Infinite Pandora   作:曾羅

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戦闘シーン難しい!
口調が乱れる!
口調を確認するために原作を読むとどうしても随所でこう涙腺に来るというか
私のドキをムネムネする展開ばっかりで口調どころじゃなくて困ります。


模擬戦と動かない時計

空中で私たちがそれぞれ武器を構えると同時に試合開始を知らせるブザーが鳴り響いた。

その音を聞いたか聞いていないのか即座に私は大鎌を薙ぎ払う様に小娘のIS【甲龍】へと突撃した

 

「ちょ、いきなり!?」

 

「私を無視するとはいい度胸ですわね!」

 

大鎌を剣で防ぐと同時にもう1本の剣で追撃をするがオズは袖口のような部分から鎖が2本出すと2機は膠着状態へと陥った

 

「っなによ!その鎖!?硬すぎ!」

 

「世界を支える鎖だからな!貴様ごときが破壊できると思うな!」

 

「はぁ!?」

 

オズは世界を愛したレイシーの想いと、レイシーを愛するがゆえに世界を堕とそうしたジャック。2人の想いを抱いている。

そしてその想いはオズの武装として表れている。

世界を愛するレイシーは世界を支える鎖として、

世界を堕とすジャックは支える鎖を破壊する鎌として、

決して多くは無いその武装を超えるものは存在しない。

私の想いに答えるように鎖は小娘の刃を弾く。その隙を逃さないと言わんばかりに私は追撃を入れようとするが

 

「私を忘れるとはふざけていますの!?」

 

叫ぶように金髪は銃を構えると私に向かって撃ってきた。しかし、まっすぐ飛んでくるものを避けるなど今まで戦ってきた私には造作もなかった

 

「っち、行きなさい!ブルー・ティアーズ!」

 

金髪が手を伸ばすと四つの弾がそれぞれを私を狙ってきた。

四方向から狙ってくるレーザーを私は難なく避けるが邪魔して小娘に近づくことができなかった

 

「…っち、煩わしいな!オズ!」

 

『任された!』

 

オズに合図を出せば鎖が袖口と背から合計四本現れ私の周囲にいた機械の小蝿へと追撃をしかけ始めた

 

「っな!ありえませんわ」

 

「どういうことよ!いくらなんでもこの反応速度はあり得ないでしょ!?」

 

オズのことを知らない二人は鎖の動きに驚愕をしている。

その二人の反応を無視し私は大鎌で一人を落としに行く

 

「まずは貴様だ!小娘!」

 

「っ!どう見てもあんたの方が年下でしょうが!」

 

再び力比べになるが先ほどと同じように小娘の剣を吹き飛ばす。今度はオズが小蝿の攻撃を防いでいるので邪魔は入らない。

 

「貴様はさっさと寝ていろ!」

 

大鎌の一撃が小娘の脇腹へと直撃する。すかさず余っていた鎖を正面から打ち抜き小娘は地面へと沈んでいった。

 

「ふはははは!この程度か!」

 

「いい加減こちらを向きなさい!」

 

金髪がこちらに小蝿を飛ばすがレーザーは全てオズが鎖で塞いでいる。

小蝿では無理と判断したのか、金髪は手に持っていた銃でこちらを狙ってくる。

小蝿が吐くレーザーより強力だが大鎌の前では無力に等しかった。

 

「無駄無駄無駄無駄無駄ぁ!」

 

「っひ…」

 

山田が持ってきたマンガに登場する悪役帝王の掛け声を発しながら大鎌を振りかぶる私はさぞ恐ろしかったのだろう。

金髪は顔を青くしながら銃を乱射するが私には一切届かなかった。

時折、私に当たるコースのものもあったが、私は全てを斬り伏せ金髪の前へと躍り出た

 

「貴様はどんな悲鳴を上げてくれるのだ!?」

 

「っ!ブ、ブルー・ティアーズ!」

 

