剣姫の弟ですが何か 〜ジャガ丸君の好みは豚キムチ味〜 作:木野兎刃(元:万屋よっちゃん)
グダグダですいません、次回はちゃんと書きますんで許してくだせぇ
「それじゃあ始めるとするか…………ウラノス、神の力【アルカナム】の使用許可を」
オラリオの神々を管理するウラノスの声がオラリオ全土に響く。
豊穣の女主人にてヘルメスが神の力の一つ、神の鏡を発動する。神々が下界で許された唯一のアルカナム。
それを皮切りにオラリオ各地で神々が神の鏡を展開させる。
それはオラリオから離れたシュリーム古城を写していた。
今回のフィールドとなったシュリーム古城は巨大な城壁に囲まれた城でその昔、アレス率いるラキア王国もオラリオ攻略戦の拠点としても使用していた。
期間は三日間で三日でアポロンファミリア団長、ヒュアンキントスを倒さなければヘスティアファミリアの負け…………逆にヒュアンキントスを倒せばヘスティアファミリアの勝ち。
「ヘスティアファミリアに二十万ヴァリス!!」
「へっ、俺は四十万だ!!頼むぜ幸運の白兎!!」
このように博打の対象となっている。
冒険者達は人数の多いアポロンファミリアに賭けるが大番狂わせを期待する神々と一部の冒険者と市民。
ギルド職員もちゃっかり賭けているのはここだけの話。
「ちくしょぉぉぉぉ、何でクロッゾの魔剣持ってんだぁぁぁぁぁ!!」
「そんか事言ってないで何とかしろぉ!!」
シュリーム古城は絶賛大パニックであった。
開始早々レオンハルトと助っ人のリューが敵陣に突っ込みヴェルフの用意した二本の魔剣をぶん回しているのだ。
切っ先から紫電が迸り城壁を玩具のように壊していく。
「ヒュアンキントスからの命令で七十人連れて出撃しろってよ!!」
走り回りながら大声で団長からの伝令と叫ぶ小人の少年。
「はぁ?殆ど戦力を敵2人に使えだと!?」
「このまま城ごと潰されるよりはマシだろ!!」
渋々指示を聞いた冒険者は門から殆どの団員を連れレオンハルトとリューに突撃する。
「ヒィィィウィゴォォォォォオオオオオオオ!!レッツパーリィィィィ!!」
「レオン、はしゃぎ過ぎです」
「いや魔剣使うの初めてだからテンション上がっちゃって…………」
手軽に高火力の魔法をぶっ放せるのを楽しくなりレッツパーリィしていたレオンハルトを注意するリュー。
魔剣に溺れる訳では無いがこれはこれでそれなりの爽快感があるとレオンハルトは砕けていった魔剣を見つめていた。
しかしその間にも敵はレオンハルトを狙う。
「今度は惚けないでください!!」
リューは敵の刃をギリギリでかわしながら木刀で殴りつける。
レオンハルトとしては惚けていたつもりは無く油断させ大きく隙が出来たところを叩くつもりだった。
それを今言ってもしょうがないと考えたレオンハルトはリューに一言謝ってから奥の方へ走り出した。
「なっ、貴様エルフなのか!?同胞の癖に魔剣なんぞを使いおって…………貴様にはエルフの誇りは無いのか!?」
エルフ族の男の攻撃はリューの被っていたケープを切り裂いた、その際にエルフの象徴とも言える尖った耳が見えたのだ。
エルフはその昔、クロッゾの魔剣により故郷を焼き払われている、そのせいもあって魔剣を嫌う。
「一族の誇りよりも私には大切なものがある」
「何をふざけた事を…………恥を知れ!!」
「クラネルさんはシルの伴侶となる方だ。
友が為、そしてなによりレオンさんの為なら私はその程度の恥……………喜んで受け入れよう」
疾風の速さで魔剣が振るわれ紫電が辺りを焼き焦がす。
想い人が頭を下げてまで頼んできた助っ人の依頼、自分は全力を尽くすだけと木刀と小太刀を振るう。