Infinite Pandora   作:曾羅

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遅くなってすみませんでした
ちょっと100選の大滝を見に行ったりゼノサーガしたり京マフに行ったりしてました
べ、べつにきっかり1週間って言ったわけじゃないからセーフだよね!


再開と邂逅

娘がフランスを発ってから数日が経った。事態を知りすぐに学園に連絡をしたがなんとか娘の入学に何とか間に合った。

制服など色々間に合わずに男子生徒用のものが渡されたようだが、先ほど学園側からの謝罪が届いた。

曰く。「今年は多くの代表候補性に加え世界初の男性搭乗者の出現など多くの要因の為互いのミスを発見することができなかった」云々。

正確には謝罪と呼べるか怪しいがこちらが最初に書類を間違えて送ってしまった。そしてそのミスを学園側が見逃してしまった。ごめんなさい

という設定で通すつもりらしい。

妻に味方する経営陣はこれに抗議を返そうとしてたがそれは権力でねじ伏せた。

私は政府にこのことを報告しすべての覚悟を告げた。

首相からはいつかは国政に出てきてほしいと言われていたが私はそんなものには興味はなかったので断った。

 

IS学園の校舎から出た私は数時間ぶりの新鮮な空気に深呼吸をした

 

「随分とお疲れのようですね」

 

「あぁ、生徒会長殿。ここ最近はずっと落ち着かなかったですがようやく肩の荷が下りましたよ」

 

座り続けて硬くなった体をほぐしていると水色の髪の少女が話かけてきた。

確か、ここの生徒会長でロシアの国家代表だったか

 

「降ろしたのは肩の荷どころではないと思いますが」

 

「これからはもっと重い物を持ちたい思っていますから」

 

「世界第三位の大企業の社長より重い物ってあるんですか?」

 

「ありますよ。世界のどんなものより重い物が…」

 

そうどんなものよりも重い大切なものが。

 

「そういえば今は授業中ですよね。娘の様子を見に行くことは」

 

「申し訳ありませんわ。今日あなたが来ているのは非公式ですのでそういった騒ぎになるのは…」

 

それは残念だ。

正直に言えばそんなことを無視して娘に会いに行きたいが学園にこれ以上迷惑をかけるわけにはいかないし、

もう少しすればいつでも会えるようになるんだ。

 

「一つお聞きしてもいいですか?」

 

「ん?なんですかな」

 

「これから先はどうするんですか?」

 

「あぁ…どうしよう。何も考えてないんだよなぁ」

 

何も考えていないことを正直に話すとあっけにとられたように固まっている。

覚悟を決めた後は何も考えずに自身の想いに従ったからこれからさきのことなんて何も考えていない

そうだな…あの時は結局あの子たちをカメラに収めることができなかった。

カメラを始めるのも悪くないかな。

そんなことを考えていると

 

 

「ちょっとアリス速いよ!」

 

「速く来いオズ!」

 

―――とても懐かしいもう会えないと思っていた重荷(宝物)が聞こえた。

 

「い、今のは」

 

「ちょ、デュノアさん!」

 

声を聴き思わず声のする方へと走り出す。背後で生徒会長殿が慌てて止めるが制止を振り切り走り抜ける。

声が聞こえたのは道からそれた雑木林の奥からかすかに聞こえた消えることなく会話は進む。

 

「窓から見えたけどやっぱりここは凄いね」

 

「獣の一匹か二匹ぐらいいないのか?」

 

「さすがにいないんじゃないかなぁ」

 

声が途切れることは無い。これは夢じゃない現実であの子たちがここにいる?

雑木林をかき分けると奥に開けた場所が見えてくる。そこでくるくると回る少女がちらちらと見える。

 

「オズ!」

 

「うわっ!って、え?お、叔父さん!?」

 

少女、アリスに耳をかじられている人形があの子の声で驚きの声があげる。

そういえばオズの正体は本物の黒ウサギ(ビーラビット)だとザイたちは言っていた。ということは今のオズが真の姿というのだろうか。

 

「本当にオズなのか…?」

 

「え、なんで叔父さんがここに?」

 

「…ふむ、貴様も百の巡りに導かれたのか」

 

「私も?ということはオズたちも…」

 

「…うん」

 

