言う
その二つに聞き覚えがあった二人は驚愕の、それでいて安堵の表情を見せた
しかしその間も後ろのハンターは迫ってくる
影の一つがその場から消える
後ろのドラゴンは獲物を食えると判断し大きく口を開けるが直ぐにその口を閉じた
閉じたと言うよりは...頭上からの衝撃で強制的に閉じさせられたのだ
ドラゴンは体長おおよそ6メートルを超えるのにさらにその上からの衝撃はドラゴンは流石に考えていなかっただろう
それに驚愕している二人を小さな影が...アカネが二人を呼ぶ
アカネ「延珠!蓮太郎さん!早く早く!」
延珠「アカネ!!」
蓮太郎「やっぱり無事だったんだな!真莉!アカネ!」
真莉「諸々の話は後だ、ここは引くぞ、この先に休める場所があった、そこに行くぞ!走れ!」
真莉はそう言うと蓮太郎達を連れ走り出した
取り残されたドラゴンは大きな咆哮を上げその場で暴れていた
やはりタグにチート系を増やすべきでしょうか?...
どうしてもそうなってしまうんですよねぇ〜...