Infinite Pandora   作:曾羅

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ぬはー
書いてたらこんなに長くなってもうたよー、1話の2倍近いよー
なかなか書けないといった手前即行でこの量を投稿するのは恥ずかしいよ

とりあえず次回か次々回で転入するかな?


でも次は設定とか用語説明の回にする予定だから次々々回かも
現時点だとPandoraHearts知らないとわからない部分が多いしね



プロローグそして契約

「貴様の命令に従う訳ないだろう、このボールがそんなに大事なのか?」

 

女が叫ぶように止めるがその程度では止まらん。ここがどこかわからない以上行動するのが一番だろう。あの女が止めるということはあのボールは何か大切なものなのだろう。

そう思い私がボールを握った瞬間

 

「うわ!?」

 

隣からオズの驚いたような声が聞こえた。とっさに私は空いた手で声が聞こえたあたりを伸ばす。

オズの姿は相変わらず見えない。けれど私にはわかる、私は確信をもって手を掴む。

傍には私が虚空を掴んだようにしか見えないだろう。だけど私の手には確かにオズに触れる感触が伝わる

 

「オズ!?」

 

感じる感触に嬉しさと安心感を抱くけれど、まるですり抜けるように私の手からオズは離れてしまう。

 

「何をしてるかは知らんが、どうやら手は尽きたようだな」

 

そう言いながら女はサーベルを構えながら近づいてくる。

さっきは殴りかかろうとしたが、今の私には戦うすべはない。血染めの黒ウサギ(ビーラビット)の力はアヴィスでの戦いでオズとの契約が切れたことにより消滅した。今の私にあるのはオズを消滅させたと思われる謎のボールだけ。

 

「私は少女が相手でも手加減はしない。まぁ命は奪わんから安心しろ。少しの間ベッドと仲良くなるだろうがな」

 

女は警戒しながらも確実にこちらに近づいてくる。私はそれをどうすることもできない。

すぐにそのサーベルが届く位置にまで来る。そして私が何かを言う前にそのサーベルは私へと振り下ろされた

 

 

 

 

 

 

 

 

暗い暗いどこまでも続く深い闇の中まるであの運命の日に堕ちたアヴィスのように暗い空間に俺は気付いたらいた。ここはあのボールの中だろうか、どうやら俺はコアの中に吸収されちゃったのか。

けれど、記憶の中にあるアヴィスとここはあまりにも違う。

アヴィスは歪んでいた。物理法則が捻じ曲がっているかのように崩れた建物があり得ないバランスで存在していた。

この空間には何もない。文字通り闇しかない、なんとか地面を認識することはできる。その地面もまるで透明な薄い板の上にでも立っているかのように不安になる状態だった。

 

「ココは………あのボールの中で俺はそれに取り込まれたってことかな。アリスが触って俺が取り込まれたのはなんでだろう?」

 

《……?》

 

そんなことを考えていたら誰もいなかったはずの空間に揺らぎが生じた。でも目の前になにかが起きたようには見えない

でも俺は確信をもってその空間に話しかける。

 

「あんたがこの空間の主?っていうか話せる?名前とか教えてもらえると嬉しいんだけど」

 

《…ナマエ?シ……シラ……シリタイシリタイシリタイ》

 

「っ!」

 

そこにいた存在は急にとびかかってきたと思ったらそのまま覆いかぶさってきた

 

「っこの!?離れろ!」

 

黒ウサギ(ビーラビット)の力をとっさに発動し何者かを引きはがす

 

「落ち着け!」

 

《オチ…ツケ?……シラナイ…シリタイシリタイシリタイ》

 

「こいつ……本当に何も知らない?」

 

まるで生まれたての赤ん坊が差し出された指を握り返すように、吸い付くようにただ本能に従う様に自分の知らないものを知ろうとしているのだろうか………

このままではどうしようもない、こいつは何も悪いことをしてるわけじゃないただ自分の知らないことを知ろうとしてるだけだから。

 

「分かった分かった。教えてやるから手を出せって、手ってわかるか?」

 

そう言って右手を出す、俺の意図を読んでくれたのかそいつは俺の手に触れるそして俺の記憶とそいつの記憶を共有させる。

本来ならアリスたちのように同じと呼べる存在通しとアヴィスのような精神に強く関わる場所でないとできないものだけど今回はむりやりそれを起こしてみた。

正直なところ完全な賭けだ。相手は確立した自我を持っていない、目覚めかけているその自我もとても弱弱しい。そしてここはおそらく精神体でしか来られない場所なんだろう。

アリスではなく俺がここに来たことからも予想はできる。ならばそんな場所でも姿を持たないほど存在が希薄なこいつとなら記憶の共有をおこなっても互いの精神に悪影響が出る可能性は少ないだろう。

あの女性はおそらくだが、ここにあった鎧を所持する組織の人だろう。そして俺たちはそこに迷い込んでしまった。考えられるその後は女性がアリスを捕まえるという図。

もしかしたら、アリスを拘束するために攻撃する可能性だってある。ならば俺は何が何でもあそこに帰らなければいけない。

今は試せることなら何でも試すしかない。

そう決意し行動に移す。

 