オズたちと再会した後はその後の話を聞いた。

兄の最期。姪の恋路。そしてアヴィスの意思の決意。

 

「そうか。頑張ったんだな」

 

話を聞き終わった俺はぬいぐるみの頭を撫でる。傍から見れば大の大人が少女のぬいぐるみを撫でている光景。

過敏な人が見れば通報されかねない光景だなと我ながら思う。

 

「それにしても…エイダの想い人がよりにもよってヴィンセントだと!?」

 

「う、うん」

 

「っく!ギルなら譲歩してもいいと思ったがあんな奴とエイダがくっつくなんて…」

 

思わず想像してしまう。美しく成長したエイダがヴィンセントの仲睦まじく笑いあう光景を。

叔父としては受け入れるべきなんだろうが……

 

「やはり叔父さんは許せないぞ!!」

 

「おーい。デュノアさーん!」

 

話をしていると私がきた道から生徒会長が顔出す。

 

「あれ?デュノアさんはアリスちゃんたちと知り合いなんですか?」

 

「あぁ…知り合いというか」

 

ん?そういえば大事な事を聞いていなかったな

 

「そういえばどうしてオズとアリスちゃんがここにいるんだ?」

 

「私たちは生徒としてここにいる」

 

生徒?にしてはオズたちはまだ中学生の年齢のはずだ。

実年齢を足せば100歳を超えてしまうだろうがともかくここに通うのは少しおかしい。

 

「この子たちは現在は0組という特別学級に所属してもらってるんです。オズ君は特殊なISですから」

 

「叔父さんこそどうしてここにいるの?」

 

「あ、あぁ実はこの学校には俺の娘が通っているんだよ」

 

「え!本当に!?」

 

「おぉそうだぞぉ。そう考えるとお前の姉か妹みたいな感じになるんだろうな」

 

「…そういえばデュノアさん。これからのことを悩んでましたよね」

 

突然何かを考えるような仕草を始めた生徒会長殿が顔をあげ私に一つ提案をした

 

「え?えぇそうですが」

 

「ならひとつ提案があるのですが」

 

生徒会長がだした案はとても素晴らしい物だった。私はすぐさまのその案に賛成すると生徒会長は学園長に相談してくるとその場から去ろうとすると同時に授業を終了させるチャイムが鳴り響いた

 

「ちょうどいい時間ですし学食で昼食でもいかがですか?運が良ければ娘さんも来るでしょうし」

 

「飯か!よし、おまえ達肉を食いに行くぞ!」

 

「それではお言葉に甘えさせていただきますよ」

 

笑顔で生徒会長を見送った俺たちは学食に行く途中で織斑教諭と出会い。共に食事をさせていただいた。

 

「いやぁ。あなたのような美しい方とご一緒できるとは運が良かったですよ」

 

「御世辞は結構ですよ」

 

やはり美人さんと共に食べる食事はいいものだ。

アリスちゃんも先ほどから肉を頬いっぱいに食べている。

 

「冷たいですなぁ。もしかしたらこれから先長い付き合いになるかもしれませんし仲良くしましょう」

 

「それはどういう?」

 

「ハッハッハッハ。お楽しみは後で、ですよ!」

 

正式には決まっていないがこれぐらいなら許されるだろう。

わからず呆けてる顔もなかなかにかわいい物だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オズとの再会から数日。

生徒会長の案にのり学園長と予定を合わせ相談しようやく正式な決定になった。

そんな俺は現在

 

「おーい、アリスちゃーん鬼ごっこかーい?」

 

絶賛追いかけっこ中だった。

2人と再会してから数日だったがどうにも俺の接し方は今までに経験がないらしくアリスちゃんも戸惑っているらしい。

そんなわけでスキンシップを取りすぎるていると、たまに顔を真っ赤にして逃げ出してしまう。

今も逃げ出してしまったアリスちゃんを追いかけている最中だった。

 

「き、貴様!さっきから気持ち悪いぞ!ニヤニヤしよって!」

 

「HAHAHA。そんな冷たい目もなかなかに来るものがあるな!」

 

「………!」

 

俺が追いかければ追いかけるほどアリスちゃんは顔を真っ赤にしながら走るのをやめない。

しかし俺もおっさんだ。さすがにそろそろ限界がきた。

だが、そんなことは表に出さずに笑顔でアリスちゃんを追いかけているとアリスちゃんは校舎の中に入ってしまった

 