最後の抵抗か腰から砲台を出すが、すかさずオズが鎖で無効化する。

話には聞いていたが、ここの娘たちは圧倒的に経験がなかった。

今まで戦いに明け暮れていた私にとっては、イスラ=ユラの屋敷で戦った子供たちとハンプティダンプティと戦っているような気分だった。

そんなことを思いながらも金髪はもう私の鎌を防ぐ手段がないのか、甘んじて攻撃を受けオズはそのまま5本の鎖を束ねて金髪を叩き落とした

 

「ココの娘は随分と弱いな…つまらんぞ」

 

『まぁ…しょうがないよ、ここはサブリエみたいな危ない場所は無いみたいだし』

 

「終わったのならさっさと降りて来い!」

 

地上で織斑が指示を出してくるので、私はそれに素直に従う。

以前反抗した時にもらった一撃はなかなかに痛かったからな。

あれを何度貰うのはごめんだ。

 

「凰、オルコット貴様らもう少し粘ることはできんのか」

 

「し、しかし織斑先生!あの反応速度は異常ともいえるレベルですわ」

 

「そ、そうよ!完全に死角からの複数の攻撃にも完全に反応してたのよ!」

 

「あれはベザリウスが反応してたのではない。お前たちは二人のチームワークに負けたのだ」

 

「「チームワーク?」」

 

たしかに、私から見れば2対1というよりかは1+1対1という感覚だった。

あの二人は一切の協力をしていなかった。

 

「千冬姉。アリスちゃんは一人なのにどうしてチームワークで勝て…」

 

この集団唯一の男が質問するが織斑はその質問を最後まで聞かずに持っていた板で男の叩いた。

 

「織斑先生だと何度言えば理解するんだ。ベザリウスチームの件だがもういいぞオズ」

 

『あ、もういいの?』

 

そういってオズは私の腕の中から抜け肩へと移動した。

私と教師二人にとっては見慣れた光景だが、生徒どもにはあり得ない光景だろう一瞬でどよめきが広がる

 

「え!?今あのぬいぐるみ浮いた!?」

 

「嘘!?手品!?」

 

「おぉ…すごぉい」

 

「静かに!これが二人といった意味だ。ベザリウスが持つ専用機黒ウサギ(ビーラビット)は世界初の自立思考型AIを搭載した機体だ。ベザリウスが反応できない攻撃でもオズが警戒をし守っていたんだよ」

 

正確には違うのだが混乱を避けるためにこの設定で行くそうだ。

私にはよく知らんがオズは凄いと言ってるのだろう小娘たちがどよめき始める。

 

「静かにしろと言ってるだろ!ベザリウスは日本語は喋れるが読み書きはできんからな特別処置として0組が作られたという訳だ。先ほど見たようにベザリウス達の戦闘能力は代表候補性より高い。これからは時折だがお前たちの訓練にも付き合ってもらう」

 

仲良くしろよ。

そう切り上げると娘たちに向き合っていたのを今度は私とオズに向き合う

 

「それで凰とオルコットはどうだった」

 

「話にならんな。多少は動けるようだがISとやらに振り回されてるようなら私に勝てん」

 

『アリスは僕を振り回す方だしね』

 

「………」

 

『ちょ…回さないでー!』

 

オズの耳をつかんで思い切り振りまわす。

最近のオズは私の下僕という自覚が薄い!

 

「まぁ結果はどうあれ勝ったんだ。なにか欲しいものはあるか?快勝の祝いで買ってやろう」

 

『珍しく機嫌がよさそうだね』

 

「あぁ、最近抱えていた大きな問題が一つ解消してな。それでどうする?」

 

「肉だ!肉!肉!肉を寄こせ!!」

 

好きなものをやると言われ、私はすかさずに叫ぶ。

ここ最近はあまり肉を喰えなかった。

涎を垂らしながら肉を所望する私を見て織斑は微笑みながら言い出した

 

「ふむ、いいだろう。昼食はこちらで用意しとこう。これからどうするんだ?」

 

