Infinite Pandora   作:曾羅

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決着

「ああああああっ!!!」

 

「な、なんだ!?」

 

試合に向けてピットで待機してた俺とシャルは画面に移され突然叫びだしたラウラの変化に驚いていた。

 

「あれはオズ君と同じ……?」

 

放電を始めるラウラのシュヴァルツェア・レーゲンはその輪郭を一瞬歪めると叫ぶラウラを巻き込みながらドロドロに溶けていった。

 

「大丈夫なのか?あれ……」

 

「アリスちゃん…」

 

ラウラの全身を巻き込んだシュヴァルツェア・レーゲンは地面へと堕ちながらその姿を変化していった。

その姿は、

 

「……千冬姉?」

 

「あれはもしかしたらVTシステム?」

 

「な、なんでそれが千冬姉の姿になるんだ?」

 

ラウラの身に起きている事象に心当たりがあるのか呟いたシャルに俺は詰め寄る。

 

「お、落ち着いて一夏!僕も詳しくは知らないけど、条約で研究から使用まですべて禁止されてるもので、過去のモンド・クロッソの部門受賞者(ヴァルキリー)の動きをトレースするシステムらしいんだ」

 

「トレースって…」

 

シャルが話を終えると同時に千冬姉の姿をしたラウラはその手に<<雪片>>に似た漆黒の剣を持って動揺したが即座に立て直したアリスちゃんへと突進を始めた。

懐へと飛び込んだISは刀に見立てて中腰に引いて構えた剣を居合いのように放つ一閃。今までの動きとは180度違う攻撃方法。アリスちゃんは驚愕の顔浮かべると同時に突然脇から鎖を飛ばし剣筋を逸らし大鎌を大振りで振るい黒いISから距離を取った。

 

「今の一撃は…千冬姉の!」

 

「一夏!?」

 

今の一撃は、あの太刀筋は千冬姉のものだ!たまらず俺は白式を展開しピットから飛び立った。

後ろでシャルが止める声が聞こえるが俺は止まらない。姉の動きをあいつは奪ったあいつに一発入れないと気が済まなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――今の一撃は危なかった。

警戒を怠ったつもりはなかった。たしかに奴の突然の変化に戸惑い動きが疎かになった。しかしそれは一瞬だった。それでも奴はその隙を突き懐に飛び込んできた。

オズが牽制を入れてくれなければ危なかった。

 

「なかなか面白い作戦だな!」

 

「いや、あんなのは知らん!大丈夫か!!」

 

「試合の相手の心配とは面白い奴だな!気に入ったぞ!!」

 

「うおおおおおぉ!」

 

奴とコンビを組んでいた娘と話をしていると後ろから白いISが飛んで奴へと一撃を加えようと剣を振り上げたが、奴はその一撃を小さく横に避けると白い奴に蹴りを入れこちらへと飛ばしてきた

 

『オズ!あいつ邪魔だ!捕まえろ!』

 

『オッケー』

 

オズに命令すると瞬時に鎖が飛んで行って白い奴を雁字搦めにした。すると…

 

「おい!何をするんだ!これを解きやがれ!」

 

「それはこっちのセリフだ。今は私の試合だ邪魔をするな」

 

「あいつは千冬姉の動きを盗んだんだ!俺がぶっ飛ばさないと!!」

 

「知るか!おい、女!そこの白いのどっかに捨てて来い」

 

「わ、私の事か?私は箒だ。篠ノ之箒。それと一夏お前もなんで来たんだ」

 

「あいつの動きは千冬姉のだ!」

 

「…千冬さんが何も言わない以上一夏が来るのは筋違いだ」

 

「何を言ってるんだ!箒!俺は千冬姉のおt」

『織斑!今は試合中だ!乱入は許さん。すぐにピットに戻れ!』

 

「だ。そうだぞ」

 

「そ、そんな…」

 

 

 

 

 

「い、いいんですか!?このまま試合を続行しても!?」

 

「万が一があればすぐに生徒会長と警備の人が出られるように準備は済んでいる。それに、あんな模倣に負けるようではベザリウス達を取り巻くこれからの対処ができないだろう」