「む?さすがにこりゃまずいな」

 

今の私はあくまで来賓扱いさすがに授業を妨害してまで追いかけっこすることはできん

 

「どうするの?おじさん」

 

「ふむ。さすがにこれ以上は追いかけっこはできないからな。ここからは……かくれんぼだ!」

 

追いかけっこがまずいならゆっくり追いかければいい。

全力で逃げるがあまりにアリスから降り落とされてしまったオズと共に校舎へと静かに侵入した

静かに、だが素早く校舎内を探索をしていると声が聞こえてきた。

 

「それでは本日のHRはこれで終了だ」

 

「この声って織斑先生の声かな」

 

聞こえてきた声にオズが反応する。たしかに今の声は織斑教諭の声だった。ということはこの教室には

 

「シャル!」

 

「誰だ!?」

 

「ちょ、おじさん!」

 

織斑教諭の教室ということはここには娘のシャルロットがいるはず。そう考えると私は思わず扉を開けてしまった

 

「え?」

 

愛しい娘が訳が分からないという顔でこちらを見ている。シャルロットとこうして顔を合わせるのは初めてだった。

今までは遠目に見ることしかできなかったし引き取ってからはどうしても外せない会談のせいで会えなかった。

そして、(サラ)を見捨てた俺を恨んでいるのだろう、責められるのが怖くて顔を見れなかったこともある。

だが、今は違う!

俺は全てのしがらみを捨てた。周りからは無責任だと言われようとも俺は我慢することができなかった。

 

「デュノアさん?どうしてここに」

 

織斑教諭が私に質問したことで私の正体を知ったクラスの女生徒が驚きの顔でこちらを見てくる。

まだ発表はされていないので私はまだフランスの大企業の社長だと思われている。

 

「…申し訳ない。どうしても我慢できずに来てしまいました」

 

正直に言うと織斑教諭は諦めたのか疲れたように息を吐いている。これは後でなにか疲れをいやすものを送らないといけないだろう。

 

「と、父さん?」

 

シャルロット怯えた目で私を見つめる。

あぁ私はそう思われているのか。

私は静かにシャルロットへと歩いていく。シャルロットの席は私が入ってきた扉とちょうど対称の位置にあるので私は黒板の前を通ろうとすると

 

「あ、あの!」

 

教壇の前で男子生徒が私の道をふさいだ。IS学園の制服を着る男子ということは

 

「君が織斑一夏君か」

 

「は、はい。あ、あのシャルに一体なんのようなんですか?」

 

「…どうして君がそんなことを聞いてくるんだ?」

 

それにシャルだと?随分と仲がいいよだが

 

「えと、シャルとは同室だし、あと、えーと同じだ、男子として気になるというか」

 

…この子は気付いているシャルロットの秘密を。そのうえで秘密を隠そうとしているということはいい子なのだろうが

 

「……同室だとぅ、おんどりゃあ人の娘と同室やとゴルァ!」

 

「は?」

 

俺が叫んだセリフに教室のざわつきが止まりシャルロットの顔色がどんどんと青ざめていく。

ついでに織斑教諭も疲れた様子で額を押さえている

 

「え?デュノアさんって男じゃないの?」

「本当は女なの?」

「フランスの代表候補生が性別を偽るってやばくない?」

 

「え、えと何を言ってるんですかお父さんシャルはおん」

 

「てめぇに父親呼ばわりされる筋合いはねぇ!」

 

「おまえ達静かにしないか!あとデュノアさんも落ち着いてください」

 

未だに青筋を立てているが、織斑教諭に言われおとなしくするが

私はまだ怒っている。その証拠に私をみる子供たちの顔が随分と怖がっている。

 

「それと!おまえたちは何かを勘違いしているようだがデュノアは最初から女子だ」

 

「で、でも男子の制服をきて自分は男だって」

 

「あの、えっとですね。それはぁ…そうドッキリですよドッキリ!」

 

「「「は?」」」

 

緑髪の女性。山田先生がとっさについた嘘にその場にいた全員が声を上げるが

いち早く冷静になった織斑教諭がフォローを始めた

 