「ん?どういう意味だ?」

 

「今からやるのは生徒たちをISに乗せて歩かせるだけだ。お前には退屈だろう。なんなら付き合うか?」

 

「断る」

 

「だろうな。学園には話を通している他の人たちに邪魔にならない程度には様子を見て来い」

 

念のためだ、こいつを持って行け。と織斑からカードを受け取り私とオズはアリーナを出て行った。

久しぶりに自由の時間を手に入れたのだ。思う存分に腹を空かせて肉パーティだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私はあまり笑わない子供だった。

どれだけ家族が笑わそうとしても赤ん坊のころから顔が固いと言われていた。

それにあまり物を欲しがらない子だったらしい。

趣味も少なく、わがままを言わなかった。

次女ということもあり育児には助かっただろう。しかし、幼い頃から変化の乏しい私を見て家族はどんどんと気味悪がっていった。

私を受け入れてくれたのはたった一人の姉だけだった。

そんな私にも唯一と呼んでもいい趣味があった。それはとあるクマのぬいぐるみシリーズの収集だった。

他の人達には意外だと言われるし自分でも似合っていないと思ってる。

けれども、この涎をよたらしながらぐったりしたぬいぐるみを見ているとどうしようもなく欲しいと思ってしまった。

この学園に来てからもこの趣味は変わっていない。

日頃から少ない自由時間にはこのジャン太君人形集めにいそしんでいた。

そんな私には一つ不思議なことがあった。

黒いウサギのぬいぐるみ。どこで買ったのか、いつ買ったのかわからない。

けれど私が幼い頃からずっと一緒だった。

IS学園に入学する際もすべてのぬいぐるみを持っていくことはできなかったけれど、このウサギのぬいぐるみだけは絶対に持っていかなければいけない気がした。

昔、親がぬいぐるみを整理しなさいと無理矢理捨てようとしたとき、捨てられるジャン太君人形を見ても悲しいという感情しか湧かなかった。

けれども、ウサギのぬいぐるみを捨てられそうになったとき私の心の奥で何かが弾ける様な感覚を感じて初めて親の判断に逆らった。

ウサギのぬいぐるみが捨てられそうになった瞬間、私の心も一緒に捨てられそうになった。

どうしてそう感じたのかは今も私にはわからない。

ウサギのぬいぐるみは今も私の部屋の枕元に飾ってある。時折抱きながら寝ている。

とある噂によると最近できたという特別学級の子もウサギのぬいぐるみを持っているらしい。

もし逢えたら、どんな感情が湧きあがるのだろうか?

そもそも噂の域をでないのに私はなぜこんなことを考えているんだろうか。

 

「もう準備は終わった?なら速く行こう」

 

「はい、姉さん。」

 

姉さんの呼ぶ声が聞こえる。

IS学園の寮では基本的に同じ学級同士の子と相部屋になる。

けれども人数の関係で私は姉と相部屋となっていた。

姉さんの呼び声に答えて私はウサギのぬいぐるみを抱きしめて名残惜しく教室へと向かった。

 

「また、あのぬいぐるみ?エコーも好きだね」

 

「…よくわからなんです。大切だけど、どこか懐かしくて。」

 

「例の噂の子も持ってるらしいから何かわかるといいね」

 

「姉さんは0組の噂を信じてるんですか?」

 

「そっちの方が面白いじゃない」

 

あぁ、本当にいるかわからない0組の女の子。私はあなたに会えば、この胸に開いた足りないピースを手に入れることができるのでしょうか?

 

―――私の時計はまだ動かない




文字数稼ぎのために拾うかわからない布石を置いていくスタイル
そして口調確認のために23巻を読んで半泣きになるという事態

こうなったら開き直って原作で幸せになれなかったキャラをどんどん出してやろうかと考え
無理だなと自己完結する日々を過ごしています
幸せになってほしいキャラクター多すぎぃ!

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