 

「ふむ、確かにオズたちは希少な存在だ。条約を無視しても手に入れようとする国は出るだろうからな」

 

「えぇ、それに今の一撃。私をまねているようですが機体と搭乗者の限界が見えます。私の本来の動きの半分程度の能力しかコピーできていないから平気でしょう」

 

 

 

 

 

「お、落ち着いて一夏。織斑先生も何か考えがあるんだよ。今はアリスちゃんたちに任せよう」

 

ぎゃぁぎゃぁと喚く白をシャルロットが回収に来る。

放送を聞いてショックなのか静かに戻って行く白。それを見送ると黒に向きあい大鎌を構えなおす。

 

「とんだ邪魔が入ったが、仕切り直しだ!」

 

大鎌を構えながら奴へと向かう。それに反応するかのように奴もこちらへと向かってくる。

タイミングを合わせるかのように振った大鎌だが、奴は即座に剣で受け流すが、無理矢理奴をガードごと吹き飛ばす。

この一撃皮切りに何度も斬り合いを行う。

こちらの鎖と大鎌を組み合わせた攻撃に奴は素早く回避し剣一本で打ち合う。

が、それも限界が来た。

 

「…こいつ」

 

『学習してるね。アリスの動きを覚えてこっちの隙を確実についてきてる』

 

徐々にこちらが斬られる回数が増えてくる。

このままでは私は負けてしまう。

負けるつもりは毛頭ないがこのままは危険すぎる。どうすべきか悩んでいるとその隙を見切ったのか奴が懐に入って最初に放った一閃をもう一度放とうと構える。

―――これはさすがに無理か

 

 

 

 

 

アリスの動きが一瞬止まった。その隙を黒いISは見逃さずに鎖の牽制を無理矢理突破して懐へと飛び込んできた。

間に合わない。

このままじゃアリスへの一撃が決まってしまう。

黒いISはチャンスと言わんばかりにこの攻撃を生かすだろう。

アリスが負ける。

負けるということは俺は嫌いじゃない。だって大事なのはそれからどうするかだから。

でも、今は駄目だ。

世界から注目されるこの試合。これに負ければこの先面倒事は増えるだろう。そうなってはアリスの機嫌が悪くなる。

この試合は勝たないといけない。

ならばどうする?

アリスは動けない。箒ちゃんは今の自分では足手まといだとわかっているのか後ろで待機している。

ならば俺がやるしかない!俺がアリスを助ける!

 

―――単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)双子の黒ウサギ(ツイン・ビーラビット)―――

 

 

 

 

 

アリスのお腹へと吸い込まれる刃をその場にいた全員が決まったと確信した。

しかし、その思いは予想外の結果で返される。

最初の変化は顔だった。

――ISである黒ウサギ(ビーラビット)は従来のISとは大きく違うものがある。それは装甲範囲。従来のISは手足と顔に装甲があり、そこからISごとに装甲が増えていく仕組みであり、ISの正面からは肩や太股といった生身の体が見える作りになっている。しかし黒ウサギ(ビーラビット)は生身で見えるのは顔だけだった。それは搭乗者であるアリスをぬいぐるみのモチーフにした装甲が覆っているからだった。――

見えていた顔はまるで開いていた顔が閉じるかのように全身覆う黒い装甲が隠してしまった。

そのままアリスはまるで卵の白身から黄身を取り出すかのように背中から静かに現れた。

その装甲は薄いの一言だった。

まるで本物の服のようにアリスの体を薄い装甲を纏っていた。

よく見ればその装甲は先ほどまで黒ウサギ(ビーラビット)がマント型装甲の下につけていたものをアリスのサイズに合わせたような代物だった。

突如とした変化に周囲の人間の反応は様々だったがほとんどが敗北を悟ったアリスが脱出したのかという考えだった。

しかし、搭乗者を失ったISは静かに黒いISの一撃を受けそのまま吹き飛ばされる。ということはなく受けた体制のまま黒いISへと一撃パンチを入れた。

完全に攻撃が決まったと黒いISも油断したのだろうか突然の攻撃になすすべもなくあっけなく吹き飛ばされた。

 