「実はデュノアの制服だが互いに手違いが発生してな。男子用のものしか用意できなかったんだ。さっさとそのことを言えばよかったんだがこの時期の転入は珍しいだろう。ただでさえ多感な時期だ。速くお前たちとなじめるようになりたいとデュノアも言うもんだから教師陣が考えたドッキリだったんだよ。」

 

そう締めくくるとなんか文句はあるかと生徒たちを睨めつける織斑教諭。

俺はよく理解していないシャルロットに近づくと

 

「…あ、あの父さん」

 

「ん?どうした」

 

「ぼ、僕はフランスに帰ることになるんでしょうか」

 

今は凌げても罰は免れないだろうと思っているのか肩を震わせながら聞いてくる

 

「何を言ってるんだ。お前がフランスに帰るなんてこともないし誰もお前を責めんよ」

 

「え?」

 

「すまなかったな。今までお前に寂しい思いをさせてしまっていた。この通りだ」

 

そういって俺は深く頭を下げる。シャルロットはあまりに予想外のことだったのだろう慌てながら

 

「あ、あのそんなことをしてもらわなくても……」

 

「いや、駄目だ。俺はおまえの父失格だ。サラとおまえを助けることができなかった」

 

「で、でも母さんはお父さんの愛人で…」

 

シャルロットの声はどんどん小さく震えていった。愛人の子か、確かに傍から見ればそうなのだろう。

俺は覚悟をきめシャルロットの肩を抱きながら宣言をした

 

「シャルロット。落ち着いて聞いてくれ。父さんな…仕事辞めた!」

 

「え?」

 

この教室来てから何度目かの静寂がまた訪れる。

 

「色々考えたんだがやはり大切な家族と共に過ごせないというのはいけないからな。そのためなら仕事なんて軽い物さ。あ、でもプー太郎になるつもりはないぞ!次の仕事の目途もたっているからな」

 

「え?え?仕事を辞めたってデュノア社は…」

 

「会社なら兄貴にあげたさ。元々経営には一枚噛んでいたからな全部押し付けてきた」

 

体を下げて目線をシャルロットに合わせて俺は静かに想いを告げる

 

「シャルロット。今更こんなことを言うのは遅いのかもしれん。だが言わせてくれ。俺にチャンスをくれないか」

 

「ちゃ、チャンス?」

 

「そうだ。俺はお前の父親として誇れるようにやり直そうと思う。だからお前が認めてくれたら話してくれないか」

 

「は、話すって何を」

 

「俺の知ることができなかった彼女の話だ。そして親子として共に過ごそう」

 

「!!あ、あの。えと…」

 

「返事は今じゃなくてもいいさ。時間はたっぷりあるからな!」

 

「?それってどういう?」

 

「大事な話パート2だ!お父さんこの学園に住み込みで働くことになりました!!」

 

「え、えぇぇぇぇぇぇ」

 

俺の話を聞いてシャルロットが驚いた顔をする。今まで会えなかった父親が突然現れて自分の通う学校で働くというのだ俺だって驚くだろう。

 

生徒会長が提案した案というのは私が0組の担任になるということだった。

オズとアリスに分け隔てなく接することができる。

ISについて知識が豊富である。

信頼に足る人物である。

0組の担任を務めるにはこれらの要素が必要だった。

しかしそのような人物はほぼいないと言って過言ではないだろう。ゆえに難航していたがそこに私が現れたとのことだった。

私はその提案に飛びつきすぐに学園長と相談し正式に決定した。

 

「近いうちに学園側から発表があるだろうが0組の担任兼用務員として働くことになったんだよ。だからこれからは会おうと思えばいつでも会えるぞ!」

 

戸惑っていたシャルロットもようやく落ち着いてきたのか目に涙を浮かべながら初めて俺に笑顔を見せてくれた。

 

私の刻印はようやく動き出す。

しかしそれはアヴィス(奈落)へのカウントダウンではない。

光り輝くというアヴィス(楽園)への招待状だ




叔父さんが主人公になってる
アリスたちが空気だ…
まぁしょうがないよね。叔父さんが学校で落ち着かないと駄目だし
通らないといけない道だよ。うん

次回あたりからトーナメントに入るかなぁって感じでモチベが上がってきてるんだけど
先に宣言しときます
10月からもしかしたらペースが落ちる可能性あります
東京ザナドゥとよるのないくにを買うんで時間ががががが

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