Infinite Pandora   作:曾羅

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今回は短いけどオリジナル話!
次回への布石かな

タイトル決めました。
ピエロ1703様のInfinite Pandora(無限の贈り物)に決定します。
戦いを終えたオズ君たちには幸せという贈り物を送りたいです


昼食と巻かれた時計

「シャルー!」

 

6月も中旬になろうかという頃。ここ最近は学年別トーナメントの件で学園は賑わってる。

特に原因は最近周辺で流れている噂。

『学年別トーナメントで優勝したら織斑一夏と交際できる』

最初に聞いたときはなんだそれはと呆けたけど周りの反応を見る限り本当のようだった。

―――一夏本人はどうなのかは知らないが…

そんなわけで現在の放課後は特訓、そして現状を維持させるために、一夏を優勝させるために一夏の特訓を頻繁に行っている。

今日もその予定だったが昼食を食べようと食堂に来たら最近のマンガでも見ないような大きな肉の塊を頬張るアリスちゃんとその肩に乗ったオズ君。

そして……なぜかエプロン姿でカウンターから上半身を出す父の姿。

 

「と、父さん?何をしているの!?」

 

「ん?これか。いやぁ学食のおばちゃんたちに手伝いを頼まれてなぁ」

 

「かれこれ30分ぐらいは手伝ってるよ」

 

なんだろうか。

今まで畏れていたのが馬鹿馬鹿しく感じるこの感覚は…

なんて考えていると突然父さんはおろおろとし始めながら

 

「しゃ、シャル?どうしたんだ!?っは!そういうことだな。待っていなさい!今すぐお父さんが最高のランチを作ってやるからな!」

 

違う。違うんだよ父さん…確かにお腹は空いてるけど今はそれも気にならないようなほど別の事があるんだよ

一夏達が券売機に並んで戻ってくると同時に父さんが再び顔を出す。その手には高級レストランに出てくるようなランチを乗せたお盆を持って。

 

「お、シャルの朝食は随分と豪華だな!」

 

「まぁ、デュノアさんのお父様は随分と料理上手なのですね!」

 

一夏は本心なのだろうがセシリアを筆頭に鈴たちは口が微笑んでいる。

子供のころから憧れた光景だったがこれは恥ずかしい。穴があったら全力で入りに行きたい。

一夏達と席につき食べていると手伝いは終わったのか、それとも休憩なのか

父さんがキッチンからこちらに向かって走ってきた。エプロンを着ながら…

その満面の笑顔に驚いたのかその姿を見た他の人たちはもれなく全員口に含んでいたものを噴出していた。

 

「と、父さんなにか用なの?」

 

「あぁ実はな、今日の放課後時間大丈夫か?最近よく放課後に訓練しているらしいがたまには休みを入れたらどうかと思ってな」

 

「うーん。特にいつもどおり一夏たちと訓練をする予定だけど…」

 

そういってからしまったと気付いてしまった。

一夏と名前を呼んだ瞬間父さんの顔が陽気なオジサンから百鬼のごとくに変わってしまった。

この顔で「名前呼び?埋めるか?いや、とりあえずは詰めるとして…」と小声で囁かれるのは恐い。一体なのを詰めるんだろう…

 

「と、パパ!予定はないけど何か用事でもあったのかな!?」

 

父さん呼びからパパと呼んでよっぽど嬉しかったのか一瞬で機嫌を直した父。

そしてそれを見て笑いを必死にこらえる学友達。うぅ恥ずかしい。

 

「実はな!パパ今日はオズとアリスちゃんたちと一緒にレゾナンスに行く予定なんだがシャルも一緒にどうかと思ってな」

 

学園から数駅の所にある巨大ショッピングモール『レゾナンス』しかし、アリスちゃんはともかくオズ君とは、

 

「オズ君もなのですか?外で人形が動いて喋れば騒ぎになると思いますが…」

 

「それについては考えがあるから大丈夫さ」

 

ISであるオズ君が外に出ると聞きセシリアが質問するが父さんは待ってましたと言わんばかりに笑いながら平気だと笑った。

どうしようかと悩んでいると

 

「行って来たらどうだ。俺は箒たちに教えてもらうからさ今日ぐらいは休んでくれよ」

 

「…うん!そうだね。行ってくるよ」

 

一夏にこう言われてしまうと弱い。父さんとのお出かけやってみたいという想いもあったから今回は素直に行こうかな。

 

 

「むぅ…」

 

「どうしたのアリス?」

 

先ほどから静かにしていたアリスが何やら難しい顔をしているのが気になって質問をしてみると

 

「あのシャルロットとか言う娘…お姉さまの声に似てる…」

 

だから少し怖いのか、怯えたようにシャルロットに近づこうとしないアリス。

確かに似てるねぇ

 

「世界には自分とそっくりな人が3人はいるっていうし別世界だから珍しいことじゃないんじゃない?」

 

「それもそうか!考えたら腹が減ったぞ!もっと肉を寄こせ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇエコー」

 

「どうしたんですか?姉さん。」

 

姉は出不精の気がある。

必要なものはネットで揃えようとするし、服にもこだわりがない。

その姉がわざわざ私の教室にまで来るのは珍しい。

 

「実は放課後にレゾナンスに行こうと思ってるんだ。ついてきてくれない?」

 

「大丈夫ですか?風邪を引いてるならお休みになった方がいいかと。」

 

「間髪そう入れてくるのはちょっと悲しいかな」

 

あの!あの姉さんが!日頃から煩わしいから太陽なんて滅べばいいとか言う姉がまさかそんな明るい場所に行こうとするなんて!

明日、いえ今晩は雪が降った後に槍が降ってくるかもしれません。

 

「顔色は変わっていないけれど何を考えてるかなんとなくわかるけどちょっとひどくないかな」

 

「…そ、それでレゾナンスまで何を買いに?」

 

「生け花用の鋏を買いに行きたいんだよ」

 

姉さんは生け花をしている。けれど姉さんの作品は花を生けるというかまるで献花のような寂しさがある。

 

「ハァ…まぁ別に用はありませんからね。かまいませんよ。」

 

「ありがとう。それじゃぁ放課後に迎えに来るよ」

 

…なぜでしょうか。

時折姉から誘い。そうこれは確かに珍しいが数ヶ月に一度はある事なのだ。

なのに私の心は無性にレゾナンスに向いている。

いや、これがうわさに聞く第六感という奴だろうか。

後悔したくなければ私は今日レゾナンスに行った方がいい。

そんな想いが今朝からあった。

この気持ちは一体なんなんだろうか。

 

私はどこか上の空で気づかないふりをしながら思う。

そう、私は気付いている。正確にはなにもしらない。けれどどこか確信めいたものが私の中にはあった。

 

―――私の時計はようやく動き始めるのだろう




やってみたかった中の人ネタ
もっと本格的にやりたいね。シャルに酒を飲ませて女王様化とか。
夢が広がりんぐ

最近Fate/Goにド嵌りしてます。
Lv20のカレイドスコープを持ったLv50の清姫を見かけた方。
多分私です。是非に使ってフレンド申請を飛ばしてください。
フレンド6人しかいなくてさみしいお(´;ω;`)

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