 

『おまえの罪それは―――』

『ふむふむ いっくんはちゃんとちーちゃんの所に行ったみたいだね』

 

『俺は…今でもあなたの従者でありたい―…!』

『むふー!やっぱりいっくんは凄いね!さすがの束さんも初期設定であそこまで戦うなんて驚きだよ!』

 

『アリスはアリスのままでいいんだよ…!』

『君は束さんの道具なんだよ。命令だけを聞けばいいんだよ』

 

『続きはまた今度だ!オズ!』

『君はいっくんの成長だけを見てくればいいんだよ』

 

『俺の手で壊してあげるから―――!』

『いっくんの周りはゴミが多いからなぁ近くにいる奴は殺しても平気だよ』

 

『おまえを傷つけた腕だ!必要ない!』

『さぁさぁ 速くいっくんに壊されてきてよ』

 

『私の アリスの 愛しい黒ウサギ』

『もう君はいらない』

 

記憶の共有は無事に成功した。そして俺はこの存在を理解した。

ISという兵器の存在、本来は人がいなければ動くことができない、のにこいつにはそれが必要ない。

傍から見たらそれはすごいことなんだろう、だけどこいつには自我があった。

動くことはできる。けれどもそれは親がいなければ、見守り共に歩む人がいなければ成長できないということ。

こいつを作った人間から言われたことそれは【調べろという命令】それだけだった。

何も悪いことはしていなかった。ただ主人から下された命令を聞いていただけだった。しかも最後には死んで来いとまで言っている。

作った本人にもこれは予想外のことだったかもしれない、けれど知らなかったとはいえこいつの主人はもっとも無慈悲な命令を下した。

そして主人が知りたいことはもう伝えたようだ。役目を終えたこいつに残された道はもう残り少ない。

 

《……アゲル》

 

「え?」

 

《コノカラダ……キミニアゲル。キエルノハ…ワタシダケダカラ》

 

「でも!それだとお前は!」

 

《タイセツナヒトマモッテアゲテネ》

 

「っ!じゃぁ 殴ってやるよ!」

 

《エ?》

 

「おまえを産んだくせにこんな目に合わせた奴 俺が絶対に見つけて一発殴る!」

 

そう宣言すると闇だった空間は輝く草原へと変わったこの空間の主導権は変わって来ている証拠だ

 

《キレイ》

 

俺の精神世界(アヴィス)をみたこいつの感想は素直であり、心からの言葉に感じる。

そしてその言葉を言った瞬間、俺の目の前にあった気配は完全に消失した。

最後に見えた彼女は美しい笑顔だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

私は振り下ろされるサーベルを何もできずに待っている。抵抗の術を持ってない私にはそれしかできない。

 

「!?」

 

急に私の持つボールが消えた、それに反応にするように女の剣が止まったかと思えば女の体に突然パンチが入るが女はそれをすんでのところで後ろに跳び回避する。

 

「な!?あれは壊れたはず……!?」

 

なにが起こったのかと顔上げてみればボールの脇におかれた鎧が歪な音を立てながら女へと構えている。

 

「オズ…なのか?」

 

【!!!!!】

 

私が名を口にした途端鎧は認識できない叫びをあげたと思えば急にその姿が解け始める。女はそれを好機だと感じたのか僅かに見えるボールを突こうと剣を伸ばす。

しかし、それは悪手でしかなかった。サーベルがボールに届く前に溶けかけた体によって強引に弾かれてしまう

 

「こいつは!」

 

そしてそれは徐々に姿を露わにする。私が知っている姿よりもすこし違った形で。大きなぬいぐるみのようなだった姿は丸みを失いまるで平面が連なるように。触れば柔らかそうに見える体は逆に近づくものを拒むように冷たい鋼のような体へと。

まるでお茶会に行くために仕立てた立派な洋服は、敵から身を護るかのようにまとう鋼鉄の鎧のような姿に、

私は思わず笑いが込み上げる。レイシーが用意してくれた寂しさを紛らわせるための人形ではなく。ジャックの願いにアリスの想いによって破壊するための怪物となったチェインでもない。新たに彼が手に入れたのは守る力、大切なものを守り抜くための決意の力。

 

「フハハハハハハ!オズ!なんだその姿は!かっこいいな!」

 

私は笑いながらオズの元へ駆け寄る。それと同時にあまりの変化に戸惑っていた女が手を耳にあてたかと思ったら急に喋りだした。

 

「こちら織斑です。例の無人機が暴走を起こしたようです。いえ侵入者は少女が一人……念のため応援を…」

 

「オズ!」

「アリス!」

 

あの女がもう一度動くのならば困ったが動かないというならば好都合だ。私がオズへと手を伸ばせばオズも私に手を伸ばす。

今の私たちを結ぶ線はあまりにも細い。私たちが意思疎通できていたのは最後のときもう一人のアリスと契約した時の名残だろう。ならば私たちがすることはただ一つ、互いに伸ばした手をしっかり握り宣言する。