「…オズ!」

 

「アリス!これからが本番だよ!」

 

即座に体勢を直したISはオズを無視しアリスへと突撃を仕掛けるがオズはそれを5本の鎖を用いて邪魔をする。

上下左右から飛んでくる鎖に後退をするISにアリスが手に持った大鎌を全力で振るう。

オズを攻撃しようとすればアリスが、アリスを攻撃しようとすればオズが互いが互いを護るように攻撃を行う。

 

 

 

 

「どうやら勝負はついたようだな」

 

「あれは単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)でしょうか」

 

「あの二人らしい能力じゃないか」

 

 

「アリスちゃん…」

 

「すげぇ…」

 

「さすがはオズ様ですね」

 

 

 

 

 

二人のカウンターを受け黒いISはまさに満身創痍といった動きを見せる。

そこに渾身の力を込めた一撃を振るう二人が突撃をするが、黒いISはこれまでの攻撃のせいか対処することができない。

 

「これで終わりだよ!」

 

「さぁ懺悔の時間だ!」

 

黒いISへと攻撃をする二人は当たった瞬間不思議な光景を目にした。

輝く草原。

 

「ここは…アヴィスか?」

 

「じゃなくて、ISのコアの方だね」

 

見覚えがあったアリスは思わずつぶやくがいつの間にか隣に立っていた少年の姿をしたオズが否定した。

二人がなぜこんなところにと疑問に思っていると

 

「全力を出せと言ったがこんなの私の力じゃない!今すぐ止めろ!」

 

「………」

 

銀髪の少女、ラウラ・ボーデヴィッヒが黒い靄のようなものへと強い口調で命令をしていた。

 

「ふざけるなよ…こんなもの私の力では…」

 

「おい、黒!なにをしている」

 

「!?。お前たちは…」

 

アリスたちに気づいた様子がない様子のラウラに声をかけるとこちらに気づいたがすぐに顔を俯かせてしまう。

 

「す、すまない。こんな試合になってしまって…」

 

「何を言っている。楽しい試合だぞ」

 

「は?だ、だがこれは私の力じゃない。私はこんな物知らない。私は強くなりたいのに…」

 

「貴様は十分に強いだろう。他の奴等より十分に強いぞ。私たちはそれ以上に強い。ただそれだけだ」

 

「それじゃぁ足りないんだ!誰にも負けない力がないと私はまたあの闇の中に…皆に認められない!」

 

兵士としての成績、強さ。それだけで評価を受け続けたラウラにとって強くなるということ、それ自体に魅力を感じないわけではない。しかし彼女の根底にあったのは再び見捨てられたくない。

ただそれだけの幼い感情だった。一度味わった地獄。それが彼女を余計に孤独への恐怖を煽った。

 

「私は…私は強くならないと認められない!もうあの暗闇は嫌だ!」

 

 

「ねぇ。本当にそれだけなの?」

 

「な…に?」

 

「君が君だってことを証明するものは本当にそれだけなの?あなたを慕ってくれる人はいないの?」

 

「そ、それは…」

 

ラウラを慕う者。そういって思い浮かぶのは自分が隊長を勤める「黒ウサギ隊」の面々。

ドイツ最強の部隊である彼女たちは必要もないのに誇りだと言って全員が眼帯を着けている。

日本へ向かうことが決まっても皆笑顔で送り出してくれた。今も通信を行う彼女たち

 

「今誰かのことを考えたでしょ。彼女たちは君の強さだけについてくる人なの?」

 

『隊長!私はなにがあっても隊長についていきます!』

『隊長が私たちの誇りそのものです!』

 

そんなことはない。彼女たちの目に私の強さなど露も映ってはいなかった。

 

「おまえ達は…強いんだな…本当に…強い」

 

自分を肯定する存在を思い出したラウラは微笑みながらも消えていく。

それに合わせてオズとアリスも現実世界へと帰ってくる。

そして、二人の攻撃が黒いISへと届くと同時に黒いISは全身にヒビを走らせボロボロと崩れながら中のラウラと共に地面へと堕ちていった。

 