 

 

「「契約だ!」」

 

 

叫ぶと同時に細い糸のような感覚は鎖のように太いものへと変わりそして黒ウサギ(ビーラビット)の力が私の体を駆け巡る。

刹那、私の頭の中には大量の情報が流れ込んできた。

世界の常識を変えた兵器IS〔インフィニット・ストラトス〕その力を知って私は狂ったように笑う。

 

「フハハハハハハハハハ!退屈しなさそうな世界じゃないか!なぁオズ!」

 

―――――――――――そして私はあまりの情報の多さに意識を飛ばしてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「無人機に乗った……!?」

 

ありえない。そもそもあれの中身は解析しきれない精密機械で埋め尽くされていたはずだ。人が入るスペースなんてないし変形の機能も存在しない。

ならば私の目の前で笑う少女はいったい何者だろうか……

 

「フハハハハハハハハハ!退屈しなさそうな世界じゃないか!なぁオズ!」

 

そう叫んだ少女は次の瞬間にはぐったりと意識をなくしていた。

私が注意して近づけば少女は意識をなくしたように見えるが手に持った大鎌を油断なく構えだす

 

「……貴様がオズか?」

 

「…アリスをどうするつもり?」

 

驚いた。私自身馬鹿な事をしていると自覚しながらISに話しかければ返事が返ってきた。

 

「どうするかだと?拘束させてもらうに決まっている。人様の土地に勝手に侵入したあげく、人が乗れないはずの無人機に乗り貴重なISコアを奪おうとしてるんだからな」

 

「拘束じゃなくて保護することはできないかな。こっちにも変わった事情とかあるしこの無人機を作った人の情報を提供することもできるよ。君たちも気になるんじゃないかな無人機の姿が急に変化したこととか色んなことが」

 

………いったいなんなんだこのISはまるで人間と駆け引きをしているような錯覚に陥る。

 

『織斑先生』

 

悩んでいると突然装着していた通信機から連絡が入る。この声は……生徒会長か?

 

『途中からではありますが映像が回復したのでそちらの状況もある程度分かっています。戦闘は極力避けましょう。あのISはさきほどまでの無人機と一緒にしては危険でしょうからね』

 

「了解だ。オズといったな!わかった。拘束ではなく保護にしよう今のうちに言っておきたいことはあるか?」

 

「それじゃぁまずは俺とアリス、この子を離れさせることはしないこと。話をするのは最低限の人たちがいいかな、大人数に話すことでもないし。アリスは難しい話は苦手だからね、詳しい話は俺がするからその間にアリスに食事が欲しいかな」

 

『OKです。その条件ならすぐにでも話ができます』

 

通信を聞き私は構えていたサーベルを戻し手を離す。それを了解と認識したのかオズも大鎌の構えを解く

 

「いいだろう。食事はもう少し時間がかかるがその少女のために部屋を用意しよう」

 

その言葉を聞いて安心したのか大鎌を消しこちらに近づいてくる。それを確認して私は山田先生と生徒会長と合流するために歩き出す。授業のためにISを台車に乗せ運んだことはあるがさすがに自立させたことはない。脇を進むISが警戒を完全に解いていないということもあり

なかなか一息つくことができない。

 

「……はぁ 今日は長くなりそうだ」

 

なにか趣味でも作って息抜きをしなければ胃に穴でも開くかもしれない。

 




記憶の共有なんかは完全な独自解釈
千冬さんと普通に話せる理由はご都合主義です。
アヴィスパワーで言語の壁なんか無くなってるんだよ。きっと


記憶の共有部分のオズの記憶は適当に単行本とって開いて
あ!この話か。じゃぁこのセリフで
って感じで集めた実際のセリフです。最初と最後以外はそうやって決めました
このセリフがいつだれのものか当てられたら君も立派なPandoraHeartsファンだ!
まぁ私の印象に残ったセリフ(人気のシーン)からなんでわかりやすいと思います。


結構行き当たりばったりでこの小説は書いています。
ノリと勢いと愛で書いてます。
無人機の精神世界とかは書き始めたあたりでパッと思いついたから入れました。(本当なら即行でISを掌握する予定だった)
よくIS小説を読んでいると白式やオリジナルISの精神世界はよく見るけれど無人機は全然焦点が当たらないよね。
かませ的存在だからしょうがないけどたまには救いがあってもいいんじゃないかな!
ちなみに最後に彼女と描写した理由は

ISは女性にしか動かせない

無人機は人間を必要としないIS

人に代わる部分が存在する?

それを自我にしたらどうだろう

なら性別は女性だろうなぁ

という理由です。単純だね!

無人機が箒を攻撃した理由については束さんも専用機を持たない箒があんな無茶をするなんて考えなかった。または千冬が止めると考えていたから
特に指定せず一夏の成長を確認を一番についでに邪魔する女の掃除を命令したという設定です

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