 

 

 

『試合終了!勝者 アリス=ベザリウス&オズ=ベザリウス!』

 

「待機中の教師の方々はボーデヴィッヒさんを保護した後に戻ってください」

 

試合終了後ラウラはすぐに飛んできた教師たちに保護されていった。

幸いISの絶対防御が働いたのかラウラは無事だったがVTシステムの影響を考え保健室へと運ばれていった

 

「…」

 

「大丈夫かな?」

 

「そんなのは知らん。だが、奴には奴の大切なものがわかったんだろう。ならば大丈夫だろ」

 

「後でお見舞いに行かないとね」

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「ふーん。あの子結構やるねぇ。それにあのIS気になるなぁ」

 

「あの子に手を出したら許さないわよ」

 

「わかってるよあーちゃんは怖いねぇ」

 

「それにしても元気そうね。あの子、まだ会いに行けないの?」

 

「もうすぐ臨海学校があるからそのころにはあーちゃんの機体も準備ができるよ」

 

「そう、それは楽しみね。ねぇ。チェシャ…」

 

「ニャー」

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

トーナメントから数日。人の口に戸を立てることはできない。

ドイツがIS条約に違反した行為を行った。

このことはネットを中心に爆発的に広がった。

 

「おい。見ろよこのニュース。一夏の奴大丈夫か?」

 

「一夏?あぁ確か男性初のIS搭乗者という奴か」

 

「そうそう。で、俺の親友!」

 

「そもそもそのニュースは本当なのか?」

 

「結構信憑性は高いみたいだぜ。画像もでてるし、ほれ」

 

「!?こ、このウサギは!」

 

「そっち!?いや、まぁ確かに相手の奴も随分とメルヘンだが…」

 

(まさかベザリウスか?まさかあいつもここにいるのか?)

 

「……ぃ…おーい、あの、エリオットさん?」

 

「ん?どうしたんだ?突然」

 

「いきなり無視したのはそっちじゃん…このウサギが気になるんなら一夏に聞いてやろうか?」

 

「いいのか?なら頼む」

 

「へいへい。貴族様からの頼みだ立派に果たしてやるよ」

 

「…昔の話だ。今の俺はただの高校生のエリオット=ナイトレイだ」

 

(ナイトレイが貴族と呼ばれる地位にいたのは俺が生まれるずっと昔の話だ。けれど、もしベザリウスもここにいるならもう一度、別の世界だとしても両家を始めるのも悪くないか…)




やけになってキャラを出すことを決意(やる気を出すための発破素材)
エリオット君だしますけど立場が一般枠なのであんまり出番はないです。
それと名前は出してないけど猫とあの子も出します
一体何スなんだろうね?
さて…これからどうしよう…



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
おまけ、という名の遅れた理由を小説にしてみる

「俺は手札から魔法カード『クレジット支払い』を発動!
フィールドに『日本銀行券 福沢諭吉』を特殊召喚!
さらに『日本銀行券 福沢諭吉』を生贄に『Google Play Ten thousand』を召喚!
フィールドに『Fate/GO』が存在するとき『Google Play Ten thousand』を墓地に送ることで『聖晶石』をレベル140で召喚!
そして…俺は魔法カード『連続召喚』を発動!
聖晶石をレベルに応じた回数だけ俺は…聖晶石召喚を行う!
頼む…来てくれ…玉藻の前!」



やめて!Fate/GOの連続召喚で、召喚した英霊が☆3ばかりだと、ただでさえお金のない曾羅の精神は転身火生三昧されちゃう!
お願い、死なないで曾羅!あんたが今ここで倒れたら、来月のクレジットの支払いはどうなっちゃうの? お金はもう残ってない!ここで玉藻の前を出せば、曾羅の精神はなんとか耐えられるんだから!

次回「我こそは玉藻ナインの一角!」。デュエルスタンバイ!





はい 30連引いて金枠はタマモキャットだけでした(ゝω・)
さっさとよるのないくにトロコンして売って課金に回すか……

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